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もし学校が怖いと感じるならば・・・

2019年08月31日 | うつ・ひきこもり

ハフポストあのひとのことば

2019年08月30日 

不登校は人生の“詰み”ではない。『不登校新聞』編集長が伝えたいこと

300人を超える不登校の子どもや若者、親の話に耳をかたむけてきた『不登校新聞』編集長の石井志昂さんが、夏休み明けの子どもの心境を“子ども目線”でつづってくださいました。

 夏休み明けが重なる「9月1日」は子どもの自殺が1年で最も多い日です。いまも苦しい気持ちを誰にも打ち明けられずに、学校へ向かう子がいるかもしれません。

そこでこのブログでは、夏休み明けの子どもの心境をお伝えするとともに、「不登校は人生の“詰み”ではない」ことをお伝えできればと思っています。

まずは、ここで前提としている「9月1日」の意味からお伝えします。



2015年8月に発表された「自殺対策白書」によると、1972年〜2013年の42年間で、9月1日に自殺した子どもは131人。平均の2.6倍と突出しています。調査分析したのは森口和研究員(現・自殺総合対策推進センター所属)でした。 

夏休み明けのこの時期、なぜ自殺が集中するのか。それは私たち『不登校新聞』が取材してきた不登校の子どもたちの心境からうかがい知ることができます。

必死で通っている時には感じない「苦しさ」に気づく 

夏休みに入ると、子どもは大きな解放感を得ます。それは学校に苦しさを感じていない子も同じだと思います。

学校へ行くのが苦しい子の場合、夏休みに入った直後、長い睡眠時間をとったり、強い倦怠感に襲われたりします。学校へ通っていたころの緊張と疲労が一気に噴き出すからです。

こうした「休息」が充分にとれると「学校での苦しさ」を自覚します。毎日、がんばって学校へ通っている時は必死なので、「苦しさ」を感じないことが多いのです。

「苦しさ」の中身は、いじめや、いじめとは言えなくても教室内の人間関係でついた心の傷、勉強への重圧、部活や先生についての悩み、親からの期待に応えられなかったという自責の念などです。

子どもがそうした「苦しさ」を感じ始めるのが、お盆明けごろです。

俗に「学校へのカウントダウン」とも呼ばれていますが、苦しさを感じていた学校へ「あと〇日で戻ってしまう」という気持ちが芽生えるからです(東北や北海道では、より早く休みが明けるのでお盆前にカウントダウンが始まります)。 

学校への不安感、恐怖感がしだいに募っていく感覚を「地獄が迫ってくる感じ」「ジェットコースターが落ちる前の感覚」だと表現していた子どもたちもいました。 

そして、緊張感や不安感が最も高まるのは夏休み明けの前夜です。

じつは子どもの自殺も夏休み明けの前夜がもっとも多くなります。「9月1日」が多いと言われていますが、本当に多いのは「8月31日の深夜」。深夜のため統計上は日付が変わって、「9月1日」が突出しているように見えるのです。 

親の直感を信じて、子どものSOSを見極める

親からすると、子どもがそれほど学校で苦しんでいるならば「SOS」をいち早く見つけたいと思うものです。子どもたちが発信する特徴的なSOSは以下のとおりです。

・体調不良を訴える(頭痛/腹痛/体の痛みなど)

・食欲不振

・不眠

・これまでやれていたことができない(夏休みの宿題など)

・大好きだったものが楽しめなくなる(本を読む、絵を描くなど)

・理由を言わずに「死にたい」「人生をやめたい」と訴える。 

「死にたい」と訴えてきた場合は別ですが、その他の理由は「夏休みだから」という理由で、つい見落としがちです。食欲不振や不眠などは「夏バテかな」と思いますし、夏休みの宿題ができないことなどは「恒例だ」と思う人も少なくないでしょう。

私も上記のことがすべて「SOS」に該当するとは思いません。しかし、夏休みに入った直後と夏休み明けが近づいてきた時期とを比べ、上記のようなことが目立つ場合は注意が必要です。 

SOSかどうかの指針として、あるお母さんは「親の直感を信じていい」と話していました。

ただ、不登校やひきこもりなどの「将来への不安」が先行すると、その直感は鈍ります。心を落ち着かせて、小さいころから見てきたわが子の様子を思い出し、「今」異変を感じるかどうか。

その問いに対する親の直感は「そうそう外れない」と言っていました。

ただし、「学校へ行きたくない」と本人が訴えてきた場合は別です。 

「学校へ行きたくない」子に言ってはいけない2つの言葉

子どもが「学校へ行きたくない」と言ったらどうしよう。親にとって大きな心配の1つでもあります。

学校で苦しんでいればいるほど、子どもは「行きたくない」という一言を言えません。学校には行くものだと強く思っているからです。学校へ行けないぐらいなら死んだほうがいいと本気で思っている子どもも少なくありません。

なので「学校へ行きたくない」と深刻に訴えてきた場合は、最大級のSOSだと思ってください。子どもは限界ギリギリ、がけっぷちで親に助けを求めています。 

では、その時、どうすればいいのか。じつは多くの親が踏んできた地雷(禁句)があります。

「なんで学校へ行きたくないの」

「もうすこしがんばってみよう」 

この2つが子どもを追いつめる禁句の言葉です。もっと言うと、親ならば誰しも言ってしまうであろうこれらの言葉で、不登校の子たちは深く傷つけられ、追いつめられてきたのです。

ならば、どうすればいいのか。

例えば「そっか」と同意をした後で、「いま、どんな気持ちなの?」と心境を聞き、そのうえで、学校へ行く、行かないの選択肢を子ども自ら選んでもらい、周囲はその選択に従う。

これは、学校へ行きたくないと訴えたときだけでなく、子どもの悩みを聞く姿勢としても確立している手法でもあります。

もちろん、これが普段からできる人は、フリースクールのスタッフなど「プロ」ですが、「なるべくそちらの方向を目指す」という程度に覚えておいてもらえたら幸いです。

不登校には「その先」がある

自分の子や自分が不登校にならなくても、知ってほしいことがあります。

1つは、学校へ行かなくなった後、フリースクール、学童、図書館、自宅などが子どもの居場所になって、その成長や学びを助けるケースが多くあるということ。

2つめは、小中学校へ通うことは子どもの権利であって、義務ではないということ。

憲法では、子どもは教育を受ける権利がありますが、親は子どもを無理やり学校へ通わせる義務はありません。子どもが望めば、校長裁量で1日も学校へ通わず、小中学校を卒業することができます。私の友人も小学校は1日しか通っていませんが、彼女はいまIT企業で働いています。

不登校には「その先」があること。そして、義務教育は子どもの義務ではないこと。

この2つはまだ多くの人に知られていませんが、事実であり、不登校が人生の“詰み”=終わりではないという根拠の1つです。

私自身、中学2年生から不登校でした。私の予想に反して、学校へ行かないことは「人生の詰み」ではありませんでした。

もし学校が怖いと感じている人がいるならば、私のように生きている人を知ってもらい、どうか「死ぬ以外の選択肢がある」ことを信じてもらいたいと思っています。  

少しでも自殺を考えてしまったり、周りに悩んでいる人がいる人たちなどに向けて、以下のような相談窓口があります。 

チャイルドライン

東京自殺防止センター

いのちと暮らしの相談ナビ

厚生労働省|自殺対策ホームページ

自殺総合対策推進センター

 (編集:毛谷村真木 @sou0126


身近にある「書店」を潰さないでほしい。

2019年08月30日 | 社会・経済

 今日は札幌まで行ってきました。何とか今日中の更新ができそうで、ホッとしています。

 農業を始める前、私は札幌の本屋で店員として働いていた。その店も今年ついに潰れてしまった。わたしもAmazonを利用したことはない。身近な書店を潰したくないからだ。以下の文書、「どうかな?」と思うところもありますが、「脱Amazon」てことで掲載させていただいた。わたしが働いていたころは、まだ店員も多く、それぞれのジャンルにいたので、その人と友達になれば、お互いの情報交換もできていたのだが、最近では「店員」はレジにしかいない、在庫はPCで調べる。そんな時代になってしまった。



脱Amazon。近所の本屋を自分好みにカスタマイズし閉店させぬ方法

  MAG2NEWS2019.08.21

 by くられこ

 自宅にいながらにして、あるいは思いついたその時に、ネットで読みたい本を注文できるこのご時世にあって、リアル書店から足が遠のいているという方も少なくないようです。しかし、あえて「本屋さんで取り寄せている」というのは、現役科学者のくられさん。くられさんは自身の無料メルマガ『アリエナイ科学メルマ』に、書店を利用することのメリットを記しています。

書店注文をしよう!

みなさん本屋さんには行くでしょうか?行きつけの本屋さんはあるでしょうか?

よく、目当ての本が無い!なので、Amazonや楽天、ヨドバシなどの通販でポチるかー…、なんて話はよくありますね。それは本でなくても通販はとにかく品を探すには圧倒的に強いので、本当に便利です。自分もよく通販は利用します。漫画や本もよくポチります。

じゃあ、本屋さんに行く必要なんて無いじゃん、全部ポチれば終わりじゃん!

ぶっちゃけその通りです。

しかし、商業誌というのは同人誌とちがって唯一に近いアドバンテージが1つあります。全国どこの書店でも、在庫さえあれば送料無料で取り寄せができる!という点です。

そんなん送料無料で送ってくれるオンライン店もいっぱいあるし、どうでもよくね?と思うかもしれませんが、さにあらず。

まず書店取り置きをしてもらうと、場合によってはオンライン書店で頼むより早く来ます。特にマニアックな本とかは出版社が倉庫においている場合が大半で、それをオンライン書店が取り寄せて、それをさらに送るという形になるので注文してから届くまで無駄なラグがあるわけです。書店注文だと直行であることが多々あります。

また、同類の本を書店注文していると関連図書が入荷されやすくなります。これも簡単な理由で、この本注文する人多いな…じゃあ関連もとりあえず入れてみるか…みたいな感じです。

言わば、自分の近くの書店を「推し本」だらけにすることも、ぜんぜん可能な訳です。

またマニアックな雑誌も何度も取り寄せていると、そのうち普通に棚に並ぶようになります。実際、自分の最寄りの書店は、クソマニアックな学会誌を毎度取り寄せるのでなぜか置いています(笑)。

しかもなぜか売れてるようで、この前平置きにグレードアップしていました。漫画も推し作品を取り寄せていると、新刊が入るときにドカっと入荷されるようになります。

そしてなにより書店というのは、お?という一期一会の場でもあるので、オンラインでポチポチしてるだけでは絶対に出会わない本に出会えるという点が大きいのです。関連書という形で自分の興味を掘り下げることができるというのは大きいです。

自分はDr.STONEの監修開始時に、科学史に関する本を棚一段買いました。けっこうすごい金額になりましたが、それらをザーっと読み込んで、その上でどんな要望があってもそれなりに答えられるようになったわけで、あのザックリ勉強がなければ、資料不足で初手から詰んでいたかもしれません。

ちなみにネットにある情報、wikiなどをみると情報は膨大なようですが、情報の量としては日本語ベースだと専門書の足下にも及びません。その膨大さ…に気がつくまでにどれくらい時間を使うのか…というのがある意味情報化社会の泳ぎ方かもしれません。

そういうわけで、話がそれましたが本を書店注文するのはオススメなのです。

本の注文自体は簡単で、大半の書店のレジとかカスタマーセンターで、「本のタイトル」と「出版社」が分かっていれば問題なく注文可能です。

その場でスマホでAmazonの画面をだして「コレ!」とやっても良いと思います。Amazonで絶版の本でも書店注文するときに「ヤレ本でもいいので」と言うとちょっと痛んでいるけどまさかのラスト在庫が手に入ったりします。自分はけっこうコレでプレミア本を手に入れてます。

商業誌は「流通」というものもセットの商品なので、そこからみると本という世界がまた別の角度に広がってきます。

ちなみに書店の売り上げというのは雑誌が大半で、雑誌が現在、大半売れない時代で、書店の売り上げも同様に低迷しています。最新情報を紙に印刷して売るというラグはもう無意味な時代で即応性が求められる情報はネットニュースへと移行しました。それに伴って雑誌は衰退の一途です。

別にこれは言うほどの大問題だと自分は思ってません。

紙の本…はこれからどうなるのでしょうか?今や漫画の半分の売り上げがデジタルとさえ言われているこのご時世。

アメリカではデジタルブックの普及の高さもあいまって、紙の書店はどんどん閉店していっています…が、紙の本自体は、あまり数は減っていません。特に専門書や腰を据えて読む本などは、デジタルとはそもそも相性が悪い問題もあるので、紙の本は当分の間は、デジタルに相性の良いコンテンツとアナログ(紙)のほうが相性の良いコンテンツで棲み分けがされていくでしょう。しかし買う人が減ればそれだけ需要なしと見込まれて世に出る本が消えるのもまた事実です。

何か気になって勉強したいものがあったら、可能な限りまだ新品があるなら、そちらを買って、その文化が絶えないような応援が必要な時代でもあると思います。

 

くられこの著者の記事一覧 

 シリーズ15万部以上の不謹慎理系書「アリエナイ理科ノ教科書」著者。別名義で「本当にコワい? 食べものの正体」「薬局で買うべき薬、買ってはいけない薬 」などを上梓。学術誌から成人誌面という極めて広い媒体で連載多数。


やっと出た年金「財政検証」は冷血政権の“ショック療法”

2019年08月29日 | 社会・経済

 

  日刊ゲンダイDIGITAL2019/08/28

    参院選での争点隠し――。報告時期が前回(2014年)より3カ月近くもズレ込んでいた公的年金の「財政検証」が27日、ようやく公表された。内容は「検証」よりも、制度改正を前提とした「提案」重視。「100年安心」と「所得代替率50%維持」にこだわる冷血政権は、そのシワ寄せを中小企業と高齢者に押しつける魂胆だ。

 ◇  ◇  ◇

 財政検証は「年金制度の健康診断」と位置づけられる。現役世代の手取り収入と比べた年金額の割合を示す「所得代替率」は今年度61.7%。今回の検証でも将来にわたってダダ下がりだ。

 中長期的に0.4%の実質経済成長が続く場合、28年後の47年度に50.8%へ低下し、その後は維持。これでも2割ほど目減りする“不健康”さだが、成長が0.2%だと44年度に、ゼロ成長だと43年度にそれぞれ法定水準の50%に達してしまう。その後は0.2%なら53年度に46.5%、ゼロなら58年度に44.5%まで下がる。

■33年後「基金枯渇」のコケおどし

  「100年安心」どころか、安心できるのは「25年程度」。しかも検証のモデルは「40年間厚生年金に加入、その間、平均収入を稼いだ夫と専業主婦」世帯だ。非正規雇用やワーキングプアの人々には、さらにキツイ低年金生活が待ち受ける。

 マイナス成長(0.5%)に陥れば、もっと悲惨だ。33年後の52年度に国民年金の積立金が枯渇。その後、保険料と国庫負担で賄える給付水準は、所得代替率36~38%程度に落ち込むのだ。

   公表先送りも納得だが今回の財政検証はいわば“ショック療法”。国民に不安を与え、「年金枯渇が嫌なら、死ぬまで働け」と本末転倒な仕組みに誘導する狙いが透けて見える。

■「労働参加」で中小企業と高齢者いじめ

    先の参院選で自公与党は、パート労働者への厚生年金適用拡大や、受給開始時期の選択肢拡大を訴え、来年の通常国会に関連法案を提出する考えだ。財政検証は、これらの制度改正を行った場合の効果を試算。厚生年金の適用範囲を月収5万8000円以上の人(1050万人)に広げると、47年度(成長率0.4%)の所得代替率は55.7%に改善する。

   「ただ、保険料負担は労使折半。パート労働者を多く抱える小売業や、中小・零細企業は加入拡大による新たな“痛み”に耐え切れるのか」(小売業界関係者)

 受給開始時期の選択幅拡大も試算。現在60~70歳の間で選べるが、75歳まで働いてから受け取れるようにすると、現役世代の手取り並みの年金額を確保できるという。

  “バラ色”試算を強調しても現在、70歳の受給開始を選ぶ人は1%台。日本人男性の平均寿命は81.09歳(17年)。自立して生活できる「健康寿命」は72.14歳(16年)だ。元気なうちに年金を受け取り、豊かな老後が誰しもの願い。いくら「現役世代並み」とのニンジンをぶら下げられても、要介護になってからしか年金をもらえないなんて、真っ平ごめんだ。

   検証になっていない。『100年安心』と所得代替率50%の維持に縛られ、経済前提や制度改正を想定した試算でゲタを履かせてツジツマ合わせに走っているのではないか。ごまかしが透けて見えます」(経済ジャーナリスト・荻原博子氏)

 根本厚労相は「経済成長と労働参加が進めば、一定の給付水準が確保されながら、おおむね100年間の給付と負担が均衡し、持続可能なものとなる」と能天気だが、「労働参加」で中小企業や高齢者をイジメても、年金枯渇の不安は拭えない……。そんな制度は即座に見直すべきだ。


今朝までの降雨量

結構降ったのです。

アロニア実



米余剰トウモロコシ輸入決定 日本に“危険食品”大流入危機

2019年08月28日 | 食・レシピ

日刊ゲンダイDIGITAL  2019/08/27

  トランプ大統領に米国産牛肉や豚肉の市場開放をのまされた安倍首相。さらに“おまけ”とばかりに、米国で余った飼料用トウモロコシ250万トンの購入まで押し付けられた。トランプは「中国がトウモロコシ購入の約束を反故にした」「安倍首相が全て買ってくれる」と大喜び。実は、このトウモロコシが厄介なのだ。

 米国のトウモロコシは、雑草を除去する「除草剤」の耐性を持たせるため、遺伝子組み換えが大半だという。鳩山由紀夫元首相は26日、〈このトウモロコシは遺伝子組み換え作物と思われる〉とツイート。農業問題に詳しいジャーナリストの天笠啓祐氏は、「米国産トウモロコシの約9割が遺伝子組み換え」と日刊ゲンダイに語った。

 食べると動物や人体に悪影響を及ぼす恐れがある。フランスの大学教授の実験だと、組み換えエサを2年間、食べ続けたマウスの50~80%ががんを発症。米国環境医学会は09年、「アレルギーや免疫機能、妊娠や出産に関する健康」に悪影響を及ぼすと発表したほどだ。

 日本では基本的に、食品や飼料の原料に遺伝子組み換えの農作物を使用する場合、商品に明記することが義務付けられている。消費者庁は公式HPで〈健康や環境に対しての問題を引き起こすことがあってはなりません〉とうたっている。

 米国から大量に入ってくる危険なエサで育った牛や豚を、ヒトが食べて大丈夫なのか。

 「間接摂取については研究が進んでおらず、詳細は不明。しかし、危険性がないとは言い切れないでしょう。多くの消費者から不安の声が上がっています」(天笠啓祐氏)

■中国は「怪しい作物」を徹底拒絶

 実は、輸入を拒否したという中国は、遺伝子組み換えの農作物を危険視しているという。購入拒否の原因は貿易摩擦というより、危険な農産物を忌避した可能性がある。

 「この数年、中国政府は国産農作物の安全性を、米国や国際社会に向け徹底アピールしている。いわくつきの作物を受け入れるつもりはないということ。今回の購入拒否は『危険な遺伝子組み換え作物は使わない』という意志の表れだろう」(在中ジャーナリスト)

 安倍首相は今回の貿易交渉で、牛肉の関税引き下げ、豚肉については将来的に撤廃する方針を受け入れた。国内農家からは、早速「輸入拡大につながる恐れがある」との声が上がっている。

 トランプに「シンゾー、また農作物を買ってくれよ」と言われれば安倍首相は断れない。今後は、飼料用の危ないトウモロコシだけでなく、ヒトが直接食べる危険な農産品が大量流入してくる恐れがある。

 「遺伝子組み換え作物についてはトウモロコシの他、大豆、菜種、ワタの種子が流通しています。中国はかたくなに受け入れを拒否していますし、欧州も敬遠しています。トランプ大統領は今後、余った組み換え農作物の受け入れを日本に迫ってくる可能性があります。今回、受け入れに応じてしまった代償は大きくなるでしょう」(天笠啓祐氏)

  武器も言われるがままに“爆買い”してきた安倍首相。今度は危険な食料を“爆買い”することになりかねない。

参考までに当ブログ
「日本はアメリカGMO農産物のゴミ捨て場になるのか」2018.10.31

認知症と森林浴

2019年08月27日 | 健康・病気

「認知症を超音波で治す時代」が早ければあと4年で到来!東北大学の挑戦

  木原洋美:医療ジャーナリスト

健康 News&Analysis 2019.8.26 

 認知症の治療は非常に困難である。現在、承認されている認知症治療薬は、いずれも病気の進行を抑制する程度のものであり、劇的な回復が期待できるものではない。ところが、薬ではなく、思わぬ技術を用いた、新たな治療法が注目されている。それは東北大学の下川宏明教授率いるチームが研究を進めている“超音波”を使う治療法だ。(医療ジャーナリスト 木原洋美)

検査だけではない

超音波のすごい力を利用

「認知症の特効薬はあと10年以内にできますよ」――。

 20年ほど前、世界的な研究者から教えられ、一日千秋の思いで待ちわびてきたが、今に至るまであらわれていない。薬で進んだのは、種類が増えて、「飲み薬が苦手な人は、貼り薬が使える」程度に選択肢が広がったことぐらいだろうか。

 実際、フランスは昨年8月、代表的な治療薬4種類を、「有用性が不十分」という理由で医療保険の適用から外してしまった。「進行を抑制する(遅れさせる)」という効果が分かりにくい割に、下痢やめまい、吐き気などの副作用が起きやすいことが理由だ。

 これら4種類の薬剤の日本での保険適用は継続されているが、患者やその家族、将来の発症の不安を抱えている方々にとっては「やっぱり、発症したら打つ手なし」と宣告されてしまったようで、がっくりするニュースだったのではないだろうか。

 ところが思わぬ技術を用いる、新たな治療法が注目されている。その開発を進めているのは、東北大学の下川宏明教授率いる研究チームだ。

 それは薬ではなく、“超音波”を使う治療法で、アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症の両方を治せる可能性があるという(認知症にはアルツハイマー型、脳血管性、レビー小体型、前頭側頭型の4種類があり、アルツハイマー型が6割、脳血管性が2~3割で、患者の大半を占める)。

 医療現場での超音波利用といえば、最も身近なのは健康診断時のエコー(超音波)検査。CTと違って放射線被ばくの心配がないため、胎児の検査にも使われている。

 一方、治療では、高出力の超音波の発熱作用を利用した癌(がん)などの治療法はあるが、いずれにしても、一体どうやったら、超音波で認知症が治療できるのかはイメージしがたい。「原因物質とされるアミロイドβタンパクを超音波で破壊するのだろうか」などと考えていたら、全然違った。

 なんと超音波には、血管を新生させ、血の巡りが悪くなって障害された組織の機能を改善させる力があるという。

 こうした超音波のマル秘パワーを利用する治療法は、昨年6月から軽症アルツハイマー型認知症の患者を対象に、安全性を評価する治験治療が行われていたが、今年3月に第1部が終了。効果安全性評価委員会で安全性が確認されたため、今年の6月からは、さらなる有効性の評価を検証するために、患者40人を対象とした第2部の治験治療が開始されている。

 期待が高まる超音波治療法について、下川教授に話を聞いた。

第1ステップ

衝撃波で狭心症を治す

―― 一般的に認知症は、老年科や脳神経内科の領域ですが、下川先生は循環器内科医です。心臓疾患を診る先生がどうして、認知症治療の研究を始めたのでしょうか。

 発端は、重度の狭心症を治療する目的で始めた「低出力体外衝撃波治療」の研究でした。狭心症は動脈硬化などによって心臓の血管(冠動脈)が狭くなる病気で、重症になるとステント(血管を拡張させる医療機器)が入らなくなったり、血管を移植するバイパス手術も体力的にできなくなったりします。日本では近年、重症の狭心症患者さんが増えており、私はそうした方々を治療する方法を探していたのです。

そんな中できっかけを与えてくれたのが、私どもが2001年に主催した「第一回日本NO学会学術集会」でした。血管の一番内側にある内皮細胞がNO(一酸化窒素)を産生し、血管を拡張・新生させて、動脈硬化を防ぐ働きをしていることを解明したルイス・J・イグナロ博士が、1998年にノーベル生理・医学賞を授与されたことをきっかけに設立された学会です。その学会で、「内皮細胞に低出力の衝撃波を照射するとNOが産生される」というイタリアの研究グループの発表を聞き、低出力衝撃波を用いた狭心症の血管新生療法を着想しました。

 衝撃波は、雷が鳴るときやジェット機が通過するときなどに発生する振動波で、医療では、尿管結石や腎結石を体外から破砕する結石破砕治療として使われています。

――そもそもは狭心症の治療をするために考え付いた治療法だったわけですね。血管を新生させるのはNOで、血管内皮に微細な振動を与えることでNOを発生させようと。

 はい、そこでまず日本のメーカーに共同開発を持ちかけましたが、全然相手にされませんでした。理由は2つあります。

  1つはこの技術が第2次世界大戦中にドイツ軍が開発に着手したものだったため、ドイツとスイスのメーカーが特許を持っていたこと。もう1つは、狭心症で弱った心臓に衝撃波を照射するという私のアイデア自体が斬新過ぎたこと。危険極まりないと思われてしまったようです。

 実際、口の悪い同期の友人からは「おまえ、気は確かか」とあきれられました。

――でも、実際には非常に安全な治療法だった。

 研究を重ねた結果、結石破砕装置に使われる出力のちょうど10分の1の低出力の衝撃波が、最もうまく血管を増やすことを発見し、その後、スイスのメーカーと共同で、2004年に心臓病専用の衝撃波治療装置を開発しました。

 結石破砕の10分の1の出力の衝撃波というのは、手のひらに当ててもわずかに圧迫されているのが分かる程度で、心臓にダメージを与えるなどの副作用は全くありません。

――実際の治療はどのように行うのですか。

 1日最長3時間、心臓の拍動に合わせて、体表面から1ヵ所200発の衝撃波を十数ヵ所に当てます。これを1週間で3回。冠動脈の狭窄(きょうさく)が治るわけではありませんが、心臓の血管が新生し血流が良くなり、症状が改善します。平均して1週間に6回もニトログリセリンを服用していた患者さんたちが、治療開始から3ヵ月後には平均1回以下の服用で済むようになりました。

 日本では2010年に先進医療として承認されましたし、世界でも導入が進み、これまでに、25ヵ国で1万人以上の狭心症患者さんの治療に使用され、有効性と安全性が報告されています。治療費も、他の治療法より格段に安価です。

第2ステップ

衝撃波から超音波にシフト

――その後はさらに研究を進めて、衝撃波から超音波にステップアップを図りましたね。

 衝撃波は、蓄積されたエネルギーが、瞬間的に解放されたときに発生する単一波です。そのため、治療の際には心臓の拍動に合わせて照射しなくてはならず、1回の治療にどうしても時間がかかります(約3時間)。また、空気に当たると破裂する性質があり、軽度の肺出血を起こす危険性もありました。

一方、超音波は連続波ですから、心臓の拍動に合わせる必要がなく、面で照射することができるので治療時間が短くて済みます(約1時間)。また、肺に当たっても影響がないので、安全性も一層高めることができるのです。

――大きなメリットがあったわけですね。開発はスムーズに進みましたか。

 衝撃波での成功体験がありましたので、それを追うような形で研究を進め、低出力衝撃波とほぼ同じ効果を示す超音波の治療条件を、2年ぐらいで見つけることができました。

 32波というパルス波(音波の塊を連続的に発射すること)超音波が、低出力衝撃波とほぼ同じ効果を示すことを突き止め、特許を取得しました。16波でも64波でもなく、32波。おそらく、このパルス波が生体(血管内皮細胞の細胞膜)と一番共振するのでしょう。この強度は、健康診断で使われる心エコーや腹部エコーと同じ低レベルなので、安全です。

――近いうちに衝撃波治療に代わり、超音波治療が使われるようになるわけですね。

 あと少しです。2014年から東北大学病院をはじめ、全国10大学の病院で治験治療を実施してもらっており、患者さんのエントリーに成功しています。「効いた」という有効例が全国から報告されていますが、悪化したという報告はまだ一例もありません。

第3ステップ

認知症治療への応用

――超音波治療の素晴らしい可能性を実感しますね。

 そうです。そこで、次に目を向けたのが認知症の治療への応用でした。

 というのも結局、私が発見した治療法は、「微小循環不全を改善する治療法」なんですね。微小循環とは、末梢にある微小な毛細血管の血の巡りを指します。

 微小循環は、循環系で最も本質的な役割を演ずる部分であり、心臓や太い血管は微小循環系に適切に血液を供給するための補助装置とも考えられます。全身の細胞機能を規定するのも微小循環なので、虚血性心疾患も認知症も、結局は「循環不全病」なのです。

――ですが、「アルツハイマー型認知症の原因物質はアミロイドβ」ということになっています。

 そこが問題なのです。アミロイドβやタウタンパクといった物質だけをどんなに一生懸命減らしても、そうした開発治験は全部失敗しています。アミロイドβやタウタンパクは海面に出た氷山の一角であって、海面の下には微小循環障害があるからです。

 例えば認知症の予防に良いこととして、運動とか、友だちと談笑するとか、脳トレとか、いろいろ挙げられていますが、それらはすべて脳の血流を増やす方法です。私の治療法は、それを最も効率よく行うことができます。大切なのは脳の微小循環障害を治療することです。

記憶をつかさどる海馬にアミロイドβが蓄積することでアルツハイマー病が発症するといわれてきましたが、認知症を発症させたマウスで調べてみたところ、実は海馬だけでなく、脳全体に大量のアミロイドβが蓄積していました。

 そこで我々は、脳の微小循環障害が全脳にわたって起きていると考え、超音波を全脳照射してみました。アルツハイマー型認知症のマウスモデルと、脳血管性認知症のマウスモデルと、両方のモデルで私たちが予想した以上の改善効果が見られました。

 アミロイドβの蓄積が見られない脳血管性認知症モデルにも効いたということは、我々の仮説である、「認知症は脳の微小循環障害が原因である」ということの証明になります。

――脳全体に弱い超音波を照射するだけで、認知症が治るんですか。

 私の治療法は、患者さんがまだ使い切っていない自己修復力、自己治癒力を活性化する方法で、適切な刺激を患者さんの脳に与えるだけ。あとは患者さんの組織が自分で治っていく。非常に理にかなった治療法だと思います。

 副作用もないし、拒絶反応もゼロなので、他家移植による細胞治療のように免疫抑制剤を飲み続ける必要もありません。

――薬を服用しても、脳組織に血流内の薬効成分がなかなか届いてくれない「血液脳血管関門」の問題もクリアできますね。

 おっしゃる通りです。そもそも人間の脳には「血液脳関門」があり、血液中の老廃物や毒性物質が大切な脳に直接到達しないような仕組みになっています。この重要な機構が薬物治療の場合はかえって邪魔をする。

 近年、この脳関門をすり抜けて薬剤を脳組織に届けるナノカプセルが開発されましたが、私はまだまだ課題が多いと思っています。

 やはり一番いいのは、まだ使い切っていない患者さんの自己修復能力を活性化してあげることだと思います。

――超音波治療は、具体的にはどのように行うのですか。

 ヘッドギア型の装置をかぶってもらい、耳の上の側頭骨という一番薄いところから、交互に超音波を照射します。こめかみのあたりですね。1回1時間で週3回実施します。

 昨年6月から実施した、主として安全性を評価する第1部の治験では、全員に安全性が確認されました。

 現在行っている治験は、再来年で終わります。その結果次第ですが、劇的な効果が得られれば、4年以内に実用化できる可能性はあります。

――期待が膨らみますね。でも、超音波にそれほどの力があるというのはやはり不思議です。

 そうですね。私たち人間の耳は20キロヘルツぐらいまでの音しか聞こえません。一方、超音波治療に用いているのは1.875メガヘルツという高周波です(1メガヘルツ=1000キロヘルツ)。でも、森に行くと、そういう周波数の音波は普通に存在します。森にはありとあらゆる周波数があります。

森林浴をすると気分がよくなると皆さんおっしゃいますが、実は、耳には聞こえていないある種の高周波には全身を癒やす作用があるとされています。

 だから私の治療法をもう少し分かりやすく言うなら、森林浴のように認知症をよくする治療法ということになるでしょう。

――では近い将来、森林浴をするように、認知症治療をする時代がくるかもしれませんね。

 治療だけでなく予防にも用いる時代がくることを期待しています。会社帰りにでもちょっと1時間、超音波を浴びて行こうかと。そういう時代がくることを夢見ています。

 

下川宏明(しもかわ・ひろあき) 東北大学教授(循環器内科学、2つの寄附講座)、循環器内科科長、東北大学医師会長、東北大学病院臨床研究推進センター長、東北大学ビッグデータメディシンセンター長(全学)。1979年九州大学医学部医学科卒業、85年より米国Mayo Clinic, Research Fellow、88年より米国Iowa University, Research Scientist。91年九州大学医学部附属病院助手、 92年同上講師、95年九州大学医学部助教授、 99年九州大学大学院医学研究院助教授を経て、2005年東北大学大学院医学系研究科教授に就任、現在に至る。12年東北大学病院循環器センター長(~現在)、13年東北大学病院臨床研究推進センター長(~現在)、 14年東北大学医師会長(~現在)、 15年東北大学大学院医学系研究科副研究科長(~2017年度)、17年東北大学ビッグデータメディシンセンター長(~現在)


 これは面白いお話でした。
登山が好きな方、キャンプ・アウトドアが好きな方は「認知症」になりにくいのかもしれませんね。

 わたしのところの「農園」では、プチ「森林浴」が体験できます。このようなところで散策したり、瞑想したり、ぜひ体験してみてください。


古谷経衡さんが憂う有権者の劣化 日本の知性の底が抜けた

2019年08月26日 | 社会・経済

日刊ゲンダイ2019/08/26

 ふるや・つねひら 1982年札幌市生まれ。立命館大文学部史学科卒業後、ライター・編集者として雑誌の出版に関わる。日本ペンクラブ正会員。「女政治家の通信簿」(小学館)、「日本を蝕む『極論』の正体」(新潮社)、「『意識高い系』の研究」(文藝春秋)など、著書多数。

 先月の参院選で「NHKをぶっ壊す!」のワンイシューを掲げる「NHKから国民を守る党」(N国)が1議席獲得した理由を「日本人の知性の劣化」と喝破するのが、元“ネット右翼”で文筆家の古谷経衡さん(36歳)だ。自らがネトウヨから離れたワケ、そして今の時代に「極論」が支持される背景などについて歯に衣着せぬ言葉で鋭く語った。

■「面白いからいいじゃん」で投票する“政治的非常識”層が増えた

 ――参院選の一番の驚きは、N国が98万票を獲得し、1議席獲得したことでした。

 N国が98万票取った時、同党首の立花孝志さんの知名度からして、数が合わないと直感的に思いました。10年近く前から立花さんを知っていますが、今はユーチューバーをやられていますね。コアなファンが5万人、最大で10万人いたらいい方でしょうが、約100万票も取っているわけですよ。

――その現状をどう分析していますか。

 朝日新聞の出口調査によると、N国に票を入れた人のうち安倍政権下での憲法改正に「賛成」が54%、「反対」が44%でした。ネット右翼、いわゆるネトウヨは安倍政権下での憲法改正に反対とは絶対に言いません。ということは、N国に票を入れた人のほぼ半分はネトウヨでもなければ、保守でもない。NHKに不満のある人もいるでしょうが、それでも数が合わない。残りは、N国の政見放送がユーチューブに流れて、「何これ。面白いね」って思って投票しただけのユーチューバー層なんですよ。

――ネット動画が投票行動に影響していると。

 立花さんは政見放送で「路上カーセックス」を連呼していましたが、政治的常識のある人は、そういう政見放送を見ても笑って受け流して、他の政党に入れる。ところが、「面白いからいいじゃん」という動機で投票する“政治的非常識”の有権者がここ3、4年で増えたんですよ。この国の知性の底が抜けてしまった印象です。

 ――国会議員の中にも“政治的非常識”の人が見受けられます。

 戦争やってもいいんだとか、人権なんて要らないんだとか、そういうことを言う議員がいますが、20年前だったら即刻アウトでした。北方領土へのビザなし交流の時に「戦争発言」をした丸山穂高衆院議員については、憲政史上初めて糾弾決議が出ましたが、いまだに議員の座に居座っているわけですよね。国会議員には憲法順守義務があるにもかかわらず、明らかに平和憲法の理念を踏みにじっている。「有権者の劣化=政治家の劣化」ですね。どちらか一方が劣化したのではなく、両方劣化しています。

 ――原因は何でしょうか。

 新聞や雑誌、本も読まずに、ネット動画ばかり見ているからでしょう。今の若者は漫画も読まない。「コマをどう追うのか分からないから、読めない」と言うらしいです。じゃあ何をやっているかというと、ユーチューブ。せいぜい長くて数十分の動画を見て、世の中のことが分かった気になっている。映画でもアニメでもどんどん短くなってますね。この間TSUTAYAに行ったら、90分以下で見られる映画コーナーがあってビックリしました。長時間座って何かを見るという集中力がなくなっているのです。

――ネット右翼、いわゆるネトウヨは「ネットが真実」だと思っています。

 インターネットが不自由だった時代を知らないからです。今の30歳過ぎから40代後半は、インターネットがナローバンドで画像1枚を読みこむのも大変だったことを知っています。動画を見るなんてとんでもないことでした。当時出てきたネット掲示板「2ちゃんねる」は、書いてあることの99%がウソ、0.5%が中立、0.5%が本当だと分かった上で楽しむのが当たり前でした。ところが、今のネトウヨの主流である50代、60代ってそういう経験をしていないですよね。子供や孫が家に光ファイバーを導入したことで、超高画質の動画の世界が広がっていることをいきなり知って、「大新聞が伝えない真実」なるものが広がっているんだと勘違いしちゃうのです。

――ネット上には中国や韓国に対するヘイトがあふれています。

 昔は、ネット上で他人を誹謗中傷したら、すぐプロバイダーに通報されて退会処分でした。インターネット規制が現在議論されていますが、1990年代のインターネット黎明期、ナローバンド時代の方が規制は厳しかった。今の30代、40代の前後の世代、つまり10代、20代の若者と50代以上のネットリテラシーが低くなっています。タチが悪いのは、ネットリテラシーが低いのに、「右」に引き込まれる高齢者。とんでもない差別発言も普通に言いますからね。

職能団体の弱体化と高速インターネットが「極論」を放出

 ――古谷さん自身は、どうしてネトウヨから離れたのでしょう。

 僕は基本的にタカ派で、ミリオタ(軍事オタク)なんです。いわゆる反米右翼です。2000年代後半にネトウヨ界の中心となっていたメディアに出演するようになったのですが、自称保守の人たちは何も勉強していなかったことが分かって幻滅しました。ただ、韓国と中国に対する差別的な発言を繰り返しているだけ。保守をうたっているので、(保守思想の父として知られる)エドマンド・バークや(保守派の文化人である)福田恆存や小林秀雄をちゃんと読んでいる人ばかりだと思ったら、何にも読んでいない。僕は保守向けに本を書いていたのですが、「朝鮮人は――」を連呼している人たちに向けて書くのがバカバカしいと思ったのです。

 ――「NHKをぶっ壊す!」や丸山議員の「戦争発言」など、極論が一部の有権者から熱狂的に支持されています。

 背景にあるのは、職能団体の弱体化だと考えています。かつて日本の政治は、職能単位で支持政党が決まっていました。例えば、労働組合に属している正社員は社会党、医師会は自民党、繊維系労組は民社党、民主商工会は共産党、創価学会は公明党というふうに。こうした職能団体は所属する有権者の意見を集約して政党に上げると同時に、極端な意見を排除する役割を担っていた。有権者と政党の間の“緩衝材”として機能していたので、極論が存在しても世の中に出ることがなかったのです。ところが、非正規雇用が労働者の4割を占めるまでになり、職能の力が落ちたことで、極論を止める中間的存在の力がなくなった。そこにインターネットという拡散器がプラスされたので、どんどん極論が世の中に出てくるようになったのです。

――有権者が極論を支持すると、国会議員も極論に走ってしまうという危機感があります。

 ある自民党議員は、極論を言う議員は比例区から出てくると言っていました。面白いのは、小選挙区から出馬すると、極端なネトウヨ議員がどんどんまともになっていくと言っていたことです。小選挙区の有権者はせいぜい20万~50万人。狭いエリアを相手にするから、あまり極端なことを言うと、有権者が引いてしまう。結局、極端なことを言う人は、左も右も全人口の数%しかいないわけで、その数%が全国区や比例ブロックだと1議席になる。いわゆる“どぶ板選挙”をする小選挙区では極論が通用しないから、“脱ネトウヨ化”していくというのです。

 ――選ぶ方も賢くならないといけませんね。

 憲法の理念である基本的人権や平和主義、民主主義を守りましょうと言うと、「パヨク」と言われてしまう世の中です。重度障害のある、れいわ新選組の舩後靖彦参院議員と木村英子参院議員の介助費用を参院が負担することが問題となりましたが、正当な選挙を通じて選ばれた代表者に必要な費用を議会が負担するのは当たり前です。基本的人権を尊重することと同じで、議論の余地すらありません。歴史が教えてくれているように、当たり前のことだからと沈黙するのではなくて、当たり前のことだからこそ何度も言わないといけないと思います。

(聞き手=高月太樹/日刊ゲンダイ)


 落葉キノコ、こちらではまだ出ていません。
釧路の方はもう出たとブログに写真付きで書いていましたが、こちらはまだです。

 昨日は、帰りしなラジオのスイッチを入れるのを忘れてしまい、今朝確認すると3本ほどやられていました。

 贅沢な食い方してます。ほとんど遊びでしょう。


ばかげてる!

2019年08月25日 | 社会・経済

 

北極圏で観測史上最大の「氷の溶解」、1日125億トンが海に

Trevor Nace   2019/08/08 

 

    北極圏のグリーンランドで観測史上最大の氷の溶解が発生した。8月1日には24時間の間で、氷河に覆われたグリーンランドから125億トンの氷が溶け出したという。

   現地の科学者らはその模様を動画で撮影し、溶けた氷が川に流れ込む映像を記録した。気候科学者のMartin Stendelは計測データから、今回の溶解で発生した水の量が、フロリダ州全土を水深13センチの水で覆う規模に相当すると述べた。125億トンもの氷が24時間で溶解するという事態は、1950年に観測を開始して以来初めてだという。

   グリーンランドを覆う氷の表面の約60%が、数日間で溶けたという。北極に近い地域での温度上昇により、これほどの氷の溶解が起きるのは、極めて異例のことだ。

   今年の夏は世界各地で猛暑の記録更新が相次いでいる。7月の欧州で発生した熱波により、パリでは観測史上最高となる気温42.6度が記録された。この熱波がグリーンランドに移動したことにより、北極圏にも記録的な猛暑をもたらした。

   北極圏の気温は、地球全体の平均の2倍を超える速度で上昇していることがNASAの研究でも述べられている。北極圏では氷が溶けて地面が露出することで、熱の吸収率が高まり、それがさらなる温暖化を招いている。

   溶けた水が大西洋に流れ込み、海面上昇を引き起こしていることが衛星画像からも確認されている。冬になれば北極圏では新たな氷が形成されるが、溶け出した分の氷を完全に埋め合わせることは難しい。

   世界で頻発する異常な熱波や前代未聞の氷の溶解は、地球環境の変化を物語るものといえる。人類が何らかの措置を講じない限り、この変化を止めることは出来ない。

     *****

グリーンランドとは? アメリカが購入検討、氷の大地が「緑の土地」と呼ばれた理由

ハフポストWORLD 019年08月24日

安藤健二

より抜粋

   アメリカは、世界最大の島「グリーンランド」をデンマークから購入することを真剣に検討している。(略)

   北極に近く寒冷なため、氷が全土の85%を覆っている。デンマーク王国の一部だが1979年に自治権が与えられ、独自の議会を持つようになった。

デンマーク大使館によると、グリーンランドの人口は約5万7000人。世界でもっとも人口密度の低い地域の一つだ。(略)

■温暖化が追い風に。資源採掘や航路開発が容易に

   島のほとんどが氷に覆われたグリーンランドだが、気象温暖化が追い風となっている側面がある。

   北極圏の氷が解けたことで、北極海航路という新たな物流ルートが生まれているほか、石炭や亜鉛、銅、鉄鋼といった豊富な天然資源が採掘しやすくなっているからだ。

   グリーンランド自治政府の鉱物資源相エリック・イエンセンは「温暖化で氷河が後退して氷が薄くなったおかげで、鉱物資源の開発がしやすくなったのは確かだ」とGlobe+の取材に認めている。

      ******

 

 

ハフポストWORLD
2019年08月23日 

アマゾンが燃えている。一体何が起こっているのか?

この火災は事故ではなく、主に人間によって起こされている。

ブラジルの宇宙エージェンシーは、2019年だけで7万2000件以上の森林火災がアマゾンの熱帯雨林で発生し、地球で最後の生物多様性の避難場所の1つを危険に晒し、環境保護への資金削減を行った右翼のリーダー下にあるブラジルが気候変動と闘う能力を脅かしているとしている。

この破壊的なアマゾンの森林火災について知っておくべきこと、そしてこれがどう地球に影響するかをまとめた。

異常な数の火災が発生している

ブラジルの宇宙エージェンシー(INPE)によると、ブラジルのアマゾンでは8月21日時点で、2019年1月から7万5336件の森林火災が発生しているという。この数は2018年の件数を大幅に上回り、2017年の件数と比較すると85%も増加している。

エル・ニーニョの影響により、深刻な干ばつとなった2016年の同時期での火災件数、6万7790件も大幅に上回っている。

 

アマゾンは『地球の』とされている

アマゾンの熱帯雨林は、地球上で最も生物多様性が高いエリアの1つで、212万平方マイル(約549万km²)と広域に広がる。その為、ここは地球上で最大級の酸素供給場であり、二酸化炭素を吸収する重要な働きをしており、気候変動の影響を遅らせると謳われている。世界の森林は、毎年24億トンの二酸化炭素を吸収しており、アマゾンだけでもその約4分の1を吸収している。

しかし、2015年の調査によると、熱帯雨林のその能力は弱まっている。科学者たちは、たとえ森林火災や森林伐採を除いたとしても、アマゾンの森林は毎年急増的に大気中に放出される温暖化ガスの吸収には追いつかない、と警告している。

火災は事故ではない

INPEのアルベルト・セッザー氏はロイターに対し、乾燥が激しい年には火災は比較的よくある事だが、この数カ月に蔓延した火災に関しては、主に人間のせいだという。ブラジルの右翼派リーダー、ジャイール・ボルソナーロ大統領に勇気づけられた農業者たちが、違法に火災を起こし、家畜や農作のための土地を作っているのだ。ボルソナーロ大統領は、この破壊を阻止する努力を縮小したどころか、経済成長のために、保護された地区を開発の為に開放すると誓った。

「この地域での今年の気候やアマゾンでの雨量は、例年と比べて特に異常ということはありません。雨量は例年より少し少ないくらいです」とセッザー氏はロイターに話した。「乾季は火災を発生させるのに好ましい状態ですが、火をつけるのは、人間によって、意図的、もしくは事故的に行われるものです」

グローバル・フォレスト・ウォッチのマネージャー、ミカエラ・ワイス氏は、アマゾンでは自然な火災は非常に稀だとNew York Timesに話した。

「現在ここで起こっている全ての、もしくはほぼ全ての森林火災は人間によるものです」

宇宙からも火災が見える

ブラジルの乾季到来と共に、森林火災はこの2カ月で急激に拡大した。NASAの地球観測所は、アマゾン流域を包む煙の写真を発表。一時は悪化しすぎた煙霧が、日中のサンパウロの空を暗く覆った

突然暗くなった空について多くの抗議の声が生まれ、ソーシャルメディアで拡散された。一部の住民は「世の終わりがきた」と言い、ハッシュタグ#prayforamazonia(アマゾンへ祈ろう)を始める人たちもいた。

環境保護団体は、この火災をブラジルの右翼派の大統領と関連付けている。

ボルソナーロ大統領は2019年1月に大統領になったばかりだが、環境保護政策の施行を撤回し、7月までにすでに1330スクエアマイル(約3444km²)の森林を失っている、とNew York Timesは報道した。

環境保護団体は、ブラジル政府の政策が、アマゾン破壊の原動力となっているという。

「前代未聞の火災がアマゾンを破壊している。これは世界的な悲劇で、気候のカオスへの危険な貢献だ」環境保護団体Amazon Watchのプログラム・ディレクター、クリスチャン・ポアリエ氏は声明で発表した。「この破壊は、ボルソナーロ大統領の反環境的な発言が直接関連している。彼は、森林保護や人権をブラジルの経済成長への妨害だとしている。農業者や牧場主は大統領の言葉を、強引に森林へ事業を拡大するための『罪に問われない放火の許可』として受け取っている」

逆にボルソナーロ大統領は、環境保護団体を非難している。Facebookの中継で、証拠がないにも関わらず、非政府団体が火災を起こしていると話した。ブラジル政府は最近、反環境の指針に合わせ、環境団体への資金削減を行った。

「もしかしたら、確かではないが、NGOの人たちが犯罪行為をして私やブラジル政府に注意を向けようとしているのではないだろうか」とFacebookで行われたライブ中継(AP通信による翻訳)で語った。「世界ではブラジルに対しての戦争が起こっている。情報の戦争だ」


  ばかげてる!

 

 

 

 




“悪徳”葬儀社の裏側!

2019年08月24日 | 社会・経済

 ネット系、互助会系それぞれの特徴

 

AERAdot  2019/08/19 

 誰もが一度は付き合うことになる葬儀屋。しかし、なんだか近寄り難い雰囲気もある。中には法外な料金を吹っ掛けるあくどい葬儀屋もあるという。格安葬儀の落とし穴は? 病院との癒着は? お寺との関係は? ジャーナリストの田茂井治氏が絶対匿名を条件に、HPやお寺を介して葬儀を請け負うネット葬儀社のA氏、業界歴20~30年のベテランスタッフ数人で、社葬などの大規模な葬儀も請け負うB氏、互助会系を経て独立したC氏ら葬儀屋社長3人から聞いた。

*  *  *

──割安な葬儀を仲介する“ネット葬儀社”が増えていますが、その影響は?

A:低価格化が加速しましたね。10年前と比べて、半額程度で同じ規模の葬儀ができるようになりました。

B:規模も小さくなりました。参列者が50人に満たない家族葬が主流になり、火葬だけ行う火葬式や告別式だけの一日葬がここ10年で急激に増えました。

A:エンディングノートの影響もあると感じています。ノートを残される方の大半が「家族だけの葬儀を希望する」と書くので。

C:あくどい葬儀屋も増えたと思いません? ネット葬儀社の影響で、「とにかく安くすれば客が取れる」と考えて、無茶苦茶な料金を提示する葬儀屋が目につく。私の地元の、ある葬儀屋はHPで「家族葬26万円~」とうたっている。

B:異常に安いですね。小さなお葬式、イオン、よりそうのネット葬儀社大手で50万円程度なのに。

C:そのプランを見ると、祭壇と棺、骨壺、白木の位牌、枕飾りなど、葬儀に必要なものはセットでついているように見えるんですけど、別途費用に車両費、遺影写真、ドライアイス、料理、返礼品、お布施と記載されているんです。お客さんはご存じないかもしれませんが、料理・返礼品・お布施はネット葬儀でもどこの葬儀屋に頼んでも別料金。参列者の人数で変わるし、お寺によってお布施はまちまちですから。この三つはいいんです。でも、車両費が別料金なのはありえない。病院で亡くなられたら、葬儀屋がご遺体を病院から安置所に運び、葬儀の日に合わせて安置所から葬儀場へ運び、さらに葬儀場から火葬場へ運ぶもの。平均して2~3運行は発生するのに、病院から自宅までご遺体を運んでもらって、さあ葬儀プランを考えようという段階ですでに別料金が発生しているわけです。

A:ドライアイスと遺影写真がついてないのもひどい。亡くなった当日に葬儀を挙げられるわけがないので、2~3日分のドライアイスがついているのが一般的。遺影写真も火葬式ならなくても構わないかもしれないけど、家族葬なら必要。葬儀までの2、3日の間に写真を選んで、加工して、写真屋を探して、四つ切りサイズの写真を用意できる遺族はそうそういない。ドライアイスが1日1万円、遺影写真が2万~3万円だとすると、これだけで4万~6万円上乗せされる。

C:実はもっとヤバイ葬儀屋を最近、見つけました。そこは「家族葬18万円~」なんです(苦笑)。車両費が1運行分ついているんですが、遺影写真は別料金。一番ヤバイのは祭壇です。最安プランについている花祭壇は、「シルクフラワー」とカッコ書きで記載されている。要は、造花。「シルクフラワー」と言われたら、そういう品種の花なのかなって思っちゃうじゃないですか。造花だから、祭壇に使われた花を切って棺に入れることができないことに葬儀当日になって気づくでしょう。

A:一部の互助会系の葬儀屋もあくどい。会費の積み立て分の範囲内で葬儀をやられてしまうと、営業マンの成績にならないから、2日後に火葬される場合でも「エンバーミングしたほうが奇麗になりますよ」と30万円上乗せしようとするのは常套手段。

C:最近、大手互助会系葬儀屋でヒドい光景を目にしたんですよ。証拠写真も撮っておきました。喪主さんはその互助会と料金面で折り合いがつかず、ネット葬儀社を介して私のところに依頼されたので、私が互助会の安置所にご遺体を引き取りに行ったんです。その、ご遺体の安置の仕方がヒドすぎた。業者用の搬入口の通路に長机を置いて、その上に布でくるんだ遺体を載せていたんです。隣にはビール瓶の空き箱が積み上がっていました。さらに、遺体の腹部にブロック大のドライアイスがドンッと載せられているだけ。

B:これはヒドい……。ドライアイス焼けしないように、まんべんなく敷き詰めるのが常識なのに。

──お寺や病院などとの関係に変化はありますか?

C:格安葬儀に対して不満は持っているでしょうね。

B:何度か住職から怒られたことがあります。喪主さんからの依頼を受けて火葬式をやったときに、「控室はどこだ!?」「3分でお経だと!?」「飲み物も出ないのか!?」と。事前に、喪主さんに火葬式は10分程度、面会して炉前でお経をあげてもらうのは3分だけと伝えても、喪主さんが菩提寺さんに伝えきれないことがあるんですよ。「火葬だけで故人を送っていいのか?」と詰められるみたいで。結局、その方は3分の読経だけで30万円のお布施を払わされ、住職の圧力に負けたのか、後日、お寺で告別式を開いたとか。

A:知り合いの住職は完全な銭ゲバ坊主。大手の互助会系葬儀屋を何社も集めて、「檀家を紹介してやろうか?」と話をしたらしいんです。でも、要求するバックマージンが高すぎて折り合いがつかず、ウチに話が流れてきたんです。一般葬が大半なので単価は高いのですが、ウチは数十%のマージンを取られています。

B:それはかなり取られてますね。ネット葬儀の手数料が高くて2割ですし。

A:さらに、聞いたら花屋や料理屋からも数十%のマージンを取ってたんですよ。

B:葬儀屋をカモにするような病院は減ったんじゃないですかね?

A:理事長や院長と会っても、意識的にお金の話をしないようにしている印象がありますね。葬儀屋との癒着が疑われるのを、警戒する病院が増えた。

C:でも、5年前に神奈川県の某市に私立大学系の病院が開業したときには、大手互助会系の葬儀屋が1億円積んで、出入り業者になったと聞きました。民間の病院では「エレベーターを設置したいから1千万円寄付して」と葬儀屋にタカるところがある、という話は今でもよく耳にします。

A:病院の出入り業者になったら、ある程度の出費は覚悟せざるをえませんよね。いつ患者が亡くなっても動けるように、24時間態勢で2人の担当者を病院近くに確保した待機所につけておかないといけないから、固定費で月に100万円は発生する。患者が亡くなったら20~30分で病室に駆け付けて、霊安室に運ばなくちゃいけない。

B:その固定費を回収しなければならないからか、出入り業者には悪質な葬儀屋が多い印象があります。喪主さんから葬儀の依頼を受けて、病院までご遺体を引き取りに行ったら、出入り業者から「今、喪主と葬儀について話し合っているところだから帰れ!」と追い返されそうになることは多い。遺体が腐食するまで、引き取らせてもらえなかったこともあります。お父さんが亡くなられたあとに「あまり変な葬儀社を使うと、お母さんの入院に支障が出るかもしれませんよ」と脅されるケースもあると聞きました。

※週刊朝日  2019年8月16日‐23日合併号より抜粋


たね採りよう野菜

キューリ

ズッキーニ

北こぶし

やまぶどうが楽しみ


 


映画「お百姓さんになりたい」

2019年08月23日 | 映画

解説

 

「いのち耕す人々」「天に栄える村」など、農業をテーマにした作品をライフワークとして手がけている原村政樹監督が、前作「武蔵野 江戸の循環農業が息づく」に続き、武蔵野地域の農園の営みを丁寧に追ったドキュメンタリー。2.8ヘクタールの畑で60種類もの野菜を育てる明石農園の明石誠一さんは28歳の時に東京から埼玉県三芳町に移り住み、新規就農した。有機農法からスタートし、現在では肥料さえも使わない自然栽培に取り組んでいる。研修生として明石農園にやってくるパティシエやカメラマンといったさまざまな経歴の人たち、農業福祉連携で働く障がいを持つ人たち、農業体験イベントに参加する子どもたちと、農作業で土に触れることから心豊かに暮らすためのヒントが提示される。

 

2019年製作/104分/日本
配給:きろくびと

オフィシャルサイトhttps://kiroku-bito.com/ohyakusho-san/


映画COM https://eiga.com/movie/91479/

「いのち耕す人々」「天に栄える村」など、農業をテーマにした作品をライフワークとして手がけている原村政樹監督が、前作「武蔵野 江戸の循環農業が息づく」に続き、武蔵野地域の農園の営みを丁寧に追ったドキュメンタリー。2.8ヘクタールの畑で60種類もの野菜を育てる明石農園の明石誠一さんは28歳の時に東京から埼玉県三芳町に移り住み、新規就農した。有機農法からスタートし、現在では肥料さえも使わない自然栽培に取り組んでいる。研修生として明石農園にやってくるパティシエやカメラマンといったさまざまな経歴の人たち、農業福祉連携で働く障がいを持つ人たち、農業体験イベントに参加する子どもたちと、農作業で土に触れることから心豊かに暮らすためのヒントが提示される。


どちらのサイトからでも「予告編」を見ることができます。

「里の家ファーム」でも、いろんな人を無料で受け入れます。
ご相談ください。


 

 


校則がない!?

2019年08月22日 | 教育・学校

校則がないからこそ、教師と生徒は対等に話し合うことができる――西郷孝彦校長インタビュー――

世田谷区立桜丘中学校には、チャイムも制服もない

  文春オンライン   渋井 哲也

    2019年上半期(1月~6月)、文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5,いいね!部門の第2位(初公開日 2019年6月7日)。

*  *  *

 世田谷区桜丘中学校。私鉄の駅から徒歩10分ほどの住宅街にある。職員室前の廊下には机と椅子がフリースペースとして置かれ、Wi-fiも完備されている。授業時間だったが、インターネットに接続しながら、話をしたり、自分のペースで勉強をする生徒もいた。校長室でも、塾の宿題をしている生徒が校長と談笑する姿が見られた。

この学校はチャイムが鳴らない。そして何より、校則がない。

 生徒手帳には「礼儀を大切にする」「出会いを大切にする」「自分を大切にする」が「心得」として掲げられ、また、子どもの権利条約の一部が示されている。なぜ、こうした学校運営が可能なのか。西郷孝彦校長(64)に話を聞いた。

◆◆◆

「心得」の3つですべてが指導できます

――生徒手帳には「桜丘中学校の心得」が3つだけ書かれていますが、以前は校則があったのでしょうか?

西郷 以前の生徒手帳には、校則が20ページほど書かれていました。例えば、「他のクラスの教室に入ってはいけない」とか、「上級生は下級生と話してはいけない」とか。下着の色を決めている学校だってありますよね。以前の勤務校では、こうした細々とした校則がありました。

 校則のことを考え始めたのは、この桜丘中学校に赴任してから、ここ4、5年のことですね。当初は、校内がいわゆる「荒れた」状態にありました。見直すことになったときに、本当はいらなかったのですが、何もないと不安に思う人もいる。校則は最終的には校長判断ですが、「3つくらいにしよう」と提案したときに、生活指導主任が原案を作ってくれました。この3つですべてが指導できます。先生方はこれをよりどころに指導します。

この学校では制服も自由です。(身体的な性と、自認する性が違う)トランスジェンダーの生徒もそれで救われると思います。

――生徒手帳に子どもの権利条約が記されていますが、珍しいですね。

西郷 日本は法治国家です。この学校に校則はないですが、日本の法律には縛られています。例えば、校内でも他人のものを勝手に自分のものにすれば、窃盗罪ですよね。誰かを傷つければ傷害罪です。よく「学校の中は治外法権だ」とか、「学校だから許される」と言われますが、それはやめようと。社会と同じ規則で学校も回っています。

 日本は子どもの権利条約に批准しています。だから、法律と同じ。そう子どもに教えないといけませんし、先生も守る必要があります。権利条約に掲げられた権利を知ることで、大切にされていることがわかり、子どもは自己肯定感が得られます。

大人でもさまざまな考えがある

――校則はそのままで、運用面で改善する方法もあったと思いますが、どうして校則をなくす方向になったのでしょうか。

西郷 先生方って、校則があると、話し合いにならないんです。「校則があるからダメ」「守るか、守らないか」になってしまいます。

例えば、「靴下は白」と規定があったから、理由を考えずに「校則にあるから」と、そこで指導は終わってしまいます。一方、生徒に聞かれた時に「汚れたときにわかりやすいから」と説明すれば、そこから話し合いが始まります。結果、合理的な話し合いを重ねることで信頼関係ができてきます。

 スカート丈についても、ルールがなければ、「短すぎるんじゃないか?」「寒くないか?」などと先生たちが言ってくれます。いろんな考えがあります。大人でもさまざまな考えがある中で、生徒は自分で選択していきます。

 そもそも、校則をがんばってなくそうと思ったのは、不登校の子どもたち、発達障害の子どもたちがいたからです。厳しく指導すると、学校に来なくなります。でも、そうした子だけに「特例」を許すと、他の生徒が「なんで、あの子だけ?」と不満を言います。だったら、校則でしばりつけることはやめようと。

 その頃、別の問題が起きました。文字が読めず、板書が取れず、教科書が読めない生徒がいたのです。そのため、タブレットを利用可能にしました。音声読み上げソフトで教科書の内容を聞き、板書は写真で撮りました。試しに、その生徒がいるクラスだけタブレットを持ち込み自由にしました。最初は2、3人が持ってきましたが、重いし、管理が大変なので、必要のない子は持ってこなくなりました。このやり方を全体に広げたのです。

校則でしばることが染み付いている

――先生を育てることになりますね。

西郷 そうです。ただ、校則が厳しい他の学校から転勤してきた先生は慣れるのが難しいんです。うちの学校は私服ですが、そうした先生は、私服の生徒を見て「私、無理です」と、1日中イライラしていました(笑)。何か注意した時に、うちの生徒が「どうしてですか?」と返すことも、先生によっては「生意気だ」と映ってしまいます。

校則でしばることが染み付いていますからね。上から目線での威圧感がある先生には、「生徒とは対等に話し合いましょう」「馬鹿にするような話し方はやめてほしい」と伝えています。校則がないということは、正解がないということです。

 採用も、できるだけ新規教員をお願いしています。そして、若い先生にはどんどん外へ行って、失敗してもいいから勉強してもらいたいです。最初の10年で勉強しないと、知識もスキルも落ちていくだけです。僕も含めて、能力主義なんです。3年目で完全に一人前になるように育てています。

――保護者側からは意見があると思うのですが……。

西郷 いっぺんに校則をなくしたわけではありません。例えば、靴下の色、セーターの色を自由にしていき、夏は半ズボンでもよいということにしていきました。そして、生徒会がカジュアルデーを設けました。土曜日は私服と決めたのです。

小学校だって、私服じゃないですか。徐々に慣れていき、「別にかまわない」という感じになっていきました。違和感がなくなったのです。

 ですので、私は、逆に制服のある学校へ行くと違和感を抱きます。同じ制服を着させて、どうやって生徒を区別しているのか。わからないじゃん、と(笑)。

SNSのトラブルは減りました

――携帯電話やスマホ、SNSに関するルールは?

西郷 保護者からは「スマホを禁止して」という声はありません。「スマホを買ってほしいと言われて困る」という声はありますが(笑)。以前は、LINEのグループを作ることは禁止になっていました。それは悪口を書いたり、グループでハブにしたりすることがあったからです。でも、禁止してもみんなやりますからね。LINEの人に「出張授業」にきてもらい、SNSの使い方について話してもらいました。

 今でも、許可なく写真をアップしたというくらいのトラブルはあります。しかし、理由はわかりませんが、SNSのトラブルは減りました。これまでは悪いことをすると学校の先生に叱られるという発想でしたが、今は、社会から叱られるということがわかってきました。校内の問題ではすまされない。それで慎重になっているのかもしれません。

――生徒会との関係はどうでしょうか。

西郷 普通、生徒総会は何も面白くない。つまらないじゃないですか。そこで何を言っても、最終的に先生が決めるのなら、総会で意見が出るはずもありません。だから、「ここで決まったことは実現するよ」と言ったんです。最低でも、決まったことを先生が実現する努力を見せる。すると、どんどん意見が出て盛り上がります。僕の考えと同じことを言う生徒がいると「シメた!」と思うんですよ(笑)。

 最近実現したことは、校庭に芝生を植えたこと。ただ、野球やサッカーもしますし、植えたのは一部にしました。また、定期テストをなくしました。

うちの学校で学力が落ちたら……

――定期テストをなくして、評価はどうやっているのですか?

西郷 9教科100点満点のテスト勉強は、なかなか一度にできません。でも、「10点満点」のテストならば、前の日に家で勉強すればできます。中間や期末テストをまとめてやるのではなく、こまめに小テストをやっていくことにしたのです。生徒の提案に対して、先生たちは反対すると思っていました。ところが、先生方が、定期テストではない方法を調べてきました。僕以上のことを先生方は考えていたんです。

うちの学校で学力が落ちたら、日本にとってのチャレンジは終わります。校則をなくしたら学力は落ちる、という結論になってしまう。だから先生方も、学力向上には力を入れようと思っています。

 実際、学力はかなり上がっていますが、成績のいい子は、偏差値の高い進学校よりも、自由な校風の青山高校だったり、やりたい部活動で高校を選んだりすることが多いですね。だから、親御さんはどう思っているのか……(笑)。ただ、そうやって自分で考えることが重要ですし、そういう自由な環境からじゃなければ、日本のスティーブ・ジョブズは生まれてこないと思いますよ。

今後、改善したいのは授業の質です

――部活動のあり方はどうでしょうか?

西郷 水曜日と日曜日の公式練習は禁止しています。そして、週10時間と決めて、平日は2時間、土曜日は3時間にしています。それ以外に自主練はありますが、強制は禁止しています。そうすることで自主的な意識が芽生えます。自主練に教師は立ち合いませんが、コーチか保護者が付いているようにします。

 部活の顧問をやりたくて教師になった人もいます。そんな人は、土日も部活をやりたい。しかし、そうでない人からは「ブラック部活」と呼ばれるほどです。いまは教師のなり手がいない時代ですからね。少しでも働きやすい職場にしなければいけません。また、教師にも休養が必要です。飲みに行ったり、趣味に時間を費やすことが一人の人間として必要なのです。

――今後の学校運営の課題は?

西郷 改善したいのは授業の質です。一斉に知識を注入する授業は、もういいでしょ? 人間は知識ではAIにかないません。創造性を教えていかないと、学校だけでなく、日本が潰れてしまいます。だから、受験用の授業と、創造性を育てる授業を分けたいです。ただ、国が変わらないとなかなかできません。そのため、受験用の授業も必要悪でやっていますが、チャレンジをしていきたいです。

 この学校の校長も今年で10年になりましたが、長期間務めたからこそ、できたという部分もあります。でも、それも今年度で終わりです。その後は、何も考えていません。

写真は省略しました。〉


今日、トウキビの新たな被害はありませんでした。

梅の花

雨がなく、すっかり葉を落とした梅。ようやく新たな芽が出はじめ、花まで咲いてきました。

 明日は一日中雨の予報。



雨宮処凛がゆく!第493回:「特攻隊や戦死者をどう思うか」という検定試験・第74回。

2019年08月21日 | 社会・経済
マガジン9 
   https://maga9.jp/190821-2/

 「『特攻で死んだ人に失礼ではないか』『彼らのおかげで今の日本がある』などと言ってくる人がいます。どうして、そんな軽々なことを言えるのか。特攻を命じた指揮官たちと変わりませんよ」

 終戦の日、Twitterのタイムラインに流れてきた言葉にドキッとした。保阪正康氏の2014年のインタビューから抜粋された言葉である。

 彼らのおかげで今の日本がある。彼らを貶めるな。まさに、私自身が思っていたことだったからだ。そんなことを思っていたのはもう20年以上前。20代前半、右翼団体に2年間入っていた頃のことだ。1997〜99年頃の話である。

 右翼団体に入った翌年の98年、小林よしのり氏の『戦争論』が発売された。特攻隊を勇敢に描くその漫画を、私も、右翼団体のメンバーの多くも貪るように読んでいた。それだけじゃない。『戦争論』発売後には、私のいた右翼団体に若者たちが大挙して入ってきた。多くが『戦争論』を読んでいた。新しく入ってきたほとんどが20代前半の中卒、高卒のフリーター。当時の私も高卒フリーターの一人で、私たちは、憲法よりも何よりも、とにかくずーっと特攻隊の話をしていた。

 97年と言えば、山一證券や拓銀が破綻し、就職氷河期が深刻化していた時期である。98年には年間自殺者が3万人を突破。それは2011年まで続くこととなった。不穏で不安定な時代の幕開けに、20代・地方出身の中卒、高卒フリーターという「不況の影響を一番最初に受ける層」の一部が右翼団体に大挙して入会したということは、注目に値する現象だと改めて思う。

 みんな貧しく、先のことなんてまったく見えなかった。学生時代、「頑張れば報われる」と言われて育ってきたわりには「一部の人しか報われなくなりつつある社会」の中で、自分たちは貧乏くじをひいたんだな、という感覚は濃厚に共有されていた。それでもまだこの国には「貧困」なんて言葉はなくて、なんとなく「豊かな日本で生きづらい私たち」というストーリーが共有されていた。「自分探し」なんて言葉がちょっと前に流行って、少し上の世代にはバックパッカーになって世界を旅する人なんかがいたけれど、どんどんフリーターが稼げなくなっていく中で同世代にはそんな人はいなかった。就職したくないわけじゃないけど、社会からは巧妙に疎外されている感じがした。でも、正社員になることを「懲役40年」と揶揄するくらいのバブルの残りかすはまだあって、「サラリーマンなんかなりたくねぇ」的な言葉がまだギリギリ失笑されない感じがあったあの頃。

 そんな頃、単純労働力としてしか必要とされなかった私たちは、「国家に命がけで必要とされた特攻隊」に憧れ、「マトモな命の使い道」がない戦後53年の「うだるような平和」にうんざりしつつ、何かを忘れるように特攻隊の話ばかりをした。自分のしょぼい日常を誤魔化すように。そんな話をしていれば、フリーターでしかない私たちは一瞬で「国士」の気分になれたから。

 もうひとつ、重要なことは当時20歳そこそこだった私たちと、特攻隊は同世代だということだった。

 当時、靖国神社で買った「英霊の言乃葉」を読んでは、「彼らと比べて自分と来たら何をやっているのだろう」とみんなで語り合った。「英霊の言乃葉」だけでなく、私たちは特攻隊の本をたくさん買った。そんな本に掲載された写真に写る特攻隊は若く、顔にまだあどけなさが残る者も多くいた。それらの事実がいつも、「自分は何をやっているのか」という焦りに火をつけるのだった。彼らの若さと私たちの若さは、戦争から50年以上経ったこの国で化学変化を起こしていた。右翼団体に入る前、私の周りには恋愛と買い物にしか興味がないような人しかいなかった。失業を前提とした不安定雇用の日々の中、私はいつも「生きる意味」に飢えていた。そんな私や右翼団体のメンバーたちにとって、「国のために身を捨てた特攻隊」は、「モラトリアム真っ只中」の自分たちに「喝を入れてくれる存在」だった。

 ……書きながら、ほんとに情けなくなってきた。だけどそれが当時の偽らざる心境だ。思えば、恋愛と買い物にしか興味がないような友人たちは、右翼にも宗教にもひっかからずにそこそこ要領よく生きていた。しかし、私も、そして右翼団体のメンバーたちも、不器用で、いちいち「生きる意味」なんかに躓くタイプだったのである。そんな若者たちにとって特攻隊ほど明確な「回答」はなかった。

 さて、特攻隊を語ることは、別の「癒し効果」ももたらした。それは「自分は今、貧乏で最底辺で惨めだけど、戦時中よりはマシだ」と思えたことだ。自分をかろうじて「幸せ」と思うには、自爆攻撃を強いられた若者たちと比較しなければならなかったなんて当時の自分の不遇さと愚かさに頭を抱えたくなるが、そんなふうに私は特攻隊を「利用」していた。そして当時から、「利用」しているという自覚はあった。だけど、どんな悲劇を利用しようとも、「国士」でいることの方が「フリーターとしてしか生きていない」日々よりはずっと楽だったのだ。

 当時、特攻隊を戦争の犠牲者、被害者と口にする人々がいることは知っていた。

 私はその主張にも賛同していた。当時の私にとって、それはコインの裏表のようなものだったからだ。彼らの言う通り、かわいそうな犠牲者だろう。しかし、自分はあえてそのスタンスはとらない、という立ち位置。なぜなら、世の中の大多数の人たちは特攻隊や戦死者のことなんて微塵も考えず、右翼と左翼だけが頑張って考えて頑張って喧嘩しているというような構図に見えていたからである。少なくとも、戦争について考えている時点でリスペクトすべき存在。そんな感覚が自分の中にあった。このように、右翼である自分やその周りは左翼と呼ばれる人々にどこかしらシンパシーを抱いていたので、左翼もそうだとばかり思っていた。が、のちに右翼は左翼に蛇蝎のごとく嫌われていることを知り、ちょっと衝撃だった。

 ちなみに、戦死者について考えたり意見を述べたりするだけで「右翼」か「左翼」にすかさず分類され、それが「若い女」だったりすると死ぬほどバカにされたりする窮屈さの中で、右翼に入ってしまうことは、唯一、雑音から逃れられる方法でもあった。私は、どこかでちゃんと戦争について考えたかったのだ。だけど当時も今も、どこにも分類されずに戦争について考えることはなんと難しいことだろう。

 さて、それではなぜ私は特攻隊を「犠牲者」「被害者」と捉えなかったのか。それは私がのちに反貧困運動を始めた際、多くのフリーターが「自分たちは社会の犠牲者・被害者なんかじゃない」「だから運動なんてしない」と反発した気分に似ている気がする。自分自身が弱者で犠牲者っぽい社会の底辺だとわかっていたからこそ、どうしても特攻隊を犠牲者・被害者とは思えなかった。思いたくなかった。

 そうして私は2年ほど右翼団体にいたものの、99年、やめた。自分が何かとてつもなくいやな依存の仕方をしていることに耐えられなくなったからである。

 団体をやめたあと、私は奇妙な光景を目にするようになる。

 それは靖国神社に若者たちが参拝する光景だったり、特攻隊の基地があった知覧で、「士気を高めるため」の企業研修が行われている光景だったりした。

 靖国に参拝する若者は、テレビのインタビューに答えて「自分は就職に失敗したけど、特攻で死んだ人と比べたらそんなのなんてことないって言われた気がした」と過去の私のようなことを言っていた。企業研修で知覧に行ったある人は、新聞の取材に答えて「特攻隊の人たちがライバル会社にいたら勝てる気がしないですよね」と口にしていた。

 自己啓発ツールであり、「死ぬまで働く」カンフル剤であり、今の自分はまだ幸せだと確認させてくれる「癒し」としての特攻隊。

 今の私は、そういうものがとても不気味だと思う。ものすごく自分勝手な利用だと思う。冒涜だとも思う。

 だけど、10年くらい前まで、8月が来ると「特攻隊に喝を入れられた」という「新患」が毎年のように電話をかけてくるのだった。

 「私/俺、何やってんだろ」「目が覚めた」。彼ら彼女らは似たような台詞を興奮気味に口にすると、「あなたが前右翼に入ってたってこと、なんでって思ってたけど、今すべてわかった。彼らのおかげで今の日本はある。彼らが今の私たちを見たらなんと言うだろう。彼らに恥じないようにしなくては」などと電話の向こうでまくしたてるのだった。

 「英霊に申し訳ない」。思えば私も、右翼団体にいた頃はよく口にしていた。こんな利己的で、自分の欲望しか考えない日本人のために彼らは死んだのか、と。英霊が見たらどう思うか、と。だけど、その言い分ってやっぱり変だ。「死人に口なし」を利用して、なんだって言える。勝手に主語を「英霊」にすると、なんだって正当化できてどこまでも暴走できてしまう。そこに自分の責任などない、すべては英霊が「望んだこと」にしてしまえる。

 少し前、何かで読んだ言葉に、ガンと頭を殴られたような気がした。

 一字一句までは覚えていないが、特攻隊の死のおかげで今の日本がある、というようなストーリーは、彼らに死ぬことを命じた責任者たちが自分たちを正当化するためのものである、ということ。まさに保阪氏の指摘と同じ意味である。

 特攻隊の話ばかりしていたあの頃から、20年。今の私は40代で、彼らの若さに別の意味で打ちのめされる。もう私は、彼らの親世代だ。だからこそ、あの頃と見えている光景は違う。若い特攻隊を死に追いやった大人たちに、深い深い怒りを覚える。

 一方でこの20年、歴史修正主義は猛威を振るい、失われた20年という経済的停滞は、労働現場で「根拠のない精神論」を蔓延させる下地となった。

 74回目の終戦の夏、今年は私のもとに、「新患」からの電話はない。

 そのことに、ちょっと胸をなで下ろしている。


 とうとうトウキビがやられてしまった。これはキツネだろう。10本もやられてしまった。

わりときれいに食べられている。
とりあえず、今日はトランジスターラジオを電源を入れておいてきた。ラジカセは1つ置いてガンガン鳴らしているのだが、効かなかった。
網を2重にし、傘を2つ開いて置いてきた。(傘の後ろに何かいそうで警戒する。とな)大きなぬいぐるみでも置こうか、案山子にしようか?



農業と温暖化 “基礎体力”の回復を

2019年08月20日 | 社会・経済

東京新聞社説2019年8月20日

 特別報告書によると、世界の平均気温は産業革命前に比べて〇・八七度上昇した。

 このうち陸地だけを見た場合、上昇幅は一・五三度と、地球全体の約二倍。すでに頻発している洪水や干ばつの影響に、人口増加が相まって、二〇五〇年には、穀物価格が最大23%値上がりし、食料不足や飢餓のリスクが高まる恐れがあるという。

 温暖化による農業危機は、遠く貧しい国々の、遠い未来のことではない。

 例えば、日本の稲作農家にとっても、この猛暑は深刻だ。

 出穂(しゅっすい)期に夜温が下がってくれないと、白く濁った「白未熟粒」が発生し、品質が低下する。

 農作業中に熱中症で倒れる人も増えている。この日本でも今現に、進行形の問題なのだ。

 この国の昨年度の食料自給率(カロリーベース)は前年度より1ポイント下がり、37%に落ち込んだ。記録的な冷夏の影響で稲が実らず、「平成大凶作」といわれた一九九三年度と並ぶ、過去最低の水準だ。

 天候不順による北海道の小麦や大豆の不作も、その要因として挙げられる。しかし、本はといえば、農業人口の減少や高齢化に伴う生産基盤の弱体化が進んでいるからだ。

 温暖化の進行が、それに拍車をかけている。日本農業そのものが、ダメージを受けている。

 成長戦略一辺倒の現政権は「競争力強化」の旗を大きく掲げ、高級産品の輸出拡大を念頭に、大規模集約化へと突き進む。

 自給率の低迷は「国内需要は、いつでも輸入で賄える」という考え方の表れでもあるのだろう。

 ところが報告書が言うように、地球規模で食料不足が進むとすれば、思い通りに輸入もできなくなってくるだろう。

 日本の農政も、IPCCの警鐘と日本農業の現状を直視して、自給率向上に、もっと力を注ぐべきではないのだろうか。

 折しも今年は国連「家族農業の10年」の初年次だ。世界の食料生産の八割を担う、「小農」の再評価を呼び掛けている。

 農業の持続可能性を保つには、“基礎体力”の回復、すなわち小規模農家の振興も欠かせない。


 今の日本の気候状況が不安定で、これからどうなるやら予想がつかない。週間天気予報を見ていても、明日の天気さえころころ変わる時代だ。世界的に見てもほぼ同じような状態にあるといえるだろう。海外に食料を依存する状態ではない。万が一食料を輸入できなくなった時に、「さてどうするか?」では遅いのである。国民の命と健康の問題である。今から「基礎体力」をつけなければならないのだが、TPP等、諸外国との貿易協定で、さらに境地に陥れようとしている。


枝豆は蒸し焼きがいい

2019年08月19日 | 食・レシピ

茹でるとビタミンCが半分に!?

 2019/08/14  ウェザーニュース

   生の枝豆は、今が旬真っ盛り。甘みがあってみずみずしくおいしいですね。枝豆の調理法といえば「茹でる」が定番ですが、最近、「蒸し焼き」が栄養価も高く旨味も残る、と注目されているのです。そこで詳しい話を管理栄養士の柴田聡美先生に伺いました。

茹でるとビタミンCが半減!?

   茹でる調理法が一般的なイメージの枝豆ですが、実は焼いた方がおいしくて栄養価が高いそうです。

「枝豆にはビタミンCが豊富ですが、ビタミンCは水溶性なので、茹でると約半分しか残りません。同様に水溶性のビタミンB群やカリウムなども同じように流出してしまいます。また栄養面だけでなく、茹でると甘み成分も減ってしまうので、おいしさにも影響します。枝豆は、豆が持つ水分を利用した蒸し焼きにして食べるのがおすすめです」(柴田先生)

枝豆はじっくり火を通すと甘くなる

 枝豆を焼くときは、どのように調理すればよいのでしょうか?


   「フライパンに塩もみした枝豆を入れ、枝豆から出る水分を逃がさないようにフタをしてから中火で焼き目がつくまで約5~7分焼きます。こうすることで蒸し焼きになり、甘み成分がぐっと凝縮しておいしくなるのです。

   幅広くアレンジもできます。例えば少し多めのオリーブオイルをひいてからニンニク、鷹の爪と一緒に焼き、コショウを振ると、ペペロンチーノ風味でとてもおいしいですよ」(柴田先生)

枝豆は枝付きを選ぶ

   枝豆は実だけ袋に入って売られているものが多いですが、旬の今は枝付きのもの、葉と根もついたものも出回ります。

「買うなら枝付き、根付きを買いましょう。枝豆には、旨味成分のグルタミン酸、酸味成分のアスパラギン、甘味成分のアラニンなどが含まれますが、これらは実だけだと収穫後わずか1日で半分ぐらい減少してしまいます。枝や根がついているものはその減少を抑えることができるので、おいしくいただくことができるのです」(柴田先生)

   また、枝豆を買う際には、緑色が鮮やかで粒が入っている部分がくっきりしているもの、うぶ毛が多いものを選ぶとよいそうです。今が旬の枝豆を上手に料理して枝豆本来の栄養とおいしさを味わってみましょう。


 こちらは、朝晩とても涼しくなりました。うっかり窓を開けて寝たら風邪をひいてしまいます。

 トウキビ、試食しました。味は、まあまあ。
今年は、アブラムシ対策がうまくいって、全然ついていません。
途中の水不足が生育に差がてしまいました。まだ狐も気が付いていないのか?

北こぶしの実が落ちていました。


特捜部,今や影も形もなし

2019年08月18日 | 社会・経済

「森友問題」捜査終結、「最強の捜査機関」特捜部は今や影も形もなし

戸田一法:事件ジャーナリスト

DIAMONDonline2019.8.17 

 

   学校法人「森友学園」を巡る財務省の決裁文書改ざん問題で、有印公文書変造・同行使などの疑いで大阪第1検察審査会が「不起訴不当」と議決した佐川宣寿元理財局長(61)ら10人を再捜査していた大阪地検特捜部は結局、再び不起訴処分とした。3月の議決は文書改ざんを「言語道断」と指弾し、背任容疑についても法廷で事実関係を解明するよう求めていた。問題の発覚から約2年半。大阪特捜は不起訴の理由を「立証・立件は困難」と説明するが、今回、国民が求めていたのは「有罪・無罪」という判決の結果ではなく、何があったのか「真実」を知りたいということだった。しかし、大阪特捜は組織の論理を優先し、国民の負託に応えることなく捜査を終結した。(事件ジャーナリスト 戸田一法)

国民をけむに巻く大阪特捜

 本稿では政局についての背景は一切排除し、あくまで大阪特捜と今回の問題(事件にならなかったので「問題」と表記)について絞って考察していきたい。

 一般的に刑事裁判(公判)での有罪率が99.9%といわれるのは、検察が確実に有罪にできると判断した事件でなければ起訴しない(不起訴、もしくは起訴猶予)という背景があるのは周知の事実だ。

 背任罪は「他人のために事務を処理する者が自己もしくは第三者の利益をはかり、または本人に損害を加える目的で任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を与える」行為を指すが、背任容疑の対象となった近畿財務局の元統括国有財産管理官ら4人に「国に損害を与える」目的を持っていたかの立証が極めて困難だったことは理解できる。

 一方、文書改ざんは既成事実化しているにもかかわらず、佐川氏ら理財局幹部6人についても有印公文書変造・同行使の罪だけで起訴することをためらったのは、一般的に形式犯であり、公判請求(起訴)するような事件でないという理由が考えられる。

   立件しても、略式起訴・略式命令(罰金刑)で済まされる可能性が高い。公判にならず、5000万円もの退職金をもらった佐川氏らが罰金数十万円の幕引きで、世論が納得するかどうか…。

 大阪特捜は、1992年に発覚した自民党元副総裁の故・金丸信氏を巡る5億円のヤミ献金事件(東京佐川急便事件)を想起したのかもしれない。

 東京地検特捜部は事情聴取のため出頭を求めたが、金丸氏は拒否し、政治資金規正法違反について認める上申書を提出。東京地検特捜部は結局、聴取も逮捕もせずに略式起訴し、金丸氏は罰金20万円の略式命令を受けた。

5億円もの“賄賂”疑惑に対する捜査の行方が注目されたのに、罰金20万円という決着に国民からは猛烈な批判が湧き起こり、「検察庁」の表札に黄色のペンキがぶちまけられる事件も起きた。

 大阪特捜は昨年5月、刑事告発された38人をいずれも不起訴としたが、検審は10人を不起訴不当と議決した。しかし、強制起訴につながる「起訴相当」の議決とは違い、再捜査で不起訴となった場合、検審は再度の審査はできない。

 だから9日の大阪特捜の決定は、ある意味で予想通りだったとはいえる。「立証・立件が困難」という伝家の宝刀を繰り出し、再度の不起訴を決定。法的な知識のない国民をけむに巻くという決着は、多少の法律的な知識のある方なら分かりきった結末だったかもしれない。

 そう、冒頭にも書いた通り、大阪特捜は国民が知りたいと求めた真実より、自らのメンツと慣例を守るために今回の判断をしたと言っても過言ではないのだ。

国民の負託に応えない検察

 大阪特捜が集めた資料、関係者から聴取した供述、認定した事実、認定できなかった事実…。有罪・無罪を問わず、積み重ねた証拠を公判で示し、何が事実で、何が事実ではないのか、裁判官の審理を仰ぐという判断はできたはずだ。

 国民の税金である捜査費を使い、国民が「知りたい」と求めた事実(捜査内容)を、メンツと慣例のために一切を公開することなく、闇に葬ってしまったのだ。

 これは「国民の負託に応える」どころか、背信行為であろう。では、大阪特捜とは誰のために存在する組織なのか。言うまでもない、自分たちが出世するための組織であり、国民のことなど考えていないのだ。

その最たるものが「大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件」であり、読者の方々もご記憶と思う。自らの出世のため、無実の方を犯罪人に仕立てようとした事件だ。

 少なからず検察官と付き合いのあった筆者には、背筋の凍るような思いをした事件だった。「秋霜烈日」(秋霜は秋の冷たい霜。烈日は夏の激しい日差し。そんな環境でも、国民のために頑張るという検察官のシンボルとされ、バッジに型取られる)はどこに行った、と嘆いた。

 筆者の後輩である全国紙社会部デスクによると、大阪特捜の小橋常和部長は「起訴に足りる証拠を収集できなかった」と説明したという。

 これは、詭弁(きべん)である。はなから収集しようとしていたのかさえも疑わしいが「確実に有罪にできる証拠を収集できなかった」が事実であろう。

 ここで、問題は一体どこにあったのか、簡単におさらいしておこう。

20172月、森友学園が取得した大阪府豊中市の国有地が、約8億円値引きされていたことが発覚。そして、学園が建設を計画していた小学校の名誉校長に、安倍晋三首相の妻・昭恵夫人が就任していたことも明らかになった。

これまで提出されていた告発状によると、20172月~4月、佐川氏らは権限がないにもかかわらず、14件の決裁文書で明恵夫人の名前や「特例的な内容」などとする記述をすべて削除。「夫人の関与が明らかになれば安倍首相の辞任に発展しかねないと考え、事実を隠蔽しようとした」とされる。

 検審の議決も佐川氏に関し「『指示していない』との本人供述に信用性はない」と一蹴。さらに「文書を改ざんする行為は一般市民感覚からすると、いかなる理由があっても許されない」と厳しく指摘した。

 問題が発覚してから約2年半。政権支持の方であったとしても、一連の事実が明るみに出るにつれて「忖度(そんたく)があったのでは?」と疑問を持たれたのではないだろうか。

特捜にもはや存在意義なし

 一連の問題を提起したのは1人の市議だった。

 問題の現場となった国有地は、豊中市が国から借り受け、公園として整備する計画だったが、買い取りを求められて断念していた。

 その後、同市の木村真市議が現地を視察。「瑞穂の國記念小學院」と旧字体で記された幕、教育勅語を掲載したポスターを目にした。

 何か不審な雰囲気を感じ取った木村市議は、近畿財務局に貸付金額を問い合わせたが「言えない」に終始。その後、売却されたと知り、価格を情報公開請求したが、内容は黒く塗りつぶされていた。

172月には約8億円の値引きが発覚、問題は国会で取り上げられるように。次々に明るみに出る近畿財務局の対応。そのさなか、文書改ざんが行われたとされる。

 今回の不起訴処分を受け、詐欺罪などで起訴された森友学園元理事長・籠池泰典被告(66)は記者団に「役人はおとがめなしで、私たち夫婦は口封じで約300日も拘留された。官に甘く民に厳しい国のやり方が露骨に出た」とコメントしていた。

 捜査の結果として「詐欺師」と認定(起訴)した人物から好き放題に言われ続け、さらに官側を不起訴としたのであれば、世間から「やはり、身内である官僚をかばったのではないか」と疑われても仕方あるまい。

 検察官は元々、転勤が多く、地方では仕事も公判維持や書類の決裁が中心だ。捜査といっても、実態は警察から送られてきた資料(証拠)に法的な瑕疵(かし)がないか確認するぐらいだ。

 特捜の捜査手法も、警察官のように現場に足を運んで聞き込みをしたりする地道なものではなく、空調の効いた部屋で「ブツ読み」(資料の解読)や関係者を聴取するというのが主なものだ。

 プライドは高いが、永田町や霞が関の人間関係など裏の裏まで知る情報収集・捜査能力は、限られた検察官しか持ち合わせていない。

 付き合いのあった複数の検察官が自ら、そう話していた。

 ある検察幹部は「昔の警察官は地元の中堅どころの高校出身が多かったが、近年は地元国立大出身もノンキャリアでたくさん採用されている。地元のネットワークと捜査能力があるのだから、(地方では)我々は指揮する側ではなく、教えを乞う側だ」と話していた。

昨今、特捜は「巨悪」を挙げていない。

「最強の捜査機関」と恐れられた特捜は、今や影も形もない。能力もない。

国民の負託にも応えていない。「特捜なぞ、もはや存在意義はない」と批判されても、反論できないのではないだろうか…。


ビーツ。

パクチーの種採り。


天皇と靖国神社 不参拝の姿勢は重い

2019年08月17日 | 社会・経済

  東京新聞社説 2019年8月17日

 靖国神社が昨秋、当時の天皇陛下(現上皇さま)に「行幸(ぎょうこう)請願」をしたが断られていた。一九七八年のA級戦犯合祀(ごうし)が天皇の不参拝の契機だとされる。その姿勢はもはや明白で決定的ともいえる。

 天皇と靖国神社とは歴史的に深く結び付いている。戊辰戦争の官軍側戦死者らを弔うために、明治天皇の意向で創建されたからだ。創立五十年の一九年に大正天皇が、創立百年の六九年に昭和天皇が参拝した。今回は創立百五十年の参拝についてだ。

 請願自体が異例だが、それを宮内庁側から断った事実は重い。節目であっても天皇は「不参拝」であり、その姿勢は明確でもある。

 天皇参拝は七五年から途絶えている。背景にA級戦犯の合祀があるとの説が有力だ。七八年に宮司の故松平永芳(まつだいらながよし)氏が主導し、実現した。父は初代宮内府長官の慶民(よしたみ)氏だ。故富田朝彦(とみたともひこ)元宮内庁長官が記したメモが二〇〇六年に公になり、その因果関係が浮き上がった。

 昭和天皇が合祀に触れ「松平は平和に強い考(え)があったと思うのに、親の心子知らずと思っている」と漏らし「あれ以来参拝していない。それが私の心だ」と不快感を示したのだ。

 松平氏の前任者である故筑波藤麿(つくばふじまろ)氏はA級戦犯合祀に慎重姿勢であり、このメモの正確性が裏付けられる。昭和天皇が「筑波は慎重に対処してくれたと聞いた」と話したとの記載があった。異論は存在するが、これほど天皇不参拝を説明できる史料はなかろう。

 平成は天皇参拝のない初の時代となった。戦死者を国家が英霊と祀(まつ)り、国民を総動員して戦争遂行した歴史を踏まえれば、当然の帰結であろう。靖国神社が、天皇や国家のための死を至上の徳と教え込んだ国家神道の中核施設であった点からも、それは言える。

 憲法は政教分離や信教の自由などを定める。その厳格な保障のため、国家は特定の宗教と絶対的に結び付いてはいけない。天皇と国家神道との関係を再現するかのような目論見(もくろみ)は、いわば究極の時代錯誤でもある。

 戦没者の追悼の在り方は政治問題化している。仮に天皇参拝があれば政治的にも国際的にも多くの反響を呼ぶであろう。政治に関する権能を有しない天皇を政治問題に巻き込むべきでもない。

 戦没者の慰霊には、現行の追悼式など無宗教の形式がふさわしい。令和の時代も、その意は継がれよう。


 台風10号により被害を受けられた方にお見舞いを申し上げます。

 わたしも随分と緊張していたのですが、何の被害もなくほっとしているところです。