がばいばあちゃんの価値観。。。

　あたしのママである、がばいばあちゃん。
とても気前のいい人である。

　子供のころ、パパは食道楽であったので、いっぱい珍しいものやおいしいものを食べさせてくれた。
だからあたしは、酒の肴でもある珍味と呼ばれるものは、小さいころにもうすでにいろんな種類を食べていた。

　がばいばあちゃんは、着道楽で、子供のあたしにも既製服ではなくて、お仕立てでよく服を作ってくれた。
そこは、がばいばあちゃんの広い顔を使って、結構安く作ってもらっていたみたい。

　そんなこともあってか、がばいばあちゃんは、食べるものや着るものについては気にならないらしく、結構気前がいい。
結婚して別所帯になってしまっているあたしにも、いろいろ御馳走してくれるし、服も買ってくれる。

　ああっ、それなのにそれなのに…。
例えば、うちに遊びに来る時はいつも送り迎えがいる。
天王寺から、タクシーを使ってもそんなにかからないのに、決してそんなことはしない。

　うちの近くの友達の家に遊びに行く時も、必ずうちの誰かの車で送ってもらう。
帰りに、先方が、「タクシーを呼びます」というのを固く固辞して、わざわざあたしたちを呼びつける。

　がばいばあちゃんが思うに、車というのは、お金を払って乗るものではないらしい。
ああ確かに、うちはあたしが生まれた時にはもうすでに自動車があった。
車好きのパパの影響で、相当早い時分から自家用車があった。
だから、タクシーなんてお呼びじゃないんや。

　車はだれかが必ず運転していて、自分を乗っけてくれるものらしい。
それも、只で…。

　でもね、がばいばあちゃん、あたしたちはいつもそんなに暇やないねんで…。
と声を大きくしてあなたに…、言えるもんなら言いたいわ。