里の家ファーム

無農薬・無化学肥料・不耕起の甘いミニトマトがメインです。
園地を開放しております。
自然の中に身を置いてみませんか?

心の病と環境物質1

2012年01月31日 | 健康・病気

 たねの話」を調べているときに気になった事柄です。また何回かに分けてUPしてみます。資料は、東京神経科学総合研究所、黒田洋一郎氏の講演からいただきました。

 近年、樹脂関連化学物質や、プラスチック可塑剤、農薬など、環境中に存在する化学物質が生体に及ぼす影響が注目されています。このうち、動物の生殖機能に関する内分泌をかく乱するものが多数見いだされており、これらは、内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)と呼ばれています。これまでは、環境化学物質が動物の生殖器に及ぼす影響を中心に研究が進められてきまた。しかし、最近になり、環境中に存在する化学物質が心の病気を引き起こす可能性についても懸念され始めており、環境化学物質の中からこれらの危険因子を容易に特定する方法が求められていました。

いま、子どもたちの軽度発達障害が多くて問題となっています。
 軽度発達障害とは、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、高機能自閉症(アスペルガー症候群)を指します。文科省の2002年のアンケート調査では、全学童の6.3%(17人に1人)が軽度発達障害ではないかという結果が出ています。 これはひじょうに多い割合で、その上増えてきています。脳の発達障害は、いわゆる「キレる」「引きこもる」子どもの増加などとの関連も示唆されています。これらの障害はともに、子どもの発達に必要な遺伝子の働きが阻害され、その主要原因として、各種の化学物質があげられています。原因は、脳の発達の途中で、ある神経回路がうまくつながらず、結果、特定の行動がうまくできないのだと考えられています。

脳の発達障害なのに、本人にやる気がない、しつけが悪いなどと言われることが多かったのです。


"そこにいる”ということ

2012年01月30日 | 日記・エッセイ・コラム

「”強い”先生だけが、残っていってしまうね。そういう先生も必要なんだけど、あなたみたいな”やわらかい先生”が通用しなくなってしまう学校は、子どもにとってかわいそう」初任のころ、民間の教員サークルでかけてもらった言葉だ。「自分は威圧感がなくて、子どもになめられているかもしれません。周りの先生も,もっと怖くならなきゃだめよっていうし・・・」という一言に対して、そういってくれた。・・・自然と涙も出てきた。私にとって、自分を語るということはとても大事なことだ。その場がなかったら、つらかった1年目は乗り越えていけなかったと思う。自分を否定されると何も言えなくなってしまうが、大切に思ってくれる仲間とつながっていることはとても意味のあることだ。一人の援助者として、自分自身も人間らしい生き方をしていないと、子どもと温かく向き合っていけない。」 都立小教諭 桜井夏美


たくさんのアクセス、ありがとう!

2012年01月29日 | なんだかんだ。

 昨日はたくさんのアクセスをいただきました。ありがとうございます。とても励みになりました。

 私は「農」を通して社会の不条理を告発し、人の生き方を模索していきたいと思います。「たねの話」もそうでした。トマト、なす、ブドウなどに使われるホルモン剤も同じなのです。むしろ除草剤よりも危険だとの声もあります。でもまだ解明されておりません。「ひきこもり」もさまざまな角度から見ていかなければならない問題です。社会、家庭、学校、そして食べ物、生活環境化学物質です。牛乳ー健康に良いといわれます。妊娠している牛から出る乳には女性ホルモンがたくさん入っています。分娩が終わってから出る乳と成分が違うそうです。食品添加物、防腐剤、保存料、温泉に入れられている塩素、電機器具、送電線から出される電磁波。みな、まだ解明されていない危険性を秘めたものです。どこに使われているのかもわからない環境ホルモン。障がい者も増えています。後天的障がい者も増えています。こんなことを気にしていたら生きてはいけない時代になってしまいました。仙人になっても無駄でしょう。経済優先の社会なのですから。でも、何かしなければなりません。私の出来ることをやること。


たねの話9

2012年01月28日 | 野菜・花・植物

 外食産業の要求は、「味付けは我々がやるから、味の無い野菜を作ってくれ。また、ゴミが出ず、菌体量の少ない野菜を供給してくれ」と言うものだそうです。こうして、世の中に流通する野菜は、どんどん味気無くなり、機械調理に適した外観ばかりの食材に変化しているわけです。こんな状況の中で、数少ない本物指向の消費者、昔の美味しかった野菜の味が忘れられない高齢者の方々に支持され、消滅した地方市場に代わって台頭した「道の駅」などの直売場で人気を高めつつあるのが、地方の伝統野菜というわけです。

京野菜を筆頭に、加賀野菜、浪花野菜、愛知野菜、福井野菜など、昔の伝統野菜を掘り起こし、地域ブランドとして育てようという動きが、全国に広がっています。

味を知らずまして昔の調理法も知らない消費者に、くせが無く特異な形が喜ばれていると聞けば、さもありなんと認めざるを得ません。

以上で野口氏の「たねの話」の概略を終わります。

昔の伝統野菜が見直されつつある時代ですが、ここ北海道は、というとあまりにも規模が大きいので、そのような対応は困難なようです。それでもアメリカ、カナダ、オーストラリアなどとは比べ物にはなりません。ここに私たち小さな農家の役割があるのではないでしょうか。

F1は、化学肥料とセットでないと、うまく育ちません。だから連作障害も出ます。私が使っている種もほとんどがF1です。しかし10年以上の連作をしています。連作をしていると、普通悪い菌がはびこると考えますが、化学肥料に頼らず、微生物を増やす方法は、その作物に必要な微生物が増えるからとも考えられますね。


たねの話8

2012年01月27日 | 野菜・花・植物

 

ミトコンドリアというのは、動植物の細胞内に共生している、元来は別の生物で、動植物にとって大切なエネルギー源であり、酸素の供給源です。動植物の先祖である真核細胞は、ミトコンドリアを共生させることによって運動能力を持ったり、新たな進化の道筋を辿ることができましたが、反面、酸素と同様に発生する活性酸素は、細胞や遺伝子を傷つけ、個体が老化したり、ガン細胞に変異したり、遺伝病を子孫に伝える主要原因になりました。

元来別の生物であるミトコンドリアは、細胞の核の中にある遺伝子とは別の遺伝子を独自に持っています。核の中の遺伝子は核膜で守られているため傷つきにくいのですが、ミトコンドリア内の遺伝子は、自分が発生する活性酸素によって傷つきやすいようです。また、動物の精子や植物の花粉は、子宮や胚の中に侵入する時に大変な運動量を必要とするため、卵子と結合した時はミトコンドリアを失ってしまいます。こうして傷つきやすいミトコンドリア内の遺伝子は、母親だけを通じて遺伝されます。(もしかして、男性のミトコンドリア遺伝子は、あまりに傷つき壊れやすいため、卵子や胚によって拒絶されているのかもしれません) 

以上の解釈は、学会の定説とはとても言いがたい、素人なりの理解による私説です。そして、これまでのF1作りが、父親と母親の"良い"形質を利用し、雑種強勢でその相乗効果を期待したものであったのに対し、母親株に必要とされる要素は、雄性不稔因子だけになりました。簡単に言いきってしまえば、雄性不稔を利用したF1作りとは、(あえて差別用語を使えば)「片輪を使ってF1を効率的に生産するため」の採種技術なのです。

雄性不稔株を使えば、これまでのような面倒な除雄作業は要りません。自家不和合性を維持するために、人手を雇って蕾受粉をくり返す必要もありません。(もっとも、最近はいちいち蕾受粉などせずに、CO(一酸化炭素)をハウスに充填すると、花が中毒症状を起こして、苦し紛れに子孫を残そうと受精するのを利用しているんだそうですが、この場合は設備などに大変お金がかかります)

 

アメリカでトウモロコシから始まった細胞質(ミトコンドリア)雄性不稔利用のF1作りは、その後、F1(ハイブリッド/一代雑種)野菜ブームとなった日本で、次から次へと様々な野菜の育種に利用されるようになりました。雄性不稔技術を使い、タマネギやニンジンで、日本初のF1野菜が生まれたのは、すでに40年以上前のことです。そして、その流れは止まることなく、それまで別の技術でF1を作ってきた、ダイコン、キャベツなどのアブラナ科や、ピーマン、トマトなどのナス科野菜にまで、雄性不稔利用が実用化されるようになりました。今や、日本の大手種苗メーカーにとって、市場を支配するほど大量に売れる野菜のタネを生産する方法論として、何ものにも代えがたい利用価値のあるF1生産技術となっているのです。


たねの話7

2012年01月26日 | 野菜・花・植物

雄性不稔や男性原因の不妊がなぜ起るのかというと、植物でも動物でも、細胞内のミトコンドリアという器官にある遺伝子が、傷つき、変異するのが原因のようです。(このため細胞の核の中にある通常の遺伝子による不妊症と区別して、わざわざ「細胞""雄性不稔」と言います)最近の新聞報道で、「男性不妊の原因がミトコンドリアの変異によるものと解明された」と筑波大学が発表しましたが、当然、植物の雄性不稔の原因も、ミトコンドリア内の遺伝子の変異が原因でしょう。

  複数の親をかけ合わせて作るF1作りには、花の構造の違いにより、複数の手法がありますが、根本はひとつ。どうしたら同系統の品種の花粉では受粉せず、異なる系統の花粉によって受粉させることができるかという技術です。つまり、同系統の雄しべを雌しべから取り除く「除雄」という操作か、さもなくば、雄しべの花粉の力を無力にする、自家不和合性や雄性不稔といった、生命が本来持っている生殖能力を失わせる技術です。

 開花前の蕾を開き、雄しべを取り除く人工交配技術は、最も原始的な方法で、戦前(1924)の日本で、ナスによって初めて成功したのが、世界初のF1野菜でした。日本では続けて西瓜、胡瓜、トマトなどで人工交配技術を確立し、同じ頃アメリカでは、トウモロコシの雄花を開花前に刈り取り、近くに必要な雄花の品種を植えておくという、風媒花の特性を生かした人工交配が行われていました。

 やがて日本ではアブラナ科野菜が持つ自家不和合性という性質を利用した交配技術が確立し、アメリカでは、細胞質雄性不稔というミトコンドリア内の遺伝子の欠陥を利用した交配技術が生まれました。

 雄性不稔という生殖能力に欠陥がある個体を使ったF1作りは、その後人参、玉葱などに拡大し、今では日本のお家芸だった自家不和合性利用に代わって、アブラナ科の大根などにまで拡大し、F1野菜採種技術の基本となりつつあります。経済効率が最も高いというのがその理由ですが、反面、無精子症などに相当する親や、その性質を維持するのに必要な系統を見つけるのに偶然に頼るほか無いのを嫌い、最近は遺伝子組み換えで他の植物の雄性不稔因子を組み込もうとする動きもあります。


たねの話6

2012年01月25日 | 野菜・花・植物

 1が病気に強いといっても、親に選ばれた固定種が持っていた耐病性以上に強くなるわけでなく、元の固定種は、自家採種が繰り返されたことにより、地域で変異を重ねた病害菌にも抵抗性を獲得していたのです。つまり固定種は、気候風土に合わせ、どんな病気にも対応できる可能性を秘めています。地域外から固定種のタネを取り寄せ、栽培開始した初年度はあまりうまく育たないものが多くても、栽培した中でいちばん良くできた野菜から自家採種して、そのタネを翌年まくと、どんどんその土地に適応して、無農薬でも、時には無肥料でも、病気にかからず大きく育つ野菜に変化していきます。固定種のタネは、選抜と自家採種によって、土地に合ったタネを産み、土地がそれをまた新たに育んでくれるのです。

 

雄性不稔

「細胞質雄性不稔とは何か?」と言うと、雄性不稔とは男性に原因がある不妊のこと。人間の場合、生殖機能が不完全な男性は、1万人に1人ぐらいの割でいるそうですが、植物でも稀に見つかります。

 雌しべは普通に機能するけれど、雄しべに健全な花粉ができないので、自分の花粉では受精できない不妊症の個体を、雄性不稔株と言うのです。健全な雄しべを持つ父親役の品種を近くに植えておけばその花粉でのみ受粉し、労せずして一代雑種の種が採種できる。と、いうわけです。ただ、この雄性不稔の母親株は、自分の子孫を殖やす力がありませんから、そのままでは一回限りで母親としての役割を終えてしまいます。毎年雄性不稔株を探していたら、維持しなければならない個体数も、見つけだす労力も膨大なものになりますし、なにより年々違う母親株になっては形質も安定しません。(つづく)

Photo2006.10.3『読売』


種の話5

2012年01月24日 | 野菜・花・植物

●固定種は自家採種で強くなる

 種苗会社の生存競争は、野菜産地のシェア争いです。産地を多く獲得した品種が売上を伸ばし、経営を安定させます。家庭菜園相手の売上など微々たるものにすぎません。ですから、産地の要求に合わせたF1品種の改良が日夜欠かせません。産地では、周年同じ野菜ばかり作っていますから、連作障害を防ぐため、まず畑やハウスの土を土壌消毒して更新します。毎年、土壌消毒剤の毒ガスで細菌や線虫、雑草のタネや虫の卵など、有用微生物も含めて生き物を皆殺しにする作業から始まります。ガス抜きしたら化学肥料を混和して、種子消毒されたF1のタネをまきます。芽が出たら予防のための農薬を定期的に噴霧し、それでも虫や病気が出たら、それぞれの特効薬で防除します。これが産地の慣行農法です。ただ病害を防ぐため常に農薬散布をしていると、病原菌がどんどん耐性を獲得して強くなったり、外国から新しい病害が侵入してくることもあります。こうなると既存の薬剤は効きません。また最近の低農薬化の風潮で、F1のタネそのものに新しい病気への耐病性を持たせる試みも始まっています。遺伝子組み換えなどの技術で細菌やウイルスが増殖できないようにしようという方向です。最近のF1新品種開発の目的は、産地で常に発生する新病害への抵抗性品種の育成であると言っても過言ではありません。その結果、「家庭菜園用」とわざわざ表示してあるF1のタネというのは、すでに産地で使われなくなったF1品種だったりします。

 ところで、「F1は病気に強い」と言われますが、本当にそうでしょうか。

 F1の両親のそれぞれは、実は単純な遺伝子しか持っていません。多様性を持った多くのタネの中から、たった一個体ずつが増殖されたクローン間の雑種と思っていいでしょう。遠縁の、遺伝子が単純化されたクローン同士だから、雑種強勢が働いたり、生まれた雑種の子が均一に生育するのです。ある病気が産地に蔓延すると、その病気に耐病性もつ因子を片親に取り込み、雑種になった子どもにも発現するようにしたのが、耐病性F1種子で、耐病性を持っていない病気にあうと固定種より、もろいものです。固定種は、日本に伝来する以前に、世界中を旅してきていますから、世界中のさまざまな病気の洗礼を受けており、その過程で、さまざまな病気に対する免疫を獲得した個体が含まれていることが多いのです。(つづく)


たねの話4

2012年01月23日 | 野菜・花・植物

 5日間ほど雪かきから解放されました。それでも2回目の車庫の雪下ろし、ハウスパイプの管理、家の窓をふさぐ雪の山の除去など、やっぱり雪とは切り離せません。

 さて、前回はたねの種類による量と質の面から考えました。今回は収穫の時期について考えてみます。

●一斉収穫か長期収穫か

 雑種の一代目は、メンデルの遺伝の法則で、両親の対立遺伝子の中の優性形質だけが現れて、劣性形質は隠れてしまいます。そのため、できた野菜は、ほとんど同じような形状に揃って、個体差がありません。工業製品のように均一に揃った野菜は、箱詰めして出荷する際、規格外として捨てられてしまう生産ロスを少なくします。形や大きさや重さを規格通り揃えて箱詰めされた野菜は、買付けて販売する流通業者にとっても、いちいち計量する手間が省けて便利です。そのため、大手市場に出荷するために共選する野菜産地やJAが農家に指定するタネは、F1に席巻されてしまいました。LMSなどの規格優先で、市場に届いた野菜が、表示された規格通りちゃんと揃っていることが、産地の評価に直結する時代になったのです。またF1は、一週間ずつ時期をずらしてまけば、一週間おきにまいたタネがすべて一斉に出荷できます。農業の省力化にとってなによりの福音でした。「雑種強勢」で生育速度が早まった上、個体差なく成長するようになった野菜は、畑を早く空にして次のタネをまくという土地の効率利用も可能にしました。限られた土地を年に何回転できるか計算できるということは、経営計画が立てられるということですから、F1が日本農業を近代化したと言ってもいいでしょう。
 逆に、家庭菜園にとっては、まいたタネがすべて同時に収穫期を迎えるということは、大変困ったことです。その点固定種は、同じ両親から生まれた兄弟でも、背高のっぽやおちびさんや太っちょがいるように、個体差がありますから、生育速度に幅があります。早く大きく育った野菜から収穫していくと、おくての子が空いた隙間で成長するので、畑に長く置けて、野菜本来の味を長期間楽しめます。
 スーパーに並んでいる「小松菜」という名の野菜で、昔ながらの本当の「小松菜」は一つもありません。「小松菜」と「チンゲンサイ」・「タアサイ」・「ちぢみ菜」との雑種です。どれももちん「小松菜」の味ではありません。葉も茎も柔らかくて繊細な昔の「小松菜」の味は、江戸時代から続く固定種の「小松菜」でしか味わうことができないのです。


たねの話3

2012年01月22日 | 野菜・花・植物

 ●F1種の量と固定種の質

 現在、販売されている野菜のタネは、ほとんどがF1=first filial generation=一代
雑種です。文字通り一代限りの雑種(ハイブリッド=hybrid)です。遺伝的に遠縁の系統をかけあわせて作られた雑種は、もとの両親より生育が早くなったり、大柄になったり、収量が多くなったりすることがあります。この現象を「雑種強勢(ヘテロシス=heterosis)」と言います。「雑種強勢」が働くよう、雑種にされて販売されているのがF1種です。普通1固体には両性が付いていますが、F1を生み出すには、雄が必要ではなくなるのです。他の品種の花粉を使うため、ないほうが便利なのです。こうして、突然変異によって生まれた『雄性不稔』株がF1種の基礎になってしまいます。このことについてはまた後日書くことにします。

 F1種の登場により、日本の野菜生産量は画期的に増加。(F1を作ったのは日本人)
 固定種時代の「日本法蓮草」は、九月彼岸頃にトゲのある三角形のタネを水に浸けてまいてからおよそ三ヶ月かかって育ち、お正月頃に食べる冬野菜でした。根が赤くて甘
く、生食できるほどアクがなくておいしいのですが、葉は薄く切れ葉でボリュームがなく、寒くなると地面に張り付くように広がって、収穫に手間のかかる野菜でした。それに比べると東洋種と西洋種の雑種であるF1ホウレンソウは、春や夏も周年まけて、わずか一ヶ月で出荷できる大きさに育ち、丸い葉は厚くて大きく、立性で収穫しやすい上、丸粒に改良されたタネは機械でまくことができるなど、農業の効率化に貢献しました。このようなF1ホウレンソウの登場により、私たちは一年中ホウレンソウを食べられるようになったのです。
 成育期間が短くなった結果、細胞の密度が粗くなり、大味になって、まずくなったのも事実です。おまけに、葉緑体による光合成の期間も短いので、葉に含まれるビタミンCなどの栄養価も、固定種の1/5から1/10に減ってしまいました。
 周年栽培や収量の増加、そして省力化は、営利栽培にとって、何より大切な要素です。しかし、味の低下や栄養素の減少は、家庭菜園にとっては大きなマイナスです。夏の家庭菜園向きの他作物葉物を選ぶべきでしょう。


たねの話2

2012年01月21日 | 野菜・花・植物

 今朝も冷えました。朝はどんよりとしたお天気でしたが昼近くになって晴れてきました。

固定種とF1種の特徴

 【固定種の種】
  ・何世代にもわたり、絶えず選抜・淘汰され、遺伝的に安定したい品種。
   ある地域の気候・風土に適応した伝統野菜、地方野菜(在来種)を固定化
   したもの。
  ・生育時期や形、大きさがそろわないこともある。
  ・地域の食材として根付き、個性的で豊かな風味を持つ。
  ・自家採種できる。

 【F1種の種】
  ・異なる性質の種を掛け合わせてつくった雑種の一代目。
  ・F2になると、多くの株にF1と異なる性質が現れる。
  ・生育が旺盛で特定の病気に耐病性をつけやすく、大きさや風味も均一。
   大量生産、大量輸送、周年供給などを可能にしている。
  ・自家採取では、同じ性質を持った種が採れない

   (種の生産や価格を種苗メーカーにゆだねることになる。)


たねの話。

2012年01月20日 | 野菜・花・植物

 昨日,今日ととてもいい天気になりました。昨夜は満天の星でした。今朝は雲ひとつない快晴です。気温も下がりました。今期一番のー21度でした。

 春が待ちどうしくなります。そろそろ種の準備もしなければなりません。

ところで、現在市販されてる種のほとんどはF1種というものです。

 野菜のビタミン・ミネラルは30年前と比べると驚くほど減っています。大量生産のために改良されたF1の種と、農薬・化学肥料づけにならざるを得ない農法の結果です。一代限りの、しかも農薬や化学肥料で微生物の連鎖まで破壊する、いわば「孤立した命」なのです。

一方「固定種」は、地元の風土と気候に合わせ自然に逆らわず少しづつ改良された後、おおかた同じ野菜が取れるよう、種を固定させたものです。実った野菜から種を採取して植えても来年、再来年と実をつけます。まさに「つながった命」なのです。昨年「いちりん」で販売したチマサンチュは「里の家ファーム」で自家採種した固定種です。

 これから数回にわたってたねの話をします。題材は野口種苗、野口勲氏の講演、著書から拝借しました。


久々の雪かきからの解放。

2012年01月18日 | 社会・経済

 日もどんどん長くなってきましたね。春が待ちどうしいです。でもまだ2月を乗り越えなければ・・・。1月もまだ残ってました。

 「君が代」訴訟、最高裁判決が出ました。戒告処分までは許されるが、減給や停職処分は安易にすべきではないという判断でした。そもそも学校長の職務命令自体が憲法に保障された思想・信条の自由、表現の自由に反するものです。教育基本法には「真理を求め、個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自立の精神を養う」という教育目標があります。社会の未来を担う子どもに関わる教員に「自立的精神の持ち主たれ」と。「戦場に教え子を」送った誤った歴史を再び繰り返さないために。「国旗」・「国歌」成立国会において、強制はしないと政府は約束したのだから。(一部、道新『卓上四季』より)


青年に安定した仕事を!

2012年01月16日 | 社会・経済

 次期主力戦闘機F35を今後42機も購入する予定です。1機99億円、維持費を考えると1兆円です。航続距離が長く、高い爆撃能力を持つそうです。3.11で各国からの支援、連帯、励ましを受けました。こんなときに他国を攻撃する武器を準備する野田政権の無神経ぶりがとてもいやです。復興のための財源に廻すべきです。

 暮らしを良くしたい。そのためには「労働派遣法」をやめ、働くものを守る法律が必要です。国民が物を買える労賃をよこせ。仕事をよこせ。消費税増税なんてもってのほかです。1%への減税、もってのほかです。若者の半数は非正規労働者です。安い時間給、健康保険も年金も掛けられません。自分で払うゆとりもありません。彼らが60歳を過ぎるころ、無年金者が続出。そんなことは絶対に許せません。

 私の今年の漢字は、-抗ー