里の家ファーム

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自然の中に身を置いてみませんか?

農家から買い上げ 困窮者に提供 欧米の支援策 日本政府も実施を  

2021年06月30日 | 自然・農業・環境問題

東京大学教授 鈴木宣弘さん

「しんぶん赤旗」2021年6月29日

 

 新型コロナウイルスの感染拡大のもと、コメなどの農産物は、需要の急減による価格暴落に直面しています。一方、コロナ禍生活が困窮し「食べたくても買えない」という人も増えています。求められる対策や、あるべき農業政策について、鈴木宣弘・東京大学教授に聞きました。(内田達朗)

 ――米価暴落の現状をどう評価されていますか。

 コメの需要は、人口減などに加えて貧困と格差の広がりで減少が続き、コロナ感染拡大による利用客の減少や外食を中心とした営業自粛・時短でさらに減少に拍車がかかりました。コロナ禍が長引くなか、離農や廃業に拍車がかかり、国内生産の基盤が崩壊しかねない状態です。地域経済、地域社会にも大きな影響を及ぼします。

 一方、政府は在庫が「過剰」だといいますが、備蓄米は十分な水準を確保しているとはいえません。そのうえ、WTO(世界貿易機関)協定によるミニマムアクセス米を輸入しており、国産米が圧迫されています。

 政府は、コメの作付面積の削減を求めていますが、本末転倒です。しかもコロナ禍で深刻化する生活困窮のために「食べたいけど食べられない」人が急増している現実を直視するべきです。

 ――農民からは、過剰在庫を買い上げ、必要とする人に届けるよう求める声が広がっています。

 当然の要求です。アメリカや欧州でも実施されています。

 アメリカは、昨年4月に190億ドル(約2・1兆円)のコロナ禍での農業の緊急支援策を決めました。約1・7兆円を農家への直接支援(1戸につき最大約2700万円)にあて、約3300億円で、食肉・乳製品・野菜の買い上げを実施しました。農務省が毎月、生鮮食品、乳製品、肉製品を1億ドルずつ買い、フードバンクや教会、支援団体に提供しました。

 日本は、買い上げて、提供するという政策がありません。「政府備蓄米をフードバンクに出しています」といってもわずかな量です。

 ――なぜこのような差があるのでしょうか。

 基本的な農業・食料政策の違いがあると思います。

 よく「アメリカの農業は大規模で効率的だが、日本は補助金漬けだから競争力がない」という宣伝が行き渡っていますが、まったくの誤りです。

 アメリカやヨーロッパ各国は、食料の確保を安全保障政策の核に位置付けて、手厚い支援をしています。

 アメリカでは、生産費をもとに農産物の「目標価格」が定められ、市場価格が下回った場合は差額を政府が補てんする不足払い制度があります。

 また、一定の価格を下回れば、生産者は政府に農産物を「質入れ」し、代わりにお金を受け取る制度があります。価格が上がれば、作物を引き取って販売し、下がったままなら、「質流れ」にすることもできます。

 農業予算(約11兆円)の6割以上が「SNAP」と呼ばれる消費者の食料購入支援に使われています。消費者支援は、購買力を支え、価格も支える効果があります。

 アメリカでは、これらの対策の上に、コロナ禍で前述の支援策が行われています。

 ――日本はまったく異なりますね。

 日本では、アメリカ、自動車などグローバル大企業の利益のために農業を犠牲にする政治が続いています。アメリカからの輸入米(ミニマムアクセス米)の押し付けもそうです。特に、安倍政権以降、コメ農家への戸別所得補償制度の廃止など、価格や所得を保障する制度が解体されました。

 農産物販売収入の減少分の一部を補う収入保険がありますが、基準は過去5年の平均収入とされるため、価格が長期的に下がるもとでは、基準も下がります。生産者を守ることはできません。

 一番必要なのは、生産を支える価格保障・所得補償です。離農を食い止め、後継者を確保するうえでも不可欠の課題です。

 世界の飢餓人口は10億人とも言われています。しっかり生産できるよう政府が支援し、国民と困窮する各国に届けることが、人々のいのちを守り、日本と世界の安全保障のためにもなります。

 ――農民運動が果たす役割は。

 これまでに述べた政策は、大企業やアメリカにものが言えない現在の政権ではできません。政治を変えるたたかいが必要です。日本で長年続けられてきた「産直」など消費者と生産者が草の根でつながる運動を強め、農業破壊の攻撃をはね返してほしいと思います。

 すずき・のぶひろ 1958年三重県生まれ。東京大学卒業後、農林水産省に入省。九州大学教授などを経て現職。『食料・農業の深層と針路』、『悪夢の食卓 TPP批准・農協解体がもたらす未来』など著書多数


 昼までは☂マークなどなかったのだが、急遽現れた。大歓迎である。しかし、よく調べると3時間の☂マークで2時間は0.5mm1時間が1mm。これじゃあ、お湿りにもならない。帰る途中、結構な雨が降ってきた。これが畑に降ってくれればと、うらめしや~。


派手に咲き誇る「蜘蛛の巣万代草」


声を上げよう!投票に行こう!悪政を断ち切ろう!

2021年06月29日 | 生活
ハフポスト日本版編集部
 2021年06月28日 

投票したら本10%オフ、プリンのプレゼント。「#選挙割」の店舗が続々【東京都議選】

投開票日まで1週間を切った東京都議会選挙。書店やカフェなど店舗での「選挙割」が話題です。

「#選挙割 はじめました!」

東京都議会選の投開票日(7月4日)が近づく中、投票した人に特典サービスを提供する取り組みが広がっています。

「マルジナリア書店」(東京都府中市)は6月26日、店独自に「選挙割」をスタートしたことをTwitterで報告しました。

<#選挙割 はじめました!

投票済証明書を提示していただくと、10%オフです。

期間は7月11日までです。>

ツイートと一緒にシェアされた写真には、「全品10% OFF」と書かれた貼り紙が写っています。

 小林さんは「選挙に行っても何も変わらないと思いがちですが、市民が政治に参加しないことは大変な結果を招きかねません。『投票する』行為を手放さないことの動機づけになればと思いました」と、サービスに込めた思いを語ります。既に期日前投票を終えたお客さんが、投票済証明書を持って店を訪れているといいます。

「仕事や家事などで日々忙しく、普段なかなか政治について考えられない人でも、投票は政治参加する一つのきっかけになります。お客さんの中には小中学生など若い世代の人も多いので、選挙割の貼り紙を見て、『投票って行くものなんだ』と自然に思ってもらえたら」(小林さん)

 マルジナリア書店のほかにも、都議選の投票に行った人への特典をお知らせしている店舗があります。

 豊島区の喫茶店「KAKULULU」は、投票済証明書の提示で、「小さな生ビール」「ブラジル・プリン」のどちらかをプレゼントするとツイートしています。

「ママノチョコレート」(港区)は、「お好きなカードチョコレート1枚をプレゼント」とTwitterで発信しています。

マルジナリア書店の取り組みは、SNSでも話題に。

「何これすごく素敵……もっと広まってほしい!」「この企画は凄すぎる!」などのコメントが寄せられています。


老朽原発再稼働 寿命にはあらがえない

2021年06月28日 | 自然・農業・環境問題

「東京新聞」社説 2021年6月28日 

 関西電力が、美浜原発3号機を起動した。原発の運転寿命は原則四十年。例外的に一度に限り二十年までの延長が認められるという現行のルール下で、四十年を超える「老朽原発」が再稼働するのは初めてだ。

 福島第一原発の惨事が起きるまで、原発の寿命は法的に定められてはいなかった。しかし、福島第一原発1号機が運転四十年を迎えていたこともあり、3・11への反省を踏まえて原子炉等規制法を改正し、「四十年ルール」を定めることにしたのだが、参考にした米国の制度にならい、例外規定を盛り込んだ。

 法改正当時、民主党政権は、延長は「例外中の例外」と明言したはずである。だがその後、例外を認めるかどうかの審査を行う原子力規制委員会は、同じ関電の高浜原発1、2号機など、申請のあった四基すべてが「合格」としており、例外規定そのものがすでに骨抜きにされた感がある。

 規制委の審査に通っても、老朽原発の安全性に対する不信と不安が解消されたわけではない。

 配管や電気ケーブルなどは更新ができたとしても、原子炉本体の交換は構造上不可能だ。核燃料の入れ物である圧力容器は、放射線の影響で劣化している恐れが強く、危険が指摘されている。原発も決して「不老不死」ではない。

 3・11後に設置が義務付けられたテロ対策施設は、美浜原発ではまだ完成していない。原発三十キロ圏は福井、岐阜、滋賀の三県に及び、約二十八万人が暮らす。コロナ禍で訓練もままならず、広域避難計画の実効性にも不安は残る。

 そして原発を動かせば出る核のごみ。福井県の杉本達治知事は、使用済み核燃料を県外に搬出するよう求めており、保管場所の候補地を昨年中に見つけることが、再稼働同意の前提とされていた。

 ところが知事は、なぜか三年間の期限延長を受け入れた。期待された青森県むつ市の中間貯蔵施設については、同市の宮下宗一郎市長が「可能性はゼロ」と明言しており、搬出先の当てはない。

 政府は脱炭素目標の実現を名目に、既存原発の再稼働を急ぐ。だが、このように多くの問題を棚上げ、あるいは先送りにした状態で、老朽原発の延命を「常態」にしてもいいものか。避難計画や核のごみの問題なども含めて、その是非を議論し直すべきではないか。


昨日の今季初の30℃超え、そして今日もでした。
ハウスの中は

それにしばらく雨がない。前回降ったのが20日だ。週間予報にも☂マークはない。路地の野菜が萎れてたので水をやった。


夫婦別姓認めず 足踏みはいつまで続く

2021年06月27日 | 生活
 選択的夫婦別姓制を認めない現行の民法規定を最高裁大法廷は「合憲」とした。二〇一五年に続き二度目だ。司法が現状を追認し、国会に判断を委ねるばかりでは、一向に前進は望めはしない。
 「社会や国民意識の変化を踏まえても、一五年判決を変更すべきとは認められない」と最高裁は述べた。選択的夫婦別姓の制度は「国会で論じられ、判断されるべきだ」とも。つまり前回判断をそのまま踏襲し進化していない。
 そもそも一五年判決には疑問が出ていた。例えば憲法と立法府の裁量との重みである。憲法一四条は性別による差別を禁ずる。二四条は、家族に関し「両性の本質的平等」に基づくと規定する。
 最高裁は国会による立法裁量ばかりに重きを置いて、問題の核心が人権そのものにあることを直視していないようだ。憲法が保障する権利を、立法裁量の下に置くかのごとき発想はおかしい。
 反対意見の裁判官が、同姓でないと婚姻を法的に認めないのは「憲法の趣旨に反する不当な国家の介入」としたのが、それだ。
 また夫婦同姓が社会に定着しているというが、民法により強制されていると考えるべきだ。結婚したら事実上、女性が男性の姓に変更する制度であり、「夫婦どちらかの姓への選択制だ」というのは、あまりに表面的すぎる。
 「女性側が不利益を受けることが多いとしても、通称(旧姓)使用の広がりで緩和される」という、とらえ方にも疑問があった。
 確かに女性の旧姓使用は社会で普及している。だが、この事実は現状を追認する材料ではなくて、「だからこそ選択的夫婦別姓の制度が必要だ」という考え方に用いられる方が自然である。
 もはや現実は「両性の本質的平等」に反していないか−、そんな検討に最高裁が深く立ち入り、考えを述べるべきだった。十五人の判事のうち四人は「違憲」だったものの、論点を必ずしも深められなかったのは残念だ。
 国際的にも夫婦同姓制は、先進国では日本以外にはない。むしろ明治の「家制度」の発想から早く脱すべきときである。
 いつまで足踏みを続けるのか。まさか伝統的家族観を重んじる議員らへの遠慮はあるまいが、時代に逆行するかのような判断を続けていると、司法と国民との距離は広がってしまう。
 

「絶望の裁判所」いまだそう呼ばざるを得ない。
今日咲いた花。

クモノスバンダイソウ

アメリカセンノウ

江部乙のソナタ(栗林)

草刈をしていると暴露してしまいました。ヒバリか?1個とは?孵化しなかった卵か?
またまた、トガリネズミがかかりました。(閲覧注意)

種類までは判りません。

イベルメクチン投与の現場医師 変異株にも有効「スーパー中和抗体」 富山大など作製

2021年06月26日 | 健康・病気

50人超のコロナ患者にイベルメクチン投与の現場の医師 厚労省が認めるも“ノータッチ”の医師会に苦言

飯塚大和

AERAdot 2021.6.26

 新型コロナウイルスへの改善効果が期待されている、抗寄生虫病の特効薬「イベルメクチン」。インドやペルーで投与後に一定の効果が見られたことや、世界56カ所での臨床研究で改善データが集まっていることについては、当サイトの記事「日本発『イベルメクチン』インドがコロナ治療で感染者数減もWHO『反対』のナゼ」で報じた。

 厚労省は「コロナ治療に対するイベルメクチンの保険適用」を認めており、すでに現場ではイベルメクチンを投与している医師もいる。先駆けて100人近くの自宅療養者にイベルメクチンを処方してきた兵庫県尼崎市の「長尾クリニック」院長・長尾和宏医師が、イベルメクチンについて見解を語った。

――これまでに何人ほどのコロナ患者にイベルメクチンを投与してきたのでしょうか。

 処方したのは100人ほどで、実際に飲んでいただいたのは50~60人の患者さんです。重症化してからの処方では遅いので、第4波からは陽性が判明した時点でほぼ全員に処方しています。中等症2以上の方には最初から飲んでもらうし、軽症または中等症1の方には、中等症2になった時点で飲めるように、最初から手持ちにしておきます。一人暮らしの高齢者の方、特に認知症の方は飲むのを忘れてしまいかねないので、私が実際に家に行って、目の前で飲んでもらっています。

 イベルメクチンは一方的に処方するのではなく、患者さんに説明して、事前に承諾を得た上で出しています。「賛否両論あるけれど、インドでは飲んで良かったという報告がある」「一般の薬のような副作用はあるけれど、この量だったらまず大丈夫だと思いますがどうですか」と伝えています。

ーーコロナ禍の早い段階で投与を始めたからか、注目を浴びることも多いですね。

 以前出演したテレビ番組で、ステロイドや酸素とともにイベルメクチンを投与していていることを軽い気持ちで言ったら、ステロイドや酸素には反応しないのに、イベルメクチンだけには過剰に反応されるので、私としてはびっくりしています。イベルメクチンは皆さんにとっては言葉が目新しいのか、すごい反響なのですが、私にとっては普段から使っている薬なので、特別なことをしているという意識はまったくないのです。

イベルメクチンはダニが人の皮膚に寄生しておこる病気「疥癬」(かいせん)の特効薬で、在宅医療の現場では、普段から使っている薬。新しい薬でも珍しい薬でもなんでもなくて、普段使っている薬をコロナの患者さんにも飲んでもらう、ただそれだけなんですよね。

――賛否両論ある中でイベルメクチンを投与するということは、リスクよりも期待できる効果が上回るという考えのもとなのでしょうか。

 そうです。私は第1波の時からステロイドを使ってきましたが、ステロイドに比べれば、イベルメクチンの方が薬剤としての重さ・副作用が軽微です。風邪薬とは言いませんが、普段から使っている薬で、常備薬に近い。今まで使っていて、副作用や困ったことは何もありません。

 私は専門家でもなんでもないし、ただの町医者です。イベルメクチンについてはいろんな議論がありますし、効くと唱える人もいれば、効かないと言う人もいる。ただ、私は医師として、「やるべきことは全部やる」という意識を持っています。イベルメクチンというのは数少ない武器の一つで、安価で低リスクのもと使える薬です。もし使わずに自宅で亡くなられでもしたら、悔やまれると思うんです。急性の病気に対する医療では、病院でも自宅でも、やるべきことを全部尽くしていくのが基本です。そういった意味で、イベルメクチンは外せないものだと思っています。

――イベルメクチンを使っていく中で、効果を実感されたタイミングはありましたか。

 過剰にとらえて欲しくないので、私のブログではあえて「おまじない」と言うようにしていますが、効果を実感したことはありますね。自宅療養の患者さんから「苦しい」と電話があり、イベルメクチンを飲んでもらうことがありますが、翌日には元気になって食事できるようになっていることも経験しました。

――WHOはエビデンスの不足などを理由に反対姿勢をとっていますが、改善データが増えてきたことで、イベルメクチンをめぐる情勢も日々変わってきていますね。

 3月の参議院予算委員会で、田村憲久厚労大臣が「イベルメクチンを新型コロナの治療に使っていい」「保険請求もしていい」と答弁されました。それに対して(医師でもある)梅村聡議員が「では、なぜ政府としてもっと大きな声で言わないのか」といった旨の質問をしたところ、「国としてエビデンスが不十分だから、推奨しているわけではない」という答弁でした。つまり、「使いたければ使っていただいて、保険請求していただいていい」ということです。

 この答弁について、私は理解できます。国からしたら、まだよく分からないものに対して良い・悪いについては言及できない。でも、とりあえず「お墨付きを与えたわけではないけれども、使ってもいいよ」ということは、非常時にはあると思うんですね。そういう言質をしっかりとっているわけです。

ーー国が言及したことは普及の後押しになりますか。

 そうですね。ただ、間違ってはいけないのは、ワクチンの代わりのように思ってしまうことです。いざという時のために予防的に所持しておきたいという人が非常に多いですね……。予防投与をしたいという気持ちはわかるのですが、そもそも保険診療のルールというのは「治療」に対して保険が適用されるのであって、「予防」に関しては基本的に認められていない。例えば「下痢をした時のために下痢止めを先にください」「風邪をひいた時のために風邪薬を先に下さい」「がんになるかもしれないから抗がん剤を先に出してください」などといったことはできませんよね。インフルエンザの治療薬であるタミフルやリレンザは、特例として予防投与も認められていますが、イベルメクチンはコロナの発症予防としての予防投与が保険で認められていない。

 では、「自費診療」なら予防投与として出していいのかという点ですが、自費診療といえども、ちゃんと診て処方しないといけません。診察せずに処方箋を出してしまえば、「無診察投薬」といって、医師法第20条違反に問われてしまいます。私のもとには「自費で構わないから処方箋を書いて送ってくれ」といったメールや手紙がたくさん届くのですが、今の医療のルールでは一切してはいけないことなのです。処方の対象者はあくまでも、診察した患者さんのみです。市販でも売っているようですから、買って独自で飲んでいただく分には自己責任です。

――厚労省が保険適用を認めていながら、なぜ、イベルメクチンを処方する医師が少ないのでしょうか。

 それは、裏を返せばコロナ患者を診ている医師が少ないからです。日本に10万件の開業医があったとして、そもそもコロナ患者を診る開業医=発熱外来をやっている診療所は1割にも満たない。おそらく5%程度でしょう。これは、「自院の患者で発熱した患者がいたら診ます」という所も含むわけです。そして、初診の発熱患者を診る機関はもっと少ない。診断まではするというのが3%だとして、その後のフォローをする機関はさらに少なくなる。

 私は第1波の昨年4月から、コロナ患者に携帯電話の番号を教え、24時間自宅療養者を管理できる体制をとってきました。400人以上の患者さんに番号を教えて、「何かあったら夜中でもかけてきて」と伝えています。実際、私の携帯電話には、患者さんから夜中にかかってくることもあります。保健所に電話しても電話が通じないし、救急車を呼んでも運んでくれないからです。発熱患者が保健所やかかりつけ医に電話相談しても治療が施されず、たらい回しにあっているような状況がいまだにあるわけです。そもそも診療していないので薬が出るわけがないんですよ。

 本来であれば、それを戒めるのが日本医師会の役割だと思うのですが、なんのメッセージも出していない。

――日本医師会はイベルメクチンについて、どのような対応をとるべきだと考えますか。

 コロナと診断して重症化するような人、あるいは自宅待機になりそうな人には、イベルメクチンを出しておけばどうなんですかと、一言レコメンデーションを出しておけばいい話。もしくは医師会が自宅療養者やホテル療養者にイベルメクチンを配布して「良かったら飲みませんか」と声かけをする。あるいは「イベルメクチンのこういう使い方は良くない」とか「副作用はこうですよ」といった注意喚起をする。これだったら納得しますが、まったくそういうこともしていない。

 先ほども言いましたが、田村厚労大臣は国会の場で「イベルメクチンを医師の判断で使ってもいい」「保険請求して構わない」と明言している。それにもかかわらず、プロ集団である日本医師会からイベルメクチンに関して何か一言でもコメントを発しましたか? ノーベル賞を取った、日本が世界に誇るメイドインジャパンの薬がすぐそこにあるのに、なぜ、それに関して日本医師会が一言も言及していないのか。僕は理解できません。現に、多くの人たちが薬を欲しがっている。それに関してコメントやメッセージを発したり、政府に働きかけたりといったこともしない。多くの市民が医師会の士気の低さを批難しているので、具体的な行動で名誉挽回をはかるべきです。

――最後に、医師として伝えたいメッセージなどがあればお願いします。

 イベルメクチンを分けてくれと殺到するのを見て私は驚くばかりで、近くのかかりつけ医に相談すればいいのではと思うのですが、よく考えてみれば、そういうことをやっている医者がいないということの裏返しなんですよね。そもそも医者は何のためにいるのか? 病んでいる患者のためにいるわけでしょう。ですが、患者が本当に困っている時にかかりつけ医の役割を本当に果たせているのでしょうか。第一線の開業医の脆弱さや、日本医師会の関心の低さ……こうした現状が、イベルメクチンをめぐる状況を通して透けて見えてくるのではないでしょうか。

 

長尾和宏(ながおかずひろ)

1958年香川県生まれ。医療法人社団裕和会理事長、長尾クリニック院長。医学博士、関西国際大学客員教授。複数医師による年中無休の外来診療と在宅医療に従事。新型コロナウイルス蔓延以降、自宅療養のコロナ患者も精力的に往診している。

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変異株にも有効「スーパー中和抗体」 富山大など作製

朝日新聞デジタル 2021年6月18

竹田和博

 富山大と富山県衛生研究所の研究グループが、新型コロナウイルスの変異株にも有効な「スーパー中和抗体」を取り出し、人工的に作ることに成功した。軽症や中等症の患者に投与することでウイルスの増殖を抑えて重症化を防ぐことが期待できるという。

 斎藤滋学長らが16日、同大で会見し、発表した。

 研究グループによると、中和抗体は新型コロナの感染から回復した患者の血液にでき、ウイルスが細胞に入るのを防ぐ。人工的に作ることができれば治療薬に使えるため、国内外で研究・開発が進んでいる。

 同大は昨年末に研究に着手。重症から回復後2週間以上経った患者のうち、強い抗体を持っている人を選び、血液から遺伝子を取り出して人工的な抗体をつくった。その後、最初に感染が広がった武漢型に加え、第4波で猛威を振るった英国型、現在懸念されているインド型などの変異株にも有効な抗体を特定したという。

 確認段階だが、ブラジル型にも効くと考えられるという。スーパー中和抗体はウイルスと結びつく際、変異した部位ではなく、感染にとって重要な共通の部位を標的にすると推定され、今後生じる新しい変異株に対しても効果を発揮できる可能性があるという。

 斎藤学長は「いかに早く製品化できるか。残念ながらワクチンでは、日本は大きく後れを取った。この分野では何とか世界のトップについていって、日本から世の中に出したい」と述べた。(竹田和博)

 

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コロナ夢の治療薬 日本発スーパー中和抗体、富山大など作製 救命率の向上期待

スポニチ[ 2021年6月17日 

 富山大などは16日、新型コロナウイルスが体内で増殖するのを妨ぐ「中和抗体」を巡り、アルファ株(英国株)やデルタ株(インド株)など現在、確認されているほとんどの変異株にも効果がある「スーパー中和抗体」を作製したと発表した。重症化を防ぐ治療薬として使えば、救命率の向上が期待できるという。

 新型コロナウイルスは、ウイルス表面にあるスパイクと呼ばれる突起が人の受容体に結合することで感染する。中和抗体が突起に結合すると、受容体への結合が阻害される。

 ワクチンや治療薬の開発で、国内外の機関が中和抗体の研究をしているが、今回の「スーパー中和抗体」はデルタ株を含む、ほとんどの変異株で効果が確認されたことが画期的。ウイルスの中でも突然変異が起こりにくい部分と結合するため、新たな変異株が出現しても効果がある可能性が高い。

 富山大は過去に取得した14の国内外の特許技術を組み合わせることで従来2カ月以上かかる中和抗体の作製を1~2週間で可能にした。同大は「現状で世界最速レベル」としている。

 「スーパー中和抗体」は重症から回復した患者から特に強い中和抗体を持つ人を選別。その人の血液中の細胞から抗体の遺伝子を取り出し、複数の人工的な遺伝子組み換え抗体を作った

 富山大で記者会見した斎藤滋学長は、現時点で最も理想的な抗体だとしており「治療薬開発にとって大きなインパクトがある研究成果だ」と強調した。新薬の開発は通常数年かかるが、今後、製薬企業と連携し、早期の実用化を目指すとしている。

 ワクチン接種も体内で中和抗体を作りだすものだが、変異株に関しては1年後に抗体量が減るとの研究も発表されている。相次いで現れる変異株に対応できる中和抗体の開発は世界中で注目されており、日本発の「スーパー中和抗体」の製薬化に期待が寄せられている。


色付きだしたハスカップ。

春に植えたハスカップの木。実が数個なっています。
向かいにあるハスカップ狩りの熊沢農園さんも、きょうオープンしたようです。


「平和の詩」 みるく世の謳

2021年06月25日 | 社会・経済

沖縄全戦没者追悼式 「平和の詩」朗読

みるく世の謳 

 宮古島市立西辺中学校2年 上原美春さん

「しんぶん赤旗」2021年6月24日【社会】

 沖縄全戦没者追悼式で朗読された「平和の詩」の全文は、次の通りです。

 

12歳。

初めて命の芽吹きを見た。

生まれたばかりの姪は

小さな胸を上下させ

手足を一生懸命に動かし

瞳に湖を閉じ込めて

「おなかすいたよ」

「オムツを替えて」と

力一杯、声の限りに訴える

大きな泣き声をそっと抱き寄せられる今日は、

平和だと思う。

赤ちゃんの泣き声を

愛おしく思える今日は

穏やかであると思う。

その可愛らしい重みを胸に抱き、

6月の蒼天を仰いだ時

一面の青を分断するセスナにのって

私の思いは

76年の時を超えていく

この空はきっと覚えている

母の子守唄が空襲警報に消された出来事を

灯されたばかりの命が消されていく瞬間を

吹き抜けるこの風は覚えている

うちなーぐちを取り上げられた沖縄を

自らに混じった鉄の匂いを

踏みしめるこの土は覚えている

まだ幼さの残る手に、銃を握らされた少年がいた事を

おかえりを聞くことなく散った父の最後の叫びを

私は知っている

礎を撫でる皺の手が

何度も拭ってきた涙

あなたは知っている

あれは現実だったこと

煌びやかなサンゴ礁の底に

深く沈められつつある

悲しみが存在することを

凛と立つガジュマルが言う

忘れるな、本当にあったのだ

暗くしめった壕の中が

憎しみで満たされた日が

本当にあったのだ

漆黒の空

屍を避けて逃げた日が

本当にあったのだ

血色の海

いくつもの生きるべき命の

大きな鼓動が

岩を打つ波にかき消され

万歳と投げ打たれた日が

本当にあったのだと

6月を彩る月桃が揺蕩う

忘れないで、犠牲になっていい命など

あって良かったはずがない事を

忘れないで、壊すのは、簡単だという事を

もろく、危うく、だからこそ守るべき

この暮らしを

忘れないで

誰もが平和を祈っていた事を

どうか忘れないで

生きることの喜び

あなたは生かされているのよと

いま摩文仁の丘に立ち

私は歌いたい

澄んだ酸素を肺いっぱいにとりこみ

今日生きている喜びを震える声帯に感じて

決意の声高らかに

みるく世ぬなうらば世や直れ

平和な世界は私たちがつくるのだ

共に立つあなたに

感じて欲しい

滾る血潮に流れる先人の想い

共に立つあなたと

歌いたい

蒼穹へ響く癒しの歌

そよぐ島風にのせて

歌いたい

平和な未来へ届く魂の歌

私たちは忘れないこと

あの日の出来事を伝え続けること

繰り返さないこと

命の限り生きること

決意の歌を

歌いたい

いま摩文仁の丘に立ち

あの真太陽まで届けと祈る

みるく世ぬなうらば世や直れ

平和な世がやってくる

この世はきっと良くなっていくと

繋がれ続けてきたバトン

素晴らしい未来へと

信じ手渡されたバトン

生きとし生けるすべての尊い命のバトン

今、私たちの中にある

暗黒の過去を溶かすことなく

あの過ちに再び身を投じることなく

繋ぎ続けたい

みるく世を創るのはここにいるわたし達だ

 (沖縄県平和祈念資料館提供)


 今日は札幌の皮膚科まで行ってきました。道路も混んでいたし、待合室も混んでいた。先ほど9時前に着きました。遅くなりましたがUPします。力強い、いい歌です。


赤木ファイルだけで総辞職モノ 都議選で自民に鉄槌が必要

2021年06月24日 | 社会・経済

日刊ゲンダイDIGITAL  2021/06/24

 

    問題発覚から3年、ようやく「赤木ファイル」が開示された。公文書の改ざんを強制され、その後、自ら命を絶った近畿財務局の職員だった赤木俊夫さん(当時54)が、改ざんの経緯を詳細に記録した資料だ。

「赤木ファイル」は、財務省本省と近畿財務局との間で交わされたメールの写しなど、518ページに及ぶ。これを読めば、7年続いた安倍政権が、いかに腐り切っていたかがよく分かる。「森友事件」に深く関与した安倍夫妻を守るために、組織を挙げて末端の職員に不正を強いていた。

 森友学園に国有地を格安で売却することを決定した決裁書の改ざんが始まったのは、2017年2月26日だ。財務省本省から近畿財務局に「削除した方が良いと思われる箇所があります。マーキングしておきました」とのメールが届いた。安倍昭恵夫人に関する表記に印がつけられ、「できる限り早急に対応願います」と、決裁書から削除するよう迫っていた。

 やはり、国家の記録である公文書の改ざんには抵抗があったのだろう。赤木さんは3月8日、本省の職員9人に「既に意思決定した調書を修正することに疑問が残る」と一斉メールを送るなど、強く抵抗していた。

 公務員の仕事に誇りを持っていた赤木さんは、普段から「私の雇い主は日本国民」と口にし、<公正に職務を執行していますか?>などの行動規範が書かれた「国家公務員倫理カード」を手帳に入れ、ボロボロになるまで大切に持ち歩いていたという。赤木さんの妻・雅子さん(50)によると、改ざんが始まった頃から赤木さんは精神的に不安定になっていったそうだ。1年後の18年3月7日、自宅で首を吊り、亡くなってしまった。無念だったに違いない。

 これほど理不尽で酷い話はないのではないか。どうして、安倍夫妻を守るために末端の職員が犠牲にならなければならなかったのか。

 しかも、安倍政権と菅政権は「赤木ファイル」を闇に葬ろうとしていた。残された雅子さんが、裁判で「赤木ファイル」の開示を求めても、「赤木ファイル」があるのかないのか、存否の回答さえ拒み続けた。

 今回、ようやく開示したのは、裁判所から促されたからだ。渋々だった。立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言う。

「そもそも、行政文書である“赤木ファイル”は、国民の共有財産です。情報公開を拒むことは許されない。赤木ファイルに対する対応は、安倍・菅政権の体質を象徴しています」

安倍前首相こそが事件の“元凶”

 五輪強行のデタラメ、感染対策の場当たりと、ポンコツ政権にはこれ以上、任せられないが、それ以前にこの「赤木ファイル」だけでも菅政権は総辞職ものだ。

 それなのに、財務省トップの麻生大臣はいまだにデカい顔をして居座り、赤木さんの墓参りもせず、遺族に謝罪もしていないのだからあり得ない話だ。遺族が熱望しているのに、改ざんの経緯についても、「再調査しない」と冷たく一蹴している。

 菅首相だって当時、官房長官として森友事件に対応してきた当人だ。コメント一つ発表していないが、ダンマリは通じないはずである。

 何より許し難いのは、事件の当事者である安倍前首相がのさばっていることだ。

 安倍晋三も昭恵夫人も「もう終わったこと」みたいな顔をしているが、森友事件も、公文書改ざんも安倍夫妻から始まったものだ。学校法人「森友学園」が、小学校を新設するために国有地を8割引きで取得したのが発端である。

 学園の籠池理事長(当時)が、昭恵夫人から「いい土地ですから、(計画を)前に進めて下さい」と言われたことを財務省担当者に伝えると、トントン拍子で取引が進展していった。小学校の名誉校長には昭恵夫人が就任する予定だった。

 恐らく財務省も、安倍夫妻のために国有地をダンピングしたことが後ろめたかったのだろう。2013~16年に104件あった国有地売買契約のうち、森友の一件だけ非開示としていた。

 安倍夫妻の“関与”を隠すために、赤木さんは公文書改ざんに手を染めざるを得ず、命を絶つところまで追い詰められたということだ。なのに、安倍も、麻生も、菅も、ノウノウとしている。これでは亡くなった赤木さんは浮かばれない。政治評論家の本澤二郎氏がこう言う。

「改ざんが始まったきっかけは、安倍氏が国会で『自分や妻が関係していたら、首相も国会議員も辞める』と答弁したから。森友事件は、安倍氏こそが“元凶”なのです。そんな人物が、盟友の麻生、甘利両氏と『3A』などと称して議員連盟を続々と発足させ、キングメーカーを気取っているのだから、国民をバカにしています。キングメーカーどころか、『再々登板を』という声が上がり、本人もマンザラでもない顔をしている。人がひとり亡くなっているのに、どういうつもりなのでしょう」

 国民はもっと怒るべきだ。

■自民党の議席「倍増」でいいのか

 これ以上、自民党をのさばらせてはいけない。あらゆる選挙で「ノー」を突きつけ、鉄槌を下すべきだ。

 ちょうど、25日から都議選(7月4日投開票)が始まる。都民は万難を排して投票に行くべきだ。

 都議会は127議席。自民党は現有25議席だ。自民党が実施したとされる事前調査によると、自民党の獲得議席数は「51議席」に倍増するという。ある都連関係者は、「自公で過半数は間違いない」と余裕を見せている。

「前回の17年都議選では、小池都知事が率いた『都民ファーストの会(都ファ)』が55議席を獲得し、大躍進しました。しかし、今回は都ファに追い風が全く吹いていない。『1桁台にまで落とす』との調査もあるほどです。立憲、共産が議席を伸ばすとの見方がありますが、そもそも、両党は候補者数が多くない。結局、自公が過半数を獲得することになるでしょう」(都政関係者)

 しかし、もし自民党が都議選で大勝したら、赤木俊夫さんが亡くなったことを反省するどころか、「自分たちは有権者に信任された」と、さらに増長するのは目に見えている。

「モリ・カケ・サクラと、スキャンダルが絶えなかったのに、それでも安倍政権がやりたい放題やってきたのは、結局、選挙で勝ってきたからです。投票率は50~60%だったから、有権者の過半数から支持されたわけではありません。それでも“信任された”と、リセットしてきた。都議選で自民党が勝利したら、4月に行われた“国政3選挙”で野党が3連勝したことも帳消しになってしまうでしょう。逆に、自民党が都議選で敗北すれば、やはり有権者は、菅政権の“五輪強行開催”や“コロナ対応”に不満を持っているという空気が再認識され、菅政権の支持率も、さらに下落するはずです」(金子勝氏=前出)

「赤木ファイル」の扱いを見れば分かる通り、安倍も麻生も菅も、国民を完全になめ切っている。国民は目にもの見せるべきだ。


 これ以上自民党・公明党を伸ばしてはいけない。こんな政治を許しているのは自公に投票するあなたなのだ!

ひよこ豆


親眠る土、基地に使うな

2021年06月23日 | 社会・経済

きょう沖縄戦終結76年「慰霊の日」

「しんぶん赤旗」2021年6月23日

遺骨を今も探す奥田千代さん(79)

 太平洋戦争末期の、地上戦で二十数万人の尊い命が奪われた沖縄戦から76年がたちます。沖縄県では23日、戦没者を追悼する「慰霊の日」を迎えます。同県名護市辺野古の米軍新基地建設を強行する日本政府による、沖縄戦犠牲者の遺骨を含む可能性のある土を同基地建設の埋め立てに使う計画に対し、「戦没者と遺族、県民を冒涜(ぼうとく)する行為だ」との怒りの声が広がっています。(小林司)

 戦没者の遺骨が混じり、血と汗が染み込んだ沖縄本島南部の土砂を、「一粒たりとも掘らせることはできない」―。沖縄戦で両親の命が奪われた、同県宜野湾市在住の奥田千代さん(79)は同土砂を使用する日本政府の計画は「絶対に許せない」と訴えます。

 「お母さん、人が死んでる。怖いよ」―。当時4歳の奥田さんは、南部で「鉄の暴風」と呼ばれた銃弾・砲弾の雨の中を逃げまどいました。通りがかったサトウキビ畑は遺体の山で、足の踏み場もなかったといいます。

 本島中部の旧普天間集落(現・宜野湾市)に家がありましたが、母親と兄との3人で南部に避難しました。

 「兄の着物の腰ひもをギュッとずっとつかんでいた」―。4歳上の兄と身重の母親と南部を歩き続けました。そんな中、母親が腹部を負傷。血をだらだらと流し横たわる姿が頭に焼きついて離れません。奥田さん自身も右腕に大ケガをして、10センチ以上の傷痕が今も残っています。

 たどり着いた壕(ごう)のような穴の中に隠れ、水を探しに外に出た兄が先に、後で母親と奥田さんも米兵に捕まりました。

 奥田さんと母親は本島北部の収容所に移送。母親は移送先で、南部で受けた傷がもとで息を引き取りました。最期は傷の痛みでうなり続け、奥田さんの呼びかけにも応えられませんでした。父親は南部で戦死し、最期の状況は分かっていません。両親の遺骨を、奥田さんは現在も探し続けています。

「沖縄ないがしろ」政権代え終わりに

静かな日々を返して

 沖縄戦を主導した旧日本陸軍(第32軍)は1945年5月、司令部を置いていた首里城(現・那覇市)に米軍が迫ると、本島南部に撤退を始めました。

 当時、南部一帯には那覇・首里・本島中南部から多数の住民が避難してきていましたが、「本土防衛」「国体(天皇絶対の体制)護持」のための時間稼ぎに第32軍の撤退が決定。同軍が逃げてくると、南部は地獄のような戦場と化し、犠牲者が激増しました。

 沖縄戦で沖縄を占領した米軍は、生き残った沖縄県民を県内各地につくった収容所に閉じ込めました。住民が避難したり収容所に入れられていたりしている間に、土地を強制的に接収し、米軍基地を建設していったのです。

 奥田千代さん(79)は、収容所の横にあった穴の中に母親の遺体が放り投げられた光景に立ちすくみ、ぼうぜんと見つめていたことを思い出さない日はありません。

 奥田さんは収容所から連れ戻してくれた伯母夫妻と祖母、兄、姉とともに米軍普天間基地のゲートがある野嵩(のだけ)=現・同県宜野湾市=で戦後の生活を始めますが、その頃には、もともと住んでいた家があった場所は米軍キャンプ瑞慶覧(ずけらん)の敷地になっていました。

 「米軍はいい土地を全部取ってしまって本当に許せない」と奥田さん。現在は、普天間基地から約300メートルの場所に住み、米軍機の轟音(ごうおん)に悩まされています。

 奥田さんは、「静かな日々を返せ」「子どもたちに安心・安全な学校生活を」と、普天間基地を離着陸する米軍機の飛行差し止めなどを求めている普天間爆音訴訟の原告に加わっています。

 奥田さんが「心のよりどころ、祈りの場です」と語るのは、南部の糸満市米須(こめす)にある沖縄戦の戦没者を追悼する「魂魄(こんぱく)の塔」です。

 塔は、1946年に建立。真和志(まわし)村(現・那覇市)の住民が、散乱する戦没者の遺骨3万5千人分以上を収集し、塔に納めました。現在、塔付近の戦没者の遺骨が見つかっている採石場の開発行為が問題になっています。

 沖縄県外・国外の遺族の気持ちも考え、奥田さんは開発に「絶対反対」だと力を込めます。「祈りの場の目と鼻の先で、ガラガラと採掘の音やトラックの騒音を許していいのでしょうか」―。

 辺野古新基地建設の当初の計画では、埋め立て土砂の「岩ズリ」の多くを県外から調達し、県内の採取場所は本島北部のみとなっていましたが、現計画では離島を含む県内全域に拡大。奥田さんは「沖縄戦で県民があれだけ犠牲になってもまだ足りず、今度は県内で土砂を調達なんて、沖縄いじめもいいところ」だと憤ります。

 奥田さんには子どもが4人、孫が10人、来月には4人目のひ孫が生まれます。沖縄戦で両親を、現在は米軍基地によって平穏な日常を奪われ、子や孫たちの未来を考えても、「悩みが尽きない」と語りました。そして、こう強く願います。

 「沖縄県民をないがしろにしないでほしい。基地はもうたくさん。もういらない。政権が代わらないとだめです」―。

国の非人道性知って

沖縄戦遺骨収集ボランティア代表 具志堅隆松さん(67)

 国が沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設の埋め立てに沖縄戦犠牲者の遺骨を含むかもしれない沖縄本島南部の土砂の使用を計画している問題で、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さん(67)は、23日まで宗教者らとともにハンガーストライキを実施中です。同計画阻止の運動の先頭に立ってきた具志堅さんの思いは―。

 23日の「慰霊の日」は、県民や本土にいるご遺族など多くの人が戦没者のことを考え、魂の平安を祈る特別な日です。しかし今、国の計画によって遺骨は、安らかに眠るどころか海に捨てられようとしています。

 私は南部にまだ多くの未発掘の遺骨があることを訴えてきましたが、国が土砂使用計画を改める様子はありません。これは、基地に賛成・反対以前の問題です。沖縄だけでなく全国の皆さんに、国の非人道性や非常識さを知ってほしい。

 ハンストでは、国が県に提出した新基地の設計変更申請を玉城デニー知事が不承認にすることを求め、不承認を願う遺族の声を集めています。

 菅義偉首相や申請提出時の首相だった安倍晋三衆院議員は、今回の土砂使用の計画が戦没者を冒涜(ぼうとく)するものだと認めた上で、なぜ計画したのかを説明し、間違っていたことを戦没者・遺族や国民に謝罪しなければなりません。

 戦没者の遺骨を守り保護する政治の体制が必要です。土砂使用計画を止めるため、ぜひ一緒に声を上げましょう。


今日咲いた花。
シャクヤク

バラ

玉咲草藤

 


《尾木ママ緊急提言》SNSで裸の画像を拡散、自慰行為を強要…スマホを使ったイジメはなぜ過激化したのか【旭川イジメ凍死】

2021年06月22日 | 教育・学校

旭川14歳少女イジメ凍死事件 ♯22

  尾木 直樹

旭川市教育委員会は一刻も早く解散すべき

「正直言って、旭川市教育委員会は一刻も早く解散したほうがよい状態になっていると思うの。僕は昔からよく言うんですけども、教育委員会というのはおそらくどこの都道府県を例にとっても、閉じた組織になってしまって、隠蔽体質に陥ってしまう。今回の一連の報道を見ても、その体質がよく表れている気がします。『学校の常識は、世間の非常識』という言葉があります。旭川市教委は、自分たちの“常識”に捉われず、オープンな形で、このイジメの問題に取り組んでいかなければなりません」

「旭川14歳少女イジメ凍死事件」について、こう厳しい言葉を投げかけるのは、「尾木ママ」の愛称で親しまれ、元中学・高校教師で教育評論家の尾木直樹氏だ。

※本記事では廣瀬爽彩さんの母親の許可を得た上で、爽彩さんの実名と写真を掲載しています。この件について、母親は「爽彩が14年間、頑張って生きてきた証を1人でも多くの方に知ってほしい。爽彩は簡単に死を選んだわけではありません。名前と写真を出すことで、爽彩がイジメと懸命に闘った現実を多くの人たちに知ってほしい」との強い意向をお持ちでした。編集部も、爽彩さんが受けた卑劣なイジメの実態を可能な限り事実に忠実なかたちで伝えるべきだと考え、実名と写真の掲載を決断しました。

尾木ママが指摘する旭川市教育委員会の問題点

 文春オンラインでは、4月15日から21本の記事を公開し、今年3月に旭川市内の公園で亡くなっているのが見つかった廣瀬爽彩(さあや、当時14歳)さんの死の背景に凄惨なイジメがあったことを報じてきた。一連の報道を受けて、旭川市教育委員会は5月に第三者委員会を設置し、イジメに関する再調査を開始した。

その2回目の会合が6月4日に非公開で行われ、保管されているすべての文書の分析をすることや直接関わりのなかった生徒らへのアンケートを実施すること、7月には関与した生徒からの聞き取り調査を開始することが発表された。しかし、当初11月末までにまとめるとされた調査結果の公表については「日程は白紙」と延期が伝えられた。

 尾木氏は今から10年前の2011年に滋賀県・大津市で起きた「大津市中2イジメ自殺事件」について調査する第三者委員会の委員を、遺族側の推薦を受けて務めた経験がある。当時の経験も踏まえ、尾木氏は旭川市教育委員会の問題点を次のように指摘した。

萩生田文科大臣の“越権行為”が意味するもの

 まず、旭川市教育委員会は、4月26日に萩生田光一文部科学大臣が国会で述べた答弁の重みを理解すべきだと思います。萩生田大臣は、国会で「(旭川の)事案が進まないということであれば、文科省の職員を現地に派遣する。あるいは、私を含めた政務三役が現場に入って直接お話しする」とまで言いました。これは極めて異例で踏み込んだ発言です。

 というのも、文部科学省には、都道府県立の高校に対して、「現場に入って直接お話しする」権限はあるのですが、公立の市区町村立の小中学校に対しては、各自治体が管轄している関係で、直接の調査権がないからです。しかし、萩生田大臣はそんなことは百も承知で、あえて“越権行為”に及ぶ可能性を示唆したわけです。それだけ、文科省としてはこの問題を重要視しているということです。

ところが、旭川市教育委員会が設置した第三者委員会は、当初11月末までには行うとした調査結果の公表時期について「白紙」にすると発表しました。これではとても「事案が進んでいる」とは言えません。はっきり言って第三者委員会は機能していないと思います。

“学校の常識は世間の非常識”…悪しき50年前からの文化

 そもそも、廣瀬爽彩さんが受けたイジメ行為について、Y中学校や市教委は2019年9月の段階で、文科省が定める「いじめ防止ガイドライン」(いじめの重大事態の調査に関するガイドライン)の事例にも明らかに抵触する事態が起こっていながら、『イジメではない』という結論を出してしまいました。なぜ、こんなことが起きたかというと、やっぱりその背景には “学校の常識は、世間の非常識”と言えるような事情がある。学校には50年前と変わらない悪しき文化が息づいているんです。

 例えば、校長先生というのは、往々にして、過不足なく自分の校長としての任期を全うすることを第一目標にしがちです。なぜなら、公立校の校長を勤め上げた先生は、70歳になったら自動的に叙勲がもらえる。それから校長の任期を無事全うし、定年退職した際には、市立図書館の館長や教育相談所の所長といったポジションに天下りすることができる。彼らにはこれがすごく重要なことなのです。

ところが、校長在任中に学校で“事件”が起きてしまったら、これらの恩恵を受けることができなくなってしまう。そのため、校長先生というのは、イジメなどが疑われる事態が起きると『なんとか穏便にできないか』と、“事なかれ主義”に陥りがちです。こういう校長先生の姿を、僕はこれまで無数といっていいぐらい見てきました。旭川市のY中学校の校長先生もその意識がどこかにあったんじゃないかと推測できます。

学校や教育委員会は隠蔽体質に陥るもの

 基本的に学校や教育委員会というのは隠蔽体質に陥るものです。だからこそ、今回のような「イジメの再調査」を行うための第三者委員会については、まず何より「オープン」であることが重要です。

 そこでまずは大原則として、第三者委員会の委員は『旭川市以外の方』を選ぶことが大切です。

 僕は大津のイジメ事件に関する第三者委員会に入った時、延べ56人から計95時間に及ぶ聞き取り調査を行い、今後のイジメ問題解決のモデルになるようにと、計230ページに及ぶ報告書を他の委員と一緒に作成しました。その報告書の中に、わざわざ『第三者委員会の在り方』という項目を加えたんです。そこでまず指摘したのは「委員には県外のしがらみのない人間を選ぶ」という視点でした。

大津の第三者委員会にも初めのうちは滋賀県の臨床心理士会の会長が入る予定でした。その方は市教委との繫がりが弱くなく、もしこの方が委員に入ったまま調査が行われれば、調査の公正性が保てなくなることが懸念されました。最終的には被害生徒の家庭に関する個人情報を第三者に漏らしたとしてご遺族からこの人選に異議が出て、この会長が自ら第三者委員会の委員を辞める形で決着がつきました。

旭川市長はリーダーシップを発揮して、第三者委員会の改革を

 県内の人を選べば必ず被害者や加害者とどこかで何か繋がりが出てくる。そしてつながりがあれば、完全に客観的な調査などできるはずはありません。ところが、現時点で決まっている旭川の第三者委員会の8人のメンバーは、ほとんどが旭川市内にある病院の医師や弁護士、北海道内の関係者だそうですね。これでは、客観的な調査など望むべくもありません。

しかし、第三者委員会の人選については、市長の姿勢如何でどうにでもなる問題です。大津のイジメ事件の時は、当時の越直美大津市長が中学時代に自身がイジメを受けた経験があったこともあり、イジメには毅然とした態度をとり、必ず真実を解明するという姿勢で矢面に立って臨まれた。その結果、第三者委員会の委員の人選についても、中立性とご遺族の意思を最も重視して理想の形で進めることができたのです。旭川の市長も教育委員会に任せず、リーダーシップを発揮して、第三者委員会の人選についても抜本的に見直す必要があるでしょう。

段ボール11箱分の資料を押収、すべてを読み込んだ

 また、第三者委員会は、学校や市教委が保管しているすべての資料を入手しなければなりません。大津の時では、被害生徒が通っていた学校が、同級生らに実施したイジメのアンケートを不開示にしていました。僕らが学校や市教委に働きかけても、なかなか資料が出でこなかったんですけど、幸運だったのは警察が動いてくれたことでした。職員室を家宅捜索して、すべての資料を押収し、僕らに渡してくれたのです。

 重要な資料から学級日誌まで全部で段ボール11箱分もあり、あれだけの資料を読むのは大変でしたが、その分、当時学校内で何が起きていたのか、学級はどう変化していったのか等を克明に見ていくことができました。

 旭川の場合でも、2019年にY中学校が実施した加害者生徒や同級生、教員らの聞き取りをまとめた調書について、遺族が情報公開請求をしても、教育委員会が開示拒否を行っていると聞きますが、事実なら第三者委員会は、まずあらゆる資料を集め、当時実際に何が起きていたかを虚心坦懐に見直すべきでしょう。

すごく寒くて、ブルブル震えながら聞き取りをした

 イジメに関係した生徒や学校関係者への聞き取り調査も大変重要になります。大切なのは、杓子定規に関係者と対峙することではなく、臨機応変に、相手の立場に立って話を聞こうとする姿勢です。大津の時は、基本的にイジメに関係した子どもや先生には、市教委の会議室に来ていただくというかたちを取りました。しかし、中には『教育委員会には行きにくい』という子もいるわけですね。そういった場合は、相手が指定するところへ足を運ぶ約束にしていました。

 ある時は、山の上の方に住む生徒のご自宅に伺ったこともありました。すごく寒くて、ブルブル震えながら聞き取りをした記憶があります。また、生徒の自宅で聞き取りをするというケースもありました。そうやって、調査委員会のメンバーが誠意を見せれば、子どもたちも次第に心を開いて「本当のこと」を話してくれる。そんな場面がいくつもありました。聞き取りに応じることは、加害側の子どもにとっても、自分のとった言動を見つめ考える重要な教育機会でもあるのです。

加害生徒の親からすごい迫力で恫喝されたこともあった

 ただ、僕はこれまで多くのイジメ問題の解決に取り組んできましたが、最近では加害者側の親も加害生徒と同じトーンで反論してくるケースが多くなってきているように感じます。「うちの子はイジメはしていない。あれはただの悪ふざけだった。だから、うちの子どもが聞き取り調査を受ける必要はない」といった具合です。この場合は、まず親に、関係者にはイジメを行ったかどうかにかかわらず、聞き取りをしていることを十分に納得してもらったうえで、子どもにも話を聞くことになります。正直労力は通常の聞き取りの何倍にもなるので、大変です。時には、加害生徒の親からすごい迫力で恫喝されることもありました。なかなか一筋縄ではいかないことも多いのです。

お前の家族全員死ね」19件に及ぶ凄惨なイジメ行為があったと認定

 それでも、第三者委員会は「事実で勝負する」姿勢が大事です。大津ではゼロベースから事実認定を行いました。例えば、自死に至る被害生徒の行動に関しての市教委側のある推論について、僕の教師経験からすると、「中学2年生の男の子だったら、そんなことはまずしないだろう」という確信に近いものがあったのですが、当時の第三者委員会の委員長を務めた元裁判官にそのことを伝えると『それは先生たちの経験主義です』と言われてしまったんです。

そこで、僕たちは、被害生徒がそのような行動をとることはあり得るのかどうかしっかり検証しようということで、精神科医や虐待問題の専門家、イジメ問題の権威らから2時間ずつ、レクチャーを受けました。現場も念入りに調べ、改めて出した結論は、結果的には僕の推論どおりだったのですが、第三者委員会の調査ではそうやって先入観を捨てて、一つ一つの事実を慎重に検証していったのです。

 その結果、最終的には、被害生徒が複数の同級生から学校の教室、トイレ内、廊下などで頻繁に暴行を受けていたこと、口や顔、手足に粘着テープを巻き付けられたこと、「お前の家族全員死ね」などの言葉を浴びせられ、自殺の練習まがいの行為までするように強要されていたことなど、19件に及ぶ凄惨なイジメ行為があったことを認定しました。つまり、第三者委員会がやらなければいけないのは、先入観や経験主義に陥るのではなく、かかわりのあった生徒や教師、家族や親族、ご近所にも範囲を広げて聞き取りをして、あいまいなことを丁寧に消していく作業なのです。

生徒の聞き取り以上に先生の聞き取りには注意せよ

 また、第三者委員会は「閉鎖的な職員室文化」と向き合うことも強いられます。どんな学校にも少なくとも5~6人は良心的な教師が必ずいるものです。彼らはイジメに対しても問題意識を持っていて、周囲には「あの時、確かにこんなことが起きていた」と事実を話していたりする。しかし、いざ第三者委員会の調査となると、突然口をつぐんだり、ウソの証言を始めたりするのです。

 それは彼ら良心的な教師に対して、村社会的な論理が働くからです。周りの先生から『お前が事実を話したら校長はどういう処分を受けるか。教育長にまでこんな迷惑が掛かる』などと責められるんですね。すると教師は自分一人の問題では済まないと気付き、その場の空気にも流され、口をつぐんだり、『よく覚えていません』『記憶にありません』などと証言を変えてしまうわけです。それがいけないことだと分かっていても、内向きの論理に捉われてしまう。

 こういったことがあるので、生徒の聞き取り以上に教員の聞き取りにも注意しなければなりません。もとより、子どもたちは先生の言動をよく見ています。信頼する先生や大人が態度を変えてウソを言うことに、子どもの心は大きく傷つきます。子どもに恥じない人間教師であってほしいと思います。

スマホを使った陰湿なイジメが横行してしまう理由

 現代では、イジメの形も変わってきています。イジメが見えにくくなってきたといってもいい。旭川で廣瀬爽彩さんが、イジメグループに裸の画像をSNSで拡散されたようにスマホを使った陰湿なイジメが横行しています。ところがこういう時、学校は『スマホの使用は学校で禁止されている。学校外で起こった出来事については学校は関与しない』という態度を取りがちです。

 旭川でもY中学校がそうした態度をとっていたようですけど、しかし、本来であれば、中高生にもスマホやネットが普及し、そこにもう一つのリアルな世界を持っている現代の子どもの状況を考えれば、「学校外で起こったこと」と切り捨てるのは、学校の本分を放棄しているのと同じです。そのためにも、先生方こそ今の時代はスマホリテラシー(スマホを適切に使いこなす能力)を磨く必要があり、積極的にこうした問題に対処していくべきです。

加害者や傍観者が大人になっても苦しむケースをいくつも見てきた

 自分自身が加害者や傍観者としてイジメにかかわった人が、その後、そのことときちんと向き合うことをしなかったために、大人になってもなお苦しむケースを私はいくつも見てきました。真実と向き合うことは時にはつらい場面もあることでしょう。しかし、そのことは、被害者やご遺族のためだけでなく、イジメにかかわった人たちすべての今後の人生にも重要な意味を持つのです。

    第三者委員会は被害者のために真摯に向き合うべきです。決して、教育委員会の内向きの論理に屈することがあってはなりません。イジメの起きない社会にしていくため、市長のリーダーシップと第三者委員会の今後に注目したいと思います。

◆◆◆

「文春オンライン」では、旭川イジメ問題について、情報を募集しています。下記のメールアドレス、または「文春くん公式」ツイッターのDMまで情報をお寄せ下さい。

    sbdigital@bunshun.co.jp

 https://twitter.com/bunshunho2386


 


子どもの五輪動員 全ての自治体が中止の決断を

2021年06月21日 | 教育・学校

「しんぶん赤旗」主張 2021年6月21日

 新型コロナ感染のもとで100万人以上の子どもを東京五輪観戦に動員する―そんな無謀な計画をめぐるキャンセルが、さいたま市など数十自治体に広がりました。

 ところが、東京都内ではほとんど動きがありません。そのからくりを「しんぶん赤旗」日曜版20日号がスクープしました。5月末に五輪組織委員会が関係都県に出したキャンセル受け付けの文書を、都が隠ぺいし、都内の自治体に伝えていなかったのです。これでは自治体は動けません。ここまでして、子ども動員に固執する小池百合子都政の姿勢は異様です。

命と健康を危険にさらす

 子ども観戦の仕組みは3年前、国と都が関与する五輪組織委が決定し、近隣の都県が競技会場、チケット枚数などを市区町村に割り当てました。問題はその後、感染症の世界的大流行という情勢の根本的な変化が起きたにもかかわらず、以前の計画のまま進められていることです。

 しかし、今日の状況で子どもの観戦動員はありえません。

 インドで発見された感染力の高いデルタ株は世界で猛威をふるいつつあり、日本でもイギリスで見つかったアルファ株にとってかわることが予想されています。その時期に公共交通機関を使って多くの子どもたちが行き来したり、「3密」が避けられない駅や会場で待機したりすることは、間違いなく感染リスクを高めます。子どもたちは遠足や修学旅行、卒業式や部活動など本当に我慢してきました。部活動などの大会も多くが無観客です。五輪だけは別で感染リスクにさらすというのは、まったく説明がつきません。

 さらに、多くの競技が炎天下で行われるのに、コロナ禍のもとでの熱中症のリスクが考慮されていません。

 身長が低い子どもは地面の照り返しの影響が強く、体温調整の力もおとなほどありません。マスクをつけた観戦はさらに熱中症リスクを高めます。集団行動中の子どもの体調管理を行うには相当数のスタッフが必要ですが、ぎりぎりの人員で教育活動と感染対策を続ける学校に余力はありません。

 限界に達している医療現場は、確実に新型コロナ感染がふえる五輪に「もう無理!」と悲鳴を上げています。子どもの動員は、医療の負担を増やすことからも、ありえない選択です。

 誰が子どもの命と感染拡大防止に責任を負うのか、責任の所在も不明です。この間の経過から組織委が万全の対策をとるとは考えられません。各自治体もとても手が回りません。その一方、参加の責任は校長にあるといわんばかりの行政側の発言が各地であります。国と都の力で無謀な動員を行い、責任は現場に押し付ける―。まるで戦前の日本軍のようです。

力合わせ子どもを守ろう

 感染症がどうなろうと五輪ありきの菅義偉政権と小池都政から子どもを守る必要があります。参加を予定している教育委員会は参加をやめるべきです。首長も住民である子どもを守り、地域の感染拡大を防止する責任があり、中止を表明すべきです。組織委はチケットのキャンセルを23日までとしていますが、その後のキャンセルも認めています。全ての自治体に、子どもの動員中止の決断を促すため、今こそ力を合わせましょう。



子どもをわざわざ危険にさらすこともないだろう!


軍隊に監視される社会でいいのか?~重要土地規制法成立と宮城秋乃さんの家宅捜索~(三上智恵)

2021年06月20日 | 生活

 

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 私たちは急速に監視社会に向かっている。①国が国民を監視する、だけでなく②軍隊が国民を監視する、③国民が国民を監視する、この②と③が当たり前になる社会、戦前のような恐ろしい国に私たちをいざなう法律が、ついに参議院本会議で可決、成立してしまった。「重要土地等調査規制法」。大事な国防施設を守るため、という名目で無制限に市民の監視を可能にする、こんな稀代の悪法を止められない私たちの市民力のなさに改めて暗たんたる気持ちになる。

 「中国に基地周辺の土地を買われたら怖いですよ。原発や弾薬などがある場所の近くに過激派が出入りしたらどうします? 取り締まらなきゃ! ですよね。そんな動きを未然に察知し、民衆の不安にお応えする法律を作ります。どうぞみなさん安心なさってください」

 今回の土地規制法はそんな優しい仮面をかぶって登場した。内容の恐ろしさにピンと来て連日報道しているのは、沖縄のメディアくらいだった。いまだに多くの人がこの法の黒い素顔に気づいていない。国会議員でさえ、ボーっとしているようにしか思えない。

 これは、外国人や危ない人たちが国防上大事な土地を取得しないためにあるというが、この法律自体、彼らの土地売買を直接規制する力もない。できるのは、重要施設の「機能を阻害」する人物が、施設の周りの土地にいないか? を調べること。所有者だけでなく、出入りしてないか? そんな目的に使ってないか? または使おうとしてないか? を市町村や地元警察や地域住民から強制的に情報を提供させながら調べ上げることを合法にする。虚偽の申告をしたら罰せられるのだから、隣人の家族構成を聞かれたって嘘はつけない。これはかつてない密告社会を招聘する法律でもある。

 「機能を阻害する」目的に使ってないか? というところの、「機能を阻害する行為」とは何か。その具体的な範囲も法成立後に決めるという、いくらでも恣意的に運用されかねない点も恐怖だ。自民党の杉田水脈議員が「辺野古の基地反対運動の人たちの弁当のごみが米軍基地に入ったらどうするか」という事例を出したように、こんなレベルの屁理屈でも調査監視の対象になってしまうというお粗末さを露呈しているというのに、この法に対する野党の危機意識も驚くほどに低かった。

 さらに第9条に「機能を阻害する行為の用に供し、又は供する明らかなおそれがあると認めるときは」とあるように、機能を阻害する行為が行われていなくても、その恐れがあると判断されれば勧告⇒命令⇒罰則と進むことができるため、例えば、米軍機の落下事故や騒音に悩むごく普通の沖縄県民が定期的にベランダから基地を観察してSNSで情報を共有した――そんなことも「軍の機密を公にし機能を阻害した」と懲罰対象になりかねないのだ。これでは「基地の周りでめったなことはできない」と市民のチェック機能もぐっと萎縮させられてしまう。

 そもそも、沖縄県民が誘致したわけでもない米軍基地や自衛隊基地。仕方なく基地周辺に住むことを余儀なくされ、騒音、汚染、事故、事件の恐怖にずっと耐えてきたというのに、彼らが救済の対象になることこそあれ、潜在的に「機能を阻害する恐れがあるかもしれない」と疑いの目でみられるとは何事か。これまでは簡単に調べることができなかった個人情報を含む、思想信条まで詮索される調査対象にされるなんて、全く納得がいかない。これは、沖縄戦の時、住民にさんざん軍の労務作業に協力をさせながら、米軍上陸が迫ると「軍機を漏らしかねない」として敵に情報を与えるスパイ予備軍とみて監視し、スパイリストに挙げて見せしめの虐殺まで進んでしまった悲劇と、全く同じ構図の再来だと私は危惧している。軍隊が民間人を見張るというのはそういうことだ。スパイだと疑われた人間が、そうではないと証明するのは非常に難しいことは、歴史が証明する恐怖である。

 そして、日本軍が集落の人を使って地域の情報を集めた闇の情報収集組織を持っていたことについては『証言 沖縄スパイ戦史』(集英社新書)に詳しく書いているが、今回の法律でも、実際に情報を集める中心的な役割は自衛隊の情報保全隊が担うとみられている。情報保全隊と言えば、2004年には自衛隊ヘリの騒音に電話で抗議しただけの人の勤務先まで調べ上げていたことが印象に残る。自衛隊のイラク派兵に反対する個人や団体を大量にリストアップしていた中にメディアや記者も入っていたことに驚愕したこともある。要は、自衛隊の機能を阻害する可能性のある存在に目を光らせ、こっそり監視するのが保全隊の仕事なのだが、この法が成立すれば、ある部分は大手を振って調査することが可能になり、そのぶん萎縮効果も増大するだろう。

 基地の周りに住んで身辺調査の対象になるよりは、と移住する力のある人は出て行くだろう。でもそれができない市民は肩をすぼめながら目を付けられないように暮らすしかない。そんな時にピンポーン、と玄関に情報保全隊が立ち、こう言うかもしれない。

 「この家からと思われる角度で基地内を撮影した映像がネットに頻繁に上がっている。お前の息子だろう? 罰則を知らないのか? 身分証明書を出せ」
 「ご、誤解です。うちの息子はそんなことしません! それをやってるとしたら……」
 「やってるとしたら? 虚偽申告は100万以下の罰金だと知ってるな?」
 「……。はい、確か隣の息子さんがよくカメラを回しています……」

 こういう相互監視・密告社会が現実になる危険性を土地規制法は大いに孕んでいる。そんな指摘をすると、ネット上では「活動家は逮捕されてください」とか「やましいことのない人にとっては良い法律ですが」などのバッシングが来る。でも普通に考えてみて欲しい。生活圏にある基地に、いったい何が飛んでくるのか? どう使われるのか? ある程度把握しないと不安ではないか。協定に反して夜中に飛ぶ軍用機には、証拠の映像を撮って訴え、我が子が静かに眠る夜を確保しようとするのは当然ではないのか? 先祖の土地が汚染され、子どもが飲む水がおかしくなっているのではないかと監視する市民がいなかったら、いくらでもやりたい放題をする米軍を私たちは見てきたのだ。「軍事に口を出すな」と言われて、「はい、そうですか」とは言えない。そんないのちと暮らしを守るための活動すべてが「機能を阻害する」というワードで絡めとられる恐れがあるこの法律に、戦慄しないはずがない。

 「だけどそれって沖縄とか横田基地とか、その周辺の人たちの話でしょ? 私には関係ない」と無関心でいる多くの国民に知ってほしいのは、これは軍事施設や原発だけを対象にしていないこと。政府が「重要な生活関連施設」と認定したら、その周辺も含まれてしまう。政令で指定されたら、あなたの近所の浄水場とか港湾がその対象になり、あなたの家族が監視対象にされる危険性はゼロではない。どうにでも運用できる形でこの法を通してしまえば、最初は国境地帯で軍事基地が多い沖縄県あたりがその影響下に置かれるかもしれないが、またそこでも「沖縄は大変ね」とタカをくくっていると、世論は騒がないとみて全国各地に拡大していくだろう。

 軍が民を監視するという、戦後の日本ではありえないと思えた構図は、もちろん占領下の沖縄では日常茶飯事だったのだが、復帰してからも無くなったのかと言えば、そうでもない。今月初め、東村高江のヘリパッド問題など基地に関連し、自然保護の観点から多くの発言をしてきたチョウ類の研究者・宮城秋乃さんが、いきなり家宅捜索を受けた。彼女はその前にもずっと防衛局や米軍から監視されていたのだ。これこそ、軍事基地の周りでチョロチョロ余計なことをするな、という土地規制法案と同じベクトルの恫喝だと私は直感し、状況を聞きに行ったのが今回の動画だ。

 6月4日の朝、いきなり名護署と県警の警備課がドヤドヤと玄関に押し寄せ、仕事に欠かせない携帯とパソコンやカメラ、莫大なデータを含む機材などをごっそり押収していった。宮城さんは森の生き物の研究をする傍ら、森の奥深くに遺棄されたままの米軍の廃棄物・弾薬・有害物質などの状況を調べ、回収し、原状回復を訴える活動を続けてきた。その功績で去年「第32回多田謡子反権力人権賞」を受賞している。社会的にも信頼のある研究者の仕事場にいきなり踏み込むほどの容疑とは、一体何だというのか。

 彼女は米軍の訓練場の返還地に夥しい米軍のゴミ、時には弾薬などの危険物や、PCBやコバルトなど放射性物質も含む有害物質が山中に放置されていることに胸を痛め、自主的に回収していた。北部訓練場は2016年末におよそ半分が返還されたが、米軍に原状回復義務はなく、防衛省が実に3億円もかけて「支障除去」、つまり有害物質や廃棄物の後始末をしたはずだった。しかし現状はこのありさまである。希少生物に影響を与えているので、米軍のゴミを集めて袋に入れた。当初は沖縄県警が持って行ってくれたものの、誰も回収してくれなくなった。

宮城さんが北部訓練場跡地で確認した金属部品からは、放射性物質コバルト60が検出された(写真:ブログ「アキノ隊員の鱗翅体験」より)

 返還された北部訓練場を含むやんばるの森は今年、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島(奄美・沖縄)」の一部として世界遺産登録の合格判定がIUCN(国際自然保護連合)によって出された。登録は既定路線になった。

 宮城さんには、この森が世界遺産になるのは嬉しいが、登録される前のこの機会に国の責任でちゃんと廃棄物を取り除いて、訪れた観光客がどこを歩いても怪我をしたり被ばくしたりすることなく、地元の子どもたちが安心して走り回れる本当の自然遺産にして欲しいという思いがあった。だからこそ、危険なごみの存在を隠蔽せずに知ってもらい、防衛省のみならず、ごみを捨てた米軍にもきちんと対応してほしいとアピールする目的で、4月7日、廃棄物を米軍基地のゲート前に並べて抗議した。その時に通行妨害をしたということが、今回の威力業務妨害容疑での家宅捜索の理由だと説明を受けたという。

 「動物たちが実際に被害を受けているのに、誰も気にも留めてくれないということが悲しくなります。誰も見てくれない。森の奥だから。私は森ならどこまででも入って行けるから、私がそれを知らせないと」

 宮城さんはそんな思いで活動を続けてきたのだが、ある時自分の動向が他人に記録されていることに気づいたという。2019年の10月、高江のヘリパッドに近いN4ゲートに立っている警備員が、自分が通るたびに車のナンバーを見て連絡を取る様子を見て「監視されている」と恐ろしくなった。防衛省が雇った民間の警備員が報告する先は防衛省だろうし、動向の報告を指示したのも防衛省だろう。ドライブレコーダーやビデオカメラでその様子を記録して訴えたところ、沖縄県選出の赤嶺政賢議員が人権侵害だと防衛省を追及、防衛省側も「通行人を報告・記録することはある」と事実を認めた。

 ところがこの防衛省が警備会社に民間人の監視を依頼するという異常事態を、赤旗、琉球新報、沖縄タイムスの3紙しか扱わなかった。普段、宮城さんから写真の提供などを受けてお付き合いのある本土紙の記者たちも、ペンをとってはくれなかったという。もしここで、「基地の問題に声を上げた人のプライバシーまで防衛省が監視していいのか?」と世論が問題視していれば、今回の家宅捜索も世論が怖くてできなかっただろうし、土地規制法も簡単に成立させないブレーキが生まれていたはずだ。彼女のSOSをスルーした結果、基地の周りで異議を唱えるような人は国防の敵だという乱暴な考え方が力を伸ばし、人権侵害を止める社会の力は弱まったのだ。そして土地規制法という名の市民監視のシステムも、どうやら今の世なら難なく通せそうだぞ、と権力側に隙を見せた格好になってしまった。

 防衛省に続いて宮城さんは、米軍にも監視されるようになったという。ある日、生物調査で山に入って戻ると、自分の車が沖縄県警と海兵隊のパトカーに囲まれ、事件現場のようになっていた。駐車違反してないですよね? と聞くと、ずっと止まっている車があるから遭難したのではと駆け付けたと、言い逃れのような理由を言った。要は、返還地ではなく、立ち入り禁止の米軍基地の方に入っているのではないか、さらにまた不都合な廃棄物を引っ張り出してくるのではないか、と厄介な行動をする宮城さんを監視し、萎縮させたかったのだろう。

 ところが宮城秋乃さんは変わった趣味を持っているために、この種の脅しが全く効かない人であることが、今回本拠地をお訪ねしてよく分かった。宮城さんは幼いころから「働く乗り物」が大好きで、特にパトカーが好きすぎて、それを運転することに憧れた結果、警察官の制服や持ち物、ポスターなど警察関連のグッズを集めるまでになってしまったという。私は、昭和の警察帽や沖縄県警グッズが所狭しと並ぶ彼女の部屋を見て絶句してしまった。

 実は私、かなり虫が苦手なので、宮城さんの部屋に虫の標本がたくさんあったり、ホルマリンの匂いがしたりすることを少し恐れて伺ったのだが、それはない代わりにウルトラマンや警察グッズが、それはきれいに展示されていた。もちろん、軍隊の暴力も警察権力も嫌いですよ、と彼女は念を押す。ただ、それとこれとは別で、パトカーは細部にわたって大好きだそうで、彼女にとっては日米のパトカーに囲まれたことは恐怖でも何でもなく喜びですらあったという事実に、私は吹き出してしまった。軍事ヘリも軍用車両も働く車、であり彼女の興味の対象らしく、えらく詳しい。私が感じる米軍や警察の威圧感を、彼女は興味が上回って感じないというのだから、彼らはほかの人を萎縮させることができても、宮城秋乃さんには通用しないというのが、なんだか痛快だった。

 とはいえ、廃棄物を並べて何とかしてくれとアピールしただけで家宅捜索はどう考えても行き過ぎである。当分戻らない携帯やパソコン、カメラを買い揃えねば仕事にならない彼女に対して、今カンパも呼びかけられ、ようやく全国から支援の声が強くなってきている。そして、軍事施設周辺で余計なことをするとこういう目にあうぞ、という重要土地規制法を先取りしたような事例として、宮城秋乃さんのケースが注目されるのは、遅まきながら、大切な変化である。

 軍事組織が、又は軍事優先の論理が市民を監視し人権を制限する。そんな行為が大手を振ってできるような悪法を成立させてしまった日本。国防上の危機がいいように煽られ、国境の島々や基地周辺に住む一部の人たちの人権は後回しでいいから国防優先でお願いします、という意見が多数を占めるなら、この国はすでに戦前だ。法は成立しても、せめて悪用された時に瞬時に声を上げて世論で監視し、実行させない市民力を、私たちは今からでも磨いておかねばならない。


「着々と」から「いっきに」という段階でしょうか?

スイカ、先日人工授粉した最初の一玉です。残ってくれるといいのですが・・・

アジサイはようやく蕾が出てきた状態ですが、ツルアジサイは今が盛りです。


雨宮処凛がゆく! 第561回:「普通の生活がしたい」という悲鳴。

2021年06月19日 | 生活
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 「普通の生活がしたいです」

 最近、そんな言葉を耳にする機会が増えた。

 コロナによって失業したり、住まいを失ったりした人の相談に乗る際に聞く言葉だ。日々支援団体に寄せられるSOSメールにもそんな言葉が目立つ。

 普通の生活。それがどんなものかと聞くと、「普通に帰れる場所がある生活」「布団で寝れること」「普通にご飯を食べられること」「時間を気にせずいられる家がある生活」「外で寝ないでいい日々」なんて答えが返ってくる。

 多くが若い世代から発されている。彼ら彼女らの望む「普通の生活」があまりにもささやかなものであることに、いつもショックを受ける。この国では、こんなことすら実現できていない人たちが多くいる。

 「普通の生活がしたい」。そんなあまりにささやかな願望を聞くたびに思い出す映画がある。土屋トカチさんの『フツーの仕事がしたい』だ。

 2008年に公開されたこのドキュメンタリー映画は、「現代に蘇るリアル蟹工船」なドキュメンタリーである。主人公は、36歳のトラック運転手。月の労働時間は552時間にものぼる。そんな劣悪すぎる職場で声を上げた男性の闘いと、職場からの嫌がらせを余すところなく描いた作品なのだが、私はこの映画の上映会のトークに出た時に話したことを今も鮮明に覚えている。

 それはタイトルの「フツーの仕事がしたい」について。

 08年当時の私は33歳。そんな私が20代の時、同世代の若者たちが口にしたのは「普通の仕事がしたい」なんてものでは決してなく、「特別な仕事がしたい」「個性的な仕事、自分にしかできない仕事がしたい」というものだった。「一億総中流」という言葉がまだ現役だった時代、「普通の仕事がしたい」なんて口にする人がいたら、「上昇志向ゼロのダメな人間」「つまらない奴」「チャレンジ精神ゼロの無難で無能な人間」と馬鹿にするような空気は確実にあった。

 一方、「公務員になりたい」なんて人は「なんらかの特殊な趣味を持つために自由時間がほしい人」、もしくは「人生を諦めた人」扱いされることもザラにあり、それどころか「正社員になりたい」と口にする者でさえ、「懲役40年」なんて揶揄された。公務員や正社員を目指すよりも、自分で起業したり、好きなことを仕事にしたり、フリーランスのカタカナ仕事で有名になったり、とにかく自らの力でのし上がる人間が偉いのだ、という感覚。90年代後半、バブルは崩壊しても、「おいしい生活」的なバブル価値観は色濃く残っていた。

 当時の空気を非常によく表している文章があるので紹介しよう。93年に発売された『完全自殺マニュアル』の「はじめに」だ。歴史に残る名文と言われ、私も当時、何度も読み返した。そこには私たちが死にたくなる理由が多く書かれているのだが、以下のような記述がある。

 「あなたの人生はたぶん、地元の小・中学校に行って、塾に通いつつ受験勉強をしてそれなりの高校や大学に入って、4年間ブラブラ遊んだあとどこかの会社に入社して、男なら20代後半で結婚して翌年に子どもをつくって、何回か異動や昇進をしてせいぜい部長クラスまで出世して、60歳で定年退職して、その後10年か20年趣味を生かした生活を送って、死ぬ。どうせこの程度のものだ。しかも絶望的なことに、これがもっとも安心できる理想的な人生なんだ」

 この本が発売された93年から、28年。

 今、こうして書き写してみると、当時「絶望的」に思えた人生が、なんて贅沢なものなのだろうとため息がこみ上げる。

 学費や生活費のためにバイトに追われるのではなく、「4年間ブラブラ」できる大学時代。そうしてブラブラしてても「どこかの会社に入社」できる売り手市場。その果てに結婚、出産というライフイベントも自動的に訪れ、定年が60歳というのも夢のようである。老後は生活費のため、低賃金で働くのではなく「趣味を生かした生活」を送れるなんて、今思うと、ほとんど「貴族」のようではないか。

 90年代、私の中にも確実にあった「普通の仕事なんかじゃなく特別な仕事がしたい」という思い。それは、高度経済成長とバブルがもたらした経済的余裕から生まれた「気分」だったのだと、改めて思う。

 さて、そうして今、周りを見てみると、「特別な仕事がしたい」「特別な生活がしたい」という言葉を聞くことはなくなり、耳にするのは「普通の生活がしたい」となったことは書いてきた通りだ。

 それも、住まいがない人が住まいがほしいと思い、満足に食事をとれない人が食事をとりたいと望み、布団で寝られない人が布団で寝たいと願うような、本当に、最低限の、生存ギリギリの「普通」である。それほどに、日本社会は壊れたのだと思う。

 コロナ以前、様々なアジアの国に行くと、その国でバリバリ稼いで成功しているような若者たちの姿を目にすることがあった。例えれば、バブルの頃の日本にたくさんいた「スカしてて金持ってそうな若者」たちだ。高級ブランド品に身を包み、我が物顔で闊歩する若者たちの姿は、この国では久しく見ていない気がした。一目見て、羽振りがいいとわかるような若い世代。翻ってこの国の若者たちはどんどん貧しくなっている。

 もうずっと前からこの国の若者たちは、「内向きになった」なんて言われて批判されてきた。しかし、たった一度の「新卒での就職の失敗」が、場合によっては数年後のホームレス化につながりかねない状況が、もう20年以上続いている。若者たちは、上の世代が正社員になれなかっただけで、結婚も出産も諦めていることを知っている。失敗すれば自己責任となじられるのがわかっていて、なおかつ誰も助けてくれないことがわかりきっている中で、誰が何かに挑戦しようなどと思うだろう。

 先月、5月の自殺者はわずかひと月で1745人。女性の自殺者は前年同月比で2割以上増えた。

 最近聞いた言葉の中には、「週に一度でいいから普通のご飯を食べたい」というものもあった。

 若者に「普通の生活がしたい」と言わせてしまう国は、どこかが完全に終わっていると言っていい。

 そんなこの国で、オリンピックが開かれようとしている。


今夜は待望の☂になるか?
売れ残った苗をようやくあきらめて畑に植える。
と言うか、初めから一つでも売れたらもうけもん!
雨が来る前に植えてしまいたいのだが残念ながら持ち越してしまった。


《札幌のクマ駆除》なぜクマが大量出没するようになったのか? 「エサ不足」ではない本当の理由

2021年06月18日 | 自然・農業・環境問題

2021年の論点100

伊藤 秀倫  source : 文春ムック 文藝春秋オピニオン 2021年の論点100

 2021年6月18日、札幌市の住宅街にヒグマが出没して、住民ら4人が襲われて負傷した。ヒグマは地元猟友会によって駆除されたが、なぜ人間と接するエリアにクマの出没が相次ぐのか。「2021年の論点」掲載の記事を再配信する。

◆ ◆ ◆

 それは、前代未聞の事件だった。

2020年8月8日深夜、長野県上高地にある小梨平キャンプ場には約250のテントが張られていた。

 キャンプ場全体が寝静まった頃、東京から友人とハイキングに訪れ、1人用テントで就寝していた50代の女性は、突然テントが強い力で引っ張られるのを感じて、目を覚ました。思わず「助けてください!」と叫ぶと、移動は止まったが、次の瞬間、テントは一瞬で引き裂かれ、黒いものが襲い掛かってきた。

テントは15mも引きずられていた

 “犯人”は体重150kg(推定)のツキノワグマだった。

 女性はクマの攻撃が緩んだ隙にトイレに逃げ込み、周囲の人の助けで病院に搬送され、九死に一生を得た(クマの爪により右足に10針縫う軽傷)。クマは襲撃後、立ち去ったと見られるが、テントは元の場所から15mほど引きずられ、中の食料はすべて食べつくされていたという。

 関係者によると「上高地での人身事故は、初めてでは」とのことだが、近年、全国でクマによる人身事故は増加の傾向にある。

 環境省によると、全国のクマ類(ヒグマ含む)による人身被害は、2018年度は51件、昨年度が140件、今年度は9月までの速報値で既に80件に上り、10月には秋田県の住宅街で、80代の女性がクマに襲われる事件も起きた(後に女性は死亡)。この事件について報じた記事には、県の担当職員の次のような談話が載っている。

「解釈に苦しむ。(クマの食料となる)クリが多い高台から住宅街に下りて来る動機があるのか」

 いったい今、クマと人間との間に何が起きているのだろうか。

「食料不足」がクマ出没の原因ではない

 クマの大量出没が起きたとき、その理由としてよく指摘されるのは、「食料となるドングリの生るブナ類などが山で不作なのでは」というものだが、40年以上クマの生態を研究している日本ツキノワグマ研究所の米田一彦氏は、“ドングリ不作説”には懐疑的だ。

「ブナ類の不作は大量出没の一因ではありますが、すべてではない。08年にも、ブナの大凶作によるクマの大量出没を森林総研が予測しましたが、結果は平穏でした。(大量出没は)ドングリの不作要因よりも、人間社会の社会構造の変化による影響が大きくなりつつある」

 米田氏が指摘する「社会構造の変化」とは、いわゆる“里山”の荒廃である。

「かつては集落に近い里山は、炭焼きや草刈り場として人間の手が頻繁に入っていました。だからクマたちは、その奥にある奥山にしかいませんでした。ところが平成になって里山を管理する人が減り、里山が奥山のように繁茂すると、そこに若いクマやメスのクマ、親子グマ、が居つき始めたのです」(同前)

なぜ若いクマやメスのクマは奥山を出たのか。

「実はクマにとって最大の敵は、クマです。奥山には大きくて強いオスのクマがいますから、それを避けるために、彼らは里山へと逃げてきたのです」(同前)

 こうして若いクマやメスのクマが人間社会に守られるような形で里山に住み着き、人間の生活圏と接触するようになった結果、両者の接近遭遇の機会が増えたのである。

 また里山への侵入は、クマたちの気質にも変化をもたらしたという。

「里山にはシカやイノシシ、サルなども侵入していますが、クマがこれらを捕食し、肉食の傾向が強まっている。これまでは、たまたま見つけたシカの死体などを食べているとされていましたが、近年、クマがシカを襲撃している様子なども撮影されています」(同前)

 人間との接触の機会が増えることで、とくに若いクマは人間を恐れなくなるという。

「里山では若いクマたちが密に棲息して、互いにエサをめぐり、常に葛藤している状態です。だから人間と接触しても、これをライバルのクマと見立てて攻撃、排除に及ぶ可能性が高い。その意味では、“凶暴化”していると言えるかもしれません」(同前)

クマより先にハンターが「絶滅」

 原因が構造的なものである以上、今後もクマと人間の接触は増加していくことが考えられるが、何か対策はあるのだろうか。

「今から里山を管理するのは、現実問題として難しいでしょう。可能性があるとすれば、里山と集落の間に電気柵などを設置することで、里山と人間社会を切り離す“ゾーニング”しかないと思います。ただ、これも多額の費用がかかり、簡単ではない」(同前)

 また、人里に出没したクマを駆除するにしても、そのハンターが不足しているという。南知床・ヒグマ情報センターでヒグマの捕獲や各種調査に携わっている藤本靖理事長はこう語る。

「現役ハンターの高齢化に加えて、猟銃所持の規制強化も影響し、新たにハンターを増やすことも簡単ではありません。このままでは、クマより先にハンターが絶滅しかねない」

 ところが、そういう状態であるにもかかわらず、国や自治体のクマ対策への動きは遅々として進んでいないという。

「ヒグマ対策はヒグマが出没した自治体が単独で行っており、横の連携はほとんどありません。だから現状では“道東のハンターが札幌の有害クマを駆除する”ことさえできません。一方でクマは、そんな人間側の事情にお構いなく、複数の行政区にまたがって活動している。今後は研究機関や各自治体、地元組織が一体となって情報を共有し、連携していかなければ、すべてが手遅れになりかねません」(同前)

 クマと人間に残された時間は決して多くはない。


 なぜこんなところに!である。近くには私の兄も住んでいる。どのようなルートで来たのか是非明らかにしてほしい。

アカゲラの巣立った巣穴。

再び沼掃除。

中央に映っているグリーンの植物は「菱」。
きょうもボート一杯分くらいのマツモを陸揚げ。


『NTTハローページ』配布を阻止すべき!

2021年06月17日 | 生活

『写真がネットに載っている』STOP詐欺被害!私はだまされる

 

出典:NHK首都圏 STOP詐欺被害!私はだまされない 2021年6月15日
※タイトルが『タウンページ』となっていたので『ハローページ』に修正しました。

『写真がネットに載っている…』という知人からのSMSほど、怖いものはない。しかも、文面が、『気をつけてよ!写真がネットに載ってるじゃん。気まずいな!』というようなフランクな内容であればあるほど、何かやらかしてしまったのかとついつい焦ってしまい、送られてきたURLを確認しようとしてしまう…が、いやいや!

『気をつけてよ!写真がネットに載っている』と、家族や知人からの『SMS(ショートメッセージサービス)』が届いても絶対に、絶対に、絶対に! 

『URL(http://〜)』をクリックしてはいけない!

基本的に『SMS』で送られてくる『URL』は100%詐欺メッセージだと確信しておきましょう!

最悪、クリックして、マルウェアをダウンロードしてしまうと、あなたの、携帯電話番号のリストが乗っ取られてしまい、あなたのフリをして、同様のSMSを知人に大量に送りつけて詐欺のチャンスを最大化させてしまうからです。

知人はあなたからのSMSだから信用してしまうのです。

NHKでも、高齢者の起きている朝の5時台から頻繁に、

『STOP詐欺被害!私はだまされない』を放送しているが、いやいや、『私はだまされる!』と思って、他人事ではなく、必ず、自分事として置き換えて見る必要がある。

宅配業者からのSMSでURLの送付が沈静化したと思ったら、次の新手の詐欺が続く…

SMS詐欺 に注意!SMSからの要求は完全に無視すべし!

納税催告 都税事務所 であっても!

https://news.yahoo.co.jp/byline/kandatoshiaki/20190707-00133168/

■テレビで放送される頃には、次の新手の詐欺が考案されている!

出典:NHK
出典:NHK

テレビで見て、こういう詐欺には気をつけようと思っても、しかし、それはもうすでに手遅れだ。テレビが注意しているのは、すでに手の内がバレている過去の詐欺である。

新手の詐欺は、テクノロジーではなく、心理的な詐欺で次から次と考えられてくる。

■自分が詐欺師だったら、どんな詐欺をしかけるか?

ボクは毎日、自分が詐欺師だったら、どんな詐欺を仕掛けるのかを日夜考えている。

そう、詐欺師を自分事として考えていくうちに、テクノロジーではなく、心理的詐欺が、いくつでも考えられるからだ…。

詐欺の手口を公開しようとすると犯罪の幇助となるので公開はできないが、コロナ禍における優先的なワクチンや、優先的な給付金などのトレンドワードは、一番詐欺師たちが敏感だ。

また、肉親が、しでかした恥ずかしい失敗の数々…。会社の穴を空けたとか、浮気相手を妊娠させたとか…。はたまた、警察や税務署から事前の電話があるような『劇場型』まで、ありとあらゆる詐欺があなたの電話番号に潜んでいる。

SMSでの詐欺は、携帯電話を主としているが、実家などの固定電話は、犯罪の温床メディアとなろうとしている。

さらに、なんとも、迷惑なメディアがまだ存続していた…。NTTの『ハローページ』だ

■NTT『ハローページ』の最新版に載っている固定電話番号は、すでに高齢者宅のお宝番号ばかりだ!

NTTの『ハローページ』という名の個人情報漏えいメディアが2021年10月を持ってやっと終了となるそうだ…。いや、まだ配布しようとしているのに驚いた!

一日も早く、『固定電話』の電話番号掲載を拒否の連絡を入れるべきだ。

①ハローページの掲載・非掲載に関するお申し込みについて

NTT東日本・西日本のお客さまは局番なしの116

受付時間:午前9時~午後5時 土日・祝日も営業(年末年始を除きます)

NTT東日本・西日本のお客さま以外は、ご契約の通信事業者にお申し出ください。

https://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20200618_01.html

宮城県の固定電話掲載拒否は、今月6月末が締め切りだ!急げ!

http://www.denwacho.ne.jp/Halo_hyo.pdf

■ネット電話帳の『住所でポン! 2012年版電話帳』では掲載拒否できない

NTTの『ハローページ』をもとに掲載されているのが、ネット電話帳の

『住所でポン! 2012年版電話帳』だ。

https://jpon.xyz

こちらは、『ハローページ』を元にした報道サービスと謳っている。

故郷の神戸市兵庫区上沢通を検索すると…ズラリと高齢者宅がリストアップされている。

そう、諸悪の根源となっているNTTのタウンページの掲載を辞めるべきだ。

2021年度版、2022年度版での個人宅掲載のメリットは何があるのだろうか?

むしろ、NTTは、2021年タウンページ最終盤を発行するべきではない。

総務省はなぜ、固定電話の犯罪リストの配布をストップさせないのだろうか?

■NHKの家族リストが漏洩していた件も…

ヤフーニュースの水島宏明氏の指摘を引用すると…

NHKの受信料名簿が特殊詐欺で使われた背景をもっと調査せよ!

□NHKから受信料の集金業務を委託されていた会社の社長の男が、愛知県警に窃盗容疑で逮捕され「契約者の名簿に載っていた個人情報を基に特殊詐欺をした」と供述

□男はNHK名古屋放送局・中央営業センターから集金業務を受託していた名古屋市昭和区の藤井亮佑容疑者(29)

□藤井容疑者は名簿記載の NHK個人情報を大浦被告に携帯電話のメッセージで伝えていた。

□大浦被告は(2019年)9月27日に警察官に成り済まして同県内の80代の女性宅を訪れ、キャッシュカード1枚を盗んだとされる。

□名前、住所、年齢、家族構成・・・。載っている「名簿」の情報がくわしければくわしいほど、詐欺の電話をかけた際に相手を巧妙にだますことができる。NHKの受信料「名簿」が委託先を通じて外部に漏れ、それが詐欺に使われていたのだという。

□年齢や家族構成まで載ってる「名簿」は受信料の支払いでそもそも必要なのか?

https://news.yahoo.co.jp/byline/mizushimahiroaki/20191109-00150118/

確かに、受信料集金に『家族構成』に『電話番号』は不必要だと思う。漏洩リスクも高く、過去に業者がリストを紛失など多発している。

■NHK「宛名なし郵便」で受信料徴収導入 まず都心部、(2021年)7月から

□NHKは(2021年6月)3日、宛名を書かずに住所だけで送れる日本郵便の新たな郵便サービス「特別あて所配達郵便」を7月から、受信料徴収業務に導入することを明らかにした。https://news.yahoo.co.jp/articles/9fe1da6ce9ccdacffc3ad3e6b5a323ad46841482

『宛名なし郵便』で受信料徴収も始まるのは良い施策のひとつだと思う。効果のほどは未知数だが、少なくとも外部委託業者に『家族構成』や『電話番号』が渡っているのは、その時点で『新たな詐欺行為』を幇助する行為といっても過言ではないだろう。得に受信料徴収という歓迎されない仕事であればあるほどだ。


 これまで、あまり深刻に考えてこなかった。しかしながら、これはひどい。電話番号・氏名・詳しい住所が明らさまだ。昔はさほど問題ではなかったが現代では通らない話だ。

今日咲いた花。

スイレン
これから。

 


東京五輪 NHK世論調査の衝撃~「諦め」と「誘導」で開催派が急伸!?~

2021年06月16日 | 社会・経済

東京オリンピックの開会式まで1か月余り。

G7首脳宣言に東京オリパラ支持が盛り込まれ、菅首相が「感染症対策を徹底して安全安心のオリンピックを行う」として、開催準備が着々と進められている。

いっぽう組織委員会の説明不足もあり、感染症の拡大を懸念する反対や延期の意見も根強い

6月7日の読売新聞朝刊は「五輪『開催』50%『中止』48%」という見出しが一面だった。

6月5~6日のJNN世論調査は、「中止」31%と「延期」24%で過半となった。そして観客数ごとの3択を合計した「開催」は44%と過半数に達しなかった。

果たして国民の本当の意見は、どこにあるのか?

NHK世論調査の3つの疑問

こうした中、6月11~13日に行われたNHK世論調査の結果は以下の通り。

「これまで同様に行う」3%

「観客数を制限して行う」32%

「無観客で行う」29%

「中止する」31%

「開催」が3択合わせて64%で「中止」の2倍を超えた

しかもNHKの世論調査では、ほぼ同じ時期に調査した他のメディアと比べて、「開催」支持が群を抜く高さとなった。摩訶不思議な現象と言わざるを得ない。

実はこの調査には3つの疑問がある。

まず東京オリンピック・パラリンピックについてのNHKの世論調査では、「延期」の選択肢が無い。今年1月の調査までは、「開催」「中止」「さらに延期」の3択で答えてもらっていた。しかし2月の調査では、回答の選択肢が変えられていた

「開催」を「これまでと同様に行う」「観客の数を制限して行う」「無観客で行う」の3つに分類した。そして「開催」以外では、「延期」を削除して「中止」だけにした。

「開催を支持する数が大きくなるような誘導」「これでは世論調査ではなく世論操作」などの批判が出たくらいだ。

2番目は、選択肢の前提となる質問文の問題だ。

やはり今年1月までは「東京オリンピック・パラリンピックの開催についてどう思いますか」と単純に聞いていた。しかし2月調査では、質問に「IOC=国際オリンピック委員会などは、開催を前提に準備を進めています」との言葉を入れた。

「開催が前提」との意図をにじませた異例の世論調査に見える。やはり誘導尋問の匂いがする。

3番目は、5月調査以降行われた変更

「開催の是非」ではなく、「開催を前提に適正な観客数」を問うことが目的のような調査に変更されたように見える。

正確には「東京オリンピック・パラリンピックの観客の数について、IOC=国際オリンピック委員会などは、来月判断することになりました。あなたは、どのような形で開催すべきだと思いますか」と5月調査で書き換えられ、そして6月調査では、「来月判断」が「今月判断」に置き換わった。

NHKの発信には、紛らわしさ・いかがわしさも付きまとう。

今回の世論調査での文言は、「あなたは、どのような形で開催すべきだと思いますか」となっていた。ところがWEBでは、「東京五輪・パラ 観客をどうすべきか」のタイトルがついている。いっぽうテレビは、『ニュース7』『ニュースウオッチ9』の映像に、「東京五輪・パラ」とだけつけ、もっと幅広な設問のイメージにしてある。

「観客数をどうするか」と聞いておきながら、「開催」支持が多い印象を作っているように見える。これは曖昧な聞き方をして都合の良い結論を引き出す、「曖昧戦術」を使った「魔法」と言わざるを得ない。

世論調査結果の矛盾

NHK世論調査は以上のように、選択肢から「延期」を外し、開催の選択肢を増やした。

次に質問文を開催前提に書き換え、さらに直近2回では五輪の観客数についての調査のような質問を行い、テレビでは五輪開催についての調査結果ととれるような放送をしている。

やはり五輪開催の是非と、開催の場合の観客数を一緒に聞くことに無理がある。

まず開催の是非を問い、「開催」と答えた人に観客数を再質問するのが自然だろう。

しかも質問に「誘導」ととれる表現を盛り込ませるのはイエローカードというより、もはやレッドカードだ。

この結果、調査の回答者の中には、誘導による混乱で「開催派」になった人もいるのではないか。いうなれば「誘導開催派」だ。

いっぽうで感染症拡大への不安、菅首相や組織委員会の実感を得られない説明への納得感のなさ、それにIOC首脳発言への反発などが少なからずあるにもかかわらず、開催準備がどんどん既成事実として進んだ結果、「諦め開催派」というべき人々が生まれているのではないか。

このことを裏付けるのが、今回のNHK世論調査のもう1つ興味深い設問だ。

東京オリパラの開催意義や感染症対策についての政府や組織委員会の説明に対して、どの程度納得しているかを聞いている。

 

 

ここでは「大いに納得」「ある程度納得」は合わせても25%にしかならない。

「あまり納得していない」「まったく納得していない」合計で68%だ。ひとつ前の質問での「開催派」は64%だった。この64%から「納得」の25%を引いた39%は、明らかに「納得していない」のに「開催」と答えた人たちだ。

「諦め開催派」と言えよう。

NHKは公共放送の筋を通せるか?

実はNHKの調査研究は、国内放送・国際放送と並ぶ公共放送の柱の1つと放送法は規定している。

しかも放送法第81条には、「協会は、公衆の要望を知るため、定期的に、科学的な世論調査を行い、かつ、その結果を公表しなければならない」と定めている。

筆者の知る限りNHKの世論調査は、科学性と合理性において国内で高い信頼性を保持してきた。

ところが今回の一連の五輪関連は、「科学性と合理性」の点で正々堂々と胸を張れるだろうか。「誘導と印象操作」の意図の下、世論調査のタブーを犯していないだろうか。

その前提に、NHK経営陣の政治権力への忖度が存在しないだろうか。

東京オリパラは感染症対策と並ぶ政治課題であり、菅政権の命運を左右するともいわれている。

その東京オリパラについて、NHKは番組やニュースで政権への忖度が働いているのではと疑われる出来事が幾つかあった。

五輪聖火リレー中継での音声中断問題や、NHKスペシャルの延期問題などだ。

これらに加えて、守るべき最低ラインを逸脱した世論調査を続けるなら、もはやNHKは菅政権への忖度を疑われるにとどまらず、「忖度でなく、もはや一体」との見られてもやむを得ない。

会長をはじめとするNHKの経営は、公共放送の筋を通す矜持を示せるのか。

その能力もなければ、そもそも意図もないとしたら、黙々と受信料を払い続ける視聴者は救われない。

愛知県西尾市出身。1982年、東京大学文学部卒業後にNHK入局。番組制作現場にてドキュメンタリーの制作に従事した後、放送文化研究所、解説委員室、編成、Nスペ事務局を経て2014年より現職。デジタル化が進む中で、メディアがどう変貌するかを取材・分析。特に既存メディアと新興メディアがどう連携していくのかに関心を持つ。直近の制作番組では、テレビ60周年特集「1000人が考えるテレビ ミライ」、放送記念日特集「テレビ 60年目の問いかけ」(共に2013年)。著作には「放送十五講」(2011年、共著)、「メディアの将来を探る」(2014年、共著)。津田塾大学では計算機科学研究所にて客員研究員を拝命中


ようやく25度を超え、26℃に。
きのうからカモの姿がないので、ボートを繰り出した。

後ろを振り返って船着き場(左の方)。

アオウキクサの下にマツモが見えます。

ジュンサイも出ていますが少ない。

アオウキクサはカモが食べてくれるがマツモは食べないようだ。

鉤手で引っ張り上げたマツモ。全然手におえない感じ。こればかりやってるわけにもいかないし・・・

今日咲いた花。

メドウアネモネ

ハワサビを江部乙の圃場に移植。

アカゲラの雛も巣立ったようです。静かになりました。