里の家ファーム

すべて無農薬・無化学肥料、不耕起栽培の甘いミニトマトがメインです。完熟したミニトマトから作る無添加ジュースは逸品です。

子どもにだって<話したくないこと>がある

2017年08月31日 | うつ・ひきこもり

子どもの自殺が最も多い「9月1日」~子どもにだって<話したくないこと>がある

    ヘルスプレス - 2017年8月31日

    SEKAI NO OWARIの『プレゼント』を愛聴する娘の影響もあって、私もその歌詞をなんとなく覚えてしまった。

   相手のことがよくわからないから、嫌いだと思い込んでしまう。 周囲の人が嫌いと言うから、なんとなく自分も話を合わせてしまった。 一人になりたくないけど、どう表現していいのかわからない。 そんな自分が、自分でも嫌い......

 思春期の繊細な心の動きが表現された詩だ。

   大人にとっては些細な対人トラブルでも、思春期の子どもたちには人生を左右する重大な問題。ときには将来を絶望するほど、追いつめられるかもしれない。

   夏休みが終わって子どもたちが久しぶりに登校する9月1日。この日は、子どもの自殺者数が最も多い日だ。

   内閣府の2015年版「自殺対策白書」によると、1972年から2013年の累計で、18歳以下の自殺者数が最も多かった日は9月1日で131人。また、8月31日は92人で、9月2日は94人だった。「休み明けの直後は大きなプレッシャーや精神的動揺が生じやすい」と白書で指摘されている。

   楽しい夏休みの終わりに、子どもたちの自殺を防ぐために、私たち大人ができるのはどんなことだろうか。

夏休み明けに向けた<いじめ防止強化キャンペーン>

 文部科学省は「夏休み明けに向けた官民連携によるいじめ防止強化キャンペーン」を実施している。子どもからの相談を受け付ける民間企業やNPO法人などを以下で紹介している。

■夏休み明けに向けた官民連携によるいじめ防止強化キャンペーンhttp://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/29/08/__icsFiles/afieldfile/2017/08/14/1393634_001_1.pdf

   さらに、学校でいじめが原因とみられる子どもの自殺などが起きた際、現地に赴き、学校や教育委員会への指導のほか、遺族対応などを担う「いじめ・自殺等対策専門官」を文部科学省内に配置する方針を決めた。

   新聞各社は、教職員向けに子どもの自殺予防研修を導入した宮崎県の中学校や、子どもの居場所づくりに取り組むNPO法人などを8月末に取り上げてきた。遅まきながら、国を挙げての子どもへの自殺予防対策が進められている。

子どもの心を開いた手と手のコミュニケーション

   難しい点は、思春期の子どもが、簡単には大人に心を開かないことだ。自分の気持ちをうまく言葉で表現できなかったり、ごまかしたりしがちである。

   たとえ相手が親でも、いや、親だからこそ、本当の自分の気持ちを知られたくないと、子どもは距離を置こうとすることもある。

   過去に私が取材した教育カウンセラーは、「言葉を使って子どもの心を開こうとはしていない」と話した。彼は公立高校の教員を34年も務めた後、引きこもりや不登校の子どもたちの教育相談を行っている。

 「子どもにだって、話したくないことがあるわけじゃないですか。それを大人が尋問するように聞き出そうとしても、逆効果なんですよ」

   そんな彼は、子どもたちに手のひらマッサージを施している。子どもに片手を出してもらい、それを彼は両手で包み込むようにして、ゆっくりとマッサージをする。

 「マッサージしているときに、私からはなにも言いません。ただ、ちょっとした<シコリ>から、子どもの気持ちがなんとなくわかるんですよ。しばらくもんであげていると『実は......』と子どものほうから話してくることも多いんです」

 百の言葉よりも、触れ合う温かさと安心感が子どもの気持ちをほぐすのだろう。

   子どもの様子がちょっとおかしいと思ったら、「どうしたの」「何があったの」と問いかける前に、そっと優しく体に触れてあげる。わかってあげようとするよりも、ただそばにいてあげる。こうした対応も必要なのかもしれない。 (文=森真希)

 

森真希(もり・まき) 医療・教育ジャーナリスト。大学卒業後、出版社に21年間勤務し、月刊誌編集者として医療・健康・教育の分野で多岐にわたって取材を行う。2015年に独立し、同テーマで執筆活動と情報発信を続けている。

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(積極的)平和主義

2017年08月30日 | 社会・経済

   すっかり涼しくなってしまいました。日照の少ないのも拍車をかけているようです。
虫の音も日増しに増えています。外に出した鉢物、そろそろ室内へ移さなければなりません。もう、予想最低気温が10℃を下まわる日が増えてきています。今朝は6℃でした。いつ霜が降りるかわからないので、今から少しづつ植え替えたりしながら室内へ。

 こちらは今年春に4つに切った「青年の樹」。4本とも立派な根を出して成長しています。
 昨日は、とうきびを発送する日だったので、早起き。まだ真っ暗。開けるのもずいぶん遅くなった。雨の音が聞こえるくらい強い雨が降っている。雨の中で作業を覚悟したが、予報を見ると7時くらいからやみそうな気配。よし、やんでからにしようと朝飯の準備。そんなときにJアラートが無線からけたたましい音量でなりだした。これでまた安倍の支持率が上がるのかな?国民にとってはどうしようもないもの。ただ座して待つのみ。

役立たず「Jアラート」を使ったのは北朝鮮危機を煽りたい安倍政権のパフォーマンスだった!

リテラ 2017.08.29より抜粋

  本日8月29日早朝の北朝鮮による弾道ミサイル発射は、日本の国民にかつてない恐怖感を与えた。何しろ、早朝から、全国瞬時警報システム「Jアラート」と緊急情報ネットワークシステム「エムネット」が発動したのだ。

 北海道や東北、北陸、北関東地方の広範囲で警報が鳴り、新幹線や在来線なども運転を停止。Jアラートを受けたNHKや民放各局も「国民の保護に関する情報」の速報を打った。黒塗りの画面の白抜き文字とともに、「ミサイル発射。ミサイル発射。北朝鮮からミサイルが発射された模様です。頑丈な建物や地下に避難して下さい」なる無機質なアナウンスを聞いて、一瞬、パニックに近い状態なった人も少なくなかったはずだ。

 官邸の姿勢も緊迫感に拍車をかけた。安倍首相は官邸に到着したときの会見で「我が国に北朝鮮がミサイルを発射し」などと発言。そのあとの会見でも「わが国を飛び越えるミサイル発射という暴挙はこれまでにない深刻かつ重大な脅威」と記者団に語った。

 こうした官邸の姿勢にひきずられるように、テレビ局も朝から報道特番体制をしいて、この問題を大々的に報道。「これまでにない脅威」「日本にとって非常に深刻な事態」と首相そっくりのコメントを垂れ流した。

 もちろん、北朝鮮が事前通告もなく日本の上空にミサイル発射したことは、国際法違反のみならず、国際社会で大きくなっていた対話の動きをひっくり返すものであり、徹底的に批判する必要がある。

 しかし、同時にこの日本の騒ぎ方、危機の煽り方にも違和感をおぼえざるをえない。象徴的なのが、首相のコメントだ。上空を通過したミサイルを「我が国に発射」というのは明らかに言い過ぎだし、「かつてない脅威」というのも事実ではない。そもそも北朝鮮は日本全域を射程にしたミサイルを10年以上前から開発しており、今回のことで脅威が高まったわけではない。日本上空を越えてミサイルが発射されたのも過去に2回あり、1998年には今回と同様、事前予告がなかった。安倍首相の様子は明らかに芝居がかかった表現で危機を煽ろうという意図がみえみえだった。

全く役に立たないJアラートをなぜ発動したのか

  さらにもうひとつ、違和感を覚えたのはJアラートだ。ホリエモンはじめ、早朝から警報音で起こされたことに不満の声をあげている国民も多いが、必要な情報なら叩き起こされてもやむを得ないだろう。しかし、本当にこんなものが必要だったのか。

 何しろ、ミサイル発射時間は午前5時58分頃なのに、Jアラートによるアナウンスがあったのは6時2分。6時5〜7分頃には、ミサイルが北海道上空を通過していたのだ。わずか4分で、どうやって「頑丈な建物や地下に避難」しろというのか。

 安倍首相は会見で「発射直後から北朝鮮ミサイルの動きは完全に把握していた。国民の生命と安全を守る万全な態勢を取っている」と胸をはっていたが、実際はなんの役にもたたなかったのだ。それどころか、時間が通勤ラッシュと重なっていたら、パニックを引き起こしていた可能性もある。

 100億円以上の予算がつぎ込まれてきたJアラートだが、もともと導入時からミサイルからの避難などには全く役に立たないと言われていた。まさにそのことを証明してしまったわけだが、にもかかわらず、政府が今回、Jアラートを強硬に発動したのはなぜか。

 そもそも、これまで北朝鮮ミサイル関連でJアラートを発動したのは、北朝鮮が事前にミサイル発射を通告していた2012年12月12日と2016年2月7日の2回だけ。今年の5月14日に中距離弾道ミサイルが発射され、日本海に落下したときにも、Jアラートは発動されなかった。

 5月の発射の際、菅義偉官房長官は「日本に飛来しないと判断し、Jアラートは使わなかった」などと述べていたが、しかし、ならば今回も同じだったはずだ。実際、小野寺五典防衛相はきょうの会見で、イージス艦や地対空誘導弾PAC3などで破壊措置を実施しなかったことについて、「わが国に向けて飛来する恐れがないと判断したからだ」とはっきり説明していた。

 5月も今回も同じように「飛来する恐れはない」という認識を持ち、破壊措置を行わなかったのに、今回だけ、全く役に立たないのを承知で、Jアラートを発動したのだ。いったいなぜか。

Jアラート発動は政権浮揚のためのパフォーマンスだった

  考えられるのはただひとつ、安倍政権による北朝鮮危機の政治利用のためだ。安倍政権はこの間、森友学園疑惑、加計学園義に対する国民からの反発をかわすために、北朝鮮危機を必要以上に煽ってきた。今回も全く同じで、疑惑に蓋をし、支持率を回復させるために、この北朝鮮ミサイル発射を利用して、Jアラートで危機を煽ろうとしたのではないか。

 実際、ミサイル飛来などの国民保護事態案でのJアラートは菅義偉官房長官が率いる内閣官房が判断を下すことになっているが、その内閣官房が事前に、Jアラートの発動を決定していたという情報がある。

 「そもそも、Jアラートは、ミサイルへの警告で使用するのはかなり困難で、事前に察知していないと、発動するのは無理、という見方が強いんです。これまで事前通告のあった2回しか使っていないのもそのためではないか、といわれています。ところが、今回は韓国からの情報で、事前に発射を察知できた。それで、官邸はミサイルが発射されたら必ずJアラートを使うことに決めていたようです」(全国紙政治部記者)

 たしかに、韓国の朝鮮日報(日本語版)の報道によれば、今朝のミサイル発射に先立って「北朝鮮のミサイル発射の兆候をとらえた」との報告を受けた文在寅大統領は、午前2時の段階ですでに軍を待機させ、対応態勢を指示していたという。事実ならば、日本政府も同じ頃には北朝鮮ミサイル発射の情報を、かなりの確度で得ていたはずだ。

「ただ、コースまでははっきり特定できなかったので、広範囲で警告を鳴らしたんでしょう。実際、今回は、ミサイルが上空を通過した北海道からおよそ千キロも離れている長野県でも警告が鳴ったわけですからね。こんなおおざっぱな警告じゃ、なんの対策にもならないと思いますが(笑)」(前出・全国紙政治部記者)

 ようするに、あの何の役にも立たない警告音は、安倍政権のパフォーマンスでしかなかったわけだ。

 いや、Jアラートだけではない。安倍首相自身も明らかに事前に発射を察知し、パフォーマンスを準備していたフシがある。

ミサイル発射を事前に察知してパフォーマンスを用意していた安倍

  というのも、普段から公邸をあまり使わない安倍首相が、昨日27日から今朝にかけては官邸に隣接する公邸に泊まってたからだ。しかも、昨日は午前10時に官邸に行くと、正午には北村滋・内閣情報官、午後4時15分に石川正一郎・拉致問題対策本部事務局長、午後5時17分に兼原信克・国家安全保障局次長と金杉憲治・外務省アジア大洋州局長、同30分に薗浦健太郎・首相補佐官(安保重要政策担当)など、諜報、外交、安保周りの要人と面会し、午後6時台には公邸に入って、そのまま永田町で朝を迎えた。

 誰がどうみても、本日早朝を見越したような動き方だ。そして、安倍首相は、北朝鮮からミサイルが発射されるや、すぐさま官邸に向かい、記者団に対して例の芝居がかかったセリフを口にし、国民の危機を最大限煽ったというわけだ。

 もし、安倍首相が北朝鮮のミサイル発射を「これまでにない深刻かつ重大な脅威」ととらえ「国民の生命と安全を守る万全な態勢をとる」などというなら、事前に察知したミサイル発射情報をきちんと公開して、国民に冷静な対処を呼びかけるべきだろう。ところが、安倍首相は実際に発射されるまで情報を隠し、それを自らのために利用した。Jアラートを使って不必要な国民の不安を煽ると同時に、自らの「迅速な対応」や「毅然とした態度」をメディアで大げさに宣伝し、政権浮揚のきっかけにしようとしたのだ。

 改めて繰り返しておくが、北朝鮮のミサイル発射自体は危険極まりなく、世界平和を求める国際社会の一員として、冷静に批判していかねばならない。しかし、一連の北朝鮮危機と生活者の不安を煽って、好戦的な世論形成と支持率上昇に利用しようとしている安倍政権の企みもまた、平和主義にとって危険きわまりない。(編集部)

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橋田壽賀子と安楽死

2017年08月29日 | 社会・経済

橋田壽賀子と安楽死#1

「そろそろ、おさらばさせて下さい」
         という権利があってもいい

   「文春オンライン」編集部 2017.8.26

 

「私は安楽死で逝きたい」。2016年12月号『文藝春秋』に掲載された1本の記事が大きな反響を呼んだ。原稿を寄せたのは、92歳の人気脚本家の橋田壽賀子さん。「おしん」「渡る世間は鬼ばかり」はじめ名作ドラマを生み出した脚本家がごく私的な思いから綴った記事は、本人の予想を超えて共感を呼び、その年の読者賞を獲得する。関心が高いが、口にするにはためらいのある「安楽死」について、ご本人が明言するに至った背景を伺った。

◆◆◆

 私が安楽死を望むわけ

人さまに迷惑をかける前に死にたい。それが私の望みです。

 家族がいれば、子どもや孫の成長を見届けたかったり、できるだけ生きていて欲しいと望まれることでしょう。けれども私は、夫に先立たれ、子どもはなく、親しい友人もいない。天涯孤独の身の上です。

 仕事は嫌というほどやったし、世界中の行きたい場所へ行きました。もうじゅうぶん生きて、やり残したこともなく、思いを残す相手もいません。

 いまはまだ自分で生活できていますが、足腰が立たなくなったらどうしましょう。行きたいところへ行けず、食べたいものを食べられなくなったら。いつの間にか認知症になって、何もわからなくなってしまったら。

 食事から下の世話まで人さまの手を借りるなら、そうなる前に死なせてもらいたい。これは、尊厳とプライドの問題です。死ぬときに、痛いのや苦しいのも嫌です。だからいつどうやって死ぬか、自分の意思で決めさせてもらいたい。それには安楽死しかありません。

 ヨーロッパのいくつかの国やアメリカのいくつかの州では、安楽死が合法です。だから日本でも認めてもらって、わざわざ外国へ行かなくてすむようになれば助かります。

 こんな願いは私だけだろうと思いながら『文藝春秋』(2016年12月号)に「私は安楽死で逝きたい」を寄稿したところ、読者の方々から賛同の声がたくさん寄せられました。「私も安楽死に賛成です」「頑張って、法制化の旗振り役になってください」と、声をかけられる機会も増えました。

 そんな大それたことはできませんけど、私と同じように考える人は思いのほか多いようです。そんな人たちが、安楽死という死に方をごく当たり前に選べるようになればいいな、と思います。ある程度の年齢になったら、「そろそろ、おさらばさせて下さい」と申し出る権利があっていいのではないですか?

誕生日ごとに「死に方」を考えよう

  当たり前の話ですが、人は誰でも死にます。しかも、いつ死ぬかわかりません。なのに死は忌むべきものとされ、死について語ろうとすれば「縁起でもない」と言われます。日本人は、死というものや自分の死に方に、無関心すぎるのではないでしょうか。

 私たち戦争を経験した世代の死生観は、その後の人たちとはまるで違います。人の死を身近に見すぎたせいで、死ぬことが怖くないんです。終戦のとき私は20歳で、勤労動員された学生でした。戦争中は「今日死ぬか、明日死ぬか」ばかり考えていました。ようやく戦争が終わったあとも「今日の食べ物をどうするか」で精一杯。青春などありませんでした。

 若い頃は直面していた死について、再び考えるようになったのは、90歳を目前にした頃でした。そして「死んでも公表しない。葬式も、故人を偲ぶ会もやらない」と決めて、周りの人に頼んであります。けれども、もっと早く準備しておけばよかったと思うんです。

たとえば、自分が死んだときに臓器を提供するかどうか、15歳から意思表示ができるようになっています。同じように、20歳になったら毎年の誕生日ごとに、自分がどんな死に方をしたいか考えたらどうでしょうか。お誕生日は、ひとつ年を重ねたお祝いであると同時に、いつやってくるかわからない死に一年近づいたことを意味する日です。そこで、この一年生きてこられたありがたさを噛み締めつつ、死に方について考えるのもいいのでは? 去年「延命治療は一切拒否」と決めたとしても、そのあとで恋人ができたり家族が増えたから、今年は「少しでも延命の可能性があるなら、生かして欲しい」と変わったってかまわないのです。

 いますぐ安楽死したいと考えている私だって、今日はお医者さんに行ってきました。血液検査をして、お薬をもらってきました。いつ死んでもいいけど、生きているうちは元気でいたいからです。大型客船「飛鳥Ⅱ」の来年の世界一周クルーズに申し込んで、お金も払いました。身の回りのことを自分でできて、楽しみがあるうちは、もうちょっと生きていてもいいかな、と思っているんです。

若いときから死に方について考えることは、生き方を見つめ直すことになるし、人生を豊かにしてくれるはずです。

「若いときから死に方について考えることは、生き方を見つめ直すことになるし、人生を豊かにしてくれるはずです」。安楽死で死にたいという92歳の橋田壽賀子さんは、若い世代に向けてこんな提案をしている。少子化と超高齢化が加速度的に進む社会で、死をまっすぐ見つめることで見えてくるものとは何か。橋田さんの具体的な提案をさらに伺う。

◆◆◆

 子供は親に頼るな、親は子供に期待するな

  私は家族がいなかったから、ホームドラマがたくさん書けたと思っています。かりに息子などいて「お母さんはこんなこと考えてたのか」なんて思われたら、好きなように書けないじゃありませんか。手加減したりカッコつけたドラマが、面白いはずありません。親も夫も子供もいないから、誰にも遠慮せず本音が書けるのです。

 かりに親が健在だったら、私はこう言います。

「老後の世話をするのは嫌だから、自分のお金でちゃんと自分の始末をしてほしい。その代わり、遺産は一銭も要らないわ」

 冷たいですか? でも、もしも子どもがいたならば、

「自分の最期は自分で準備するから、あなたに面倒を見てもらうつもりはない。自分で稼いだお金は全部使って死ぬから、遺すつもりもない」

 と告げたでしょう。

 世の中の親は我が子のために節約を重ね、少しでも財産を遺そうとします。しかし私は反対です。私の知人の女性は、旦那さんを亡くしたあと、お姑さんの面倒を見ながら息子と娘を育てました。息子のお嫁さんも娘も働いていたので、幼い孫たちをよく預かっていました。そうやって家族の世話をすることが、彼女の生き甲斐でした。いつも私に、

「壽賀子さんは可哀そうだ。子どもがいないから」

 と言いました。子どもがいなくてよかったと思っている私には、彼女こそこき使われて可哀そうに見えたのですが、何も言わずにいました。やがて彼女は、長男一家と一緒に暮らすつもりで3階建ての二世帯住宅を建てました。ところがそのあとになって、お嫁さんが「一緒に住むのは嫌だ」と言い出したのです。

 広い二世帯住宅で迎えた結末とは…

「息子も娘も会いに来てくれない。孫だって、あんなに面倒見てやったのに、ちっとも寄り付かない」

 とこぼすようになった彼女を、

「子どもや孫が可愛くてやってあげたんだから、いいじゃない。あとの人生は自分の好きなことをしなさいよ」

 と慰めたものです。しかし家族に尽くすだけの人生を送ってきた彼女には、別の生き甲斐が見つかりませんでした。そのうち、

「壽賀子さんは、独りを覚悟しているからいいね」

 と言うようになり、八十歳をすぎたばかりなのに、広い二世帯住宅で孤独死しました。成人した我が子は、新しい家族と新しい生活を築くのが当たり前です。彼女は、期待をかけすぎてしまったのでしょう。

 口では「子どもの世話になんか、なりたくないですよ」と言う人が多いですが、みなさん心の中では期待しているんじゃないですか。けれども、裏切られた期待は、恨みに変わることがあります。期待さえしなければ、思いがけず感謝が生まれる場合もあるのです。「お金を遺してあげるから、老後は面倒見てね」と見返りを求めるくらいなら、最初からそのお金で介護の人を雇うべきです。

 子供もまた、親に頼らず、親のお金を当てにしないこと。最近の男はマザコンが多いくせに、親の老後の面倒を見ようとしません。「お金は遺して欲しいけど、世話はしたくない」なんて、もってのほかです。

 大切なのは、親が元気なうちによく相談をして、老後や最期の迎え方についてどう考え、葬式や墓をどうしたいと思っているのか、知っておくことです。よく話し合っておかないとお互いに誤解が生まれ、それが恨み節へと変わるのです。

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現在の生活に「満足」と答えた人は、約74%

2017年08月28日 | 事件

 

現在の生活「満足」が過去最高に‥内閣府の世論調査に様々な声

    NAVER まとめ2017年08月27日

   ●現在の生活に「満足」と答えた人は、約74%に上ったと発表

   内閣府が26日公表した「国民生活に関する世論調査」によると、現在の生活に「満足」「まあ満足」と答えた人は合わせて約74%に上り、調査項目に加わった1963年以来最高となった。

●全国の18歳以上の1万人を対象に世論調査を行った

調査は昭和32年度からほぼ毎年実施,昨年から対象を20歳以上から18歳以上に変更した。

   内閣府は、国民の生活に関する意識や政府に対する要望を調べるため、ことし6月から7月にかけて、全国の18歳以上の1万人を対象に世論調査を行い、63.2%にあたる6319人から回答

・所得・収入について満足との回答が51.3%上に変更した

   所得・収入について満足と回答した人は51.3%(前年比3.2ポイント増)で、不満と答えた人の46.9%(同2.7ポイント減)と逆転した。所得・収入で満足が不満を上回ったのは96年以来。

・政府が力を入れるべき政策では「社会保障の整備」が65.1%

   一方、政府が力を入れるべき政策を複数回答で聞いたところ、「医療・年金などの社会保障の整備」が65.1%で5年連続で最も多かったほか、「景気対策」が去年より5.1ポイント減って51.1%、

防衛・安全保障面に力を入れるよう求めた人の割合が過去最高となった。

 「防衛・安全保障」は36.2%  (4.3ポイント増)北朝鮮問題など日本の安全保障環境の厳しさを反映した。

  ・生活がこの先どうなるか

    「 同じようなもの」が65.2%
  「悪くなっていく」は23.1%。
  「良くなっていく」は9.4%にとどまった。

 ・内閣府担当者のコメント

   内閣府の担当者は「景気の緩やかな回復基調が続いていることが所得などに反映され、満足度が高くなっているのではないか。

   政府への要望として防衛・安全保障が上位に入ってきたのは、北朝鮮をめぐる情勢などが意識されたのではないか」と話しています。

・一方、「自由時間が増えた場合にしたいこと」

    旅行がトップだった


  「食生活」(89・3%)
  「住生活」(83・3%)
  「自己啓発・能力向上」(62・2%)
  「レジャー・余暇生活」(62・8%)
  の満足度がそれぞれ過去最高を記録


 

   エッ!生活に満足74%?

  年金は減らされる…、医療費は上がる…、食品は上がる…、賃金が思うほど上がらない・・・・・生活に満足しているの??? 

何が入ってるかわからないものを食わされ、災害で避難生活を何年も余儀なくされ、過労死するまで働かせ、・・・・・・・・・・エトセトラエトセトラ・・・
誰を対象に調査したんかい!
自殺した人ははいってないだろうし、避難生活している人も抜けてるんぢゃない?
このまま信用する気にはなれない調査結果だ。

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ししとう

2017年08月27日 | 野菜・花・植物

ししとうの栄養は女性の美に最適美肌を作るレシピ集

 デトックスLife

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 獅子の頭に形が似ていることから名前がついたししとうは唐辛子の仲間ですが、性質はどちらかというとピーマンに近いものがあり、普通はあまり辛くない品種ですが、稀にすごく辛いものも含まれていることがあります。

これは育つ環境によって、乾燥や強いストレスの中で育つことによって辛くなるのです。最近ではハウス栽培なども進み、一年中食べられますが、栄養価が最も高く最も美味しい時期は太陽をいっぱい浴びた露地物の初夏から夏にかけてになります。

ししとうは天ぷらや焼鳥の彩りのイメージが強く、メインの食材としてあまり使われることがありませんが、豊富に栄養素が含まれており、疲労回復や動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防などに効果があるとされていて、特に女性に嬉しい効能は美肌効果ですよね。

なかなかメインで使われることのないししとうは、どのように調理して食べたら良いか考えてしまう人もいるかもしれません。そこで今日は美肌に効果のあるししとうの栄養素を、効果的に摂取することのできるレシピを紹介します。ではご覧ください。

ししとうの栄養は女性の美に最適
美肌を作るレシピ集

 

ししとうと大葉の味噌巻き天ぷらで美肌を作ろう


ししとうには美肌効果があるビタミンCが多く含まれています。

ビタミンCは熱に弱いと言われていますが、ししとうは組織が強いため加熱してもビタミンCが壊れにくい野菜です。

油との相性もよいため、天ぷらの彩りや味のアクセントとして良く用いられますが、ししとうをメインにした天ぷらで美肌を作りましょう。

美肌の栄養素であるビタミンCを多く含んだししとうに合わせるのは、独特の風味のある大葉です。大葉には抗酸化物質が多く含まれるため、ししとうの美肌効果をアップさせてくれます。

ししとうを半分に切って種を取り除き、味噌を塗っておきます。洗って水気を摂った大葉で巻き、楊枝などで止めて天ぷらにしていきます。

ししとう独特のほろ苦さと大葉の爽やかな香り、味噌の風味が楽しめる天ぷらで、体の中から美肌を作っていきましょう。

 

ししとうのゴマ和えでアンチエイジングしよう


ししとうには高いアンチエイジング効果のある栄養素が多く含まれています。

体内で必要に応じてビタミンAに変換させるβ−カロチン、ビタミンEが豊富に含まれているため、細胞の酸化を防ぎ、老化を防いでくれます。

ししとうのアンチエイジング効果を高めるために、ゴマリグナンという抗酸化物質を含むゴマを加えて若々しい肌を保ちましょう。ヘタをとったししとうをゴマ油で炒め、醤油・みりん・酒を入れて味が馴染むまで炒めます。

味が馴染んだら火を止め、すりゴマを合えて出来上がりです。アンチエイジング効果のあるビタミンEとβ−カロチンは脂溶性のビタミンですので、油と一緒に摂取すると吸収率が高まる栄養素です。

色・香り・栄養素を低下させることがないように、手早く調理するようにしましょう。

 

ししとうのチーズ焼きで美髪を作ろう


ししとうに多く含まれるβ−カロチンは、体内に取り込まれるとビタミンAに変換されます。

ビタミンAは美肌に欠かせない栄養素で、皮膚の粘膜形成を助け、肌の角質化を防ぎます。肌荒れや乾燥を防止し、きめ細かい肌を作るのに役立つだけではなく、髪の健康を保つためにも必要な栄養素です。

そのため美しい髪を作るためにも、ししとうは有効な食材と言えます。さらに髪の育成に欠かせないカルシウムを含んだチーズを加えて、美髪を作っていきましょう。

耐熱皿に洗ってヘタをとったししとうを並べ、ハーブソルト、ブラックペッパー、お好みのサパイスを振りかけ、その上にとろけるチーズを乗せます。ふんわりとラップをかけて、電子レンジで3〜5分ほど温め、チースがとろけたら出来上がりです。

カルシウムが不足すると脳の神経細胞の働きが悪くなり、髪の生成がスムーズに行われなくなるため脱毛の原因になります。ししとうとチーズで健康的な美しい髪を目指しましょう。

 

ししとうとじゃこの炒めものでビタミンCを効率良く摂取しよう


ししとうに含まれるビタミンCは、美肌のためには欠かせない栄養素です。

コラーゲンの生成を助ける、強い抗酸化作用によって紫外線やストレスなど保湿を妨げるものを排除する、肌荒れ予防、ニキビの炎症を抑えるなどに役立ちます。

このようにビタミンCには多くの美肌効果が期待できますが、ビタミンCを効率良く吸収させるためにはカルシウムが欠かせないことはあまり知られていません。

ビタミンCとカルシウムは4:1の割合で摂取することが好ましいと言われています。

ビタミンCだけを摂取してしまうと、吸収させるために体内のカルシウムが溶け出してしまい、体内のカルシウムが不足してしまいます。

カルシウムが不足してしまうと骨粗鬆症の原因になりますので、ビタミンCを摂取する際にはしっかりとカルシウムを摂取しましょう。

ししとうに含まれるビタミンCを効率良く吸収させるためには、じゃこと一緒に炒め煮にして食べましょう。フライパンでじゃこをから煎りし、洗ってへたをとったししとうを入れ、なじんだら水を少し加えます。

沸騰したら醤油・みりん・砂糖を加え、水分がなくなるまで炒めたら出来上がりです。ししとうに含まれるビタミンCは比較的壊れにくいですが、栄養素が失われないように手早く調理するように心がけましょう。

 

ししとうと糸こんにゃくのピリ辛炒めで新陳代謝をアップさせよう


ししとうにはあまり辛味がありませんが、辛い唐辛子の一種ですのでカプサイシンが含まれています。

カプサイシンは神経を刺激し、興奮作用を引き起こすため運動したときのようなエネルギーを消費します。

そのため脂肪燃焼効果や血行を促進し新陳代謝をアップさせる効果が期待できます。代謝が悪いと古い角質が溜まってしまい、くすみやシミの原因になりますので、ししとうを食べて代謝をアップさせましょう。

さらにローカロリーの糸こんにゃくを加えて、ダイエットにも効果的なお惣菜を作りましょう。熱湯で湯がいた糸こんにゃくを食べやすい長さに切っておきます。

油をひいたフライパンに湯がいた糸こんにゃく、ヘタをとったししとうを加え炒めます。油が全体に馴染んだら輪切りにした唐辛子と出汁を加え、煮立ったら醤油・酒・みりん・砂糖を加え、弱火で煮汁がなくなるまで煮込みます。

煮汁がなくなったら火を止め、冷ましたら出来上がりです。一度冷ますことで味が染み、美味しく食べられます。

 

ジャガイモとししとうのカレー煮込みでむくみを解消しよう


ししとうには豊富なビタミン類だけではなく、美肌に欠かせないミネラルも豊富に含まれています。

特にカリウムを多く含み、体内の余分な塩分や水分を尿と一緒に排出する作用があるため、むくみの解消に効果的です。またししとうには血行を促進するビタミンEも多く含むため、むくみの予防にもなります。

ししとうにカリウムを多く含んだジャガイモを加えたカレー風味の煮込み料理で、さらにむくみを解消していきましょう。レンジで加熱したジャガイモとししとうを油で炒め、コンソメスープ、カレー粉、オイスターソースで煮込みます。

むくみがあると血行が悪くなり、肌に必要な栄養素が行き渡らなくなってしまいます。ししとうとジャガイモのカレー煮込みでしっかりカリウムを摂取し、むくみを解消・予防して美肌を作っていきましょう。

 

ししとうと長芋と鶏肉の揚げ浸しで免疫力をアップさせよう


免疫力というと風邪をひきにくくするイメージを持っている人が多いと思いますが、美肌になるためにも免疫力を高めることが大切です。

肌にも菌やウイルスを毛穴から侵入させないようにブロックする免疫機能がありますが、生活環境などの影響で膚本来が持っている免疫機能が低下してしまうことがあります。

それにより外敵が毛穴から侵入しやすくなり、これが肌トラブルの原因になってしまいます。ししとうには免疫力を高める栄養素が豊富に含まれています。

体内でビタミンAに変化し粘膜の免疫力を高めるβカロチン、白血球の働きを強化するビタミンC、強い抗酸化作用を持つビタミンEを豊富に含んでいるため、しっかり食べることで美肌を保つことができます。

さらに細胞の材料となるタンパク質を多く含んだ鶏肉と、タンパク質の分解を助けるムチンを多く含む山芋を合わせて美肌を作りましょう。

ヘタをとったししとう、皮をむいて食べやすい大きさに切った山芋、一口大に切って片栗粉をまぶした鶏肉を油で揚げます。出汁に薄口醤油・みりんなどを入れ味を整え、揚げたししとう・山芋・鶏肉を加え味が染みるまで軽く煮ます。

ししとう・山芋・鶏肉は美肌を作るためには必要な栄養素です。しっかり食べて美肌を作りましょう。

 

   いかがでしょう、ししとうは油やお肉を使った料理と大変相性がよく、栄養の吸収もよくなります。ただし長時間煮込んだり、揚げすぎたるなど火を入れすぎると食感や色が悪くなり、栄養も低下してしまうため、火を入れすぎないことがコツです。

また紹介したレシピでは種を取り除かずに使用していますが、種は人によって好き嫌いがありますよね。種の部分には唐辛子独特のからみがありますので、苦手な人は取り除いて使いましょう。

美味しいししとうは緑が濃く、細くて小さめのものが良質です。ツヤがあって香りが高いものを選ぶようにしましょう。

とれたてで新鮮なものはナマでも食べることができますので、刻んでサラダのトッピングにしても美味しく食べられます。紹介したレシピ以外にも美肌効果のあるレシピはたくさんありますので、工夫してできるだけ毎日食べるようにしてみましょう。

まとめ

ししとうの栄養は女性の美に最適美肌を作るレシピ

・ししとうと大葉の味噌巻き天ぷらで美肌を作ろう
・ししとうのゴマ和えでアンチエイジングしよう
・ししとうのチーズ焼きで美髪を作ろう
・ししとうとじゃこの炒めものでビタミンCを効率良く摂取しよう
・ししとうと糸こんにゃくのピリ辛炒めで新陳代謝をアップさせよう
・ジャガイモとししとうのカレー煮込みでむくみを解消しよう
・ししとうと長芋と鶏肉の揚げ浸しで免疫力をアップさせよう

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短時間強雨

2017年08月26日 | 自然

<連続台風1年>短時間強雨、
 道内で急増 30年前の3倍

台風9号による豪雨で、道路が冠水した日高管内新ひだか町中心部。この日の1時間降水量は65ミリに達した=2016年8月23日
台風9号による豪雨で、道路が冠水した日高管内新ひだか町中心部。この日の1時間降水量は65ミリに達した=2016年8月23日

 道内で短時間に強い雨が降る頻度が30年前の3倍以上に増加し、全国平均の約3割増を大きく上回ることが札幌管区気象台への取材で分かった。主な要因は地球温暖化とみられ、冷涼で強雨が少なかった北海道は特に影響が大きい可能性が指摘されている。道内の堤防や道路などのインフラは本州に比べ少ない降水量を前提に設計されており、専門家は「今後も強雨が増えると予測され、災害対策がますます重要」と警鐘を鳴らす。

 史上初めて四つの台風が相次いで道内に上陸・接近し、このうち最大の被害を出した台風10号の最接近から30日で1年。全国で毎年のように豪雨災害が起きる中、道内でも短時間強雨が頻発している現状が明らかになった。

 札幌管区気象台によると道内の地域気象観測システム(アメダス)の本格運用が始まった1976年からの10年間で、1時間に50ミリ以上の強雨を記録した日数は計36日だったのに対し、2016年までの10年間は計117日と3・25倍に増えた。

 1年当たりにすると11・7回で、この10年間は平均で月1回、道内のどこかの地点で強雨が観測された計算だ。死者・行方不明者6人を出した連続台風のあった昨年8月の後半は、伊達市大滝の1時間70ミリなど、同50ミリ以上の雨を記録した日が7日あった。

 道内のアメダス地点数は76年は182地点、現在は225地点と30年間で多少の増減はあるが、1地点当たりの平均日数に換算しても、強雨の頻度の増加率は3・23倍。全国平均の1・34倍を大きく上回った。

 札幌、旭川など道内主要7地点の平均気温はこの100年間で1・6度上昇した。気温が上がると大気が取り込める水蒸気の量は増える。大気中の水蒸気が冷えて雨になるため、気温上昇により降雨は強まる。

 北大大学院の谷本陽一教授(気候力学)は「温暖化で1時間当たりの雨が強くなったと考えて矛盾はない」と指摘。「道内のインフラは強雨への耐性が低い。本州のような豪雨はないとの意識は変えなければ」と訴える。同気象台は、21世紀末には道内の平均気温はさらに3度程度上がり、短時間強雨の回数も全道で増加すると予測している。

 <ことば>短時間の強雨 1時間50ミリ以上80ミリ未満は滝のように降る「非常に激しい雨」で、屋外は水しぶきで白っぽくなり、都市部ではマンホールから水があふれる強さとされる。

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葬式事情

2017年08月25日 | 社会・経済

「簡素なお葬式」が遺族の後悔を生むワケ
  
葬儀後の「お別れ会」が人気に

     PRESIDENT Online ライフ 2017.8.23

  家族や一部の親族だけでこぢんまりと済ませる葬儀「家族葬」や、通夜や告別式を行わない「直葬」が増えている。しかし時間がたって気持ちが落ち着いてくると、「やっぱりきちんと送れば良かった」と後悔する遺族も多い。こうした弔意を拾う新たなサービスとして、葬儀後に改めてお別れ会を開くケースが増えているという。変わり行く「葬式」のかたちについて考える。

変わりゆく「葬式」のかたち

  今、「お葬式」と聞いて、どんなものをイメージするだろうか。黒白のしま模様の鯨幕が張られた葬儀社のホール入り口に、喪服に身を包んだ大勢の参列者が受付に並ぶような光景が思い浮かぶだろうか。もしくは、たくさんのパイプ椅子が並ぶホールに僧侶の読経が流れる中、焼香の順番を待つ間の焦燥感や作法に対する不安感などといった、気もそぞろな感覚を思い出すだろうか。

  ところが近年、こうした光景は姿を消し、焦燥感や不安を感じる場面は少なくなっている。なぜなら、葬儀の縮小化・簡素化が急激に進んでいるからだ。

  例えば家族葬と呼ばれる葬儀形式は、多くの場合、家族や一部の親族だけで行われる。以前は密葬と呼ばれていた葬儀の名称が変化したものだ。

 また、通夜や告別式を行わず火葬だけで済ませる、「直葬(火葬式)」と呼ばれる葬儀形式も増えている。直葬の平均参列者数は6~7人で、火葬料金や遺体を運ぶ搬送費、ひつぎや骨壷、位牌など、必要最低限の物品やサービスしか必要としないため、一般的な葬儀よりも費用を抑えられるほか、故人とのお別れは火葬炉の前や火葬場の別室などで簡潔に行われるため、時間も短縮される。

 2000年頃から全国的に家族葬・直葬が増え、葬式の小型化が進んだ。これにより、かつての親族をはじめ故人に生前関係のあった方たちが参列し、宗教儀礼を中心に儀式を行うスタイルの葬儀を、「一般葬」と呼び分けるようになった。

 関東では直葬が2割以上を占めている

  月刊『仏事』を出版する鎌倉新書が、全国のおよそ200の葬儀業者を対象に2013年の1年間で直葬がどのくらい行われたのかを調べた結果、関東地方が最も多く、ほぼ5件に1件、葬儀全体の22%を占めていることが分かった。関東の次には近畿地方の11%が続き、東京や大阪などの大都市圏で直葬の割合が高くなった(月刊『仏事』2015年2月号)。

  また、同じく鎌倉新書が2013年に第1回、2015年に第2回を実施した「お葬式に関する全国調査」の都道府県別平均会葬者数を見ると、東京都は第1回66人、第2回45人で、増減率は-31.8%。愛知県は第1回84人、第2回58人で、増減率は-31.0%。大阪府は第1回58人、第2回44人で、増減率は-24.1%。全国平均は、第1回78人、第2回60人、増減率は-23%だった。わずか2年の間に20~30%も会葬者数が減少している都道府県が少なくない。

 さらに、2015年の時点での葬儀の形態としては、東京都で一般葬33.9%、家族葬44.6%。愛知県で一般葬・家族葬ともに46.9%、大阪府で一般葬40.9%、家族葬43.2%と、特に三大都市圏で、一般葬よりも家族葬の割合が増えていることが分かった。

  ここ数年の間に、直葬や家族葬など、参列者が少人数の葬儀が増えている状況がわかる。社会構造の変化や少子高齢化による人の流動化、地縁の希薄化や葬儀に対する知識・宗教観の低下、価値観の変化や経済的な事情などが主な理由だ。

  「小さなお葬式」など、社会状況に合ったネーミングの巧みさも相まって、「家族葬」は瞬く間に認知され、縮小化の波に乗り、さらに安価で手軽な葬儀として、通夜や告別式を行わず火葬のみの「直葬」もじわじわと増えていった。

簡素な葬儀のメリットとデメリット

  参列者の多い一般葬では、故人が亡くなった瞬間から葬儀が終わるまで、あいさつや気遣いのためにバタバタと慌ただしく、ゆっくりと故人の死と向き合う時間が取れない。

 その点、家族や一部の親族のみで行う家族葬なら、堅苦しいあいさつや会葬者への応対は最小限で済み、落ち着いて故人を送ることができる。

  しかし一方で、参列者を絞り、簡素な葬儀を選択したために、かえって面倒な事態に発展するケースもある。家族や一部の親族のみで葬儀を行った後、故人の友人や知人、呼ばれなかった親族などが故人の死を知って、気分を害してしまう場合や、「葬儀には呼ばれなかったけど、お別れを言いたい」「お世話になったので、線香をあげさせてください」という弔意を持った客がバラバラと自宅を訪れることなどがあるのだ。参列者への対応の煩わしさを軽減するために簡素な葬儀を選択したはずなのに、かえって対応に手を焼く事態に陥ってしまう。

  また、家族葬や直葬など、簡素な葬儀であっても葬儀には変わりない。葬儀は決められた順序や形式で行う、“マスト(must)”の領域が多くを占めており、遺体の問題もあるので、準備や打ち合わせに時間をかけられない。そのため、結局じっくりと故人と向き合う時間が取れないまま、慌ただしく葬儀を終え、落ち着いた頃にようやく故人の死と向き合い、葬儀を振り返る心の余裕ができると、「本当にこれで良かったのか」など、罪悪感を抱き、後悔にさいなまれる遺族も現れてきている。

 葬儀後になぜ? ニーズが高まる「お別れ会」

  簡素な葬儀を選択したことによる後悔の念や、葬儀に参列できなかった人の弔意を拾う新しいサービスとして、葬儀とは別に「お別れ会」のニーズが高まっている。

 「お別れ会」は、1994年にホテルオークラ東京(東京都港区)が開いた「故人を送る会」が始まりだといわれている。当初は、会社の役員や芸能人など、著名人が開くものとして広まったが、2010年頃には「お別れ会」をプロデュースする葬儀社や企業が全国各地で見られるまでに一般化した。

  細かい段取りや礼儀作法などで画一化した葬儀と違い、「お別れ会」は「故人や家族が何がしたいか」「故人はどんな人だったか」がベースにあり、基本的に“ウォンツ(want)”で組み立てられる。葬儀を終え、遺族の気持ちの整理が終わる四十九日や一周忌のタイミングに行う場合が多いため、打ち合わせに十分な時間がかけられるのがメリットだ。「お別れ会」をプロデュースする企業側としては人件費などの負担が大きそうだが、それでも継続的に成長しており、2011年に「お別れナビ」というお別れ会サービスをスタートさせた日比谷花壇は、2016年9月時点で「お別れ会」実施件数が昨年比約1.5倍にまで伸びている。

 2015年11月「お別れ会 Story(ストーリー)」のサービスを立ち上げた鎌倉新書によると、立ち上げ当初は、故人がまだ社会的なつながりがある10~50代が多く、「家族葬はしたけど『お別れ会』も開きたい」という家族からの依頼がほとんどだったという。しかし最近はそれに加え、「故人をしのぶ場を設けたい」という家族以外からの依頼が増えている。

  故人が勤めていた会社の同僚や部下、趣味の教室・サークルの生徒や仲間から、「『お別れ会』を開いてもいいですか?」と家族に問い合わせが入るケースが出てきたという。家族や親族ではなく、故人の関係者たちからの働きかけによって「お別れ会」が実現する事例が増えているのは、「お別れ会」や「しのぶことの大切さ」が社会に浸透してきている証しともいえそうだ。

人生は悲しみだけじゃない。葬儀と「お別れ会」の違い

 近年、一部の地域では、葬儀の原点回帰の動きが見られる。

  例えば岩手県釜石市では、他の地域と同様、葬儀は「寺院や自宅で行われるもの」から、「葬儀社によるホールで行うもの」に変化した。しかし同市の葬儀社の話によると、再び10年ほど前から徐々に寺院や自宅での葬儀に戻り始め、現在はすっかり逆転してしまっているという。

  さらに、長い葬列を組んで墓地までひつぎを運ぶ「野辺の送り」は、かつては日本各地で見られた葬送の儀式だが、現在はほとんどの地域で廃れてしまっていた。ところが最近釜石市では、家族葬を行った場合でも、少ない参列者で短い葬列を組んで、「野辺の送り」を行うケースが増えてきている。

  しっかりと時間をとって儀式的なものを行うことにより、人は気持ちの区切りをつける。「お別れ会」が緩やかに広まってきているのは、同じような意味や役割があるためだと考えられる。

 「『お別れ会』と葬儀との1番の違いは、『お別れ会は悲しみだけではない』という点です。生と死はつながっていて、故人には人生があります。遺された人にとって、大切な人の死は悲しいことかもしれませんが、その人と過ごした時間には喜怒哀楽があったはずです。遺された人たちが、その人の人生を思い出し、記憶をたどり、もう一度心の中に入れ直して、『さよなら』だけでなく『ありがとう』と感謝を伝える。それが『お別れ会』です」(鎌倉新書)

「しのぶ」ことの大切さ

  何事も一方に寄りすぎると、揺り戻しが起こる。葬儀の縮小化・簡素化が進み過ぎたが故に、故人をしのぶ意味や大切さが見直されてきた。遺された人の心をケアする「グリーフケア」にも注目が集まっている。葬儀はこれまで、亡くなった人のために行うものとして捉えられてきた。しかし、「お別れ会」の増加は、生きている人にとっても儀式が必要だということが、広く認識されてきた現れともとれる。

  人間は、紀元前から弔いを行ってきた。4万年以上前のネアンデルタール人の骨が発掘され、周囲から花粉の化石が見つかっているほどだ。葬儀も「お別れ会」も形が違うだけで、弔う、しのぶという行為自体は、人間の本能的な欲求から来るものなのかもしれない。

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小池都知事「特別秘書」は年収1400万円超・運転手つき専用車で通勤・勤怠管理もナシ、と判明――税金で選挙活動の疑いも

2017年08月24日 | 社会・経済

mynewsjapan 05:34 08/24 2017 三宅勝久

   都知事の特別秘書2人に年間1400万円ものカネが税金から払われていた――これまで「個人情報」を理由に墨塗りにしてきた特別秘書の給料額を、東京都は23日、一転して開示した。給与額の非公開処分は違法だとして筆者が都を相手に提訴した直後の方針転換で、報酬に見合った仕事をしているのか、その妥当性を問う議論に発展するのは必至だ。知事がお気に入りの人物を雇い、議会の同意も承認も不要で、自分の裁量だけで高額の報酬を支出する、究極のコネ採用。それだけでも都民には納得しがたいが、さらに運転手つき秘書専用車で都職員の運転手を使って通勤させ、勤怠管理もないことが判明。野田特別秘書専用車の運行記録も情報公開請求したところ、都議選さなかの今年6月は、わずか4日しか車が動いていない事実も発覚した。出勤せず、公費で選挙活動のほうに没頭していた疑いが濃厚だ。こうした特別秘書の勤務実態を説明できないなら、小池知事の「情報公開推進」は嘘ということになる。(野田数専用車2017年6月の運行記録はPDFダウンロード可)

 こっそり公開された特別秘書の給与情報
 「東京都のホームページに知事特別秘書の給与が公開されています」――某テレビ局の記者から連絡をもらい、都のホームページに知事特別秘書の給与額が掲載されているのを確かめたのは、23日の午後5時すぎだった。

 ちょうど秘書課と人事課に電話をかけ、知事特別秘書2人の顔写真を提供してくれるよう頼み、返事をまっていたところだった。

 人事課職員「提供できるかどうか含めて、返答したい」

 三宅「すでにマスコミに公表しているんでしょう。何を言っているんですか。すぐに送ってください」

 人事課職員「私では判断できないので…」

 後の説明によれば、公表時間は午後4時。写真をめぐる上のやり取りをしていたときにはすでに公表ずみだった。しかし職員は一言も「給与額を公表した」事実について触れなかった。

 給与額の公表資料は、都ホームページの表紙ページにも案内はなく、よほど注意して探さないと見つからないような場所にあった。それくらい、「こっそり」と公表はなされた。(※プレスリリースコーナーのどこを探しても見つからない)

 月額70万6000円、期末手当と地域手当を含め、年間の支給総額は1400万円。局長級の高額給与だった。都に対してこの金額の公表を求め、「個人情報」を理由に拒まれたのが7月はじめ。以来、あきらめることなく開示を要求し、1ヶ月半という夏休みに相当する日数を費やして経て得た結果だった。

 なんのことはない。個人情報ではなく、高すぎるという批判を恐れて、出し渋っていただけではないか。1400万円という金額をみて、筆者はそう思った。

サボり放題でも1400万円?

 

提訴の会見は注目を集めた(NHKより)

 これまでのいきさつを振り返りたい。

 特別秘書とは、地方公務員法が適用されない、特別職の秘書だ。小池知事はこの特別秘書に、自身が率いる都民ファーストの代表者・野田数氏を採用した。また、元読売新聞記者の宮地美陽子氏も採用した。

 そうしたニュースが目にとまったのは、都議選が終わった直後の7月はじめのことだった。ニュースをみて筆者は給料額が気になった。2人に対して、いったいいくらの給料を払っているのか。

 秘書課や人事課に電話で問い合わせた。「個人情報だから教えられない」という。だが納得できない。

 条例によれば、特別秘書の給与額は、一般の給料表、または局長級の給料表のどちらかの給料表から任命権者が知事と協議のうえ決める――となっている。要するに、知事が自由に決められる仕組みだ。それ自体がふざけた条例だが、知事の胸先三寸で決めることのできる給料額が、どうして「個人情報」なのか。

 

のり弁をやめます、は嘘だった(都民ファーストの会公式サイトより)

 大阪市や横浜市府にも特別秘書は置かれているが、給与は条例で定められ、公開されている。

 「のり弁」をやめます、という基本政策を掲げる「都民ファーストの会」代表として都議選を戦った小池都知事が、非公開としているのはおかしい。

 行政が情報を隠そうとする場合の対抗手段が、情報公開請求である。筆者は7月6日、都知事に対して情報公開請求を行った。特別秘書の給与額がわかる文書と勤務実態がわかる文書を開示せよ――という内容だ。

 

情報公開請求に対して7月20日付で都知事が開示した特別秘書2人の「給与簿」。ほぼ完全に黒塗りとされ、鮮やかな「のり弁」であった。「個人情報」「個人の権利利益を損ねる恐れがある」というのが理由だという。

 結果が送られてきたのは2週間後。開示されたのは、鮮やかな黒色でぬりつぶされた2枚の紙だった(左記資料)。題して「職員別給料表」。「海苔弁当」という表現がぴったりのものであった。給料額も期末手当もいっさい不明。所属部署の記号すら消されている。読めるのは野田数氏の氏名だけ。宮地秘書のほうは、氏名まで丸ごと消されている。どうやら結婚して苗字が変わっているらしい。

 また、もう一つの請求内容である「勤務実態がわかる文書」のほうは、「作成していない」という理由で非開示だった。

 勤務実態がわかる文書を「作成していない」とはどういうことなのか。秘書課に問い合わせてみると、こういう返事が返ってきた。

 「勤怠管理をしていません」

 驚いた。これでは、いくらさぼったり、都政と無関係のことをやったところで、だれにもわからない。知事が黙認する限り、政党の選挙活動を含め、何をやっても構わない、ということになるではないか.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。


 

小池都知事が特別秘書に雇用し、年間1400万円の給料・手当を支給している野田数・都民ファースト代表。勤務実態は闇の中だ。

 

小池知事が特別秘書に雇用し、年間1400万円の給料・手当を払っている宮地美陽子元読売新聞記者。本名は明らかにされていない。父親はテレビ朝日の元政治部記者、夫は産経新聞社員などと伝えられている。

 

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「夜間大学」の可能性とは

2017年08月23日 | 社会・経済

志願者急増「夜間大学」の可能性とは

    澤田晃宏 - AERA dot. - 2017年8月21日

   親世代の経済状況の悪化で再び夜間大学に注目が集まっている。魅力は学費の安さだけじゃない。現役生が魅力を語る。

 高校3年生になって間もない頃、父親にこう告げられた。

「大学進学は難しい」

   埼玉県出身の野中麻浩(まひろ)さん(22)は父子家庭の3人きょうだいの長男。生活ぶりから、経済的に余裕がないことはわかっていた。学費の安い国公立大学を目指して勉強していた。奨学金の利用も考えたが、きょうだいのことも考え、進学は断念した。

   しばらくして、大学の担当者も参加する学校主催の進学説明会があった。全員参加だったため、名前を知っている大学をいくつか回った。東洋大学(東京都文京区)のブースで、自分の状況を話した。

「新しい入試が始まるんです」

 渡されたチラシには、夜間のイブニングコースの説明があった。入学金は18万円、授業料などは53万円。国公立より安い。衝撃的だった。夜間の大学があること自体、初めて知った。

   さらに、新しい入試に合格すれば、昼間に東洋大の正職員として働いて稼ぐことができ、また授業料の半分は給付型の奨学金が4年間支給される。これなら親に頼らなくとも働きながら大学に行ける!

経済的な理由から、夜間大学を志望する学生が増えている。東洋大の加藤建二入試部長は、夜間部の状況をこう説明する。

「戦後、勤労学生のために設置された大学夜間部は、1990年代には昼間部に入れなかった学生の受け皿となり、夜間部本来の役割が失われていた。しかし親世代の経済状況の悪化で、夜間部の役割が復活している」

●夜間大学を知らない

   東洋大の夜間部は全国最大規模で、6学部9学科に3381人が在籍する。東日本大震災以降、志願者は1322人(2012年度)から、3475人(17年度)に急増している。

「特に地方では経済的な理由で進学を断念する学生が多い。東洋大の場合、昼間部の学生は1都6県の比率が8割だが、夜間部は6割強だ」(加藤入試部長)

   14年度からは冒頭の野中さんが受験した新たな入試制度「『独立自活』支援推薦入試」を導入。大学事務局で日中働きながら、夜間に学ぶことを前提とした入試制度だ。働く場を保障することで、地方からの学生が挑戦しやすい環境を整えた。

「夜間部が休廃止されていくなか、高校の先生や親から夜間部という選択肢が消えていた。経済的な問題で進学を断念する学生に夜間部という選択肢を提示したかった」(同前)

夜間部の学生数は04年に10万人を割って以降、16年は2万460人と減少の一途をたどる。夜間部を廃止し、昼夜開講のフレックス制を導入する大学も増えた。それでも、夜間部やフレックス制を設置する大学は05年の最大114校から、16年には71校に。一部、東洋大のように志願者が急増する夜間部はあるが、全体的には縮小傾向だ。背景には働く環境の変化もある。

●夜間は昼間の滑り止め

   電大の愛称で知られる東京電機大学(東京都足立区)工学部第二部は、18年度入試から新たに「はたらく学生入試」を新設する。昼間、大学で働くことで給与を得て、働きながら学べる入試制度だ。前述の東洋大の「『独立自活』支援推薦入試」と同様の制度だが、背景は異なる。吉田俊哉教授は「働きながら学べるという選択肢を与えているつもりが、実は与えられていない」と指摘し、こう話す。

「昔のように17時に仕事が終わって、夜間大学にというわけにはいかない。長時間労働が問題になるなか、昼間の働き先を学校が準備することで、これまで応援できなかった人を応援できると考えた」

   社会人向けの「実践知重点課程」も新設し、企業人が求める特定の科目のみの受講も可能とした。卒業証書は得られないが、入学試験もない。工学部第二部長の佐藤太一教授は言う。

「技術競争が厳しいなか、企業には人材を育てたい気持ちが強いが、社員を夜間の大学で4年間学ばせる余裕のある企業は少ない。例えば1年でも技術研修をしたいという企業には、特定の科目だけを選んで履修する制度を勧めたい」

18歳人口の減少で、昼間の大学に入りやすくなったことも夜間部の縮小に拍車をかけている。国立の滋賀大学(滋賀県彦根市)経済学部は、今年度の夜間の入学者からフレックス制を導入した。学費は一部半額(入学金が14万1千円、授業料が26万7900円)と魅力だが、

「志願者数は横ばいだ。第1希望で志願する学生が少なく、定着率が悪い。昼間部で学びたい学生が多く、フレックス制に切り替えた」(入試課の担当者)

 昨年度は46人が入試に合格したが、実際に入学したのは17人だったという。

就活に強い夜間

   ただ、大学夜間部を取り巻く環境が変わるなか、夜間部の魅力は薄れていない。その最たるものが学費の安さだ。国公立の夜間部は昼間部の半額と設定している大学が多く、私立も昼間部より安く設定されている(下の表参照)。東京電機大の場合は昼間部の約半分だが、夜間部の魅力は安さだけではない。同大電気電子工学科4年の九澤渉さん(23)は、こう話す。

「クラスには大手企業で働く社会人もいる。働く現場の話を生で聞けることも魅力です。昼間は時給のいいバイトが見つかりにくいというデメリットもありますが、教授も授業内容も昼間と同じ。4年で卒業もできる」

   保育士、幼稚園教諭の採用数で国内トップを走る聖徳大学(千葉県松戸市)は、短大部、系列の専門学校にも夜間部を持ち、保育士資格と幼稚園教諭免許を卒業と同時に取得できる。

   大学の児童学部の夜間主コースでは、卒業に必要な単位の半分を夜間に履修すれば、残りの単位は昼間に取得することも可能だ。同大児童心理コース4年の菅野純花さん(22)は夜間主コースの魅力を、こう話した。

「夜は働きながら勉強しに来ている人が大半なので、何となく授業を聞いている人はいない。学生数も少ないから、先生との距離も近い。社会人の方から、現場の話も聞ける」

   今回の取材で記者は夜間部に通う6人の学生に話を聞いたが、夜間部の魅力に全員が「学生の向学心の強さ」を挙げた。

冒頭の野中さんは14年、新たな入試制度の1期生として東洋大国際学部国際地域学科のイブニングコースに入学した。現在は4年生で就活を終え、ホテル業界など10社を受け、そのうち7社から内定を受けた。

「就活中、夜間部の学生であることは、自分から積極的に話しました。昼間に働いてきた経験は、面接でも受けが良かった。夜間だからと差別されることはなく、むしろプラスになっている印象を受けました」

 そして、こう続けた。

「夜間部の存在を知らなければ学びを断念していた。今、かつての自分と同じ境遇にある高校生には、諦めず、こうした場があることを知ってほしい」

   ある夜間大学の関係者は「夜間部は大学の負担が大きく、もうからない」と本音を漏らすが、野中さんのような学生を救っているのも事実だ。奨学金の返還が社会問題化するなか、大学夜間部の明かりに希望が見えてくる。

(編集部・澤田晃宏)

※AERA 2017年8月28日号

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安倍腹心の「軍縮」大使

2017年08月22日 | 社会・経済

高校生平和大使の核廃絶演説中止の背後に安倍腹心の軍縮大使…集団的自衛権にも暗躍した防衛官僚が軍縮会議の代表者に

リテラ 2017.08.22

  スイスのジュネーブ軍縮会議で「高校生平和大使」による演説が見送られたことが波紋を広げている。

 高校生平和大使は、日本の高校生が国連に赴き、核兵器廃絶を訴える活動。1998年に始まり、近年では2014年から3年連続で核兵器廃絶の演説の機会が与えられ、ジュネーブ軍縮会議の本会議で高校生がスピーチを行っている。また、活動20年目にあたる今年は、核兵器の廃絶と平和な世界の実現を目指すための署名が過去最高の21万4300筆も集まった。

 8月17日には、高校生平和大使に参加する長崎県の高校生3人が田上富久長崎市長を表敬訪問。軍縮局幹部の前での演説を予定していた女子高生が「微力ながらも、世界に核兵器の廃絶を精いっぱい訴えてきたい」と抱負を語っていた(毎日新聞8月18日長崎版)。

 ところが、その核廃絶の願いを届ける高校生の演説が、今年は不可解なことに、直前で白紙になってしまったのだ。

 いったい何が起きたのか。当初、高校生平和大使は22日に国連へ決議文を提出し、軍縮会議の場でスピーチをする予定だったが、共同通信によれば、18日に急遽取りやめとなったことが判明。軍縮会議日本政府代表部は「今年は軍縮会議の議事上、適当でないと判断した」としている。一方、東京新聞は〈関係者によると、大使を派遣する市民団体「高校生平和大使派遣委員会」が今年も軍縮会議での演説を打診したところ、外務省の担当部局である軍備管理軍縮課から「今回は難しい」と回答があった。明確な理由の説明はなかった〉と報じている。

 つまり、日本政府側が高校生平和大使側に、説明もなくストップをかけたというのだ。20日付けの西日本新聞では、引率する元教師が取材に対し「正式に見送りを伝えられたわけではないので何とも言えない」とした上で、「政府が反対している核兵器禁止条約を平和大使が『推進すべきだ』と主張してしまうことを、外務省側が恐れたのではないか」と推測しているが、実際、そういうこととしか思えない。

 対米従属の先兵だった元防衛官僚を軍縮大使にした安倍政権

  周知の通り、日本は“唯一の被爆国”であるにもかかわらず、核保有国であるアメリカなどとともに、核兵器禁止条約に反対の姿勢をとり続け、交渉にすらも参加しなかった。今月7日の国連採択後も日本政府として「署名しない」と明言するなど、世界の潮流である核軍縮へ強固に反発している。

 さらに安倍首相は、今年の広島と長崎での平和式典でも露骨な態度を見せた。松井一実広島市長が「日本国憲法が掲げる平和主義を体現するためにも、核兵器禁止条約の締結促進を目指して核保有国と非核保有国との橋渡しに本気で取り組んでいただきたい」と求め、田上長崎市長が「核兵器禁止条約の交渉会議にさえ参加しない姿勢を、被爆地は到底理解できません」と強く批判したのを尻目に、安倍首相はあいさつで核兵器禁止条約に一切言及しなかったのだ。

 そう考えてもやはり、今回の高校生平和大使の件では、政府側が強くプレッシャーをかけて、高校生による国連での核廃絶スピーチを阻止したと考えるのが自然だろう。

 さらに、このスピーチ取り止めには、軍縮会議日本政府代表部大使(軍縮大使)の人事が関係しているのではないか、ともいわれている。

 この軍縮大使というのはその名のとおり、ジュネーブ軍縮会議の日本政府代表なのだが、昨年12月の人事で、その責任者に安倍首相と近い防衛官僚の高見沢将林氏が就任していたのだ。

 軍縮大使に外交官ではなく、元防衛官僚が就任するのは異例中の異例。実際、ここ20年をみても、民間から起用された猪口邦子氏(現・自民党参議院議員)を除いて全員が外務省出身者だった。

 しかも、高見沢氏は昨年の退官まで、一貫して日米安保畑を歩んだ元エリート防衛官僚で、第二次安倍政権では安全保障担当の内閣官房副長官補として官邸入りするなど、安倍首相の覚えがめでたい人物。集団的自衛権の行使容認を議論する首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の事務局を仕切り、2014年の閣議決定の際には高村正彦・自民党副総裁や横畠裕介・内閣法制局長官らとの「秘密会合」で政府案を練り上げたほか、日米安保体制=対米従属の固定化を目指す安倍政権の裏方をつとめてきた

軍縮大使は民主党時代、米国に沖縄基地を県外移転しないよう提言していた

  その高見沢氏がいかに“日米安保の権化”であるかを示す、こんなエピソードもある。沖縄の基地負担減を目指した民主党政権が、米軍普天間基地の「県外移設」を掲げた際、当時、防衛政策局長だった高見沢氏が、2009年10月、当時のキャンベル米国務次官補に「(民主党の県外移設案に)あまり早期に柔軟性を見せるべきではない」と耳打ちしたことが、ウィキリークスが公表した米国の公電によって明らかになっている。また、1996年の辺野古代替施設建設の日米交渉時には、オスプレイの配備を念頭に置きながらも、地元側に明言しないよう米側と想定問答集を調整したとされるなど、高見沢氏は米側を慮る日本政府の方針を陰に陽に実行に移してきた。

 こうした経緯を踏まえれば、安倍政権が高見沢氏を軍縮大使に異例の起用をしたのは、あきらかに核兵器禁止条約に反対する米側と歩調をあわせ、国連でのネゴシエーションや国内の世論調整を担わせるためだろう。

 今回の高校生平和大使の演説取りやめも、その延長線上にあると考えるべきだ。もっとも、高見沢氏による直接の指示があったかは現段階では不明だが、少なくとも、安倍政権のもとでは、市民が核兵器廃絶の思いを述べる機会さえ奪われてしまうことは間違いない。こんな政権が被爆国にふさわしいのか、わたしたちはいま一度よく考えるべきだろう。(編集部)

まったくもって恥ずかしい限りだ。被爆者に寄り添わない「政府」が世界中から冷たい視線を浴びている中、今度はよりによって未来を担う若者たちの声まで消そうとしている。被爆者の声を聞かず、若者たちの声まで葬ってしまう、こんな「政府」なんかいらない!これまでの過去最高の「署名」を集め活動してきた高校生たちの声を消してはいけない。21万票を超えるわたし達の声だ。
 「軍拡」大使も安倍もここにお前たちの居場所はない。

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高校生平和大使の演説見送り  政府方針に失望の声

2017年08月21日 | 社会・経済

  道新 08/20

  2014年以来、毎年8月にジュネーブ軍縮会議で核兵器廃絶を世界に訴えてきた日本の高校生平和大使の演説が、今年は見送られた。道内の高校生平和大使経験者や被爆者からは「被爆国の若者がスピーチする数少ない機会なのに」と失望や不満の声が上がる。

  道内の2人を含む22人の高校生平和大使が21~22日にジュネーブの国連欧州本部などを訪れ、22日に軍縮会議を傍聴する予定だが、過去3年連続で行われた演説の予定はない。ジュネーブ軍縮会議日本政府代表部は「今年は軍縮会議の議事上、適当でないと判断した」と説明。関係者は「日本政府が署名しないと明言した核兵器禁止条約について演説で言及されることを懸念したのでは」と指摘する。

  「非常にショック」と明治大1年の下町舞さん(18)は言う。立命館慶祥高(江別市)3年だった昨年、平和大使に参加。軍縮会議では長崎県の平和大使が代表で演説し、「核兵器のない世界への、皆の思いを語ってくれた」と振り返る。

  軍縮会議後には日本政府代表部を訪れ、核廃絶の思いを訴えた。だが帰国直後に流れたのは、日本政府が核兵器禁止条約の交渉開始を決める採決を棄権したとのニュース。「私たちが訴えた意味は何だったの」と苦しんだ。「早く、核抑止力という発想から脱してほしい」と下町さん。「今年の大使は演説以外でも思いを伝えられるよう頑張ってほしい」とエールを送る。

  下町さんと一緒に平和大使としてジュネーブを訪れた札幌光星高2年の和泉砂絵さん(17)も「高校生が国際的な場で、核廃絶について発言できる機会はなかなかない」と悔しがる。今も核廃絶を求める署名活動を続けているが、若者の関心は低い。「国内の若者に関心を持ってもらうためにも、大切な場だったのに」

  長崎市の田上富久市長は9日の平和宣言で、同条約に参加しない政府の姿勢を「到底理解できない」と厳しく批判した。広島で被爆した北海道被爆者協会会長の真田保さん(79)=室蘭市=は「政府は弱腰な姿勢を注目されたくなかったんじゃないか」と指摘。「被爆者は高齢化し、若者の訴えは非常に重要だ。その機会が政治的背景で奪われるべきではない」と話した。

      

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母子家庭 月30万円必要 道労連が最低生計費試算

2017年08月20日 | 社会・経済

  道新 08/19 05:00

 道労連は18日、札幌市の母子家庭が健康で文化的な生活を送るために必要な費用「最低生計費」は月30万円との試算結果を公表した。1日8時間、週5日間休みなく働いた場合、時給換算で約1700円が必要としている。10月から適用される最低賃金810円の倍以上。本年度の最低賃金改定は過去最大の上げ幅だが、道労連は最低生計費には足りないと指摘する。

  道労連は、母親が20~40代の母子家庭の組合員47世帯から持ち物や生活費の実態を調査。

  全国で同様の調査を行う静岡県立大短大部の中沢秀一准教授(社会保障論)の協力を得て、調査データを基に最低生計費を試算した。

  試算では、札幌市東区に住む30代の母親と小学生の子ども1人の家庭を想定。生活実態を広さ30平方メートル前後のアパートに住み、1泊の家族旅行を年1回、通勤や買い物のために軽自動車1台を所有―などとし、それぞれの費用を積算した。

  厚生労働省の調査から母親世代の平均年収を290万円とすると、児童手当などを加えても月約2万5千円が不足するという。

  道労連の黒沢幸一議長は「日本は女性の賃金が低く、母子家庭が貧困に陥りやすい。試算を声をあげるきっかけにしたい」と強調。中沢准教授は「最低賃金を上げて賃金を底上げすることや、義務教育の完全無償化も必要だ」と訴えた。

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歯止めなき軍事費増強

2017年08月19日 | 社会・経済

歯止めなき軍事費増強
この国の末路は日米軍事同盟破産

    日刊ゲンダイ 2017年8月19日

  いったい、どこにそんなカネがあるのか。日本政府が「あれも買います、これも買います」の大盤振る舞いだ。

  17日にワシントンで開かれた日米両国の外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)。共同発表には、「日米同盟の切れ目ない対応を確保するため」として、日本が防衛費を増やし、自衛隊の任務を拡大する方針が盛り込まれた。

  同時に、日本側は防衛大綱や、自衛隊の装備体系を定めた「中期防衛力整備計画(中期防)」の改定を表明。「わが国自身の防衛力を強化する」と言って、バカ高い買い物を次々と約束してきたのだ。

  まず、「イージス・アショア」の導入を決定。海上自衛隊のイージス艦に搭載している迎撃ミサイル「SM3」を地上に置く新システムで、1基約800億円とされるが、日本全域をカバーするために2~3基の導入を検討する。

2018年度予算の概算要求では金額を明示しない「事項要求」にとどめ、年末の予算編成時に設計費を計上する方針だという。

  北朝鮮のミサイルに対応するため、SM3搭載のイージス艦も、現在の4隻から年内に5隻に増やす。イージス艦を1隻造るには、1300億円ほどかかるといわれる。弾道ミサイル防衛システムを搭載すれば、数百億円の追加オプション費用も発生する。

  また、航空自衛隊に「宇宙監視部隊」なるものを創設し、来年度から米軍主催の宇宙に関する多国間演習に参加することも決めた。概算要求では「MIMO(マイモ)」と呼ばれる警戒管制レーダー試作費に約196億円を計上する。

 ■米国製の武器を「爆買い」

  すでに、来年度までに「オスプレイ」17機を購入して総額3600億円を投じることや、19年度までに無人偵察機「グローバルホーク」3機導入で総額1200億円以上を支払うなど、米国製の高額兵器をバンバン購入している安倍政権だが、北朝鮮のミサイル危機を理由に、これでもかの“爆買い”を加速させているのだ。

  「それこそが米国の狙いなのです。北朝鮮を挑発し、意図的に脅威を煽れば、日本が軍備を増強してくれる。米国の武器産業は大喜びです。スターリンのロシアや毛沢東の中国にも核の脅威はあったのに、危機を煽ることはしなかった。金正恩の北朝鮮だけを意図的に煽るのは、米国にとっての経済的な利益になるからです。安倍政権は日米同盟への依存を強め、米国から言われるままにバカ高い武器を購入している。そういう米国への隷属を隠すために、日本政府も北朝鮮を利用している。米国を喜ばせるために武器を買うとは言えないから、国内向けの言い訳として、北の脅威を煽って、国民の不安をかき立てるのです」(元外務省国際情報局長の孫崎享氏)

   第2次安倍政権では、中国の脅威を理由に5年連続で防衛費を増やしてきた。16年度からは5兆円の大台に乗り、今年度予算は過去最高を更新。来年度予算ではさらに増える。それでも飽き足らず、なんと倍増させる計画まである。

社会保障費の削減分がイージス・アショア代に消える

  自民党の安全保障調査会が今年6月、次期中期防に向けた提言の中間報告をまとめた。そこには、北朝鮮の核・ミサイル開発が「新たな段階の脅威となっている」として、日本の防衛費をGDPの2%程度まで引き上げて「厳しい安全保障環境を踏まえて十分な規模を確保する」ことが提言されている。さらに、宇宙やサイバー分野などについての議論を深め、最終報告を政府に提出するという。これまで日本の防衛費は、GDP比1%の枠内にとどまってきた。倍増させれば10兆円規模。税収55兆円程度の国で、どこにそんな余裕があるのか。

  「防衛費を増やそうと思えば、真っ先に削減されるのは間違いなく社会保障費です。実際、17年度予算では医療や介護の制度改革で1400億円の社会保障費が削られた。政府は来年度も1300億円を削減する方針です。そうやって削った社会保障費が、役に立つかどうかも分からないイージス・アショア代に消えてしまう。消費税引き上げ分はすべて社会保障に使うという約束だったのに、軍備に使われているのが現実です。北朝鮮を敵に見立て、防衛と称して軍事費をどんどん増やし、国民の血税を米国の軍産複合体に差し出そうとしている。防衛費を10兆円規模にしようと思ったら、消費税10%でも足りません。もっと消費税率を上げなければ追いつかないし、それがそっくり軍事費に使われることになるのです」(経済アナリスト・菊池英博氏)

社会保障の財源が足りないと国民を脅して増税しておきながら、社会保障費は削られ、なぜか武器の購入が数千億円単位で次々と決まっていく。

 ■国民の生活より軍備を優先

  アベノミクスはいつまで経っても道半ばで、庶民は実質賃金が上がらず、生活を切り詰めざるを得ない。そんな中で増税や社会保険料の負担増に苦しめられ、さらには年金は当てにするな、75歳まで働いて納税しろと尻を叩かれる「1億総活躍社会」の悪夢。そうやって、国民から召し上げた血税が米国産の武器に浪費されるなんて、やりきれない気持ちになってくるが、これが安倍首相が盲目的に信奉する日米軍事同盟の正体であり、安保関連法の本質ということなのだろう。

   それでも無節操な軍事費拡大を黙認するのか。国民の生活より軍備を優先する政府を支持していいのか。

  「武器輸出を解禁し、大学の軍事研究を奨励する安倍政権が軍事大国を目指していることは明らかです。再び戦前の軍事国家に戻れば、周辺国との緊張が高まり、ますます軍事力に頼る歪んだ経済構造になってしまう。社会保障がどんどん削られて、負担ばかりが増えれば国民生活は困窮し、日本経済全体がヘタっていきます。軍事力だけが突出し、国家財政は逼迫、経済も弱体化すれば、いずれ国家が破綻する。国防も大切ですが、その前にまずは国民生活のはずです。日本が攻められた時に本当に守ってくれるかも分からないのに、米国にカネだけ毟り取られる無定見を続ければ、その末路は国家の破産しかありません。税金は国民が安心して暮らせる社会を構築するために使われるもので、米国に貢ぐために徴収するものではない。戦争屋の安倍政権に任せていたら、破滅への道をまっしぐらです」(菊池英博氏=前出)

   日米同盟を守るために国が破綻なんてバカみたいな話だが、自国民より米国の利益を優先してきたのが自民党政権だ。国民から収奪した富を米国に貢ぎ、一方では特区を利用した利権を仲間内で回す。自民党政権が続くかぎり、この構造は変わらないのだ。それは、そういう政権を選んで支持してきた国民の責任でもある。

  次の総選挙で安倍自民を引きずり降ろせば、まだギリギリ間に合うかもしれない。自分たちの生活か、高額な米国産武器か。選択を迫られているのは、単純な話だ。軍備への異常なまでの傾注によって、国家の破綻は刻一刻と近づいている。その時になって後悔したところで「後の祭り」なのである。

 昨日、草刈りをしていると、急に目の前に燃やした紙が舞い上がるような感じを覚えた。何かと思う間もなく、それは私の体を包み込む。「イタイ、イタイ」、ようやく事態を呑み込めた。蜂の巣を切っちゃったのか?とにかく逃げる。おでこと首2か所を刺されただけで済んだ。すぐにステロイドの入った軟膏を塗ったおかげで事なきを得た。

すぐ殺虫剤もないのでアリにかける薬をかけておいたのだが、効き目はいまいち。こんな小さな巣でも結構な数がいるんですねぇ。

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核兵器による電磁パルス攻撃の脅威と恐怖

2017年08月18日 | 社会・経済

北朝鮮の核兵器による「電磁パルス」の脅威!
  人命だけでなく電子機器、発電施設を瞬殺

ヘルスプレス  2017年8月14日 (2017年8月17日 21時47分 更新)

 ヒロシマ、ナガサキは、72年目の夏を迎えた。

  2017年3月現在、原爆症の医療特別手当(月額13万9330円)の受給者は8169人、管理健康手当(月額3万4270円)受給者は13万7000人、被爆者健康手帳保持者は16万5000人だ(厚労省・原爆症認定)。あの日に受けた放射線障害や放射能汚染と苦闘している、夥しい日本人が厳存する事実は重い。

 中ロ朝は、核・ミサイル開発を抑止する安保理決議を直ちに実行すべき

  しかし、「核兵器」の廃絶と根絶の道のりは遙かに遠い。北朝鮮は、2006年10月9日に初めての核実験を行って以来、国際社会の非核化の要請や、国連安保理決議による再三の制裁にも関わらず、核・ミサイル開発を執拗に推し進めている。

  7月29日未明、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射を強行したことから、8月5日、国連安保理は北朝鮮への新たな制裁決議を全会一致で採択した。今回の制裁は、北朝鮮の輸出収入トップを占める石炭のほか、鉄、鉄鉱石、鉛、海産物を全面禁輸。実行されれば輸出収入のおよそ3分の1の減収になる。また、新たな北朝鮮労働者の雇用も初めて禁止した。

  このような経済制裁は、核・ミサイル開発を抑止できるのだろうか? 韓国による調査によれば、北朝鮮経済を下支えする中国やロシアとの交易が不透明なうえ、北朝鮮の昨年の実質経済成長率は4%近いと推定しているからだ。

  北朝鮮による核・ミサイル開発の凍結、日米韓と中露朝の政治的な譲歩と連帯だけが、北東アジアの平和の礎(いしずえ)になる。…

中ロ朝は、今回の国連安保理決議を遵守し、直ちに実行すべきだ。

 北朝鮮の核兵器による電磁パルス攻撃の脅威と恐怖

  このような北朝鮮の核・ミサイル開発の状況は、一触即発の危機を孕み、全く予断を許さない段階を迎えた。核兵器による「電磁パルス(EMP)」攻撃が差し迫った現実の脅威になっているからだ。  

 「一発の核爆弾が我が国上空のはるかな高さで爆発することで、電力供給網と死活的に重要なインフラが崩壊し、何百万もの生命が危険にさらされる。

  北朝鮮が核弾頭搭載可能なミサイルを持ち、イランも保有に近づく現状を見れば、電磁パルス攻撃は理論上の懸念ではなく、現実の脅威である」(昨年7月、ドナルド・トランプ氏を大統領候補に正式指名した米共和党大会で採択された綱領より)。

  電磁パルスとは、核爆発が地上40~400(30~500)kmの高さで起きると、核爆発によって放出される「ガンマ線」が空気分子と衝突するために、ガンマ線が爆発地点から遠方まで拡散して発生する電磁波だ。

  電磁パルスが発生し、地磁気に引き寄せられて地上に向かうと大電流を生じるため、スマホ、パソコンなどの電子機器、発電施設や送電線などが瞬時に破壊される。

  たとえば、爆発地点が米国中部の上空高度400kmなら、地上の影響範囲は全米をすっぽり覆う半径2200kmに達するという。ただし、10キロ・トン程度の核弾頭(広島の原爆は15キロ・トン)が大気の希薄な高度上空で爆発しても爆風は起きず、熱風や放射能の影響も地表には届かない。…

 したがって、爆発の時点では死傷者も建造物の破壊もないが、電磁パルスによる大電流が送電線などに流入するため、ネットワークで結ばれた変電施設だけでなく、スマホやパソコンなどの電子機器も壊滅する(「読売新聞」2017年8月5日)。

 電力システムが崩壊した世界とは?

  このような電力システムが崩壊する事態に陥り、国全体が長期間にわたって電力をまったく使えなくなれば、どうなるだろう? 今年2月に公開された日本映画『サバイバルファミリー』(矢口史靖監督)がある。「電気の止まった生活」の恐ろしさ、現代人の電力依存の愚かさを警告していた――。

  ある日、日本列島がブラックアウト(停電)する。目覚まし時計もネットもスマホもパソコンも、テレビも冷蔵庫もエアコンもガスも上下水道も使えない。エレベーターも信号機も自動車も電車も航空機も原発も止まる。ATMは動かず、預金データも消える。スーパーもコンビ二も閉まる。ライフラインは全てフリーズ。食料も水もやがて尽き果てる......。

  決して空想でも絵空事でもない。2004年の米議会報告書「電磁パルス攻撃の合衆国への脅威評価」によると、全米規模の電力システム崩壊があれば、復旧に数年を要し、食料、燃料、医薬品などのあらゆる物資の欠乏と衛生確保が困難になることから、飢餓、犯罪、疫病が蔓延し、社会秩序も混迷し、人口3億人余りの米国なら、攻撃の1年後におよそ90%が死に至るとする身の毛もよだつ戦慄の予測している。…

電磁パルスは太陽嵐でも発生!
生き残るためのリスクマネジメントを急げ

  核・ミサイル開発を続ける北朝鮮は、米国に到達する大陸間弾道弾(ICBM)を視野に入れつつ、ミサイルを地上40~400kmに打ち上げ、核弾頭を小型化してミサイルに搭載する技術も備えたと見られている。したがって、核保有国の中国・ロシア・米国などと同様に、北朝鮮も小型核一発で致命的打撃を与える電磁パルス攻撃を効果的な戦略と認識しているに違いない。

  読売新聞によれば、テロ組織が核弾頭を上空に打ち上げる場合は、貨物船舶で標的とする国の沿岸に接近し、観測用気球で核弾頭を上空40km付近まで運び、船内の遠隔装置で起爆する。

  米議会は、電磁パルス攻撃を想定した「重要インフラ防護に関する法案」を成立させていないが、トランプ大統領は「サイバーその他の手段による攻撃から死活的に重要な社会インフラを守る」と語っているので、法案の成立を急ぐ可能性は高い。

  一般社団法人日本戦略研究フォーラムは、「電磁パルス攻撃は大震災をはるかに超える広範囲の社会インフラの破壊をもたらす新たな緊急事態」として警告。核兵器の全廃と拡散防止をめざす外交的取り組み、各国間のテロ組織などの情報共有、攻撃が起きた際の相互態勢、国内インフラの防護体制の構築を提言する。

  また、電磁パルスは核爆発だけでなく、太陽表面の巨大爆発で起きる磁気嵐(太陽嵐)が地球を直撃した時にも発生するため、日本戦略研究フォーラムは核による電磁パルス攻撃への備えは太陽嵐直撃への備えにもなると強調する。…

 研究グループ代表の鬼塚隆志氏(元陸上自衛隊化学学校長)によれば、電磁パルス攻撃からの防護を国土全体の社会インフラに対して施すのは困難だが、一部の地域で発電、送電施設を電磁パルスの影響が及ばない地下に埋設したり、電子機器に十分な防護を施すなどの対策を提唱し、拠点的な都市だけでも電力が生きていれば、全土の復旧が早まると語る(同前)。

  「電気の失われた世界」――。荒唐無稽な空想ではなく、いつでもどこでも起こりうる事態というリスクマネジメントの認識が必要だ。テロリストや「ならず者国家」の横暴は断じて許せないが、今こそ核弾頭やミサイルを使う電磁パルス攻撃という脅威に対して、核の洗礼を受けた日本こそが、国際社会をリードして外交的努力に心血を注ぐべき時だ。(文=編集部)


 太陽表面の巨大爆発で起きる磁気嵐(太陽嵐)が地球を直撃した例は結構ある。原子力発電所もすべてメルトダウンするだろう。こんな恐ろしい「核の傘」をさす日本なのだ。一刻も早い「核廃絶」の道に舵を切るべきだ。

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NHKスペシャル『731部隊の真実〜エリート医学者と人体実験〜』

2017年08月17日 | 社会・経済

NHKが731部隊の人体実験証言テープを公開し、安倍政権につながる重大な問題を指摘!

    リテラ 2017.08.16

   敗戦から72年目を迎えた夏。8月13日に初回放送されたドキュメンタリー、NHKスペシャル『731部隊の真実〜エリート医学者と人体実験〜』がいま、大きな反響を呼んでいる。

「731部隊」とは、日本の満州国建設から4年後、日中戦争の前年にあたる1936年8月に、関東軍防疫給水部本部の名称で発足した陸軍の秘密部隊の通称。満州で日本軍の細菌兵器の開発を行い、中国人やロシア人を使った人体実験を行っていた。日本の敗戦と同時に、証拠隠滅のために部隊の研究施設は破壊され、被験体の囚人なども殺害・焼却されたとされる。

 その存在については、当初、右派から「捏造説」がしきりにいわれてきたが、歴史家や研究者の実証的研究で事実であることがほぼ確定している。731部隊研究の第一人者である常石敬一・神奈川大学名誉教授は、隊員数は3000人弱で、10年間に2000とも3000とも言われる人を人体実験によって殺害していたこと明らかにしている(『七三一部隊』講談社現代新書)。

 そんななか今回、NHKは、1949年にソ連で開かれた軍事裁判「ハバロフスク裁判」の音声データを発掘。この裁判では731部隊の関係者も被告や証人となったが、そこで発せられた当事者たちの生々しい証言の数々を、テレビで放送したのだ。

「昭和18年の末だと記憶しています。ワクチンの効力検定をやるために、中国人それから満(州)人を約50名あまり人体実験に使用しました。砂糖水を作って砂糖水の中にチブス菌を入れて、そして、それを強制的に飲ませて、細菌に感染をさせて、そして、その人体実験によって亡くなった人は12から13名だと記憶しています」(731部隊隊衛生兵・古都良雄)

「ペスト蚤(ペストに感染させた蚤)の実験をする建物があります。その建物の中に、約4〜5名の囚人を入れまして、家の中にペスト蚤を散布させて、そうしてその後、その実験に使った囚人は全部ペストにかかったと言いました」(731部隊軍医・西俊英)

 さらに、731部隊では人体実験だけでなく、当時すでに国際条約で禁じられていた生物兵器の実践も行っていた。番組では、大量感染させる目的で集落に細菌を蒔いたとする裁判での証言音声も放送された。

「使われる細菌は、主として、ペスト菌、コレラ菌、パラチフス菌であることが決定しました。ペスト菌は主として、ペスト蚤の形で使われました。その他のものはそのまま、水源とか井戸とか貯水池というようなところに散布されたのであります」

「あの当時、現地に中国人の捕虜収容所が2カ所ありました。その人員は約3000名と言われていました。その饅頭をつくりに参加しました。少し冷やしてから、それに注射器でもって、菌を注射しました」(731部隊第一部〔細菌研究〕部長・川島清)

「人体実験はなかった」「NHKの捏造」とネトウヨがまたぞろトンデモ攻撃

  証言によれば、その後、細菌を注射した3000個の饅頭を収容所の中国人に食べさせたうえで解放。“パラチフスに大量感染させる目的だったか”との問いに、「はい。自分はそのように聞きました」と答えている。

 生きた人間を生体実験に用い、さらに大量感染させるという極めて非人道的な戦争犯罪の実態。今回、NHKが初めて報じたハバロフスク裁判での証言音声は、これまでの研究を裏付ける貴重な新資料だ。

 ところが、放送後、ネトウヨたちがNHKに対して、またぞろ「人体実験はなかった」「NHKの捏造」なるトンデモ攻撃をがなりたて始めた。

〈まだ731部隊とか人体実験とか言ってるんだ…そんな事実はないし、捏造やめろ〉

〈元は森村誠一が書いた「悪魔の飽食」によって事実がゆがめられた防疫部隊の話〉

〈日本軍は中国人にこぉんなに悪いことをしてきたんですよ〜ひどいですね〜と言いたいだけにしか聞こえない。完全なる印象操作。731部隊があった確たる証拠はあるの?〉

〈反日NHK 終戦記念日が近づくと、必ず自虐的な番組を報道しよるな〉

〈信じちゃってる人結構いる?? うわー。マスゴミはほんと罪深いわ。そしてこの嘘つき番組見た人は是非「731部隊 捏造」でググれ〉

 過去の戦争犯罪を正視できず、条件反射的に「捏造」「反日」と騒ぎ立てる知性のなさは今に始まったことではないが、まさか、731部隊まで否定するとは……。

 ネトウヨたちは〈森村誠一が書いた「悪魔の飽食」によって事実がゆがめられた防疫部隊の話〉などと言って〈人体実験は捏造〉と吠えまくっているが、そもそも731部隊の話を書いてセンセーショナルな話題となった本『悪魔の飽食』が出たのは80年代初頭の話だ。現在では前述のとおり、常石敬一氏らの実証的な研究や関係者の証言及び手記等により、731部隊による人体実験の存在は事実と確定している。

 とりわけ人体実験の有無については、秦郁彦氏をはじめとする保守派の歴史学者でも異論を挟む者はもはや皆無だ。というか、だいたい『Nスペ』を見れば、番組が『悪魔の飽食』を下敷きにしていないのは誰にだってわかるだろう。まったく、お話にならない。

 しかし、これは逆にいうと、ネトウヨたちが錯乱し、こんな噴飯モノのいちゃもんしかつけられないくらい、今回の『Nスペ』の内容が実証的で決定的だったということでもある。しかも、同番組を評価すべき点は、裁判証言の音声データを放送したことだけではない。『Nスペ』は膨大な資料と丹念な取材から、731部隊を生み出した背景に、大学と研究者の全面的な協力があったことを浮かび上がらせた。

 そして、これは、現在の安倍政権が推し進める“軍学共同”政策につながる問題だった。

Nスペが浮かび上がらせた731部隊、大学、研究者の関係

  戦中の731部隊には、当時の帝国大学などからエリート医学者たちが集められていた。なぜ、人の命を救う医学者、それもエリートたちが、大量殺戮のための生物兵器の製造・実験に従事することになったのか。『Nスペ』によれば、731部隊に最も多くの研究者を出していたのは、京都帝国大学(11名)で、ついで東京帝国大学(6名)だった。少なくとも、10の大学や研究機関からあわせて40人の研究者が集められていたという。

 番組は京都大学を取材。その大学文書館に保管された文部省と京大の往復文書のなかから、731部隊と京大との“金銭のやりとり”を示す証拠を初めて見つけ出したという。

 その731部隊からの特別費用が記された書類には、細菌研究の報酬として、現在の金額で500万円近い金額が、研究者個人に支払われていた。取材を進めると、弟子たちを部隊に送ったとみられる教授たちの存在が浮かび上がる。その教授のひとりの研究報告書からは、軍関連で現在の額にして実に合計2億5000万円にも及ぶ研究費を得ていたことが判明した。

 ハバロフスク裁判の証言音声にも、731部隊に巨額の国家予算が投じられていた事実が語られている。

「確実な数字はただいま記憶しておりませんが、だいたいの数字を申しますと、昭和15年度におきましては、だいたい1000万円(現在の金額で約300億円)に近い予算が使われておったように記憶しております」(731部隊第一部〔細菌研究〕部長・川島清)

 軍は、豊富な国家予算をもってして大学との関係を深めていったのだ。また、京大出身の軍医だった731部隊長の石井四郎は、大学幹部と結びつくことで、優秀な医学者たちを集めていったという。

 そうしたエリート医学者のひとりに、当時、京大医学部講師だった吉村寿人がいる。吉村は回顧録のなかで、突然、教官から満州の陸軍の技術援助をせよと命令され、断ると、今の日本の現状からこれを断るのはもってのほかである、破門するから出て行けと言われたと記している。結局、吉村は陸軍技師として、1938年から敗戦まで731部隊での研究を行った。吉村の与えられた研究は凍傷の症例と対策。生きた囚人を使って、人工的に凍傷を引き起こすなどの人体実験を行ったのだ。

 しかし、こうした731部隊に従事したエリート医学者たちが、戦後に裁かれることはなかった。たとえば吉村は戦後、京大に戻り、最終的に京都府立医科大学学長を務める医学会の重鎮となったが、吉村だけでなく、その多くは日本へ引き上げたのち、一流の医学者として頭角を現していったという。前述の歴史学者・秦郁彦氏はこのように記している。

〈吉村でなくとも、若い医学者はいつ召集を受け、第一線に狩り出されるかわからない不安な身分にあった。陸軍技師として豊富な研究費を与えられ、自由な実験ができるのは魅力にちがいなかった。

 長老教授たちも、石井の顔で陸軍から研究費が流れ、貴重な実験データをもらえるのを期待して、弟子を送り出すことになる。いわば持ちつ持たれつの利害関係が、成りたっていたのである。〉(『昭和史の謎を追う』上巻/文藝春秋)

731部隊を生み出した「軍学共同」を安倍政権が復活させている

  一見すると、まったく遠い過去のように思えるかもしれないが、実はこの731部隊を生み出した構造が、現在の安倍政権下で復活しようとしているのをご存知だろうか。

  そう、安倍政権は巨額の国費を投じて“軍学共同政策”を推し進めているのだ。たとえば、防衛省が 2015 年度から始めた「安全保障技術研究推進制度」は、初年度予算の3億円から2017年度には実に110億円と急増。戦争の反省から、多くの大学では戦後に“軍事利用のための研究”を禁じる理念を打ち出したが、それがいま、安倍政権のもとで骨抜きにされつつある。

 政府は基礎研究資金の助成に「デュアルユース」(軍民両用)という言葉を使って、その危険性を覆い隠そうとしているが、これが詭弁であることは明らかだろう。

 ノーベル賞を受賞した益川敏英・京大名誉教授は、“軍学共同”に関してこう警鐘を鳴らしている。

〈研究費が減る中、現役の研究者は防衛省の資金も背に腹はかえられないと言うかもしれないが、いったん立ち止まって欲しい。資金を一度受け取れば、その研究者は直接的に軍事研究につながるテーマに一本釣りされ、深みにはまっていくと思う。科学は発達した結果、民生にも軍事にも使えるデュアルユースの問題をはらむようになり、区別をつけるのは難しい。だから、軍事研究かどうかは、どんな機関が、何の目的で資金を出しているかで判断するべきだ〉(朝日新聞2017年1月11日付)

 また、宇宙物理学などを専門にする池内了・名古屋大学名誉教授も、著書のなかでこのように喝破している。

〈(軍民両用が)可能になったのは軍からの開発資金が豊富にあったためで、最初から民生品として開発できていれば、わざわざ軍需品を作る必要はないのである。これまでの例は、あくまで軍事開発の副産物として民生品に転用されたに過ぎない。要するに巨大な軍事資金が発明を引き起こしたのであって、戦争が発明の母であったわけではないことに留意する必要がある〉(『兵器と大学 なぜ軍事研究をしてはならないのか』岩波書店)

 国家権力が科学者たちを利用し、戦争と新兵器の開発を推し進めてきたことは、歴史が証明している。だが、科学者は単に利用された悲劇の人々というわけでなく、一線を超えて加害者となりうるのだ。“戦争の狂気”の一言で片付けられるものではない。そのことを忘れてはならないだろう。

 NHKスペシャル『731部隊の真実〜エリート医学者と人体実験〜』は16日深夜(17日1時)に再放送される。ぜひ、現在の社会状況を考えながら視聴してもらいたい。

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