
2007年に世界水準で発動した「新しい排気ガス規制」は、それまでの機械式キャブが使えなくなる程の、
大きな「分岐点」になってしまった訳ですが、なぜ機械式キャブだと排気ガス規制に対応できなかったのか?
人によっては単純に「無理だったんだなぁ」と思ってるだけで、その真相は分かっていない人も多い気がします。
結果としてその後、オートバイが生き残るために電子制御でコントロールするタイプ、
いわゆる「インジェクション化」される訳ですが、機械式キャブとインジェクションがどう違うのか?
具体的には何が違うのか…?
もちろん、よく分かってる人もいますが、もしかしたら知らない人の為に一応お話をしておきたいと思います。(笑)
まず、キャブってのはエンジンに「空気とガソリンを送る装置」である事は承知だと思います。
ただ機械式だと一度セッティングした「一定の分量を送る」ことしか仕組み的に出来なくて、
スロットの開け閉めに対して、ざっくりとしたコントロール(配分)しか出来ないってのがあるんですよね。
要するに一度決めたセッティングで、同じ条件のまま永遠に作動するって事です。
(ただし、これでオートバイの走り自体に大きな影響を与えてる訳ではありません。)
その為、乗り方によって「不要な排気ガスが出てしまいがち」で、
それが故に厳しくなった排気ガス規制をクリアする事が、難しくなったと言う要因がある訳です。
それに対してインジェクションは、空気とガソリンの分量を電子制御により細かくコントロールする事が可能で、
状況に合わせて「排気ガスの量を軽減してくれる」んですよね。
これが機械式キャブとインジェクションの大きな違いです。
要するに固定された配分しか出来ない機械式キャブに対してインジェクションは状況に合わせて変化する事ができる訳です。
また話はそれますが、電子制御装置を搭載したインジェクションの欠点としては「コストがかかる」と言う事があります。
これが2008年以降で、多くの車種が「生産中止になった要因」となってるんですよね。
特に4気筒エンジンを搭載したモデルに関しては開発コストを考えて廃盤化されてるので、
中型排気量で唯一生き残ったホンダ「CB400SF」は、相当の出来事と捉えれ間違いないです。
また、その後中型・大型ミドルに関してパラレル2気筒を中心にオートバイの新型が登場する様になりますが、
そう言った背景には全てコストがかかると言う事からそうなってると言えます。
ただし、現在は2020年。
既に、あれから10年以上時が経ってますから、もちろんその間に技術は進化してますしオートバイ需要が増えてる事で、
多少コストに関しても「軽減できてる」状況になってきてます。
今回250ccクラスに4気筒エンジンを搭載したオートバイが登場しましたが、もちろんインジェクション仕様です。
ついに出た!と言う見られ方の中には、それまでの色々な「問題点が解決した」って事も大きい要因です。
話を戻しますが、オートバイのインジェクション化は「排気ガス規制と大きく関わってる」事は誰しも知っていますが、
具体的に、なぜ機械式キャブだとダメだったか?と言うと「そうゆう事」なんですよね!(笑)
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