森男の活動報告綴

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SU85 中期生産型 ミニアート 1/35 その2・完(SU85 Mod1943 midproduction  MiniArt 1/35 part2)

2020年10月18日 | AFVの模型
というわけでSU85の2回目です。今回は車内とかフィギュアについて書きます。

「フルインテリアキット」と銘打っているだけあって、車内の再現は半端ないいです。
天井パーツと車体との合いはとてもよいので、接着せずに完成後も中を見れるようにしました。

車内には双眼鏡やウォッカの瓶(笑)などの小物を置きます。そうすると、人がいなくても「ここに人が乗るのだな」と見る人がイメージしやすくなるんじゃないかと思うんですがどんなもんでしょう(弱気)。信号拳銃と双眼鏡はミニアート、MP40はタミヤ小火器セットから。このMP40はほんと傑作ですね。
砲尾は、錆色じゃなくて銀でハゲチョロにします。大砲って高品質の金属(鉄かな?合金?よくわかんないです)なので簡単には錆びないと思うんですね。閉鎖器もピカピカにします。ここはメタルカラーで、綿棒で磨いています。細かいことですが、そうすると他の汚れた感じの中でアクセントになってくれます。

車内の後ろ側。砲弾がギッチリ入ってます。で、立てている砲弾はラックも固定ベルトもありません。説明書でも立てるだけの指示があるのみ。まあ、ほんとは多分何らかの固定器具があると思うんですが、、。例によってよくわからないのでそのままにしてます。左にあるコップにウオッカが入ってるの分かりますかね?確かリキテックスのメディウムだったかな?こういうちまちましたことするの楽しいです(笑)
それにしても、戦車(これは自走砲ですが)の中って狭いですねえ。作ってるうちに、段々気持ちが入り込んで車内にいることを想像するようになっていきます。これはちょっと他にはない面白い感覚です。

こういう車両に乗って戦争するのはほんと怖いですねえ、、。車内はずっとオイルとか燃料の臭いが充満してて、発砲したら馬鹿でかい砲尾がドッカン!と大音響と共に後退、火薬ガスがブワッと車内に充満。熱々の薬莢がドーンと飛び出てくるわけです(擬音が稚拙だ、、)。しかもほとんど外が見えず、いつ敵弾が飛び込んでくるかもわからない、、。装甲的にⅣ号やPAK40に狙われたらアウトだし、、。いやー、戦車に来られるほうも嫌ですけど戦車に乗っていくほうも嫌ですねえ、、。

で、SU85は前期型はベンチレーターが天井に付いてるんですけど、この中期型では無くなっています。どこかに移設されたのかな?と思ったのですがそれらしい部品はありません。ま、まさかベンチレーターが付いてなかったんでしょうか?火薬ガスって有毒で吸いすぎたら気絶するそうですね。でも「人権?なにそれおいしいの?」のスターリンおじさんのソ連だから、あり得るか、、。

これは車体上部を張り合わせる前の写真。機関部です。
燃料タンク、トランスミッション部ともどもとてもよくできています。車体上部を被せると、ほとんど見えなくなってしまうのが残念。

全体はこんな感じ。こうやって見るとかなりタイトな設計であることがわかりますね。斜めになってる箱状のものは青いのがサスペンション、茶色いのが燃料タンクです。
車内の色は、クレオスのミディアムブルーそのまま。ほんとはもうちょっとグレーっぽいです。でも、あえてミディアムブルーでいきました。前回も書きましたが、私は割とその辺は適当にやってます。厳密にやるよりは、作例として簡単・簡便なほうがいいかなあ、と。

とはいえ、考証とかをおろそかにしてるわけではありません。スケールモデリングにとって、考証はとても大切だと思ってます。前回のエントリーを読んでちょっと言葉足らずかな?と思ったのでもうちょっとその辺について思うところを書いてみます。

例えば私は日本本土決戦のジオラマを作ってます。これはもう完全にウソの架空のシチュエーションです。でも、ウソだからといって好き勝手にやると、とたんにウソ臭くなります。「この時期にはこういう装備があった」「こういう技術はなかった」「当時の日本の家庭にはこれがあった」などといったホントを知らないとウソはつけないんですね。

結局のところ「手段と目的」の話だと思うんですね。模型を作る人の動機は人さまざまで「きちんと考証したタイガーを模型で再現したい」という人もいれば「俺がカッコイイと思う俺タイガーを作りたい」という人もいるわけです。この時点で考証が「手段」なのか「目的」なのかがすでに分かれています。前者にとって考証は「目的」で後者は「手段」なんですよね。もちろん、どっちがいいとか悪いとかいう話ではありません。だって「目的」が違う訳ですからね。

そして後者の「手段」は人によって濃度が違います。考証寄りの人もいれば、ほとんど考証せず、好きに作る人もいるでしょう。なので人によって「目的と結果」は違います。人の作ったものを自分の「目的」を物差しにして評価することはできないし、意味がありません。ただ、スケール模型限定のコンテストなど、レギュレーションがある場合はもちろん別です。「それはそれ、これはこれ!」(by炎尾燃)なんですね。

で、これは大事なことなんですが、考証をするのってほんとに大変です。そういう研究をされている方に対する敬意は絶対に忘れてはいけません。考証って、もの凄い労力が必要です。知識もお金も時間もかかります。むしろ、私みたいに好き勝手にやってる人間はそういう方たちの努力のおいしいところの上澄みだけをいただいているわけです。そういう意職は常に持っておかんとあかん、と思います。

よくないなあ、と思うのは知識がないことやそれを得ることを怠っている言い訳として「考証なんて馬鹿馬鹿しいから好きにやろうぜ」みたいなスタンスをとることなんですね。そういうのはやっぱちょっと恥ずかしいですし、そういうスタンスだとまあ多分いいものはできないんじゃないかなあと。

この辺はスケールモデルに限らず、キャラクターモデルでも同じでしょうね。アニメでも漫画でも、やはり設定はあるわけですから。詳しい人がみて「あ、これはあれのそれをああ解釈してアレンジしてるのか。やるなあ」と分かってもらえるような、そして詳しくない人がみても「カッコいいなあ!凄いなあ!」と思ってもらえるようなものが理想ですよね。よって、日々これ精進・勉強であります、、って「お前に言われたくない」って感じですかそうですか。

すいません、なんかかなり偉そうなことを書いてしまいました。でも、ほんとそう思うんですよね。ウソをつくのって簡単そうで大変なんですよ実は。って、そもそもウソをつく必要もないのですが(笑)でも、ウソをつくのは楽しいんですよねえ、、(コラ)。

閑話休題。砲弾ケースは、全部弾を入れると苦労が分からなくなる(笑)のでちょっとだけにしてます。
とはいえ、車体上部を接着するとほとんど見えなくなっちゃうんですけどね。

戦車の車内はほんと汚かったでしょうね。暗いから汚れも気にならないし、そもそも掃除しずらいし、泥靴で出たり入ったりするので床も土だらけでしょう。そんなつもりでウェザリングしてやるとよいと思います。
イメージとしては、バンカラな学校の男子寮みたいな(笑)なのでもうちょっと汚してもよかったかなあ、と思いましたがグッとこらえました(笑)

砲弾の数はとにかく多くて、塗装も大変です。使わないうちに固まってしまった木粉粘土にぷすぷすと刺して薬莢部を塗ります。こうするとやりやすいです。
塗料はクレオスのゴールド。この塗料は伸びも発色もいいですね。

これだけの弾が車内に入ってるわけです。48発。塗ってるときは多いなあ、、と思いましたが戦場に行くつもりになると、ちょっと少ないかもですね。さっき調べたら、ヤクパンも57-60発とそんなに多くなかったです。まあ、こういう形状の車両はそれくらいが限度なんでしょうね。

工具箱や缶、油さし、ハンマーなどはタミヤのドイツ戦車兵エンジン整備セットから。ドイツ戦車用の専用工具なのでSUには使えないかもですが、まあいいか、と(笑)

戦車帽はフィギュア(後述)の付属品。ハッチの裏側はほんとは車体色かなと思うんですけど、キットの指示どおり白で塗ってます。
でも、模型的にはアクセントになるので白とかのほうがいいかなあ、とも思います。あと、先に書いたように天井は接着してません。置いているだけです。でも分からないでしょう?大したものです。

この写真は別のジオラマベースで撮ったもの。PPshはミニアート製。これまたよくできてます。バレルジャケットの穴の奥のバレルを表現するために、円筒状にモールドされてるのがわかりますかね?凄いなあ、、。
塗装は、クレオスのウッドブラウンを塗ってから、油彩のバーントアンバーで木目を表現しています。失敗してもいくらでもやり直しができるのでよいです。やり直しのきく人生ってすばらちい、、。でも、納得できなくていつまでたっても終わらないという。やり直しがききすぎる人生はそれはそれで大変っす(笑) 乾燥後、角をスチールウールや番手の細かいペーパーでこすって下地を出してやると、使い込んだ感じになります。

これまた別カット。六四式は当然ファインモールド製。これも傑作ですねえ、、、。二十六年式はミニアートのナガンを改造。ライカはスクラッチ。
SUと関係なくなってきましたね(笑)。すいません。

でももう一枚(笑)机と椅子は杉の薄い板で作りました。引き出しは可動します。九四式もスクラッチ。うーん、まとまりのない組み合わせですが楽しい(笑)
机も椅子もバーントアンバーで塗装してます。いやほんと、もうバーントアンバーなしでは模型作れんですね私。この机と椅子は別のジオラマで使いました。どーでもいーんですが、この机は今私が模型製作で使ってるのを参考にしてます。いわゆる昭和アンティークですね。カオス状態なので、ほぼ外見は見えなくなってますが(笑)

子豚ちゃんはタミヤ動物セットから。とてもよくできてるんですけど、もっと可愛くしたかったので(笑)潰れ気味の瞳をエポパテでディテールアップしてます。


尻尾が可愛いすぎ。キュートです。

この車両のマスコットという設定。豚饅の551号なので(笑) あれ美味いっすよねえ。また食べたいな、、。

動物セットはとてもいい傑作キットですね。箱絵もなんとなくほんわかしてて楽しい。で、英語では「ライブストック」セットなんですね。家畜セット(笑)
で、このセットは非常に残念で致命的な欠点があります。猫ちゃんが入ってないのです!!(笑) タミヤに限らず、どのメーカーさんでも猫セット出したら売れると思うんすけどね、、。セットにせずとも、例えば何かのキットのおまけに可愛い猫ちゃんを入れると、多分ちょっと売り上げが伸びるんじゃないかなあと。タミヤの砲弾搭載セット、あれも猫が入ってますがそのおかげで意外と売れたんじゃないかと睨んでるんですが。実際、私も猫ほしさだけで買いましたしねえ、、。各メーカーさん、ご検討を。責任はもちろんとりませんが(笑)。

フィギュアはヨッシーのレジン製。これ、ほんと大傑作ですね。私の中ではずっと女性兵士フィギュアのナンバーワンです。オリジナルでは手に戦車帽を持ってます。写真ではちらっとしか見えてないのですが、ホルスターはトカレフからドラゴンのPPK用に変えてます。

いやー、造型といいポーズといい表情といい、ほんと素晴らしいフィギュアです。完璧でございます。
残念ながら今は絶版のようです。再生産してほしいですねえ、、。でも私はもちろん新品をいっこ確保しております(笑)

塗装は、ラッカー下地に、タミヤエナメルでブレンディング。とはいってもうっすらとやったくらい。あんまりこってりすると、顔の感じが変わりそうで嫌だったんですね(笑)
ズボンやブーツの塗装は、油彩で仕上げてます。油彩は服の塗装にもほんと向いています。

後姿もステキ。ズボンの皺の造型とか、ほんとスゲーです。
腕の包帯は別にする必要なかったんですけどね。でもまあ、戦闘を経てきたという表現になるかなあ、と。あと、大昔のモデグラのリーザの作例にインスパイアされてます。リーザは、鳥山明氏が描いたドイツ軍の女性兵士をプラキット化したものです。開発・発売は無限軌道の会。その作例を鳥山氏自ら製作して、製作中に付いた傷を誤魔化すために包帯を巻いてたんですね。なんか、それを思い出してそうしました、、って、一部のコアなオッサン以外はなんじゃそら、ですね(笑)

あまり知られてないかもですが、鳥山氏の作る模型はメチャ凄いです。リーザの作例とは別に、一度モデグラで作品が紹介されたことがあるのですが、子供心にびっくりしましたね。ミニクーパーとスーパー7の仕上げの塗装の感じが実に素晴らしく、感嘆しました。印象としては当時でも一線を画してましたね。もっと作品を見てみたいんですけどねえ、、。模型誌で特集とかしてくれないかな、、。

というわけでお終いです。前回も書きましたけど、とてもいいキットです。なんといいますか、作ってて楽しいんですよね。そういう気持ちにさせてくれるかどうかって、ほんと大事なんですけど、なかなか出来ることではありません。

もちろん、まあサクサク組みあがるような感じではなく製作中は「うう、めんどくせえ、、」「てめぇ、この野郎、、。もっと省略せえや、、」などと何度も悪態をついてしまうキットではあります(笑)。しかし、それでも途中で止める気にはならないんですよね(まあ、仕事なので止めたらアカンのですが)。作っててとても楽しいんですよ、いやほんと。そして完成したときの満足感・達成感はかなりのものです。「ああ、これ作った俺凄い!」となります(笑)なんだかんだ書きましたが、結局は「とてもお薦め」ということです。ぜひ挑戦してみて下さい。

ミニアートはウクライナのメーカーなのでどうしてもソ連系の車両が多いんですけど、個人的にはこのレベルでイタリアのセモベンテとかL6とか作ってくれたら嬉しいんですけどねえ、、。日本の戦車も欲しいですけど、さすがに無理かな?(笑)

それでは。
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