里の家ファーム

すべて無農薬・無化学肥料、不耕起栽培の甘いミニトマトがメインです。完熟したミニトマトから作る無添加ジュースは逸品です。

枝豆は蒸し焼きがいい

2019年08月19日 | 食・レシピ

茹でるとビタミンCが半分に!?

 2019/08/14  ウェザーニュース

   生の枝豆は、今が旬真っ盛り。甘みがあってみずみずしくおいしいですね。枝豆の調理法といえば「茹でる」が定番ですが、最近、「蒸し焼き」が栄養価も高く旨味も残る、と注目されているのです。そこで詳しい話を管理栄養士の柴田聡美先生に伺いました。

茹でるとビタミンCが半減!?

   茹でる調理法が一般的なイメージの枝豆ですが、実は焼いた方がおいしくて栄養価が高いそうです。

「枝豆にはビタミンCが豊富ですが、ビタミンCは水溶性なので、茹でると約半分しか残りません。同様に水溶性のビタミンB群やカリウムなども同じように流出してしまいます。また栄養面だけでなく、茹でると甘み成分も減ってしまうので、おいしさにも影響します。枝豆は、豆が持つ水分を利用した蒸し焼きにして食べるのがおすすめです」(柴田先生)

枝豆はじっくり火を通すと甘くなる

 枝豆を焼くときは、どのように調理すればよいのでしょうか?


   「フライパンに塩もみした枝豆を入れ、枝豆から出る水分を逃がさないようにフタをしてから中火で焼き目がつくまで約5~7分焼きます。こうすることで蒸し焼きになり、甘み成分がぐっと凝縮しておいしくなるのです。

   幅広くアレンジもできます。例えば少し多めのオリーブオイルをひいてからニンニク、鷹の爪と一緒に焼き、コショウを振ると、ペペロンチーノ風味でとてもおいしいですよ」(柴田先生)

枝豆は枝付きを選ぶ

   枝豆は実だけ袋に入って売られているものが多いですが、旬の今は枝付きのもの、葉と根もついたものも出回ります。

「買うなら枝付き、根付きを買いましょう。枝豆には、旨味成分のグルタミン酸、酸味成分のアスパラギン、甘味成分のアラニンなどが含まれますが、これらは実だけだと収穫後わずか1日で半分ぐらい減少してしまいます。枝や根がついているものはその減少を抑えることができるので、おいしくいただくことができるのです」(柴田先生)

   また、枝豆を買う際には、緑色が鮮やかで粒が入っている部分がくっきりしているもの、うぶ毛が多いものを選ぶとよいそうです。今が旬の枝豆を上手に料理して枝豆本来の栄養とおいしさを味わってみましょう。


 こちらは、朝晩とても涼しくなりました。うっかり窓を開けて寝たら風邪をひいてしまいます。

 トウキビ、試食しました。味は、まあまあ。
今年は、アブラムシ対策がうまくいって、全然ついていません。
途中の水不足が生育に差がてしまいました。まだ狐も気が付いていないのか?

北こぶしの実が落ちていました。

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特捜部,今や影も形もなし

2019年08月18日 | 社会・経済

「森友問題」捜査終結、「最強の捜査機関」特捜部は今や影も形もなし

戸田一法:事件ジャーナリスト

DIAMONDonline2019.8.17 

 

   学校法人「森友学園」を巡る財務省の決裁文書改ざん問題で、有印公文書変造・同行使などの疑いで大阪第1検察審査会が「不起訴不当」と議決した佐川宣寿元理財局長(61)ら10人を再捜査していた大阪地検特捜部は結局、再び不起訴処分とした。3月の議決は文書改ざんを「言語道断」と指弾し、背任容疑についても法廷で事実関係を解明するよう求めていた。問題の発覚から約2年半。大阪特捜は不起訴の理由を「立証・立件は困難」と説明するが、今回、国民が求めていたのは「有罪・無罪」という判決の結果ではなく、何があったのか「真実」を知りたいということだった。しかし、大阪特捜は組織の論理を優先し、国民の負託に応えることなく捜査を終結した。(事件ジャーナリスト 戸田一法)

国民をけむに巻く大阪特捜

 本稿では政局についての背景は一切排除し、あくまで大阪特捜と今回の問題(事件にならなかったので「問題」と表記)について絞って考察していきたい。

 一般的に刑事裁判(公判)での有罪率が99.9%といわれるのは、検察が確実に有罪にできると判断した事件でなければ起訴しない(不起訴、もしくは起訴猶予)という背景があるのは周知の事実だ。

 背任罪は「他人のために事務を処理する者が自己もしくは第三者の利益をはかり、または本人に損害を加える目的で任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を与える」行為を指すが、背任容疑の対象となった近畿財務局の元統括国有財産管理官ら4人に「国に損害を与える」目的を持っていたかの立証が極めて困難だったことは理解できる。

 一方、文書改ざんは既成事実化しているにもかかわらず、佐川氏ら理財局幹部6人についても有印公文書変造・同行使の罪だけで起訴することをためらったのは、一般的に形式犯であり、公判請求(起訴)するような事件でないという理由が考えられる。

   立件しても、略式起訴・略式命令(罰金刑)で済まされる可能性が高い。公判にならず、5000万円もの退職金をもらった佐川氏らが罰金数十万円の幕引きで、世論が納得するかどうか…。

 大阪特捜は、1992年に発覚した自民党元副総裁の故・金丸信氏を巡る5億円のヤミ献金事件(東京佐川急便事件)を想起したのかもしれない。

 東京地検特捜部は事情聴取のため出頭を求めたが、金丸氏は拒否し、政治資金規正法違反について認める上申書を提出。東京地検特捜部は結局、聴取も逮捕もせずに略式起訴し、金丸氏は罰金20万円の略式命令を受けた。

5億円もの“賄賂”疑惑に対する捜査の行方が注目されたのに、罰金20万円という決着に国民からは猛烈な批判が湧き起こり、「検察庁」の表札に黄色のペンキがぶちまけられる事件も起きた。

 大阪特捜は昨年5月、刑事告発された38人をいずれも不起訴としたが、検審は10人を不起訴不当と議決した。しかし、強制起訴につながる「起訴相当」の議決とは違い、再捜査で不起訴となった場合、検審は再度の審査はできない。

 だから9日の大阪特捜の決定は、ある意味で予想通りだったとはいえる。「立証・立件が困難」という伝家の宝刀を繰り出し、再度の不起訴を決定。法的な知識のない国民をけむに巻くという決着は、多少の法律的な知識のある方なら分かりきった結末だったかもしれない。

 そう、冒頭にも書いた通り、大阪特捜は国民が知りたいと求めた真実より、自らのメンツと慣例を守るために今回の判断をしたと言っても過言ではないのだ。

国民の負託に応えない検察

 大阪特捜が集めた資料、関係者から聴取した供述、認定した事実、認定できなかった事実…。有罪・無罪を問わず、積み重ねた証拠を公判で示し、何が事実で、何が事実ではないのか、裁判官の審理を仰ぐという判断はできたはずだ。

 国民の税金である捜査費を使い、国民が「知りたい」と求めた事実(捜査内容)を、メンツと慣例のために一切を公開することなく、闇に葬ってしまったのだ。

 これは「国民の負託に応える」どころか、背信行為であろう。では、大阪特捜とは誰のために存在する組織なのか。言うまでもない、自分たちが出世するための組織であり、国民のことなど考えていないのだ。

その最たるものが「大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件」であり、読者の方々もご記憶と思う。自らの出世のため、無実の方を犯罪人に仕立てようとした事件だ。

 少なからず検察官と付き合いのあった筆者には、背筋の凍るような思いをした事件だった。「秋霜烈日」(秋霜は秋の冷たい霜。烈日は夏の激しい日差し。そんな環境でも、国民のために頑張るという検察官のシンボルとされ、バッジに型取られる)はどこに行った、と嘆いた。

 筆者の後輩である全国紙社会部デスクによると、大阪特捜の小橋常和部長は「起訴に足りる証拠を収集できなかった」と説明したという。

 これは、詭弁(きべん)である。はなから収集しようとしていたのかさえも疑わしいが「確実に有罪にできる証拠を収集できなかった」が事実であろう。

 ここで、問題は一体どこにあったのか、簡単におさらいしておこう。

20172月、森友学園が取得した大阪府豊中市の国有地が、約8億円値引きされていたことが発覚。そして、学園が建設を計画していた小学校の名誉校長に、安倍晋三首相の妻・昭恵夫人が就任していたことも明らかになった。

これまで提出されていた告発状によると、20172月~4月、佐川氏らは権限がないにもかかわらず、14件の決裁文書で明恵夫人の名前や「特例的な内容」などとする記述をすべて削除。「夫人の関与が明らかになれば安倍首相の辞任に発展しかねないと考え、事実を隠蔽しようとした」とされる。

 検審の議決も佐川氏に関し「『指示していない』との本人供述に信用性はない」と一蹴。さらに「文書を改ざんする行為は一般市民感覚からすると、いかなる理由があっても許されない」と厳しく指摘した。

 問題が発覚してから約2年半。政権支持の方であったとしても、一連の事実が明るみに出るにつれて「忖度(そんたく)があったのでは?」と疑問を持たれたのではないだろうか。

特捜にもはや存在意義なし

 一連の問題を提起したのは1人の市議だった。

 問題の現場となった国有地は、豊中市が国から借り受け、公園として整備する計画だったが、買い取りを求められて断念していた。

 その後、同市の木村真市議が現地を視察。「瑞穂の國記念小學院」と旧字体で記された幕、教育勅語を掲載したポスターを目にした。

 何か不審な雰囲気を感じ取った木村市議は、近畿財務局に貸付金額を問い合わせたが「言えない」に終始。その後、売却されたと知り、価格を情報公開請求したが、内容は黒く塗りつぶされていた。

172月には約8億円の値引きが発覚、問題は国会で取り上げられるように。次々に明るみに出る近畿財務局の対応。そのさなか、文書改ざんが行われたとされる。

 今回の不起訴処分を受け、詐欺罪などで起訴された森友学園元理事長・籠池泰典被告(66)は記者団に「役人はおとがめなしで、私たち夫婦は口封じで約300日も拘留された。官に甘く民に厳しい国のやり方が露骨に出た」とコメントしていた。

 捜査の結果として「詐欺師」と認定(起訴)した人物から好き放題に言われ続け、さらに官側を不起訴としたのであれば、世間から「やはり、身内である官僚をかばったのではないか」と疑われても仕方あるまい。

 検察官は元々、転勤が多く、地方では仕事も公判維持や書類の決裁が中心だ。捜査といっても、実態は警察から送られてきた資料(証拠)に法的な瑕疵(かし)がないか確認するぐらいだ。

 特捜の捜査手法も、警察官のように現場に足を運んで聞き込みをしたりする地道なものではなく、空調の効いた部屋で「ブツ読み」(資料の解読)や関係者を聴取するというのが主なものだ。

 プライドは高いが、永田町や霞が関の人間関係など裏の裏まで知る情報収集・捜査能力は、限られた検察官しか持ち合わせていない。

 付き合いのあった複数の検察官が自ら、そう話していた。

 ある検察幹部は「昔の警察官は地元の中堅どころの高校出身が多かったが、近年は地元国立大出身もノンキャリアでたくさん採用されている。地元のネットワークと捜査能力があるのだから、(地方では)我々は指揮する側ではなく、教えを乞う側だ」と話していた。

昨今、特捜は「巨悪」を挙げていない。

「最強の捜査機関」と恐れられた特捜は、今や影も形もない。能力もない。

国民の負託にも応えていない。「特捜なぞ、もはや存在意義はない」と批判されても、反論できないのではないだろうか…。


ビーツ。

パクチーの種採り。

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天皇と靖国神社 不参拝の姿勢は重い

2019年08月17日 | 社会・経済

  東京新聞社説 2019年8月17日

 靖国神社が昨秋、当時の天皇陛下(現上皇さま)に「行幸(ぎょうこう)請願」をしたが断られていた。一九七八年のA級戦犯合祀(ごうし)が天皇の不参拝の契機だとされる。その姿勢はもはや明白で決定的ともいえる。

 天皇と靖国神社とは歴史的に深く結び付いている。戊辰戦争の官軍側戦死者らを弔うために、明治天皇の意向で創建されたからだ。創立五十年の一九年に大正天皇が、創立百年の六九年に昭和天皇が参拝した。今回は創立百五十年の参拝についてだ。

 請願自体が異例だが、それを宮内庁側から断った事実は重い。節目であっても天皇は「不参拝」であり、その姿勢は明確でもある。

 天皇参拝は七五年から途絶えている。背景にA級戦犯の合祀があるとの説が有力だ。七八年に宮司の故松平永芳(まつだいらながよし)氏が主導し、実現した。父は初代宮内府長官の慶民(よしたみ)氏だ。故富田朝彦(とみたともひこ)元宮内庁長官が記したメモが二〇〇六年に公になり、その因果関係が浮き上がった。

 昭和天皇が合祀に触れ「松平は平和に強い考(え)があったと思うのに、親の心子知らずと思っている」と漏らし「あれ以来参拝していない。それが私の心だ」と不快感を示したのだ。

 松平氏の前任者である故筑波藤麿(つくばふじまろ)氏はA級戦犯合祀に慎重姿勢であり、このメモの正確性が裏付けられる。昭和天皇が「筑波は慎重に対処してくれたと聞いた」と話したとの記載があった。異論は存在するが、これほど天皇不参拝を説明できる史料はなかろう。

 平成は天皇参拝のない初の時代となった。戦死者を国家が英霊と祀(まつ)り、国民を総動員して戦争遂行した歴史を踏まえれば、当然の帰結であろう。靖国神社が、天皇や国家のための死を至上の徳と教え込んだ国家神道の中核施設であった点からも、それは言える。

 憲法は政教分離や信教の自由などを定める。その厳格な保障のため、国家は特定の宗教と絶対的に結び付いてはいけない。天皇と国家神道との関係を再現するかのような目論見(もくろみ)は、いわば究極の時代錯誤でもある。

 戦没者の追悼の在り方は政治問題化している。仮に天皇参拝があれば政治的にも国際的にも多くの反響を呼ぶであろう。政治に関する権能を有しない天皇を政治問題に巻き込むべきでもない。

 戦没者の慰霊には、現行の追悼式など無宗教の形式がふさわしい。令和の時代も、その意は継がれよう。


 台風10号により被害を受けられた方にお見舞いを申し上げます。

 わたしも随分と緊張していたのですが、何の被害もなくほっとしているところです。

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終戦の日の言葉から 令和も不戦受け継いで

2019年08月16日 | 社会・経済

  東京新聞社説 2019816

   きのうは令和最初の「終戦の日」。先の大戦の反省の上に立つ不戦の誓いは時代を超えて、昭和から平成、そして令和へと受け継がねばならない。

 一九三七(昭和十二)年の日中戦争から始まった長い戦争の終結を告げる昭和天皇の「玉音放送」がラジオから流れたのは四五(同二十)年八月十五日の正午。あの日から七十四年が過ぎた。

 東京の日本武道館で行われた政府主催「全国戦没者追悼式」への参列予定者は約五千四百人だったが、戦後生まれが初めて三割を超えた。時代は流れ、戦争体験世代は少なくなりつつある。

◆過ち繰り返さぬため

 過去に起きた戦争だが、そこから教訓を学び取り、次世代に引き継いでいかねば、再び同じ過ちを繰り返しかねない。

 戦争の犠牲者は日中戦争後に戦死した軍人・軍属二百三十万人と米軍による空襲や広島、長崎への原爆投下、沖縄戦で亡くなった民間人の合わせて約三百十万人に上る。しかし、これは日本人だけの数にすぎない。日本が侵略した近隣諸国や交戦国の犠牲者を加えれば、その数は膨れ上がる。

「戦没者を追悼し平和を祈念する日」とされる終戦の日に、戦没者を悼むと同時に、過去の戦争を反省し、戦禍を二度と繰り返さない「不戦の誓い」を世界に発信しなければ、本当に平和を祈念したことにならないのではないか。

 安倍晋三首相はきのう、追悼式の式辞で「我が国は、戦後一貫して、平和を重んじる国として、ただ、ひたすらに歩んでまいりました。歴史の教訓を深く胸に刻み、世界の平和と繁栄に力を尽くしてまいりました」「戦争の惨禍を、二度と繰り返さない。この誓いは昭和、平成、そして、令和の時代においても決して変わることはありません」と述べた。

◆加害・反省語らぬ首相

 不戦の誓いを、令和の時代も引き継ぐことを述べてはいるが、首相の式辞から抜け落ちているものがある。それはアジア諸国の人々に対する加害と反省だ。

 損害を与えた主体を「わが国」と明確にして加害と反省の意を表明したのは二〇〇一(平成十三)年の小泉純一郎首相が初めてだった。それ以降の首相は基本的に踏襲し、八月十五日には加害と反省の意を表明してきた。

 安倍首相も第一次内閣の〇七年には加害と反省に言及したが、政権復帰後の一三年からは触れていない。今年で七年連続となる。

 首相が加害と反省に言及しない背景には、アジア諸国に対して、いつまでも謝罪を続ける必要はないという考えがあるようだ。

一五年八月十四日に閣議決定した戦後七十年の「安倍首相談話」は「あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」と述べている。

 国民の一部にある「いつまで謝罪をしなければならないのか」との思いに応えたのだろうが、政治指導者が加害と反省に言及することをやめたらどうなるのか。

 多大な犠牲を出した戦争への責任を国家として感じているのか、本当に反省しているのか、という疑念を、アジア諸国のみならず世界に与えてしまう。

 先の大戦の反省の上に立つ日本の平和主義は、戦後七十年以上を経て、日本人の血肉となった。その不戦の誓いも、政治指導者が心を込めて語らなければ、受け取る側の胸には響かないのではないか。

 今年四月に天皇を退位した上皇さまは昨年十二月、天皇誕生日の記者会見で「平成が戦争のない時代として終わろうとしていることに、心から安堵(あんど)しています」と述べた。天皇は国政に関する権能を有しないが国民統合の象徴としての在位期間に戦争がなかったことへの安堵感を、率直に語ったのだろう。

 そして時代は平成から令和へ。

 戦後に生まれ、今年即位した天皇陛下は追悼式のお言葉で「ここに、過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い」と述べられた。戦後七十年の一五年以来、お言葉に「反省」を盛り込んだ上皇さまを受け継いだ形だ。

◆戦禍を語り継ぐ責任

   戦争や戦後の苦しい時期を経験した世代は徐々に少なくなり、戦争を知らない戦後生まれが八割を占めるようになった。時の流れで仕方がないとしても、記憶や経験の風化が、不戦の誓いまで形骸化させてはならない。

 戦争がもたらす犠牲や苦難を次の世代に語り継ぐことは、今を生きる私たち自身の責任だ。そして折に触れて、戦禍を二度と繰り返さないという不戦の誓いを、深い反省とともに語ることは、首相ら政治家の重要な役割でもある。


 先ほどまで風がピタリと止んでいたのだが今,音を立てて吹き始めた。いよいよ突入か!まだ雨は降っていない。

 ハウスはて全部閉めて来た。

虫取り、ブランコ楽しそうだった。

 

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終戦の日に考える 憲法の下 令和は流れる

2019年08月15日 | 社会・経済

東京新聞社説 2019年8月15日

 昭和二十年八月十五日。東京都心の社交クラブで玉音放送を聞いた帰り道。その紳士は、電車内で男性の乗客が敗戦の無惨(むざん)をあげつらう怒声にじっと聞き入ります。

 「一体(俺たちは)何のために戦ってきたんだ」

 映画の一シーンです。

 実在の紳士は幣原喜重郎(しではらきじゅうろう)。当時七十二歳。この二カ月後、首相となって日本国憲法の成り立ちに深くかかわっていきます。

◆不戦の源流を遡る

 連合国軍の占領下、天皇制の存続と一体で「戦争放棄」を日本側から発意したとされる。憲法のいわゆる「押しつけ論」に有力な反証をかざす、あの人です。

 社説にも何度か登場しました。「またか」とおっしゃる向きもありましょう。けれども今回は改憲論争の皮相から離れ、より深くにある幣原の平和観に迫りたい。

 平成から令和へと時代が移ろう時にこそ、流れを遡(さかのぼ)り、確かめておきたいことがあるからです。昭和の先人たちから受け継ぐ不戦の誓い、すなわち平和憲法の源流はどうであったか、と。

 その映画づくりが大詰めと聞いて、幣原生誕の地、大阪府門真市を訪ねました。三年後に迎える生誕百五十年の記念事業で、人類平和にかけた生涯を綴(つづ)る手作り映画です。題名は「しではら」。

 「地元でもあまり知られていなかった元首相の、高潔な理想を後世に伝えるため、まずは名前の読み方から知ってもらおうと。多くの人に平和を考えるきっかけを届けたい」。元教諭や税理士など地元有志の実行委員会を率いる酒井則行さんと戸田伸夫さんが、事業の意義を語ってくれました。既に七月、撮影終了。DVDにして今秋にも公開予定とか。

◆野に叫ぶ民の思い

 「私たちはこの映画で、昨今の改憲論争にくみしたり『九条を守れ』と訴えたいわけでは決してありません」。二人が口をそろえて強調したことです。

 幣原の「戦争放棄」は思い付きや駆け引きからではない。もっと人生の深みから湧き出た、純粋な平和観なのだと。その歴史的な価値を絶やすことなく後世につないでいかねば、ということです。

 例えば第一次大戦後の世界が、戦争はもうこりごりと、世界平和を願う機運にあったころ。幣原は協調派の外交官としてその世界にいました。時代の集約ともいえるパリ不戦条約の精神も当然、熟知していたはずです。まさしく「戦争放棄」の精神でした。

 一方、国内では戦争拡大に反対し終戦まで長く下野していたが、久々に「感激の場面」に出くわします。あの映画にもあった終戦当日、電車の中の出来事です。

 その後の展開が、自著の回顧録「外交五十年」に出てきます。 

 <総理の職に就いたとき、すぐに私の頭に浮かんだのは、あの電車の中の光景であった。これは何とかしてあの野に叫ぶ国民の意思を実現すべく努めなくちゃいかんと、堅く決心したのであった>

 <(憲法で)戦争を放棄し、軍備を全廃して、どこまでも民主主義に徹しなければならんということは(私の)信念からであった>

 恐らく電車の中で幣原は、外交官当時の記憶を呼び覚まされたのでしょう。欧米の軍縮会議などを駆け巡り、世界に広がる「不戦」機運を肌で感じながらいた当時の記憶です。幣原は乗客の怒声に確信したはずです。不戦の意志がついに日本人にも宿ったと。ここが「戦争放棄」の起点でした。

 そしてもう一歩。幣原を踏み込ませたのは、広島、長崎の原爆です。元首相の口述を秘書官が書き留めた「平野文書」に記す、幣原のマッカーサー元帥に向けた進言から一部抜粋です。

 <原爆はやがて他国にも波及するだろう。次の戦争で世界は亡(ほろ)びるかも知れない>

 <悲劇を救う唯一の手段は(世界的な)軍縮だが、それを可能にする突破口は自発的戦争放棄国の出現以外ない>

 <日本は今その役割を果たし得る位置にある>

◆平和の理想つなげ

 幣原の「戦争放棄」は、後世の人類を救うための「世界的任務」でもありました。源にあったのは高潔なる平和の理想です。

 七十四年が過ぎました。いま令和の時代を受け継ぐ私たちが、いまもこの源から享受する不断の恵みがあります。滔々(とうとう)たる平和憲法の清流です。幣原の深い人類愛にも根差した不戦の意志を、令和から次へとつなぐ流れです。

 流れる先を幾多の先人が、世界が、後世の人類が見つめます。

止めてはいけない流れです。


 台風が関西方面を直撃しています。ご無事を願っております。
こちらは、明日夜から影響が出てくるようです。北海道の日本海側を通るとき「風台風」になるので嫌なんです。今まで台風とは無縁だった北海道を直撃する数が増えてます。

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雨宮処凛「生きづらい女子たちへ」84「今、フェミニズムの熱波が来ている!」

2019年08月14日 | 野菜・花・植物

 スペシャル対談 松尾亜紀子×雨宮処凛「今、フェミニズムの熱波が来ている!」 

 

imidas連載コラム 2019/08/07

(構成・文/仲藤里美)

 2018年夏、東京医科大学の女子一律減点の不正入試が報じられた時、同大の前にその人の姿があった。「ふざけんな!」とマイクを握るその女性編集者が一人で出版社を立ち上げ、『エトセトラ』(エトセトラブックス、19年)というフェミマガジンを創刊することを、それから間もない時に知った。

『エトセトラ』が発売される直前、またしても松尾さんと会った。それは性暴力への無罪判決が続いたことに対して起こった抗議のフラワーデモ。東京医科大学の時と同じく、彼女はデモの主催メンバーとして動いていた。

 私は、「それをすることで1円にもならないのに、いても立ってもいられずに動いてしまう人」が好きだ。彼女は間違いなくそんな一人で、そしてそれからすぐに出版された『エトセトラ』は、息つく間もなく一気に読んでしまう面白さだった。

 編集者・松尾亜紀子さんとお話しした。

 

雨宮処凛さんと松尾亜紀子さん

『エトセトラ』創刊のきっかけ

雨宮 松尾さんは2019年5月にフェミニズムをテーマに掲げ、「フェミマガジン」と銘打った雑誌『エトセトラ』(エトセトラブックス)を創刊されましたが、以前は出版社におられたそうですね。

松尾 私は15年間、河出書房新社で編集者として勤めて、フェミニズムやジェンダーをテーマにした本をつくってきたんですけど、どうしてもそれだけを扱っていられないし企画を通すのにも時間がかかります。そうした中、ここ数年は個人で独立系出版社を立ち上げる人がどんどん出てきて、流通などのシステムも整ってきたし、一人でもやれるかもしれないという道が見えてきた。それなら独立したほうが、自分のつくる本を読みたいと思ってくれる読者にダイレクトに届けられるんじゃないかと考えて、エトセトラブックスを立ち上げたんです。

 最初は雑誌ではなくて単行本からスタートするつもりだったのですが、退社したあとに、単行本以外にも発信していく場が欲しいな、フェミニズムの雑誌をつくりたい、と思って。最初は、第1号はやっぱり「フェミニズムって何だ?」みたいな基本的な内容かな、と考えていました。

雨宮 それが、実際には『エトセトラ』創刊号のテーマは「コンビニからエロ本がなくなる日」でした。

松尾 19年の初めに、出版社時代に編集担当していた漫画家の田房永子さんから連絡をいただいたんです。大手コンビニチェーンが「成人向け雑誌の販売を8月末までにやめる」と発表したから、その「お祝いのパレード」をやりたい。パレードで喜びを表現することで、逆にどれだけ自分たちが怒ってきたのかを知らしめたいんだ、というお話でした。そのパレードで配布する冊子をつくってくれないか、と言われたんです。すごくオリジナルなテーマだったけれど、これは絶対今しかやれませんよね。「今しかやれないこと」をやるのが雑誌だし、やるしかないな、と。それで「では、それを私が出そうと思っている雑誌の創刊号にさせてください」とお願いしたんです。

雨宮 すぐに増刷もかかったそうで、反響がすごいですよね。ちょうど18年に東京医科大学の医学部入試における性差別問題が報道されたり、19年に入って韓国の小説『82年生まれ、キム・ジヨン』(チョ・ナムジュ著、邦訳出版は筑摩書房)がブームになったりと、女性差別やフェミニズムに注目が集まっているタイミングでもありました。

松尾 はい。だから、「波に乗っていますね」とよく言われるし、最近はそう言われたら、「私が波です」とお返事しています(笑)。ほんの小さなさざ波ですよ、もちろん。でも、本当に小さくて少しずつですけど、出版社にいた時から本をつくることで、自分なりのフェミニズムを積み重ねてきたつもりではいるので。私の前にも周りにもそういう方がたくさんいて、それが今、大きな波になったということなのかな、と思っています。

福岡での大学時代と「サブカルの呪い」

雨宮 ところで、松尾さんがフェミニストになったのには、何かきっかけがあったんですか?

松尾 時々聞かれるんですが、「これです」というような強烈なエピソードは特にないんですよ。強いて言うなら、大学の4年間を過ごした福岡が、まさに男尊女卑の牙城みたいなところで、それが嫌だったというのはあるかもしれません。社会学者の上野千鶴子さん、文芸評論家の斎藤美奈子さん、作家の北原みのりさんの本なんかを読んで、ジェンダー的な視点の面白さに目覚めたのもその時期です。実家では「女の子だから勉強しなくていい」みたいに言われるようなことはなかったし、学生時代はあからさまな男女差別を受けた記憶があるわけではありません。それでも、雨宮さんの著作『「女子」という呪い』(集英社クリエイティブ、18年)を読んだ時に感じたのは、私もやっぱり「呪い」にかかっていたな、ということでした。

雨宮 「強烈なエピソード」はなくても、日々なんとなく感じる視線であったり、何気ないやり取りであったり、自分が何かを笑ってごまかしたりする瞬間であったり……「呪い」って、じわじわとそういうところからやってくる気がします。

松尾 そうですよね。中でももっとも共感を覚えたのは、「90年代サブカル」についても触れて書かれた「AVで処女喪失したあの子の死」です。私は雨宮さんとほぼ同世代で、1990年代の終わりに大学生活を送っています。あの頃って、ドキュメンタリー風に女性を肉体的・精神的に極限まで追いつめていくような内容のAVが出ていて、私も女性監督の作品をレンタルして見たりしていました。今からすればなんて痛々しい内容だったんだろうと思うんですけど、当時は「そういうものも否定せずに堂々と見られる自分」に酔っていたんですね。雨宮さんの本を読みながら、その頃のことがパッとフラッシュバックしてきました。

雨宮 あの頃のサブカル寄りのAVは、とにかくひどいこと、鬼畜なことをやったほうがえらいみたいな、タガの外れた時代でしたね。

サブカル好きな女の子たちには、「男並み」にAVを見て、男と一緒になって「あのAV女優はどうだ」とか、上から目線で批評できる自分でなければならないという感覚が非常にあったと思います。結果としてそれは、「女がいいって言っているんだから、いいだろう」という形で利用されていたわけなんですけど。

松尾 私たちは「消費される」側じゃない、私たちが消費しているんだという気持ちがありましたね。

雨宮 あの時代にちょっとでもサブカルをかじった人には、そういうふうにわずかでも加害に荷担した部分があったはずです。2004年にはAVの撮影で女優が大けがを負う「バッキー事件」がありましたけど、それまでにもどれだけのAV女優が心を病んでいったか、自殺していったか。そういうことがまったく総括されないまま今、AVにまつわる人権問題といえば出演強要問題だけ、みたいな雰囲気になっていることが、すごく気になっています。「AVで処女喪失したあの子の死」の反響からいろいろ思うところがあり、ウェブマガジンの『マガジン9』にて「90年代サブカルと『#MeToo』の間の深い溝」(外部サイトに接続します)という原稿を書いたらものすごくバズってびっくりしました。

松尾 そのあたりのことを、きちんと言語化して書いてくださった雨宮さんに、読み手として、とても感動しました。

「声を上げる」重要性を感じた

雨宮 さて、松尾さんは4月に東京で始まった、性暴力事件に対する不当な判決に抗議する「フラワーデモ」の呼びかけ人の一人でもあります。その前に、18年夏の東京医科大学の入試性差別事件の時にも抗議行動を呼びかけられたんですよね。

松尾 東京医科大学のニュースが流れた時は、ちょうど北原みのりさんと一緒に韓国へフェミニズムの取材に行ってきた直後だったんです。現地のフェミニストたちからたくさん話を聞いて気分が高揚していた時だったし、北原さんから「これは、何かやらなきゃいけないんじゃない?」とメッセージが来たので「やりましょう!」とすぐ返事をしました。2人ともデモの呼びかけなんてしたことがなかったんですが、SNSなどで拡散したら、幸い100人くらい集まって。マスコミもたくさん取材に来てくれました。雨宮さんもいらっしゃいましたよね。

雨宮 ツイッターで見て行きました。松尾さん、あの場でのスピーチがテレビのニュースで流れたんですよね。

松尾 そうなんです。私はあんな場でスピーチをするのは初めてだったし、大事なことを言っていた人がたくさんいたのに、「ふざけんなーー!」って大声で叫んだのがテレビ映えしちゃったらしく(笑)、各局で流れてしまって。

 でも、九州にいる親戚のおばちゃんたち──普段は「安倍(晋三)さんがこう言ってるんだから正しいんでしょ」と言っているような、私に対してもずっと「早くお父さんにお茶をいれて」とか「偉そうな口をきくんじゃないの」とか小言ばかりだった高齢の女性たちが、あの映像を見て「ほんと、あの医大の件はおかしいよね」って言ってくれたんですよ。それを聞いて、声を上げてよかったと思ったし、行動すればちゃんと報道されるんだな、とも実感しました。

雨宮 あそこから、すごく状況が動きましたよね。過去に東京医科大学を受験した女性たちが原告になって損害賠償請求訴訟を起こしたり、今年の東京医科大学の入試では、不正な得点操作が排除されて男子と女子の合格率がほぼ同じになったことが報道されたり。そう考えると、すごく「コスパのいい」デモだったと思います。「安倍政権反対」みたいなデモだと、数万人集まっても何も状況が変わらない、強行採決され続けている6年半、みたいなところがありますから。私にとっても、東京医科大学の一件は「ちゃんと変わるんだ」という実感を得られたという意味で、とても大きかったです。

松尾 ただ、あれだけ反響が大きかったのは、「教育」という、誰もが「フラットでなければいけない」と考えている差別問題だったというのが大きいのかもしれません。あとで聞いたら、北原さんは「これが性暴力の問題についてのデモだったら、こんなに人は集まらないだろうな」と考えていたそうなんですよ。

400人が集まった奇跡のような夜

雨宮 月1回、花を持った女性たちが街頭に立つ「フラワーデモ」は、まさにその「性暴力の問題」に対する抗議行動ですが、どんな経緯で立ち上がったのですか?

松尾 北原みのりさんや田房永子さんと「最近、『おかしい』と感じる性暴力事件の判決が続いてるよね」という話になったのが始まりです。ちょうど、SNSでは判決への疑問に対して、法曹界から「法で定められた通りの判決なんだから、不当ではない」といった声がちらほら聞こえてきていた時で。ここで声を上げなかったら、一見正しいように見える「専門家の意見」に、私たちの違和感が潰されちゃうんじゃないかという危機感もあって、「何かしなければ」ということになったんです。

 呼びかけるにあたって、北原さんの発案で韓国の#MeTooデモを参考にしようということになって。「#WithYou」というハッシュタグは私たちも使っていますが、韓国のデモはまさにそういう感じで、常に「私たちがここにいるから、これまで声を上げられなかったあなたも、声を上げてください」という姿勢が貫かれているんです。

 韓国人の元日本軍「慰安婦」として初めて実名で名乗りを上げた金学順さんも、そんなふうに彼女を支援する人たちがいて、支援する場があったからこそ声を上げられた。韓国ではずっとそういう流れが続いているんだ、と聞きました。日本にもそんな場をつくりたい、同じ思いを抱えた女性たちが集まれる「広場」にしたいと考えたんです。それで、「#WithYouの気持ちを込めて、行幸通りにお花を持って集まりましょう」と、第1回のフラワーデモを呼びかけたのが4月11日。400人も集まってくれて、びっくりしました。

雨宮 私も北原さんから声をかけていただいて参加したんですが、どれだけ人が来るんだろうという不安はありましたね。東京医科大学の時と違って裁判の話だし、性暴力事件なんて自分には関係ないと考える人も多いんじゃないか、と。それが、行ってみたらたくさん集まっていて。若い人も多かったし、一人で来ている人がほとんどでした。

松尾 スピーチを進める中で、性暴力・性被害を受けた自分の体験を話す人がどんどん出てきたことにも驚きました。誰がそう仕向けたわけでもなかったのに。

雨宮 性暴力を受けたとか、今でもフラッシュバックに苦しんでいるとか、すごく親しい人にすら言いづらい、もしくは親しい相手だからこそ言えないようなことも、ここでなら言えるという安心感がなぜか最初から担保されていましたよね。そうして体験をシェアすることで、みんなが癒やされるというような、奇跡的な夜だったと思いました。すごく寒い日だったのに、結局2時間くらい続いてね。

松尾 その一方で、予測していたように、最初メディアはほとんど来ていなかったんです。「ここであきらめるんじゃなくて、声を上げ続ければいいよ」という話を私たちはしていたんですけど。

でも、1回目のフラワーデモが朝日新聞で取り上げられたこともあって、2回目からは一気に参加者も、メディアの数も増えました。5月以降、毎月11日に実施していますが、東京だけではなくて各地で「私たちもやりたい」という人たちが立ち上がってくれて。今は、名古屋や大阪や鹿児島や、日本全国にフラワーデモが広がっています。

男性にとっての「#MeToo

雨宮 6月には、福岡でのフラワーデモにも行かれたんでしょう? さっき、福岡は「男尊女卑の牙城みたいな場所」とおっしゃっていましたが、どうでしたか。

松尾 実は私自身は、福岡でフラワーデモなんて、まだまだ無理! 今は絶対あり得ない、と思っていたんです。それが、2回目の5月に、「福岡でもやりたい」と手を挙げ、開催してくださった地元の方がいて。

 当然ながら、福岡にもずっと、性暴力被害者支援などの活動をずっと続けてこられていた方たちがいるんですよね。デモを通じて、そういう女性たちともたくさん知り合えて、本当によかったと思いました。私が福岡時代に感じていた違和感についても話して、「そうだよね」と共感してもらったり。あと、印象深いことがあったんです。滞在中に聞いたある男性の発言なんですけど。

雨宮 男性ですか。

松尾 フラワーデモに来る男性は、「今までこんな事実は知りませんでした」とか「僕らも応援します」とか、まだまだ他人事な発言をされる方がほとんどなんですね。でも、その70歳くらいの男性が話してくれたのは、まさに自分自身のお話だったんです。その方は、現役の頃、職場の飲み会に出ると、そのあとはみんなで必ず性風俗に行くのがお決まりの流れになっていたというんですね。そこで「私は行きません」と言うことは、男性社会からパージされるということ。だから自分は「行きません」とは言えなかったし、毎回一緒に行っていた。でも、本当は行きたくなかった。心が引き裂かれて、ずっと辛かったんだ、とおっしゃっていました。

雨宮 うわあ……なんだか、日本の男社会の象徴みたいな話ですね。「職場の付き合い」のために、引き裂かれながら性風俗にも行って、傷つきながら妻子を養っていた、みたいな。あまりにつらすぎるし、誰も幸せじゃない。それにしても、世代的にも、弱音を吐くのなんて男らしくない、という教育を受けているだろうに、よくそんなにストレートに話をしてくれましたね。

松尾 そうなんですよ。よく言ってくれたなと思って。男性にとっての#MeTooってこういうことなんじゃないか、そういう発言をもっと聞きたいな、と思いました。

ウーマンリブから「フラワーデモ」へ

雨宮 5月以降の東京でのフラワーデモって、松尾さんたち最初の主催メンバーは他の都市に行っていたりして不在だったでしょう。でも、その場にいる人たちが、それぞれ自分たちのやり方でつくり上げているという感じがして、すごくよかったですよ。これまでの市民運動って、最初に声を上げたのが女性であっても、途中から年配男性の運動家が入ってきて「そんなやり方じゃダメだ」みたいに仕切り始めて、ということがよくあったと思うんです。フラワーデモは全然そうではなくて、ずっと女性が主体になっている。それってすごいなと思いました。ある意味で、戦後の日本の運動で初めてのケースではないかという気もしています。

松尾 そうですね…….。大先輩のフェミニストが、フラワーデモは当時のウーマンリブの空気と似ている、という話をしてくださって。ウーマンリブの運動の中では、女性たちが「いかに自分たちが差別構造の中で抑圧されてきたか」ということを語り合って意識を高めていく、同時に自分の内なる差別意識にも気づいていくという、CR(Consciousness Raising : グループ討論により意識改革・意識高揚をめざす運動形態)という手法が取られていたんですね。このCRと、シスターフッド(女性同士の連帯)が、ウーマンリブの二大柱になっていた。今、フラワーデモで起こっていることはまさにそれだよね、と言ってもらえたんです。

雨宮 ここ2年くらい、以前は「フェミなんて大嫌い」と言っていたような女友達が、「やっぱり私、フェミになるわ」と言い出すということが続いているんです。きっかけは伊藤詩織さんの事件 (元TBS記者の山口敬之氏から意識を失った状態で性行為を強要されたと訴えている)とかいろいろですけど、かつては「フェミニスト」イコール「清く正しく高学歴でなくてはいけない」、だから自分にはフェミニストの資格がない、と思っていたような人たちが、次々に「フェミニスト宣言」をし始めていて。それはやっぱり#MeTooが広まって、たくさんの人たちが自分の経験を語り始めたからこそだと思って。「語る」「経験を共有する」というのは、本当にフェミニズムの基本だなあ、と思います。

松尾 はい、本当にそう思います。先ほど「90年代サブカル」の話をしましたけど、ああいう「何でもあり」「ひどいことをやったほうが勝ち」みたいな空気の中で、日本のフェミニズムも見えづらくなってしまっていた側面があるかもしれません。でもその前からもその頃も、ずっと声を上げ続けてきた人はいたわけです。それを再び「更地」に戻さないためにも、声を上げることは絶対にやめてはいけないと思っています。今、フェミニズムに注目が集まっているのは「一時的なブームに過ぎない」とか揶揄されることがありますが、その「ブーム」が終わってからも声を上げ続けていけるかどうかが大事なんじゃないでしょうか。

『エトセトラ』とフラワーデモの今後

雨宮 では、最後に今後の話を。『エトセトラ』は今後、どのくらいのペースで出していく予定ですか?

松尾 年間2冊、春と秋に出していく予定です。次号の特集テーマは、作家の山内マリコさんと柚木麻子さんが責任編集の「We Love 田嶋陽子!」です。

雨宮 それはすごい!

松尾 90年代に、「フェミニスト」としてテレビの討論番組などに出た田嶋さんが、「オヤジ」たちに嘲笑されているのを見て、観ていた私たちもまた自尊心を傷つけられていたと思うんですね。フェミニストってこういう目に遭うんだ、笑われるんだ、ならばそうじゃなくて、阿川佐和子さん的にオヤジを「まあまあ」って手のひらの上で転がしながら生きていくのが、取るべき賢い方法だと思わされていた気がします。だから、田嶋さんをリスペクトすることによって、あの時代の私たちをもまたリスペクトしたいというのが狙いなんです。そのほかに、痴漢問題を扱った研究書や、翻訳小説も準備中です。

雨宮 素晴らしい。フラワーデモも続けていく予定ですか。

松尾 被害の実態に合った判決が下されるような法改正 (性暴力被害の当事者団体からは、レイプが犯罪として認定されるには、被害者が性交に同意していないだけでなく「暴行または脅迫」によって抵抗できなかったことを証明しなければならないという「暴行脅迫要件」の削除などを求める声が上がっている)がなされるまでは……と言いたいところですけど、とりあえず1年は続けようと思っています。基本的には毎月11日、冬は屋内でやるとか、あまり無理しない形でやっていきたいな、と。雨宮さんも、これからもフェミニズムにかかわっていかれますよね。

雨宮 かかわるというか、自分の問題だからかかわらざるを得ないですよね。ジェンダーやフェミニズムをテーマに書いた時の読者からの反応の熱さも実感しているし、今後もどんどん発信していきたいと思っています。


 香港情勢が緊迫している。警察による市民への弾圧が度を越している。さらに中国政府が介入する恐れも出てきた。再び「天安門」の悲劇を繰り返さないためにも世界が注視・監視していかなければならない。

 台風が接近中です。北海道にもまともに来るような進路になっています。
みなさん、どうぞお氣をつけて、お盆をお過ごしください。

アロニアです。黒くなってきて、食べれるのですがあまり美味しくはない。山リンゴみたいな食感ですが栄養価は高いそうな。

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冤罪を生む土壌

2019年08月13日 | 社会・経済

愛媛の誤認逮捕 尊厳を傷つける捜査だ

  東京新聞社説 2019年8月12日

 愛媛県警が七月に窃盗の疑いで女子大生を誤認逮捕した。犯人と決めつけ「就職」を持ち出して、自白を迫った。尊厳を傷つける人権侵害である。自白を強要・誘導する取り調べから脱却すべきだ。

 事件は今年一月九日。タクシー内から現金約五万四千円などが盗まれた。同県警はドライブレコーダーに写っていた犯人と顔が似ているなどとして、女子大生を七月八日に窃盗の疑いで逮捕した。だが、勾留請求が認められずに、同月十日に釈放されている。

 そもそも女子大生はタクシーには乗車していなかった。代理人弁護士が今月一日に女性の手記を公表した。その中では取り調べで捜査員が就職への影響を示唆し、自白を迫ったことが綴(つづ)られている。「就職も決まってるなら大ごとにしたくないよね」「君が認めたら終わる話」「認めないと終わらないよ」などと…。

 女子大生は一貫して容疑を否認して、「本当の犯人を捕まえてください」と訴えた。でも「犯人なら目の前にいるけど」と決め付けた態度だった。タクシーに乗車していないことも「記憶ないの? 二重人格?」「罪と向き合え」などと一蹴するありさまだ。

 問題なのは取り調べの在り方と裏付け捜査の不十分さだ。強く否認しているのに「刑事全員が私の話に耳を傾けなかった」ことは深刻だ。自白があれば簡単に事件処理ができると考えたのなら甘すぎる。「就職」という大学生が最も敏感な言葉を使って自白を迫るやり方は卑劣に感じる。不利益方向への誘導にあたろう。

 五月から警察の呼び出しにも素直に応じてきた。逃亡の恐れもない。そもそも逮捕は必要だったのか。手錠をかけられたショックはいかばかりか。

 再捜査で別の女性が浮上し、容疑を認めた。県警本部長は「大変申し訳ないことをした」と謝罪した。愛媛県知事も「重大な人権侵害だ。人生すら狂わせかねないことだ」と批判した。女子大生は「もし勾留されたら、耐えきれずにやってないことを認めてしまうかもしれない」という。

 自白の強要はそれほど恐ろしい。不適切な取り調べをチェックできるのが録音・録画(可視化)だが、警察の場合だと裁判員裁判の対象事件のみだ。全事件のたった3%。不十分である。ボイスレコーダーを置くだけでも効果はある。全事件を対象にすべきだし、任意段階も可視化しないと、安易な捜査を招いてしまう。


 もう、夏は過ぎたのか?と思わせる天気が続いていたが、今日は予報に反し、夏に戻ったような天気だった。

ブルーベリー。食べごろを迎えた。

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室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」第14回ゲスト 望月衣塑子&123便

2019年08月12日 | 社会・経済

室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」第14回ゲスト 望月衣塑子(前編)

室井佑月と東京新聞・望月衣塑子、闘う2人の女が語った安倍政権の圧力、ネトウヨの攻撃、忖度メディア

   リテラ 2019.08.08

   室井佑月連載対談「アベを倒したい!」、今回のゲストは、安倍政権に飼いならされた新聞・テレビのなかで、孤軍奮闘を続ける東京新聞・望月衣塑子記者。菅義偉官房長官の記者会見で厳しい質問を投げかけ続けることですっかり有名になった望月記者だが、官邸から信じがたい圧力や嫌がらせが加えられ、ネトウヨたちも連日、口汚い言葉でバッシングを繰り広げている。しかし一方で、その圧力に怯まない姿勢、権力のチェックを続ける記者魂に称賛と応援の声がどんどん大きくなり、6月には、彼女の著書を原案とした映画『新聞記者』も公開され、異例の大ヒットになっている。

 かたや、ワイドショーで空気を読まず政権批判を続けている室井佑月も『新聞記者』を観て大感動!「望月さんにエールを送りたい」と、今回の対談が実現した。

権力と闘い続ける2人の女が、安倍政権からの圧力やネトウヨの攻撃、そしてメディアの実態を語り合い、意気投合した最強対談。まずは前編をお読みいただきたい。きっと勇気が湧いてくるはずだ。

(編集部)

●テレビも映画『新聞記者』プロモーション拒否の裏にある噂が

室井 初めまして! 早速だけど映画『新聞記者』観たよ! 森友・加計問題や、伊藤詩織さんの事件とか、安倍さんが政権を握ってからの数々の悪事がてんこ盛りになっていた。内閣情報調査室の内幕も描かれていて。すごい面白かった。

望月 ありがとうございます。公開から1カ月ほどですが、配給会社によると動員33万人で、興行通信社の週末観客動員ランキングも3週連続トップ10入りしたそうです。

室井 知り合いの映画関係者も言ってた。政権を批判した社会派作品がここまで健闘するのは異例だって。でも、テレビとかあんまり取り上げてくれなかったんでしょ。プロモーションを拒否されたってリテラでも書いてあった。公開直後には公式サイトがサーバー攻撃にあったり。やっぱり、真っ向から安倍政権批判をして、官邸から睨まれている望月さんの原作だから、テレビとか完全に腰が引けたんだろうね。

望月 今回の映画宣伝はテレビではすごく難しかったと宣伝部の人も言ってました。それに加えて、参院選前に私が選挙に出るという噂が出回って。

室井 あっ、やっぱり。私も聞いた。望月さんが選挙に出馬するんじゃないかって話。そんな噂を聞いたから最初に絶対確認しておこうと思ってたんだ。そういう話、あったの?

望月 あるわけないじゃないですか。でも、宣伝部は、テレビ局から「望月さんが選挙に出るかもしれないから、取り上げるのはちょっと……」と難色を示されたと聞きました。

室井 映画の宣伝で露出してないなって不思議に思ってたけど、そんな事情があったのか。でも、それって宣伝を断る口実でしょ。安倍政権を批判する作品だから忖度マスコミ、特にテレビは取り上げたくなかったんだね。ただ、出馬に関しては望月さんは知名度も高くて、菅さん(菅義偉官房長官)と闘う女っていうイメージだから、野党系から結構声がかかっても不思議じゃないとは思う。もし声がかかっても、いまの立場を変えずに記者としてガンガン記事を書いて、声をあげ続けて欲しい。私も誘われたことあるけど「私、不倫するのとかなんとも思ってないんで無理です」って言って断った。逆に「出馬なんてことより先生のガールフレンドのひとりにしてください」って(笑)。

望月 ……(爆笑)。

安倍首相と会食を繰り返すマスコミ幹部の異常、菅官房長官とも

室井 でもさ、ちょっと有名になるとすぐに出馬の噂が出るのは心外だよね。私も仕事として表現者として、物を書くことを一生懸命やっているし、案外評価もされている。なのに、なぜ「議員になったらいいじゃん」とか言われなきゃいけないんだろうって。

望月 同感です。いまの立場から発信し、発言する。それが私たちの仕事ですからね。発信といえば室井さん、最近ツイッターをやり始めたんですよね。リアルタイムで安倍政権の批判もしていて、ツイート回数も多くてがんばっているなと思いながら見ています。でも私もそうですが、かなりネガティブな反応も多いでしょう?

室井 すっごく多いです。最初はやり方から何から全然わからなくて「くだらないことを送ってこないで」っていちいち返事していたら、みんなに「ブロックとかミュートとかすればいいだけだ」って言われて。初心者なのでそんなことも知らなかった。それで炎上騒ぎもあって。あっ、望月さんは炎上の先輩だ!

望月 (笑)。私も一時期はあまりにひどいものはブロックしていたんですけど、そうするとまた炎上している感じになるから、いまはもう放置しています。

室井 でも、ツイッターにしても映画にしても、政治的なことがアウト、タブーになるなんて本当に恐ろしい世の中だよ。本当に怖い。そんななか、望月さん、そして東京新聞はうんとがんばってるよ。

望月 ありがとうございます。中日新聞が母体だから、社長と会長が名古屋市にいるというのにも助けられているかもしれません。安倍さんはあまり地方紙とは会食をしていないですからね。全国紙や大手マスコミは、軒並み安倍さんとの会食を繰り返していますが、こうしたトップ同士の関係は現場に必ず影響していると思います。東京新聞では、たしか長谷川幸洋さんがいた頃の20135月、彼が間に入って中日新聞の当時の社長が一度安倍首相と会食しているんです。でも、それ以降はしていないと思う。もし会食するような関係が続いていたら、現場としては、やりづらくなりますね。

室井 そうだよね。首相とマスコミのトップがベタベタの付き合いなんて先進国では考えられないし、報道機関、ジャーナリストとしてのプライドがないんじゃないかと思っちゃう。トップがそうなら現場も萎縮する。もうマスコミはすっかり安倍さんにやられて、忖度、自粛のオンパレードだもの。

望月 今年6月に国連人権理事会でデービッド・ケイ特別報告者から日本の報道の自主性に対し危惧する報告書がまた出ました。そのなかには「日本政府当局者が彼らに批判的な質問をする記者に圧力を加えている」という文言もあって。

室井 それって望月さんのことだよね。デービットさんは20175月にも安倍政権による報道圧力とメディアの萎縮について是正を勧告していたけど、その後もメディア圧力は是正されないどころか、どんどんひどくなっているからね。

望月 政権幹部とマスコミ幹部との会食がこれほど繰り返されるという状況は異常です。それだけでなく「桜を見る会」には芸能人をどんどん呼んで、メディア幹部だけでなく情報番組司会者、コメンテーターなど影響力のある人たちにも手を伸ばしはじめています。安倍政権になってからメディアの取り込みが露骨になっています。ただ、こうした会食への批判が大きくなったことも影響してか、一部テレビ局のトップが安倍首相との会食は断っていると聞きました。でも、その代わり菅官房長官と会食をしているそうです(苦笑)。何を話しているのかと言えば、民放連(日本民間放送連盟)の人事の話とか。菅氏は他のメディア幹部と会ったときも、官僚の人事話をしていたと聞きます。“官僚や政治家、メディア含め、俺があらゆる人間の人事を握っている”ということを内外に示すことが、自分の権力の源泉になるという意識があるのでしょう。

室井 菅さんなら新聞の動静に出ないものね。

 

ギャラクシー賞を受賞した『報ステ』元CPを報道から追放したテレビ朝日

室井 望月さんの菅さんとのやりとり見ていてもそうだし、望月さんの著書『新聞記者』(角川新書)を読んでも、映画を観てもそうだけど、望月さんって新聞記者であることへのプロ意識がすごく高いんだなと思いました。男の人って、“記者”としてではなく、会社の“役職”がつくことにこだわりがちだけど、望月さんはそうじゃない。私はジャーナリストでも新聞記者でもないから、そんなプロの記事を読んで「私はこの記事を読んでこう思った」ということを、賛否両論になってもいいから広げる。それが役目なのかなと思ってます。

望月 室井さん、新聞から雑誌から書籍まで、ものすごい量を読んでますものね。テレビでの発言や週刊誌コラムなどを拝読していますが、相当読み込んでやってるなって。

室井 私、オタクだから(笑)。

望月 熱量のすごさを感じます。特にテレビは権力批判もできなくなり、危ないと思っているけど、室井さんやジャーナリストの青木理さんが発言しているのを見ると、「でもまだ希望があるな」と思います。ただ、最近でもすごくひどい人事がテレビ朝日であった。それがジャーナリズムの要として『報道ステーション』のチーフ・プロデューサーなどをやっていた松原文枝前経済部長が、報道局から総合ビジネス局のイベント事業戦略担当部長に異動したことです。彼女は現役の記者のなかでも、ずっとブレずに仕事を続けて。それで安倍政権になってから嫌がらせが続いても「それでもやらなきゃいけない」と発信し続けてきた。昨年4月の財務省・福田淳一事務次官(当時)のテレビ朝日社員へのセクハラ問題のとき、告発した社員の上司でもありました。それを逆手に取られ、「飛ばされるのではないか」という空気がありましたが、当時は伊藤詩織さんの#MeTooの流れがあって、この問題を『報ステ』でも小川彩佳アナ(当時)が取り上げ、反響を呼んでいました。女性記者たちが集まってできた団体「メディアで働く女性ネットワーク」(WiMN)でも、「声をあげた人たちを守ろう」と掲げていたんです。そうしたまっとうな方だったからこそ、相当前から政権に目をつけられていた。しかもいま、テレ朝は早河洋会長の体制下で、安倍首相や菅さんの応援団を自認する、幻冬舎社長の見城徹さんが放送番組審議会の委員長に入っている。(松原さんが)番組を外れる可能性は高いんじゃないかと危惧していたのですが、現実になってしまって。

室井 彼女は古賀茂明さんが『報ステ』を降板させられたときも、最後までかばった人でもあるよね。

望月 そうです。予兆もありました。20166月、『報ステ』で松原さんが経済部長時代に手がけた特集「独ワイマール憲法の“教訓”」がギャラクシー賞テレビ部門大賞を受賞した。「ドイツの民主的なワイマール憲法下でなぜ独裁者ヒットラーが生まれたか」という日本の憲法改正の動きとの比較で深く考察されたものでした。そんな栄誉ある賞なのに、政権に批判的に取れる内容なのでテレ朝内では喜ぶどころか“なかったこと”のようだったと聞きます。しかも「贈賞式に出るな」「コメントするな」って松原さんに対して圧力もあったらしくて。異動との関連ははっきりしませんが、松原さんは、憲法改正の国民投票でのテレビのCM規制についての民放連の動きも問題視していました。これまで民放連は「CM規制をかけることも含めた議論をすべきだ」としていたのに、民放連会長や専務理事が日テレに変わった途端、「表現の自由がある」として、「CM規制をかけない」と一変させた。松原さんはそれに対し、過去の国会の議事録などを調べ上げて分析、民放連の会見でも追及していたと聞きます。誰も聞かないから聞きに行かなければという意識だったそうです。政治部デスクにことわって聞きに行っていたそうですが、これをテレ朝の幹部が、問題視していたと聞きました。

権力の肩を持ち、望月記者の足を引っ張る記者クラブに、室井が激怒

室井 憲法改正をしたい安倍さんへの忖度と金儲けってやつか。テレ朝は小川アナを追い出したり、逆にネトウヨアナの小松靖を『ワイド!スクランブル』に起用したり。テレビも安倍さんへの忖度と、広告収入や視聴率が下がっていくなかで、どんどん変な方向へ行っている気がする。そんななかで、望月さんにして松原さんにしても、権力と対峙してる。官邸に立ち向かっている。誇りを持って仕事してるんだなってわかる。でも、いろいろ大変なんでしょ。菅さんにガンガン質問してる姿は私たちからしたら拍手喝采だけど、記者クラブで足を引っ張られてるって聞いてる。質問する望月さんの悪口言う記者までいるっていうじゃない。昨年も、辺野古の赤土について質問したら菅さんが逆上して、望月さんの質問を制限しようとしたんでしょ。しかも、そんなひどいことに対して、一部の記者が「望月さんが質問をすればするほどクラブの知る権利が阻害される」なんていうコメントを共同通信にしてさ。その上、菅さんの主張はフェイクだったじゃない。

望月 そうなんです。日本新聞労働組合連合(新聞労連)や日本ジャーナリスト会議から抗議声明も出て、東京新聞でも社説や特集記事を掲載し、官邸前でのデモなどもあったのですが、でも記者クラブに関しては室井さんの言う通りかもしれません。実際、ある大手紙記者が「なんだよあいつ、いつまで来させるんだよ」と私についてあからさまに批判していたとも聞きました。それと最近、新聞労連の新聞研究部が、ここ2年以内で官邸にいた記者を対象に官邸会見について匿名アンケートをとり、幹事業務を担う19社、33人が回答を寄せたようですが、そのなかに私の批判もあった(笑)。「パフォーマンス」「自己アピールだ」だとか「質問が長い」とか。同時に、なかには「内部で官邸と繫がっている社がある限り、記者クラブとして身動きが取れない。苦しい」というような生々しい声もありました。彼らはわかっているけど、ジレンマに陥っている。

室井 どこかの独裁国家のメディアとほとんど変わんないね。現場の人から実態を聞くと、どんどん怖くなってくる。


(後編)

室井佑月も恐怖 望月衣塑子記者が語った菅官房長官の裏の顔! 圧力を批判されても「俺はあいつが嫌いなんだ」

   室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」、今回のゲストは、菅義偉官房長官の会見で孤軍奮闘を続ける東京新聞・望月衣塑子記者。前編では、そのも望月記者から、メディアや記者クラブの予想以上の政権忖度の実態を聞いて、激怒した室井だったが、後半はさらに踏み込み、話はどんどん具体的になっていく。

 菅官房長官の嫌がらせやメディア支配のやり口、オフレコ懇談会のシステム、マスコミのなかにもある男女差別の問題、そして忖度が生まれる構造の分析まで……。いまのメディアでジャーナリズムの責務を真っ当に果たそうとしている女性がどんな状況に置かれているのか、最後まで読んで、その現実をぜひリアルに知ってほしい。(編集部)

●望月衣塑子が菅官房長官の会見に出て、質問を続けている理由

室井 望月さんの話を聞いてると、つくづく恐ろしくなるけど、でもそんな状況なのに記者クラブの人って、質問をしないでパソコンに向かってひたすらカタカタやっているんでしょ。質問しないのって記者としての誇り、能力がないじゃない。記者は質問して、納得できるまで食い下がるのが仕事でしょ。質問しないで菅さんの話を垂れ流すだけだったら子どもにでもできる。しかも同業なわけじゃん? 誇りがあるなら味方しろ! 記者クラブって本来、国民の知る権利を代弁する制度だし、もし同業他社でも権力から知る権利を奪われそうになったら、タッグ組んで「妨害はやめろ」「きちんと質問に答えろ」ってやるのが役目なんじゃないの? でも、日本はそうじゃない。逆にバッシングをするって本当におかしい。しかも、権力の批判や監視をするのが新聞やジャーナリズムの役割なんだから、権力者とお友だちになってどうする! 緊張関係が必要なのに、そうじゃない。いまの記者クラブはスクープがあったとき、1社に抜かれるのが怖いからというだけのために存在してるのかと思っちゃう。それに菅さんって、記者やテレビコメンテーター、芸能人なんかと、けっこう頻繁にご飯食べてるらしいし、人たらしなんでしょ。そんな菅さんに記者はひれ伏している。安倍政権がこんな長く続いているのも、逆に言えばそのキーパーソンは菅さんってことじゃないかと思うんです。

望月 そうですね。政権存続のため、裏で彼がメディアや官僚、政治家、企業の人たちと何をやっているのかを見ることは大切なことだと思います。一連の公文書改ざん問題や森友加計問題の発言のひとつひとつを見ていると、その背後に必ず菅さんの存在がある。今回の私に対する質問妨害もそう。最初は、内閣府の長谷川榮一氏(総理補佐官兼内閣広報官)から抗議文が来たけど、もちろん菅さんなんですよね。しかも、妨害行為が国会で問題視されて、周囲から「さすがにやめたほうがいい」と言っても、菅さんは「俺はあいつが嫌いなんだ!」って全然聞く耳を持たなかったと聞いています。そういう意味で、良くも悪くも裸の王様というか、自分の思ったことは何がなんでもやる。そうした菅さんら官邸の姿勢が公文書改ざんの問題の根底にある。その危うさを感じるからこそ、会見に出て質問しているのですが。

室井 さすが“影の総理大臣”と言われるだけある。でも、裏を返せば、そんな権力の中枢に望月さんは恐れられているってことでしょ。

望月 まあ、目障りなんでしょう(笑)。それまで菅さんは突っ込んだ質問をさせない土壌をつくり、記者もそれなりに従っているふうを装ってきた。そこに私が来て。

菅官房長官がオフ懇の前に行う“儀式”を聞いて室井が「ひゃぁー怖っ」

望月 菅さんの会見では事前通告が現在、慣例化しているとも聞きます。匿名のアンケートにも「事前通告せずに質問したら官邸側から怒られた」とありました。菅さん側から「事前に質問は全部投げてほしい」と言われると、現在のパワーバランスのなかでは、記者もそれに従わざるを得ないのでしょう。先進国や外国人特派員協会のなかではあり得ない状況です。さらに会見が終わると、裏で番記者とオフレコ懇をやります。

室井 公の会見では記者は質問しない、菅さんは言いたいことだけ言う。なのにその裏でオフ懇をするってどういう了見なの。望月さんが菅会見に出るようになってから、オフ懇を拒否するようなこともあったんでしょ? やっても望月さんの悪口を吹き込むって聞いたことある。他の記者に望月さんを批判して、“おまえらどうにかしろ!”って。なんて姑息なんだ。自分たちに都合の悪い質問をする望月さんを排除するって。でも、それが安倍政権の本質でもあると思う。

望月 政府見解が必要なところは、それなりに毎回、記者は聞いています。でも、官邸がクラブに貼り出した私についての抗議文について質問した記者にある官邸の記者が、こう言ったそうです。「これは、国民の知る権利を守るのか、それとも我々記者クラブの知る権利を守るのか、この闘いだ。バランスもっと考えてね」って。

室井 それって菅さんからの“伝言警告”ってことでしょ。番記者はジャーナリストじゃなくて伝書鳩だったのか!

望月 オフ懇に関しては、新聞労連の新聞研究部がここ2年以内で官邸にいた記者を対象におこなった匿名アンケートでこんな指摘もありました。菅さんへのオフ懇や夜回りに来る記者が携帯電話やICレコーダーを事前に回収袋に入れると。これはオフ懇の内容が週刊誌で報じられたことがあって、菅さんが激怒したため、その予防策として、つまり記者が菅さんに忠誠を誓う“儀式”として行われていたということのようです。その後、雑誌やネットでこの事が公にされてから、その儀式は止めたようですが。

室井 ひゃぁー怖っ。菅さんも怖いけど、それに忠誠を誓う記者も恐ろしい。

望月 会見では質問以外にもいろいろなことがわかるんです。たとえば私の質問中、菅さんがある記者によく目配せしてるんです。その記者は野党時代から菅番をやっていて、安心できるから彼に毎度、相槌を求めているのでしょう。菅さんの会見での精神安定剤なんだなと。彼がいないと気持ちが安心できないのか、目が泳いでいるように見えます。そんな一面も垣間見れる。テレビ朝日の松原(文枝・前経済部長)さんに関しても(編集部註:詳しくは前編参照)『報ステ』で安倍政権批判をしていた時代、菅さんは「あいつ(松原さん)と食事できないかな」って周りに聞いていたらしい。でも、彼女の性格を知っている周りから、「食事しても変わらないですよ」と言われて止めたとか。そうやってまめな会食を重ね、常に現場の記者やメディア幹部を取り込んで来たのでしょう。親しくなり、自分を好いてくれれば、今後の報道も含めて、将来、心強いですからね。

望月衣塑子や室井佑月に向けられる批判の裏に「女のくせに」という差別

室井 でも、話を聞いていて思ったのが、菅さんや同業の記者が望月さんを批判するのは、女性だからという面もあるんじゃない? やっぱ男社会だし、出る杭は打たれる国だから、女性で目立つと嫉妬やバッシングが起きやすいと思う。Twitterで、私や望月さんを攻撃している人がいっぱいいて、ちょっと興味があるから調べたら、他にもすごく女の人を狙って罵詈雑言を繰り返している人だったりする。「ババアが」とかね。仕事をしていると、「女が意見を言うな」って感じの悪口もすごく多いし、そういうのってすごく感じる。女性差別もあるんじゃないかって主張すると、今度は「おまえ、自分が女だと思ってたのか」なんてことまで言われたことも。望月さんを叩いている人たちって、「女のくせに」って意識があるのは否めなくない?

望月 そうですね。それは私だけではなく政治家にも当てはまるかもしれません。稲田朋美さん、辻元清美さん、そして蓮舫さんなんかもそうだけど、与野党や政治的信念に関係なく、女性の政治家へのバッシングは男性の政治家のそれとは明らかに違う。セクシュアリティへの言及、ツッコミをしますよね。マスコミでもやはり男尊女卑の風潮も感じます。女性記者は、政治家の会見に出ている記者がそもそも少ないし、あまり積極的に質問しているように見えない。とくに#MeToo、#WeToo運動があったとき、女性記者がもっともっと政府や麻生太郎財務大臣に突っ込んで聞いてもいいと思いました。がんばって聞いている女性記者もいましたが、全体としておとなしく見えました。アメリカだったら、麻生大臣は総攻撃にあうし、「はめられたんじゃないのか」と同じ発言をしていたら辞任に追い込まれていたのではとも思います。

室井 たとえば片山さつきさんを批判するとき、主張について意見を言うのは当然だけど、そこに「ブサイクが」とか「変な髪型しやがって」とかって言うのはおかしいよね。でも悲しいかな、権力を持っている男にひれ伏し出世しようとする女性がいることも確かなんだけどね。「恥知らず!」なんて恐ろしい言葉で安倍さんを擁護する三原じゅん子さんとか、大臣就任の挨拶で「私はみなさんの妹」ですと自己紹介しちゃう丸川珠代さんとかもいる。難しいね。女性は団結しないといけないと思うんだけど。

三原じゅん子、NHK岩田明子はなぜ安倍首相に心酔するのか

室井 三原さんはすっかり安倍さんに洗脳されているけど、昔からずるい人じゃないのよ。タレントのときから。だってハッピハッピー(元アニマル梯団のコアラ)と離婚したとき、番組で一緒になって。わたしが「こんな男いいじゃん、いらないじゃん」って言ったら、すぐに泣いちゃって。だからいますごく信じているのが安倍さんってことなんじゃないかな。純粋だから。でもそれが一番怖いと思っちゃう。信じ込んじゃうことが。

望月 三原さんは、かつては石破茂議員支持だったと聞きますが、彼女も菅さんとの会食後、安倍さんに寝返ったとか。「菅氏に副大臣とか政務官のポストをぶら下げられたのではないか」と聞きました。NHKの岩田明子記者は、安倍さんに心底心酔しているとも聞きます。そうでもないと、あそこまであからさまに安倍さんを持ち上げられないかなとは思いますが。

室井 安倍さんがイランを訪問したときも、安倍さんの成果を盛んに強調していたけど、なんだかクラクラしたけど、最近は逆の意味で岩田解説が楽しみになって(笑)。でも岩田さんって、安倍さんと近しい関係ということでNHK内ですごい力を持っちゃって。こういうやり方見てると、やはり女性同士ってだけで団結って難しいのかなって思っちゃう。

室井佑月が望月衣塑子の民主主義を守る覚悟に感動、共闘を宣言!

室井 もっと女同士が味方すればいいのに、なかなかそうはならない。新聞社とかテレビ局って大企業でもあるけど、男女差別はあるし、女性はそれを絶対、感じてたりするのに。そんななかで望月さんが問題意識を持ち続けられるのはなぜ? 原動力ってどんなこと?

望月 たとえば社会部の私が菅さんの会見に出ても、政治部から文句を言われることはないです。彼らには、菅さんの秘書官や他社の記者からはいろいろ言われて、迷惑をかけているはずなのに、本当に有り難いなと思っています。それに、会社にFAXや電話の投書で応援メッセージが来るんです。いまの政権はおかしいと思っている人たち、安倍さんのやり方に怒ったり疑問に思っている人がたくさんいる。そういう声を知れば、記者として疑問に思ったことを会見に出て質問するしかない。国民の知る権利に応えなくちゃならないと思うんです。そして社としてもバックアップしてくれる土壌がある。アベノミクスも公文書改ざんも、沖縄の問題も、いまの日本はおかしなことばかりです。そんななか、私たちメディアが声をあげ、報道ができなくなったら、情報がシャットアウトされて伝わらなくなる。そうなったときに何が起こるのか。民主主義は明らかに後退していく。そんな危機感があります。そして、東京新聞の読者の方々もその問題意識を共有してくれている。だから続けられるのかな。

室井 でも、本当は望月さんの言っていることって、そういう記者の当然の問題意識を安倍政権によって崩壊させられた。その罪は重いと思う。

望月 官邸クラブにいる記者はじめ、他のさまざまな現場にいる記者でも苦しんでいる人は多いと思います。そのなかでもそれぞれが、皆できる範囲のなかでがんばっている。権力に向かってものを言おうと、立ち上がろうとしてる人たちもいる。そんな同じ思いでやっている人がいて、読者が支えてくれる。それが原動力かな。

室井 立派だと思う。これからも応援する。すぐにバッシングされる同士、女性同士、今後も仲良く闘おうね!

(了)

プロフィール

望月衣塑子1975年生まれ、中日新聞入社後、東京本社に配属され千葉、埼玉など各県警担当、東京地検特捜部担当を歴任。2017年に森友学園、加計学園の取材チームに参加し、菅官房長官会見に出席、また前川喜平文部科学省前事務次官や女性ジャーナリスト伊藤詩織へのインタビューなどを手がける。『武器輸出と日本企業』『新聞記者』『権力と新聞の大問題』など著者多数。

室井佑月 作家、1970年生まれ。レースクイーン、銀座クラブホステスなどを経て1997年作家デビュー、その後テレビコメンテーターとしても活躍。「週刊朝日」「日刊ケンダイ」「女性自身」など連載コラムも多数持つ。また『ひるおび!』『中居正広の金曜日のスマたちへ』(TBS)、『大竹まこと ゴールデンラジオ』(文化放送 金曜日)などに出演中。



もうすぐあの時刻を迎えます。
34年前18時56分の日航ジャンボ123便墜落事件です。
まだ何も明らかになっていません。

秘密NEWS 2008.02.26 より一部抜粋

https://plaza.rakuten.co.jp/topsecretx/

1985年8月12日に起きた日航123便の墜落事故。

自衛隊員の自殺数の調査が行われている、そして1982年から自殺数が急激に上がり1986年には年間90人以上と81年から73パーセントも増加している。

一省庁のなかで年間これだけの自殺者が出るのは、不自然であり不審であるが報道すらされなかった、しかもなぜわざわざ81年から調査しているなどと嘘をつかなければならないのだろうか?

最初に不審な自殺者が出たのが1986年7月、二人の航空自衛隊パイロットだった、そしてつづいて同年9月12日14日と航空自衛隊員が二人自殺する、(これを皮切りに謎の自殺数増加がはじまる)

***********

戦闘帰還兵が精神的におかしくなったり、自殺する現象が顕著で明らかになっている。
人の命を奪うこと。123便の・・・・

コメント

内田樹-韓国メディアからの質問と答え 1/2

2019年08月11日 | 社会・経済

内田樹

2019年07月20日

 韓国の Kyunghyang newspaper というところからメールで安倍政権の対韓制裁についていくつか質問が来た。英語でのやりとりだったのだけれど、日本語訳をここに掲げておく。

質問そのものがたいへん徴候的だった。

 それは「日本の改憲運動は『アメリカから押し付けられた憲法』を廃絶する目的のものだから、それを推進している安倍は反米のはずである」という不思議な推論である。たしかに海外から見たら「アメリカ的民主主義を否定する親米政権」というのは理解に難いものだろう。だから、今回の対韓制裁も、アメリカが仲裁に入って、韓国側についた場合に、「日本国内に反米感情が高まり、それを推力に改憲を進めようとしているのではないか」・・・というような不思議な考えを示してくれた。日本では絶対にありえない発想だけれど、それはむしろ「われわれにとっての常識」が「日本の外から見たら理解不能」だということを意味している。

 安倍政権のねじれた政治性について韓国の読者に説明できる好機なので、先方が予測しているよりはるかに長い返事を書いてしまった。

韓国の記者の質問と私の答えの「ずれ」を味わって欲しい。

質問1参議院議員では、韓国への報復以前には自民党の勝利が予測されていました。安倍政権はこの争いから何を得ようとしているのでしょうか?

 参議院選の結果がどうなるかはまだ不明です。大手メディアは与党勝利を予告していますが、これは無党派層の有権者の間に「与党勝利が確定しているなら、投票に行っても無駄だ」という気分を醸成するために、かなり作為的に行われているものだと思います。

 というのも、低投票率が与党に有利に働くことは、これまでの経験から明らかだからです。

 それでも、投票結果はまだ未確定です。与党が大きく議席を減らす可能性があります。その場合には、危機感を抱いた自民党議員たちの中から「安倍おろし」が始まるかも知れません。

質問2.選挙後も安倍の対韓報復は続くと思いますか?

 長く続くとは思いません。安倍が対韓強硬姿勢をとっているのは彼のコアな支持層への「選挙用アピール」としてです。安倍のコアな支持層はその語の厳密な意味での「右翼」ではなく、新自由主義的なレイシストたちですが、安倍が今回の対韓強硬姿勢から得られるものは、最大で「選挙においてこのコアな支持層を固めること」です。この政策によって無党派層から新たな支持者を獲得する見込みはありません。韓国との摩擦が国益の増大ももたらすこともありません。ですから、選挙が終わった時点で、なんらかのそれらしい口実を設けて、対韓制裁を緩和してくると思います。

質問3. 安倍政権の韓国との争いは日本国内では報道されていないというのはほんとうですか?

 いいえ。メディアは報道しています。ただ、政策の適否についての深みのあるコメントはなされていません。ですから、一般国民の多くは問題の本質を理解していないし、かなりの国民は制裁の事実そのものについても十分な情報を持っていないと思います。

質問4. 安倍の対韓報復措置は日本経済にもダメージを与えます。これは日本のエリートたちの「自己破壊願望」と解してよいのでしょうか? 安倍を含む日本のエリートたちは何を破壊しようとしているのでしょう? 対米従属システムをですか?

 隣国への対立的なポーズは支持率が低下している為政者が最後に切るカードです。ご指摘の通り、日本経済は韓国との貿易が制約されることからダメージを受けますので、財界は経済制裁には内心では反対しています。しかし、安倍政権は財界に対してこの日韓貿易の不調によって失う以上の利益をこれまでもたらし続けてきましたし、これからももたらし続けるはずです。ですから、財界は対韓貿易における短期的な損害を受け入れても、安倍政権の継続を願っています。おそらく官邸からは「これは選挙用のポーズなので、長くは続けない」という黙約が提示されているのだと思います。

質問5. 安倍政権は日韓関係の対立では、アメリカが韓国側に立つことを予期してこのようなことをしているのでしょうか? アメリカによって起草された憲法を改定しようとする人々の間にある反米感情をかき立てようとしているのでしょうか?

 アメリカが日韓のトラブルで韓国側に立つことを安倍政権が「予期している」ということはないと思います。

 慰安婦問題への仲裁から知れる通り、アメリカはその伝統的な「分断支配」戦略に基づいて、日韓関係をコントロールしています。それは日韓が外交的緊張に至らない程度には友好的で、親密な同盟関係を形成しない程度に敵対的であることです。アメリカが日韓どちらかに継続的に味方するということはありません。

 わが国における改憲運動を駆動するセンチメントはなかなか説明が難しいものです。

 たしかに安倍自身はアメリカが与えた平和憲法に対する反発を口にしています。自主憲法制定というのは自民党の立党以来の党是です。彼も形式的にはそれを引き継いでいます。

 改憲運動の目的はその当初においてはアメリカに占領され、従属している状態からの離脱をめざすものでした。しかし、安倍政権下で、改憲運動の目的は完全に変質しました。

 安倍にとっての改憲の目的は「日本を再び偉大な国」にすること、つまり日本を再度軍国化し、「戦争ができる国」にすることです。それは現実的には「アメリカの二軍としてアメリカの戦争に参加して、アメリカに奉仕する」ことに他なりません。「アメリカからの自立」を口実にして、「アメリカへの従属を完成する」というのが安倍における改憲の目的です。

質問6. 日本では安倍政権はいまも人気があると言われています。安倍政権の人気の理由は何でしょうか?

それについては質問10の答えをご覧ください。

質問7.  安倍政権は最終的に改憲をめざしていると思いますか?

 めざしてはいますけれど、今回の選挙で改憲の発議に必要な3分の2の議席を確保できなければ、安倍政権下での改憲のチャンスは事実上消えます。 そして、たぶん3分の2の議席は確保できません。

質問8. 安倍政権をどう評価しますか?

 戦後日本の歴代政府の中で、もっとも無能で、倫理的にも知性的に最も問題の多い政府だと思います。

質問9. 今回の事件によって韓国内の反日感情がまた高まりました。この事態に対して韓国政府はどう対処すべきでしょうか?

 安倍政権の対韓政策は日本人の総意に基づいたものではありません。一政権が短期的な党派的利益のために採択した政策のせいで、日本全体が評価されることを私は遺憾に思います。

 韓国政府が原則的な対応をとることは理解できますが、そのことが韓国市民の間に反日感情を醸成することに直結しないことを願っています。

質問10. 最後に韓国の読者に一言お願いします。

 みなさんに何よりもご理解願いたいのは、日本は敗戦国だということです。74年前に戦争に敗けて、国家主権を失い、国土の一部はアメリカに占領されたままで、彼らはこれからも望むだけの期間日本の主権の及ばない土地を日本国内に所有し続けるでしょう。

 敗戦によって、日本は安全保障をはじめ、外交、エネルギーなど重要政策のほとんどについてアメリカ政府の許諾なしには政策決定できない「属国」になりました。

 先人たちはこの「属国身分」を脱して、国家主権と国土を回復するために努力してきました。

 けれども、現在の日本人はもう「アメリカからの自立」の希望を失っています。日本のエリートたちは、対米自立のために虚しい努力をすることよりは「対米従属マシーン」の一部に組み込まれることで、国内的なヒエラルヒーでのおのれの地位を上げ、個人資産を増やすことを優先するようになりました。

 これは74年という歳月の重みの効果です。74年というのは報われない努力を続けるにはあまりに長い歳月だからです。

 敗戦直後は、当時成人であった国民はかつて「主権国家の国民」であった時代のことをはっきりと記憶しておりました。それが祖国を破滅に導くような愚かな政策であったとしても、国家戦略を自己決定できるというのがどういうことかを知っていた。ですから、彼らが「国家主権の回復」というときに、どこに戻るべきなのかについてはある程度具体的なイメージがあったと思います。

 しかし、私自身を含めて、現在80歳以下の日本人は「属国としての日本」しか知りません。どこに戻ったらいいのか、もうわからなくなっているのです。

 韓国は日本の植民地から独立を果たしたあと、ずっと主権国家です。あなたがたは自分たちの国の運命を自分たちで決定することができる国です。日本人にはそれができないのです。政治指導者たちはつねに「アメリカからの評価」「アメリカの許諾」を求めて判断し、行動することと強いられている。

ですから、純粋な日韓関係というものは存在しないのです。われわれ日本人にとって、日韓関係はつねに「日-韓-米」の三国関係なのです。アメリカの意向を勘定に入れないで日韓関係を決定することができないからです。

ですから、今回の対韓制裁についても、ホワイトハウスが「やめろ」と言ってきたら、日本政府はただちに停止するでしょう。けれども、そのせいで安倍の支持率が下がるとか、政権を失うということはありません。それは彼が日本の国益よりアメリカの国益を優先させる、たいへんすぐれた「属国の代官」だからです。

 日本人は自国の総理大臣が「アメリカの代官」だということを知っており、「代官」に求められる最優先の資質が「宗主国のボスからの信認」だと知っているからです。そして、安倍はみごとにその条件を満たしているのです。


 参議院選挙投票日前の記事ですが、面白い記事でしたので紹介させていただきました。

コメント

新しい戦争の伝え方

2019年08月10日 | 社会・経済

ハフポストNEWS

  2019年08月10日 

「Nスペ #あちこちのすずさん は一つの通過点」 NHKプロデューサーが語る、新しい戦争の伝え方

「ふと空想したんです。もし、あの時代にツイッターがあったら……」。NHKの春日真人チーフプロデューサー(51)に聞きました。

 
NHK提供

NHK総合で8月10日、特番「NHKスペシャル『#あちこちのすずさん〜教えてください あなたの戦争〜』」が放送される。人気アニメ映画「この世界の片隅に」の主人公すずさんのように、戦時中を懸命に工夫しながら生きた市井の人々のエピソード紹介する。

2018年8月に放送された「クローズアップ現代+」の続編にも当たる番組。忘れられない恋の思い出、不自由な中でも工夫を凝らしたオシャレ、食べ物への渇望……。厳しい暮らしの中でも、必死に毎日を楽しく生きようとした庶民のエピソードが、大反響を呼んだ。

NHKでは、クロ現からNスペまでの1年間に、「#あちこちのすずさん」というハッシュタグで、SNSや公式サイトを通じて戦争にまつわる思い出話を募集。集まったものを、丁寧な文章とイラストで伝えるなど地道な伝承を続けてきた。

NHK全体で「#あちこちのすずさん」という新しい戦争の伝え方に取り組むだけでなく、yahoo!などデジタルメディアなどにもコラボを呼びかけている。

 

番組やメディアの枠組みを超えて取り組む「#あちこちのすずさん」キャンペーン。そこにはどんな思いがあるのだろうか。春日真人チーフプロデューサー(51)に聞いた。

Kasane Nakamura春日真人チーフプロデューサー

高齢化だけではない、記憶の伝承の難しさ

原点にあるのは、春日さん自身の経験だ。

ディレクター時代、沖縄で平和ガイドのボランティアをしている学生を取材しました。平和ガイドというのは、修学旅行などで本土から沖縄にやってくる学生たちなんかに、現地の戦争経験者から聞いた話を伝えるボランティアのこと。その時に感じたのは、戦争の伝承というのは、経験者の高齢化でどんどん難しくなっていくなぁとということでした。

ところが、後日、プライベートで高校1年生の娘を連れて取材で仲良くなった学生ガイドの子にガマを案内してもらいったのですが、そこで娘は「どうしてガマの天井が光ってるの?」と質問したんです。

こちらが戦争の悲惨さについて知ってほしい、ガマで起こった出来事について教えたい、と思っても、本人の興味は別のところにある。こんなことが日本のあちこちで起きているんだろうな、と。

番組でも「ここにフォーカスしたい」と思っていても、もっと色々な角度から幅広く伝える工夫が必要なんだと感じました。

 「ガマ」というのは、戦時下の沖縄で避難場所や軍事拠点として利用されていた自然の洞窟。集団自決など、日本で唯一地上決戦が行われた沖縄の、悲しい歴史の証人でもある。

ところが、終戦から72年目の夏が過ぎたころ、信じられないことが起こった。

沖縄戦の際に避難していた約140人のうち83人が集団自決したチビチリガマで、県内に住む高校生らが肝試しをして荒らし、器物損壊容疑で逮捕される事件が起きたのだ。

時事通信社チビチリガマの中で手を合わせる遺族ら(2018年、沖縄県読谷村)

少年たちの多くはガマを単なる心霊スポットだと思っていて、「ガマの歴史を知らなかった」「大変なことをしてしまった。反省している」などと供述したという。

平和学習には力を入れているはずの沖縄ですら、戦争の記憶はこんなにも薄らいでいる。証言者の高齢化だけでなく、記憶を受け取る側の変化の問題も大きいのだ。

もし、あの時代にツイッターがあったら」

戦争の記憶を次世代に伝えるため、メディアは何ができるか。いつも頭の片隅でそんなことを考えていた春日さんが目をつけたのが、雑誌『暮しの手帖』だ。

『暮しの手帖』は2018年、創刊70周年の記念出版として戦争体験の手記を募り、『戦中・戦後の暮しの記録 君と、これから生まれてくる君へ』を編んだ。「昔から『暮らしの手帖』は好きだった」という春日さんは、手記募集を知り、すぐに編集部にコンタクトを取った。

例えば沖縄と戦争というテーマで番組を作ったとして、正直なかなか数字は取れないんです。沖縄が大変だったことは、みんなが知っている。沖縄と本土、というある種の分断も存在している。その点、生活というのは、みんなが自分と引きつけて考えることができます。

編集部を取材させてもらったら、連日戦争体験を口頭で伝える電話が鳴りっぱなし。ものすごい数の投稿が集まったそうです。

私も手記を読ませてもらったのですが、似たような内容のエピソードが多いのが印象的でした。「戦争あるある」って、やっぱりあるんだなぁと思いながら、ふと空想したんです。もし、あの時代にツイッターがあったら……。

「〇〇で空襲があった。不謹慎だけどキレイだった」というような、匿名でなければ言えないようなことでも、意外とたくさんの『いいね』やリプが付くんじゃないだろうか、って。

暮らしの手帖社『戦中・戦後の暮しの記録 君と、これから生まれてくる君へ』書影

「#あちこちのすずさん〜庶民がつづった戦争の記録〜」と題し、「暮らしの手帖」に寄せられたエピソードを紹介したクロ現の放送に合わせ、「#あちこちのすずさん」というハッシュタグをツイッターで立ち上げた。こちらにもたくさんの投稿が集まり、クロ現の番組内でも一部を紹介した。

投稿の募集はクロ現の放送終了後も続けた。悲惨な戦時下を生きていた人が、今を生きる私たちと変わらぬ喜怒哀楽をを持った人間だった。集まったエピソード一つ一つ、事実確認をしたり再取材したりしながら、イラストやアニメで伝えている。

温もりのあるイラストは、悲惨さや労苦ばかりに目が向けられがちな戦争の別の側面を伝えてくれる。一方で、ただでも風化してきている戦争の残酷さがより薄らいでしまうのではないか。

そんな懸念を伝えると、春日さんは頷いて、こう答えた。

もちろん、これまでの戦争教育、平和教育は続けていくべきだと思っています。ただ、戦争を知る身近にいた時代なら、メディアが伝えなくても「#あちこちのすずさん」のエピソードはどこかで聞いたり見たりできた。すずさんの存在をリアルに感じることができたんです。

でも、今はそれすら難しくなってきている。かつて戦争があったこということを現実として受け止めることができない。そういう人に、これまでと同じような戦争の伝え方を繰り返しても、伝わらないですよね。「暮らしの手帖」でも、かつてなら言葉と写真でそのまま伝わった言葉やエピソードに、編集部の「注」をたくさん入れるようになったと聞いています。

だから「#あちこちのすずさん」は、英語で言えば「基礎英語」。新しい伝え方の芽を作っていけたらと思っているんです。

 

「Nスペは一つの通過点」

“戦争” の記憶と記録を次世代にどう伝えていくかーー。課題を抱えているのは、他のメディアも同じだ。

戦争アニメとして名高い「火垂るの墓」(1988年公開、故高畑勲監督)と「この世界の片隅に」(2016年公開、片渕須直監督)。両作品を見ても、戦争の伝え方や受け止め方がこの30年で大きく変化したことがわかる。 

アマゾンより火垂るの墓 完全保存版 [DVD]表紙

また、毎年8月には戦争にまつわる節目の日がたくさんあり、この時期 “だけ” は、テレビや新聞で戦争について語られる機会が増える。いわゆる『カレンダージャーナリズム』の問題もある。

僕らは、NHKスペシャルは一つの通過点に過ぎないと思っています。生活という視点で戦争を取り上げる以上、打ち上げ花火のように、「今年も(戦争について番組を)やったね」で終わるのではなく、細く長く、息の長いキャンペーンにしていきたい。生活の中の戦争は8月だけじゃないですからね。

その意味で、今回は同じ時間帯に放送されるラジオ番組「らじらー!」(ラジオ第一)とのコラボを予定しています。Hey!Say!JUMPの八乙女光さんと伊野尾慧さんがNスペのスタジオに参加します。

「らじらー!」以外にも、情報番組「あさイチ」(NHK総合)や「ラジオ深夜便」ともコラボします。「らじらー!」のリスナー層は10代、20代。「あさイチ」は子育て世代を中心に幅広い固定ファンを持つ番組。新しい戦争伝承の可能性を広げたいので、幅広い年齢層に届けたいですね。

NHK以外のメディアとのコラボも狙いは同じです。戦争の伝え方について、新しい選択肢を探っていきたいんです。これは僕らだけでできすわけはないので。

だから、全国各地の平和資料館なんかともお話をしていきます。今後も、料理やファッション、歴史番組など、なるべく多くの番組とコラボしていきたい。おこがましい言い方かもしれませんが、戦争の伝え方について、新しい選択肢を作っていけたらと思っています。


今日も一日、静かに雨が降り続いている。
昨夜から寒さを感じるようになった。
最低気温が15℃を下回る。
急激な変化である。
雨を得て、花も元氣を取り戻したようだ。

コメント

2019年長崎「原爆の日」

2019年08月09日 | 社会・経済

核使用の危険高まる=市民社会の力に期待-74回目、長崎原爆の日

時事通信社 2019/08/09 11:41

 

 

長崎は9日、74回目の原爆の日を迎え、爆心地に近い長崎市松山町の平和公園で、市主催の平和祈念式典が営まれた。田上富久市長は「核兵器が使われる危険性が高まっている」と指摘し、市民社会の持つ力の重要性を強調。一人ひとりが「核兵器はいらない」と声を上げるよう訴えた。

 式典には、被爆者や遺族、安倍晋三首相らが参列し、犠牲者の冥福を祈った。米ロ中など6カ国の核保有国を含め66カ国の代表も参加した。

 7月末までの1年間で新たに死亡が確認された3402人の名簿を遺族らが奉安。犠牲者に水と花輪をささげ、原爆投下時刻の午前11時2分、鐘の音に合わせて1分間黙とうした。原爆死没者数は18万2601人となった。

 田上市長は平和宣言で、米ロの中距離核戦力(INF)全廃条約の失効など現在の国際情勢を踏まえ、「人類の努力の成果が次々と壊されている」と危機感をあらわにし、米ロに対し、核兵器を大幅に削減する具体的道筋を示すことを求めた。

 また、初めて被爆者の詩を引用し、被爆の惨状や「繰り返してはならない」という被爆者の思いを訴えた。核兵器禁止条約の成立など「市民社会の力は、これまでも世界を動かしてきた」と指摘。世界の市民社会に「戦争体験を語り継ぎ、国を超え人と人との間に信頼関係をつくり、『平和の文化』を育て続けよう」と呼び掛けた。

© JIJI PRESS LTD (Fixed Fee) 提供 平和祈念式典で、原爆投下時刻に黙とうする人たち=9日午前11時2分、長崎市松山町の平和公園

 日本政府に対しては、一刻も早い核兵器禁止条約への署名、批准を要請。憲法の平和の理念の堅持と、それを世界に広げるリーダーシップを発揮するよう求めた。

 続いて、被爆者代表の山脇佳朗さん(85)が「平和への誓い」を読み上げ、安倍首相があいさつ。首相は来年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議で、「意義ある成果を生み出すために、各国に積極的に働き掛ける決意だ」と述べたが、広島に続き、今年も核兵器禁止条約には言及しなかった。

 

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高校生「関係が悪いときこそ交流を」 手つなぎ人間の鎖

朝日新聞社

2019/08/09 09:55

 

© 朝日新聞社 早朝の集会に参加した田平彩乃さん(右端)=2019年8月9日午前7時12分、長崎市松山町、横山輝撮影

長崎市松山町の爆心地公園では9日早朝、高校生らが「原爆落下中心地碑」を囲んで平和を願う「人間の鎖」をつくった。

 人間の鎖の活動の中心は核兵器廃絶を世界に訴える署名活動のメンバーで、「高校生平和大使」の長崎県立長崎北陽台高校2年、田平彩乃さん(16)も参加した。

 親族に被爆者が多く、祖母は病気で苦しみ若くして亡くなったと、父から聞いた。大伯父には、平和大使になって初めて話を聞いた。長袖の右手首からはケロイドが見えた。「原爆の傷はずっと消えない。平和への気持ちを世界でつなぎたい」。平和大使として署名を届けるため、18日にジュネーブの国連欧州本部へ向けて出国する。

 韓国・ソウルの高校1年、ナム・ジョンフンさん(16)は頻繁に報道される南北朝鮮の関連ニュースを見て、「平和」について考えるという。答えは出ていないが、広島と長崎の原爆の資料館で展示をみたり、被爆者の話を聞いたりして戦争への恐怖を強めた。

 徴用工をめぐる問題などで日韓関係は「過去最悪」と言われる。「そういう時こそ、平和を願う人と人との交流が大事だと思う」。韓国に戻ったら、長崎で見た高校生の活動を学内新聞で伝えるつもりだという。


 ものすごい雨だった。畑の方が心配で早朝、江部乙に。

150㎜を超えていた。
側溝の水があふれ、沼に入っていく。

おかげで、沼も満杯となり、あふれ出ていた。

これで、しばらくは水の心配はしなくてもいいだろう。

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雨宮処凛がゆく! 第492回:相模原事件から3年、重度障害者が国会議員となった夏。の巻

2019年08月08日 | 社会・経済

マガジン9 201987

    https://maga9.jp/190807/

 

 3年前の夏を、私は最悪の気持ちで過ごした。

 それは、2016年7月26日、相模原の障害者施設で19人が殺害されるという事件が起きたからである。

 「障害者は不幸を作ることしかできません」

 衆院議長に宛てた手紙にそう綴った植松聖被告は「私は障害者総勢470名を抹殺することができます」と冒頭に書き、それが「革命」であり、「世界経済の活性化」、また「本格的な第三次世界大戦を未然に防ぐ」ためのものだと訴えた。そんな手紙を送ったのち、彼はあの凄惨すぎる事件を起こした。

 事件から2ヶ月後、アナウンサーの長谷川豊氏はブログで以下のように書いた。

 「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ! 無理だと泣くならそのまま殺せ!」

 ブログは大炎上し、長谷川氏は仕事を失ったがその後「日本維新の会」の公認候補となった。そうして17年の衆院選に出馬し、落選。19年1月に再び日本維新の会の公認候補となるものの、5月、今度は部落差別発言が問題となり出馬は取りやめとなった。

 18年1月には、優生手術を受けた女性が国を提訴し、同様の訴訟が相次いだ。旧優生保護法のもと、障害者が子どもを持てぬよう、強制不妊手術が行われてきたことが白日の下に晒されたのだ。

 「優生上の見地から、不良な子孫の出生を防止する」

 そう明記された旧優生保護法は、1996年までこの国に存在した。厚労省によると、本人の同意が必要とされなかった不妊手術は1949年から92年までの間に、約1万6500件あったという。現在、多くの当事者が抗議の声を上げ、全国で提訴に踏み切っているが、不妊手術をされた人々は数十年間、沈黙を余儀なくされていたのだ。

 18年夏には、『新潮45』誌上において自民党議員・杉田水脈氏の原稿が大きな批判を浴びた。LGBTを巡って「生産性」という言葉を使ったことがその理由だった。しかし、そのずーっと前から、この国には「生産性がない者には生きる価値などない」「企業の営利活動に貢献できない者に生きる資格なし」といったメッセージが全国津々浦々まで浸透していた。

 19年3月には、東京・福生の病院で40代の女性が人工透析を中止し、その後死亡していたことが報じられた。女性は透析中止後、看護師に「こんなに苦しいなら透析した方がいい。撤回する」と発言した記録が残されていた。

 終末期ではない患者に透析治療をしない選択肢が提示されていたことがわかり、さらにこの病院では透析を始めなかったり中止したりして21人が死亡していることが判明した。これらの対応が適切だったのかが大きな議論を呼んだが、病院に立ち入り調査をした日本透析医学会は、「中止の意思尊重は妥当」と結論づけた。

 しかし、ただでさえ辛い治療をし、「家族に迷惑をかけて申し訳ない」「医療費がかかって申し訳ない」と思いがちな患者に、死に直結する治療中止の選択肢を示すこと自体が問題ではないかという声も上がった。

 19年6月には、川崎・登戸で無差別殺傷事件が発生した。小学生の女の子と保護者の二人が命を奪われ、加害者の50代のひきこもり男性はその場で自殺した。これに対して「死ぬなら一人で死ね」という声が世に溢れた。

 その4日後、東京都練馬区に住む44歳の男性が父親に殺害された。やはりひきこもっていたという男性は、殺害された日、近所の小学校の運動会の音に「うるせぇな、ぶっ殺してやるぞ」と口にしたという。それを聞いた父親は「周囲に迷惑をかけたくない」「川崎の事件を知り、長男が人に危害を加えるかもしれないと」思い、殺害。法に触れることは何もしていない男性の命が奪われた事件だが、ネット上には父親に対する同情や賞賛の声すら上がった。

 同じ6月、テレビで衝撃的な番組が放送された。NHKスペシャル『彼女は安楽死を選んだ』だ。難病である多系統萎縮症を患った女性がスイスに行き、安楽死をするまでを追ったドキュメンタリー番組である。

 障害者団体「DPI日本会議」の加盟団体である「日本自立生活センター」は、放送を受けて同番組への声明を出した。そこには、番組の中で難病や人工呼吸器をつけた人の生が否定的に描かれていること、実際には人工呼吸器や胃ろうを用いて生き生きと自分らしく生きている人もたくさんいること、「生きたい」と「死にたい」の間で揺れている人々に対して、この番組は死ぬ方向に背中を押してしまう強烈なメッセージを持っていることなどが触れられた。

 その翌月に告示された参院選において、「日本でも安楽死制度を」と求める「安楽死制度を考える会」が候補者を選挙区、比例区で擁立。落選したものの、27万票近くを集めた。

 さて、ここまで延々と書いてきたのは、この2、3年、明らかにこの国に「ある空気」が蔓延しているのを感じるからだ。それは「日本は少子高齢化で社会保障の財源がないんだから、ある程度“命の選別”をするのは仕方ない」というような空気である。

 10年前だったら、たとえ心のどこかでふと思ったとしても口に出すのは憚られた考えだろう。しかし今、残酷な「本音」が「理想」や「建前」を打ち破るような現実をいたるところで目にし、耳にする。「命は大切だ」というような「正論」を口にする人間が「現実を何もわかっていない」と嘲笑され、愚かさの象徴とされるような。今、言ってはいけなかった「剥き出しの本音」が、この国のいたるところで猛威を振るっている。

 そんな空気に、なんとか対抗できないものかと思ってきた。特に「財源がない」「このままでは日本は借金で破綻する」という言説への危機感から「命の選別」を「仕方ないこと」とし、結果、植松被告のしたことを「わからないでもない」と肯定してしまうような言説に、どう対抗すればいいのか考え続けてきた。

 しかし今、どれほどの言葉を並べるよりもずっとずっと説得力のある現実がある。それは、あの事件から3年後、重度障害者の国会議員が二人も誕生したという現実だ。

 その現実は、まず国会のバリアフリー化を進め、また「重度訪問介護」という制度の穴を浮き彫りにし、制度の見直しを国に迫った。重度障害者二人が国会議員になったというニュースは世界中を駆け巡り、オリンピック・パラリンピックのホスト国となるこの国の対応を、世界中が注視している。障害者は「不幸を作ることしかできません」と言われるような存在ではなく、私たちに多くのことを教えてくれる存在だということが今、毎日のように証明されている。

 事件が起きた3年前、私にとっての障害者は「守られるべき」存在だった。しかし、今はどうだろう。舩後さん、木村さんは議員バッチをつけ、そして二人を支えたいと多くの障害者たちが名乗りを上げ、サポートチームを作ろうなんて話をしている。長年障害者運動をしてきた当事者の知識と行動力には目を見張るばかりで、「制度ってそういう交渉で変えるものなのか」「法整備のための一番の近道ってこういうやり方をすることなのか」と日々学ぶことばかりだ。

 気がつけば、今、私は彼ら彼女らに学び、ともに政治をダイレクトに変えようという試みの中にいる。私の中での障害者は、「守られるべき存在」から、「一緒に社会を変えていく存在」となった。

 植松被告は、まさかこんな世界があるなんて、想像もしていなかっただろう。

 8月1日、二人の議員は無事に初登院を遂げた。

 前人未到のチャレンジはすでに始まっている。今、私たちは歴史的な瞬間に立ち会っているのだ。


 待望の雨、今日と明日、時間をかけてしっとりと畑を潤してほしい。今日これから明日朝にかけてが本降りになるよう。

 今日、2度目の眼科受診。前回検査を終え、今日再び車を運転しないで来てくださいと言われ、ちょうど帰省中の娘に乗せてもらうことができた。
結果は「異状なし」でした。

 昨日書いた「ファックス男」、逮捕されましたね。

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「表現の不自由展・その後」中止、テロ予告を放置する権力者

2019年08月07日 | 社会・経済

「テロ予告と脅迫に強く抗議します」あいちトリエンナーレ参加アーティスト72人が声明 表現の不自由展の中止に

「私たちが求めるのは暴力とは真逆の、時間のかかる読解と地道な理解への道筋です」

  ハフポストNEWS2019年08月06日

     安藤健二 

 愛知芸術文化センターで8月1日から開かれた企画展「表現の不自由展・その後」が、わずか3日間で中止された。

 「表現の不自由展・その後」は、90組以上の芸術家が参加する国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の一環として注目を集めていたが、従軍慰安婦をモチーフにした「平和の少女像」や昭和天皇をテーマにした作品に対して、テロ予告や脅迫があったとして実行委員会が中止を決めた。

 実行委員会の会長を務める大村秀章・愛知県知事は会見で「ガソリン携行缶を持って行く」と、京都アニメーションの放火殺人事件を想起させるFAXもあったと明かした

 これに対して8月6日、あいちトリエンナーレ2019の参加アーティストのうち計72人が、共同のアーティスト・ステートメントを発表。「テロ予告と脅迫に強く抗議します」とした上で「私たちが求めるのは暴力とは真逆の、時間のかかる読解と地道な理解への道筋です」と訴えた。

全文は以下の通り。

アーティスト・ステートメント

あいちトリエンナーレ2019 「表現の不自由展・その後」の展示セクションの閉鎖について

 2019年8月6日

 私たちは以下に署名する、あいちトリエンナーレ2019に世界各地から参加するアーティストたちです。ここに日本各地の美術館から撤去されるなどした作品を集めた『表現の不自由展・その後』の展示セクションの閉鎖についての考えを述べたいと思います。

 津田大介芸術監督はあいちトリエンナーレ2019のコンセプトとして「情の時代」をテーマとして選びました。そこにはこのように書かれています。

「現在、世界は共通の悩みを抱えている。テロの頻発、国内労働者の雇用削減、治安や生活苦への不安。欧米では難民や移民への忌避感がかつてないほどに高まり、2016年にはイギリスがEUからの離脱を決定。アメリカでは自国第一政策を前面に掲げるトランプ大統領が選出され、ここ日本でも近年は排外主義を隠さない言説の勢いが増している。源泉にあるのは不安だ。先行きがわからないという不安。安全が脅かされ、危険に晒されるのではないのかという不安。」(津田大介『情の時代』コンセプト)

 私たちの多くは、現在、日本で噴出する感情のうねりを前に、不安を抱いています。私たちが参加する展覧会への政治介入が、そして脅迫さえもが——それがたとえひとつの作品に対してであったとしても、ひとつのコーナーに対してであったとしても——行われることに深い憂慮を感じています。7月18日に起きた京都アニメーション放火事件を想起させるようなガソリンを使ったテロまがいの予告や、脅迫と受け取れる多くの電話やメールが関係者に寄せられていた事実を私たちは知っています。開催期間中、私たちの作品を鑑賞する人びとに危害が及ぶ可能性を、私たちは憂い、そのテロ予告と脅迫に強く抗議します。

 私たちの作品を見守る関係者、そして観客の心身の安全が確保されることは絶対の条件になります。その上で『表現の不自由展・その後』の展示は継続されるべきであったと考えます。人びとに開かれた、公共の場であるはずの展覧会の展示が閉鎖されてしまうことは、それらの作品を見る機会を人びとから奪い、活発な議論を閉ざすことであり、作品を前に抱く怒りや悲しみの感情を含めて多様な受け取られ方が失われてしまうことです。一部の政治家による、展示や上映、公演への暴力的な介入、そして緊急対応としての閉鎖へと追い込んでいくような脅迫と恫喝に、私たちは強く反対し抗議します。

 私たちは抑圧と分断ではなく、連帯のためにさまざまな手法を駆使し、地理的・政治的な信条の隔たりを越えて、自由に思考するための可能性に賭け、芸術実践を行ってきました。私たちアーティストは、不透明な状況の中で工夫し、立体制作によって、テキストによって、絵画制作によって、パフォーマンスによって、演奏によって、映像によって、メディア・テクノロジーによって、協働によって、サイコマジックによって、迂回路を探すことによって、たとえ暫定的であったとしても、それらさまざまな方法論によって、人間の抱く愛情や悲しみ、怒りや思いやり、時に殺意すらも想像力に転回させうる場所を芸術祭の中に作ろうとしてきました。

 私たちが求めるのは暴力とは真逆の、時間のかかる読解と地道な理解への道筋です。個々の意見や立場の違いを尊重し、すべての人びとに開かれた議論と、その実現のための芸術祭です。私たちは、ここに、政治的圧力や脅迫から自由である芸術祭の回復と継続、安全が担保された上での自由闊達な議論の場が開かれることを求めます。私たちは連帯し、共に考え、新たな答えを導き出すことを諦めません。

 

あいちトリエンナーレ2019 参加アーティスト 72名 

賛同者一覧   2019年8月6日現在

青木美紅

伊藤ガビン

石場文子

市原佐都子

今津景

今村洋平

イム・ミヌク

岩崎貴宏

アンナ・ヴィット

碓井ゆい

エキソニモ

越後正志

遠藤幹子

大浦信行

大橋藍

大山奈津子(しんかぞく)

岡本光博

ピア・カミル

レジーナ・ホセ・ガリンド

ドラ・ガルシア

ミリアム・カーン

キュンチョメ

葛宇路(グゥ・ユルー)

クワクボリョウタ

小泉明郎

こまんべ(しんかぞく)

小森はるか

澤田華

白川昌生

嶋田美子

菅俊一

スタジオ・ドリフト

高嶺格

高山明

田中功起

津田道子

Chim↑Pom

TM(しんかぞく)

dividual inc.

ハビエル・テジェス

戸田ひかる

富田克也

トモトシ

永田康祐

永幡幸司

パク・チャンキョン

半坂優衣(しんかぞく)

広瀬奈々子

ジェームズ・ブライドル

キャンディス・ブレイツ

タニア・ブルゲラ

藤井光

藤原葵

ヘザー・デューイ=ハグボーグ

BeBe(しんかぞく)

星ヲ輪ユメカ(しんかぞく)

桝本 佳子

アマンダ・マルティネス

クラウディア・マルティネス・ガライ

繭見(しんかぞく)

三浦基

ミヤタナナ(しんかぞく)

ジェイソン・メイリング

モニカ・メイヤー

袁廣鳴(ユェン・グァンミン)

弓指寛治

吉開菜央

よしだ智恵(しんかぞく)

梁志和(リョン・チーウォー)+黄志恒(サラ・ウォン)

鷲尾友公

和田 唯奈(しんかぞく)

ワンフレーズ・ポリティクス(しんかぞく)

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東京五輪も潰される…FAX1枚の放火予告に屈した警察の怠慢

  日刊ゲンダ2019/08/05

 愛知県美術館などの国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で、慰安婦を象徴する少女像などを展示した企画展「表現の不自由展・その後」が中止となった問題。作品に抗議する電話やメールが1日の開幕から2日間で、1400件に上ったというから驚きだ。

 トリエンナーレの実行委員長を務める愛知県の大村秀章知事は3日、中止の理由について「テロ予告や脅迫の電話などがあり、総合的に判断した」と説明。<(少女像を)大至急撤去しなければ、ガソリンの携行缶を持ってお邪魔する>との脅迫ファクスが2日の朝に美術館に届いたことも明かした。

 警察に被害届を出したものの、「ファクスの送り主を特定できない」と言われたという。

 トリエンナーレの芸術監督を務めるジャーナリストの津田大介氏は自身のツイッターに、脅迫ファクスについて<ネット経由で匿名化されて送られていましたね。手段をよく知ってる人の犯行です>と投稿。たとえ匿名であっても、警察が犯人を特定できないことには愕然とせざるを得ない。来年の東京五輪に向けて、テロ対策を強化してきたからだ。

 警察庁の「国際テロ対策強化要綱」は、テロを未然に防ぐために<テロの脅威に係る情報収集・分析を周到に行うことが必要>と明記している。“ガソリン放火”予告の犯人すら分からない警察が、テロの脅威から東京五輪を守れるのか。兵庫県警元刑事の飛松五男氏がこう言う。

 「警察が本気を出せば、匿名でもファクスの送り主を特定できます。警察はサイバー犯罪などに特化した人材を育成するために予算を多くもらっているので、特定できないほどヤワではありません。あえて公表していないという可能性も考えられますが、ファクスの送り主を本当に特定できないのなら大問題です。いずれにしても、職務怠慢。五輪を来年に控えているのに、緊張感に欠けています」

 津田氏は今回の騒動について「電話による攻撃で文化事業を潰せてしまう悪しき事例をつくってしまった」と悔やんでいた。

 ファクス1枚で東京五輪が中止――怠慢警察の下ではあり得ない話ではない。

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 「表現の不自由展」中止問題 大メディアが傍観の不思議(一部抜粋)

   日刊ゲンダイ2019/08/06

 元共同通信記者でジャーナリストの浅野健一氏はこう言う。

「メディアは表現の自由に対する公権力の介入と報じるべきなのに静観している。深刻な状況です。例えば首相官邸にガソリンをまく、と予告すれば即刻逮捕ですよ。今回も警察など当局が徹底捜査に動くような報道があって当然なのに何もない。現場記者や報道機関全体の低レベル化が進んでいるとしか思えません」

 安倍政権の大本営発表に慣らされた従軍記者ばかり増えているようだ。



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広島原爆忌

2019年08月06日 | 社会・経済

広島原爆の日、小学生の「平和への誓い」から大人も学べる。「相手を知り、違いを理解しようと努力すること」

国や文化や歴史、違いはたくさんあるけれど、大切なもの、大切な人を思う気持ちは同じです。みんなの「大切」を守りたいーー。

 中村 かさね (Kasane Nakamura)

ハフポストNEWS 2019年08月06日

 8月6日は「広島原爆の日」。74年前の午前8時15分、広島県広島市に原爆が投下された。

 セミの鳴き声に包まれた平和記念公園(広島市中区)では、平和記念式典が開かれた。

 広島市立落合小学校6年の金田秋佳さんと広島市立矢野小学校6年の石橋忠大さんが子ども代表として読み上げた「平和への誓い」には、今だから噛み締めたい言葉が盛り込まれている。

全文を紹介する。

私たちは、広島の町が大好きです。

ゆったりと流れる川、美しい自然。

「おかえり」と声をかけてくれる地域の人、どんなときでも前を向いて生きる人々。

広島には、私たちの大切なものがあふれています。 

 

時事通信社広島の平和記念式典(原爆死没者慰霊式・平和祈念式)の様子、左は原爆ドーム。

 

昭和20年(1945年)86日。

あの日から、血で染まった川、がれきの山、皮膚がはがれた人、たくさんの亡きがら、見たくなくても目に飛び込んでくる、地獄のような光景が広がったのです。

大好きな町の「悲惨な過去」です。

被爆者は語ります。

「戦争は忘れることのできない特別なもの」だと。

 

時事通信社原爆ドーム前の元安川でともされた追悼のかがり火(2019年8月5日夜、広島市中区)

私たちは、大切なものを奪われた被爆者の魂の叫びを受け止め、次の世代や世界中の人たちに伝え続けたい。

「悲惨な過去」を「悲惨な過去」のままで終わらせないために。

二度と戦争をおこさない未来にするために。

 

時事通信社平和記念式典(原爆死没者慰霊式・平和祈念式)で広島市長の平和宣言後、空に放たれたハト

国や文化や歴史、違いはたくさんあるけれど、大切なもの、大切な人を思う気持ちは同じです。

みんなの「大切」を守りたい。

「ありがとう」や「ごめんね」の言葉で認め合い許し合うこと、寄り添い、助け合うこと、相手を知り、違いを理解しようと努力すること。

自分の周りを平和にすることは、私たち子どもにもできることです。

 

時事通信社平和への誓いを読み上げる金田秋佳さん(右)と石橋忠大さん

大好きな広島に学ぶ私たちは、互いに思いを伝え合い、相手の立場に立って考えます。

意志をもって学び続けます。

被爆者の思いに、私たちの思いを重ねて、平和への思いを世界につなげます。

 

令和元年86

子ども代表

広島市立落合小学校6年 金田秋佳

広島市立矢野小学校6年 石橋忠大


今日は重要なニュースがたくさん入ってきた。
でも、今日はこれだけにしておく。
子どもたちの小さな声を聴こう!

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「嫌韓世論」異様な蔓延

2019年08月05日 | 社会・経済

95%が支持?安倍外交より恐ろしい「嫌韓世論」異様な蔓延

 日刊ゲンダイ2019/08/05

 もはや、落としどころも、解決の糸口も見えない状況である。日本と韓国の対立は、あきらかに一線を越えはじめている。過去にも軋轢はあったが、これまでとは次元が違う。

 本来、日本と韓国は、アメリカを介した同盟国のはずだ。なのに、国際会議で顔を合わせるたびに、日本と韓国の大臣は互いに批判し合う異常事態となっている。ネット上にも、韓国に対する憎悪の言葉があふれている。

ここまで関係が悪化した直接の原因は、安倍政権が、韓国をいわゆる「ホワイト国」から除外したことだ。韓国サイドが徴用工訴訟問題で仲裁委開催に応じなかったことへの報復第2弾として政令改正を閣議決定した。

 すでに安倍政権は、報復第1弾として、半導体素材の韓国向け輸出を規制強化している。第3弾も用意しているという。トランプ大統領とまったく同じやり方である。

「これまで日本外交は“政経分離”のスタンスを取ってきました。歴史問題などで政治関係が悪くなっても、政治は政治として解決し、外交に経済を絡ませなかった。だから、決定的な対立も避けられた。政治家同士が対立しても、ビジネスの現場はつながっていました。ところが、安倍首相は“禁じ手”である、経済制裁を発動してしまった。引き返す橋を自ら燃やしてしまった形です。しかも、せめて半導体素材の輸出規制だけにとどめておけばよかったのに、“ホワイト国”からも除外してしまった。関係修復が難しくなることはわかっていたはずです。どうして、対立が決定的になるようなことをしてしまったのか」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

徴用工問題は、日本と韓国が知恵を出し合えば、解決の道もあったはずだ。

 実際、まったく同じ問題を抱えていた中国とは、被害者救済のために原告と日本企業が和解している。

韓国サイドも、“中国方式”による解決を期待していたという。

 なのに、韓国の徴用工問題に対しては、民間企業が和解に応じることを許さなかった。なぜ、中国と同じ扱いをしなかったのか。安倍政権が経済制裁を科すまでは、韓国世論もヒートアップしていなかった。「ホワイト国」から除外したことで、韓国は国を挙げて対抗措置を取ると宣言している。日韓対立はエスカレートし、ブレーキを失っている状態だ。

“反韓”世論がさらに安倍政権を暴走させる

 安倍政権が“韓国叩き”に走っている理由は明らかだ。歴史修正主義ということもあるだろうが、支持率アップを狙っているのはミエミエである。

 韓国をいじめれば、支持が拡大すると計算しているのは間違いない。ここ数年、安倍政権とその周辺が“嫌韓”をあおったこともあって、日本国内に韓国嫌いのムードが広がっているからだ。タイミングを計ったように、参院選の直前に半導体素材の輸出の規制強化を決定しているのだから、あからさまである。

外交を政権維持に利用するのは、安倍政権のいつものやり方だが、仰天なのは、韓国を「ホワイト国」から除外することに、なんと95%が賛成していることだ。経産省が実施した意見公募には、4万件という異例の数が寄せられ、賛成が95%を超え、反対は1%だったという。

 95%が支持するなど、本来、民主主義国家ではあり得ないことだ。もちろん、ネトウヨが組織的に投稿した可能性もゼロではないが、この数字が事実なら、タダごとじゃない。安倍政権の誕生後、急速に“嫌韓”意識が強まっているということだ。慰安婦を表現した少女像を展示していた国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」も抗議が殺到し、展示の中止に追い込まれてしまった。

ヤバイのは、火がついた世論が、無定見な安倍政権をますます暴走させてしまう恐れがあることだ。戦前、軍部を暴走させたのも世論だった。

 昭和史に詳しい作家の半藤一利氏は、毎日新聞のインタビューにこう答えている。

「最初は政治家が先導しているようでも、途中から民衆の方が熱くなり、時に世論が政治家を駆り立てたんです」

 政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。

「もともと安倍首相は、アメリカが『韓国と和解しろ』と迫れば、簡単に矛を収めるタイプです。でも、世論が強くなりすぎて、アメリカが仲介しても、振り上げた拳を下ろせなくなっている可能性があります。世耕経産大臣も『ホワイト国からの除外は、95%が賛成だった』と勝ち誇ったように口にしている。ここで韓国に屈したら、政権への支持が一気に落ち込むと考えていてもおかしくありません」

日中戦争がはじまった昭和12年、「暴支膺懲」というスローガンが掲げられた。「暴れる中国を懲らしめる」という意味だ。恐ろしいことに、安倍支持者は、「韓国を懲らしめろ」と口にしはじめている。

■“愛国心”が蔓延し、モノが言えない社会に

 このまま日韓の対立がエスカレートしたら、どうなってしまうのか。

 さすがに、韓国とコトを構えることはないだろうが、「排外主義」と歪んだ「愛国精神」が蔓延するのは間違いない。すでに、ちょっと安倍政権を批判しただけで、“反日”というレッテルを貼られる状態である。辺野古の基地新設に反対する沖縄までが“反日”扱いされる始末だ。韓国を擁護しようものなら、袋叩きに遭う異様な国となっている。

歪んだナショナリズムの行き着く先は、自由にモノも言えない社会だ。戦前の日本と同じように社会が一色に染まり、表現の自由も、言論の自由も失われていく。

国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」が中止に追い込まれた一件は、日本の将来を暗示しているのではないか。

 コラムニストの小田嶋隆氏は、著書「超・反知性主義入門」にこう書いている。

「こわいのはわれわれが愛国者になることではなくて、愛国者のふりをしないと孤立するような社会がやってくることだ」

 政治評論家の森田実氏はこう言う。

「外交の大きな役割は、国民レベルで対立が起きないようにすることです。政治家同士が激しくやりあっても、国民同士は友好を保てるようにする。もし、国民のなかで排外主義やナショナリズムが強まりそうになったら、政治が沈静化させる。世論が沸騰すると、政治がコントロールすることも難しくなるからです。ところが、安倍政権は嫌韓をあおり、ナショナリズムをあおっているのだから、どうかしています。そもそも、中国や韓国との関係がうまくいかないのは、安倍首相の歴史認識が間違っているからです。アジア諸国は“河野談話”や“村山談話”を、そのまま継承して欲しいと思っています。ところが、歴代内閣の方針を受け継ぐと口にしながら、“侵略の定義が定まっていない”などと繰り返している。本気で謝るつもりがない。侵略や植民地支配を反省していない。これでは歴史問題は解決しませんよ。大手メディアも、どうして中国や韓国との関係が悪化するのか、本質を伝えるべきです」

ただでさえ、安倍外交は行き詰まっている。周辺国である中国、ロシア、北朝鮮との関係も滞っている。このままでは、戦前のように孤立しかねない。



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