「しんぶん赤旗」2023年8月12日
終了の笛が響き、今大会の日本の挑戦は終わった。選手は芝生を背に空を見上げたり、しゃがみこみ悔しがった。
スウェーデンは立ち上がりから日本の中盤を徹底マーク。体を寄せ、自由にさせなかった。PKなどで2点を奪った。
ただ日本もあきらめなかった。後半20分ごろからパスがつながり押し込み始める。すると4万人超が集まったスタジアムは「日本コール」が湧き上がった。その熱気は42分にMF林がゴールを決めると最高潮に。GK山下は「後半の日本コールは、今までのサッカー人生で聞いたことのないものだった」と振り返った。
試合後、池田監督は選手たちに「持っているものは出した。胸を張っていこう」と声をかけたという。その言葉通り、日本のサッカーは世界を驚かせた。5試合で15得点。相手に応じて柔軟にたたかい、ゴールを決めたのは8人。誰が出ても活躍した。何より選手は楽しそうで、サッカーの魅力を十分に伝えた。
それは、この日の観客の反応が物語っている。日本人サポーターだけでなく、ニュージーランドの人たちが大きな声援を送り続けた。
試合後、ピッチで選手は輪をつくった。熊谷主将はこう言ったという。
「これを見てサッカーをめざそうと思ってくれる人が必ずいる。やり続けよう」
選手は一列に並び、観客に礼をした。スタジアムは、大きな温かい拍手に包まれた。選手たちに「ありがとう」と言いたい。(前野哲朗)
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惜しい試合であった。スエーデンは徹底的になでしこを研究し、その術にはまってしまった感じが否めない。さらに体格の差は歴然としてボールを持つと体を寄せて弾いてしまう。しかし、そんな中でも快進撃を続けてこれたのだ。それに後半20分からの猛攻は素晴らしかった。スエーデンの2得点よりなでしこの1点の方が素晴らしかった。
1点を返してからの猛反撃にスウェーデン選手たちの顔は引きつっていた。もう少し時間があれば、いやもう少し早く反撃に出ていれば勝てた試合だったと思った。「フィジカルの差」を埋めるのはスピードと技だろう。要は戦術上、スエーデン監督が一枚上だったということだ。でも池田太監督の若手選手の育成は素晴らしい。
いろいろな面で、なでしこjが話題に上がった。
ユニフォームもその中の一つ。
なでしこジャパン、女子W杯で大暴れ!初披露のピンクユニも「芸術品」と海外絶賛
5日に行われたノルウェー戦ではピンク色のアウェイユニフォームを今大会で初めて着用。BBCも「この日本のユニフォームは芸術品」と誉めちぎっていた。
この鮮やかなユニフォームは、“再び世界一へ”という決意を新たにする象徴としてSUNRISE(サンライズ)をコンセプトに、幻想的な朝の空模様をグラデーションで表現したもの。
これまでになかった色合いだが、海外での評価は高いようだ。
これからもWEリーグはじめ、国内外の選手に注目と声援を送りたい。
今日は日航ジャンボ機123便墜落事件の日。
事件の解明を望みたい。