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LDLコレステロールは悪玉か? 崎谷先生からのメールより

2015年11月19日 | 食事療法 ダイエット
 
 この本の中での改訂部分アップデートが上のスライドの青字の部分です。
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■パレオ協会ニュースレター/「LDLコレステロールは悪玉か?」
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みなさん、こんにちは。崎谷です。
ニュースレターではみなさんのためになるご質問に対する回答をシェアしております。
今回もご質問の中から私がみなさまに伝えておきたい回答をシェアしたいと思います。

(質問)
「長年、人間ドックでLDLコレステロールが高く、中々数値が下がりません。脳梗塞等の原因となるから、食事に注意必要と医者から言われ、卵、魚卵を控えるように指導を受けております。
そもそもLDLコレステロールは、悪者でしょうか、そうならば、数値を下げるには、どうしたらよろしいのでしょうか、アドバイスをいただきたく思います。」

(回答)
まず原始人食のアップデート版でも卵は大推奨しております。理由の最大のものはビタミンAの重要な供給源だからです。
ストレスがかかったときに私たちの体はストレス反応を起こします。
アドレナリン、コリチゾール、アルドステロンなどの副腎ホルモンが急場をしのぐために全身を駆け巡ります。
しかし、これが長期間続くと、今度は負の側面が前面に出てまいります。
それを防ぐ意味でもコレステロールとくにLDLコレステロールは非常に重要な油になります。
副腎ホルモンなどの負の側面を帳消しにする作用をもつステロイドホルモンには、
プレグレノロン、プロゲステロン、DHEAがあります(これらを総称して「保護的ステロイド」といいます)。

いずれも、
LDLコレステロール、ビタミンA,甲状腺ホルモンを材料にしてできます。
したがって、LDLコレステロールを低下させることは、とても危険なことになります(ノーガード状態)。
善玉・悪玉コレステロールというものは、薬屋さんが考えたものです。
コレステロールに善悪があるはずもありません。
こうやって物事を単純化(二分法)するのは洗脳の常とう手段ですので、ご留意ください。

卵もビタミンAを供給することで、保護的ステロイドの合成を進めます。
LDLコレステロールを下げることが脳梗塞などの慢性病に直結します。
すでにコレステロール仮説(心臓血管障害と関係がある)は
今年のアメリカ心臓血管学会でも正式にその誤ちを認めています。
ただ、甲状腺機能が低下すると総コレステロール値が上昇する関係がありますので、
総コレステロール値が300以上の方は甲状腺機能に問題がある場合があります。

コレステロールについてはさらに脂質の真実セミナーの続編、ストレスセミナーで深く説明していく予定です。
こちらでも随時内容をシェアしていきたいと思います。