~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

書のチカラ

2013-01-25 22:17:30 | 日記
今日は、作業所で2回目の「書」のワークショップをしました。

大きな筆で、大きな和紙に思い切り書くと、内なるものが

ほぐれてくるのでしょうか…

前回、秘めたる力を出して私たちを驚かせてくれたM子さんは、

「今日は「書」だよ」と言うと、素敵な笑顔を見せてくれました。

言葉には出ないけれど、楽しみにしている気持が真っ直ぐに

伝わってきました。

そのM子さんが、大きな筆を持っていきなり「生」という字を

書いたのです。

「生」がM子さんから出て来たことに、びっくりしました。

言葉を交わし合うということが難しいM子さんだけれど、

深いものを持っている気がしました。

M子さんの「生」を見て、隣にいたSさんが「命」を書いた

のです。

でも、まだまだほぐれてなくて、遠慮したような「命」でした。

M子さんの前にいた人は、「死」という字を書きましたが

実に逞しい「死」で、こりゃあなかなか死なないな、という

「死」という字で、見ていると元気が出てきました。

Aさんは、足に筆を結わい付けて書きました。

味のある「木」が出来あがりました。

遠慮がちな「命」を書いていたMさんも、先生に助言で

どんどん大胆になっていき、最後は堂々とした「命」に

なりました。

そして、帰る時に大きな声で先生に「有り難うございました」

と、言ったのです。

Mさんの「有り難う」を私たちは一度も聞いたことが

なかったので、びっくりしてしまいました。

心が解放された顔をしていました。

又しても、感じた「書」のチカラでした。

そして、M子さんを見ていて、人の内なるものに目を

向けたら、障害者も健常者もないのかもしれないと思いました。

みんなが、晴れ晴れとした顔で帰って行ったのが忘れられません。

今日という日に乾杯!

今日という日に有難う!

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2 コメント

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Unknown (しもずる)
2013-02-01 21:44:30
先日は私にとってもとても貴重な時間を過ごすことができました。ありがとうございました。

去年の第1回目のときはお部屋に入った瞬間、皆さんが少し緊張されていた気がしたのですが、今回はみなさんとてもニコニコとされていて、とくにM子さんは既に筆を手に持ち「早く書きたいの!!」とアピール(笑)
純粋な心にこちらまで気持が和みます。

C.C.F.に伺うことで私自身も書の力を再確認でき、人間の持つ根源的な欲求の中には「創造の欲求」が確かに存在すると確信します。
綺麗な字を書けるMさんも最後には「めちゃくちゃでいいから思いきり書いて!」という私に素直に応じて頂き、感謝です。
Mさんの「死」は性根がすわっているな、と思いました。
Aさん、足が痛いにも関わらず、最後まで書きとおして下さいました。晴れやかな笑顔が素敵でしたね。

いつも美味しいお昼ご飯をありがというございます。
山崎さんのお漬物、美味しかったです。
つくねのお椀もとても美味しくて、ほんとはおかわりしたかった(^-^)さばのお寿司も帰ってまたすぐにぺろりと戴きました。
三浦大根、煮ものとカクテキにしました。

ステンシルのメモ帳には感激!!、思わず、母の心境になってしまいました。

みなさまにどうぞよろしくお伝えくださいね。








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本当に有難うございました (山 すなお)
2013-02-01 23:02:18
今週の木曜日の「書」は私がやってみましたが、やっぱり「書」に精進したしもずるさんがいないとダメだなーと、つくづく思いました。

でも、足にそう具付けて、坐ることが難しい人が、大きな字を書きたいと、下の坐って大きな大きな「空」を書いたのです。
筆も一番大きなのを選んで…
書き終わった後で、「気持ちよかったー」と何とも言えない笑顔で言ってくれました。

書き終わった後の皆さんのあの解き放たれた笑顔が、忘れられません。

ここは私に「書」のチカラを感じさせてくれる場です。
今日は、是非作品展をやろうという話になりました。
場所も決まって、後は書くのみです!

集中治療室にひと月近くも居たというMさんが、あんな逞しい、簡単には死なないぞという「死」を書いたのも心に残りました。

大きな声で「有り難うございました。」と言ったMさんですが、また有難うのハードルが出てきています「書」のチカラで、心を耕していけたらいいですねー。

みんな「書」が好きになったみたいです。
どうぞ、これからも宜しくお願いします!
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