<女性に力を>「あなたは一人じゃない」 フラワーデモから1年 きょう国際女性デー
東京新聞 2020年3月8日 07時03分
月に一度、花を持って街角に集まり、性暴力被害者の声に耳を傾ける「フラワーデモ」が始まってまもなく一年。相次いだ性暴力事件の無罪判決に怒った女性らが東京と大阪で始め、自主開催が各地へ広がった。国際女性デーの八日は、新型コロナウイルス対策のためネット中継なども駆使し、ほぼすべての都道府県で開かれる。沈黙を破った被害者の語りは、社会を少しずつだが確実に変えようとしている。 (出田阿生)
「あんなに大勢集まるとは」。デモ呼び掛け人で作家の北原みのりさんは、東京駅前に四百人以上が集まった昨年四月の第一回を振り返る。性暴力は被害者側の「落ち度」で「恥」だとする圧力があり、多くの人が被害を隠してきたからだ。
自発的にマイクを握り、震える声で話し始める人が次々現れた。参加者は花を手に静かに見守る。語り手が涙で言葉に詰まると「大丈夫だよ」と声が掛かる。不特定多数の人に見られる場なのに、安心感が漂う。ある参加者は「奇跡のような空間」と語った。
神奈川県の森澤法子さん(48)は、十四歳から高校時代まで父にレイプされ「誰かに話したら一家心中だ」と脅されていた。「自分の体を引き裂きたかった」
結婚、出産し、一時は落ち着いた。だが昨年三月、娘を中学生の時から性虐待してきた父親を無罪とする名古屋地裁岡崎支部判決が報じられると、長年抑えていた苦しみが噴き出した。
昨年八月、東京駅前のデモでマイクを握った。「本当は助けてほしかった」。十四歳の時に言えなかった言葉を初めて言えた。「膝がガクガク震えた。でもみなさん真剣に聞いてくれて、その気持ちが温かくて」
地元にも同じように苦しむ人がいるはずだ-。「あなたは一人じゃない、と伝えたい」。十二月から横浜市でデモを開催。男性や性的少数者の人も参加する。
群馬県高崎市でデモを開く田嶋みづきさん(33)は「実際の被害がどんなものか伝えることで、世の中を変えられる」と信じている。
その兆しはある。性暴力被害を訴え、刑事事件としては不起訴にされたジャーナリスト伊藤詩織さんが昨年十二月、民事訴訟で勝訴した。今年二月には福岡高裁が、泥酔させた女性への準強姦(ごうかん)罪に問われた男に、一審無罪を覆し有罪判決を言い渡した。
月一回の定期開催は今回が最後で、今後は各地がそれぞれのタイミングで開く。呼び掛け人の一人、編集者の松尾亜紀子さんは「全ての都道府県に広がった。このうねりは止まらないと思う」と話している。
<国際女性デー> 女性の政治的・社会的な自由と権利獲得を語り、行動する日。多くの国で記念行事が行われる。20世紀初めに北米や欧州で女性が選挙権や労働条件改善を求め声を上げたのが始まり。1975年に国連が3月8日と定めた。この日にイタリアで男性が女性へ贈る花の名前から「ミモザの日」とも。
(東京新聞)
昨年4月のスタートから回を重ねるごとに開催地が増えていったフラワーデモ=先月11日夜、東京駅前で(出田阿生撮影)
新型コロナ対策
免疫に関する専門家のビデオですので、傾聴する価値はあるのかと思い、ご紹介いたしました。
古賀チャンネル #012
「地球温暖化にも緊急の対策を」
ブリュッセル 4000人デモ行進
「しんぶん赤旗」2020年3月8日
ロイター通信によると、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(17)とともに約4000人が6日、ベルギーの首都ブリュッセルをデモ行進し、各国政府が新型コロナウイルス対策ほどの緊急性を持って地球温暖化に対応していないと抗議しました。
海洋生物学の学生アンダガさん(25)は「コロナウイルスを心配して何人かの友人は参加しなかった。私もその心配はあったが、行進への参加をやめるほどではなかった」と話しました。
映像作家のフロ氏は「各国政府は、コロナウイルスの状況が大変だとみんなに気付かせ、対策を取るよう行動している。ところが気候変動になると、ほとんど手をうっていない」と話しました。
トゥンベリさんは「気候と環境の非常事態が長く無視されてきたのは恥ずべきことだ。一度も危機のように扱われてこなかった危機のなかに私たちはいる」と訴え、気候変動対策の強化を訴えました。