~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

ブラウン管テレビ

2010-08-22 23:42:16 | 日記
ブラウン管テレビの寿命が来たのか、画面が緑と黄色の状態が
ずっと続いていました。
何度も復活したテレビなので、エールを送り直ることを期待して
ましたが、もう限界と今日主人とテレビを買いに行きました。
買った後でふと、「創(つくる)が観ていたテレビ」だもんね」という
言葉が漏れてしまいました。
3人とも、テレビが壊れても買い替えられなかったのは、その思いが
あったからなのに…
このテレビの前で、チャンネルの取りあいで兄弟げんかをしたり
ゲームをしたり、たくさんの思い出のあるテレビです。
創が倒れた時、私達は兄のこの姿を9歳の弟に見せられないと
思い、最初の日は会わせませんでした。
でも、もう難しいと分かった時、会わせないと後悔することになると
思い、「お兄ちゃんは、いつものお兄ちゃんじゃないから
驚かないでね」と言って集中治療室に連れていきました。
変わり果てた兄を見たあの子の口からでた言葉は、私達の予想も
しないものでした。
「お兄ちゃん!おれ一人でテレビ観るの嫌だよー!」と兄にしがみつく
ようにして泣きながら言ったのです。
そのテレビが壊れてしまったのです。
テレビの好きだった創の祭壇は、テレビの真正面の特等席にあります。
いつも私達家族がいる部屋です。
野球もアニメもお笑いも、いつも一緒に観ているような気持ちでいました。
だから、創が観ていたテレビが無くなるというのは、なんとも言えず
淋しいんです。
初女先生は、石でも机でもすべてにいのちがあると言われています。
兄弟喧嘩を見て来たテレビ、兄を亡くした淋しさをテレビで紛らわして
いた弟を見て来たテレビ…
テレビにもいのちがあるなら、私達の悲しみも乗り越えてきたものも
みんな知っているんですね。
愛すべきブラウン管テレビさん、さようなら 
そして、ありがとう 
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