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原発性胆汁性胆管炎(PBC)の方のかゆみにいい薬かも

2017年02月23日 | 学会研究会報告新聞記事など
原発性胆汁性胆管炎(PBC)の方のかゆみにいい薬かも
 
PBC(原発性胆汁性胆管炎 以前は原発性胆汁性肝硬変という病名だったのが2016年4月13日日本でも変わりました)
PBCは最初肝硬変がおしりにつくので患者さんもびっくりしたり落ち込んだりしていたので、現状では胆管炎のレベルで肝硬変になっていない方がほとんどだったから、この病名変更は歓迎です。

さて、今回は、PBCの方のかゆみに対するいい薬がでてきそうって話です。これは肝臓に伴うかゆみにも応用が可能と思われ期待される物です。
副作用に軽度の下痢が多かったみたいで長期投与は難しいかもってことで、そこの部分が解決するかどうかが鍵のようです。
肝硬変の方は便日になる方も多いので逆にいいって場合もありそう。

以下ケアネットさんの抜粋も引用しています。
18才から75才の患者さん新薬(ヒトIBATの選択的阻害薬GSK2330672)を使う方11人とプラセボ(薬効のない偽の薬)を使う11人
での比較、2週間のんだ時点で薬を交換して必ず両群で新薬を飲む期間をつくるというやり方。
 主要評価項目は、臨床検査値に基づく安全性および消化器症状評価尺度(Gastrointestinal Symptom Rating Scale:GSRS)による耐用性としています。副次評価項目には、そう痒スコア、原発性胆汁性胆管炎-40(PBC-40)のかゆみスコア、5-Dかゆみスケールのほか、血清総胆汁酸、胆汁酸合成のマーカーである7α-ヒドロキシ-4-コレステン-3-オン(C4)などが含まれたものでした。

結果は、 被験薬の皮膚そう痒に関する評価項目のベースラインからの変化率は、そう痒スコアが-57%(95%信頼区間[CI]:-73~-42、p<0.0001)、PBC-40かゆみスコアが-30%(-42~-20、p<0.0001)、5-Dかゆみスケールは-35%(-45~-25、p<0.0001)であった。これらは、いずれもプラセボに比べ有意に良好であった(そう痒スコア:-23%[p=0.0374]、PBC-40かゆみスコア:-14%[p=0.0335]、5-Dかゆみスケール:-20%[p=0.0045])。

つまり、新薬を飲んでいる期間、かゆみが改善しているってことでした。肝臓のかゆみってなかなかとれないと悩ましい場合が多く、この薬がいい薬になってくれたら嬉しいですね。

文責Kawanishi

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2 コメント

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Unknown (ひでほ)
2017-02-23 16:46:55
PBCでチャイルドCで異種血液の生体肝移植した友人と連絡とれなくなってしまい心配。KーOかTO大でTだと血液型違いははじめてだそうです。PBCの根本的治療の確立を願います。
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ほんとうに (Kawanishi)
2017-02-23 18:25:53
ひでほさん こんにちは
少しでもよくなる治療、根本的にもよくなる治療どんどん開発進むといいですね。
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