美里普及センター管内(美里町、涌谷町等)では、たまねぎの需要拡大を受け、作付面積が、令和4年産の約4haから、令和7年産は約8.6haに増加しています。また、面積拡大に伴い、省力化が可能な「直播栽培」の取組も広がっています。
たまねぎの直播栽培は、育苗・移植にかかる労力やコストを削減できることから、普及センターでは、苗立ちの安定を目指し、品種の選定や播種時期について、生産者やJA関係者とともに検討を重ねてきました。
その結果、管内のたまねぎ生産面積に占める直播栽培の割合は約半分にまで拡大し、移植栽培と同程度の収量が得られるようになりました。
たまねぎ直播栽培は移植栽培よりも難しいとされますが、より省力的で生産性の高いたまねぎ生産に向けて、今後も生産者や関係者と連携し、直播栽培に取り組んでいきます。
<問合せ先> 美里農業改良普及センター 先進技術班 TEL 0229-32-3115、FAX 0229-32-2225
令和7年6月23日に山形県の製粉会社主催((株)小川製粉)で、登米地域で生産されている小麦「夏黄金」のほ場見学会が開催され、約50名が参加しました。参加者の多くは宮城県産夏黄金が原料の小麦粉を使用したパンやピザなどを提供される飲食店の方々で、流通業者やJA全農等の担当者も参加しました。
情報交換の場では、飲食店の方の国産や地元の食材を使用していきたいという気持ちや、生産者のより良いものを届けたいという想い、また普及センターからは生産者が栽培で苦労しているポイントや生育状況等を共有し、充実した時間となりました。飲食店の方々からは現地で初めて小麦の穂を見たという話が多く聞かれ、生産現場と実需者が交流できる貴重な機会となりました。
普及センターでは、今後も登米管内の麦類の収量と品質の向上を目指した取組について支援を行ってまいります。
<連絡先>
宮城県登米農業改良普及センター 先進技術班
〒987-0511 宮城県登米市迫町佐沼字西佐沼150-5
電話:0220-22-8603 FAX:0220-22-7522
仙南地域におけるブロッコリーは、県内一の産地(栽培面積:28ha)であり、夏まき秋冬穫りの作型が主体となっています。
今年度の作付に向け、6月以降、JAみやぎ仙南の各地区(川崎、丸森、蔵王)において栽培講習会が開催されました。普及センターは講師として出席し、育苗管理における高温対策、近年問題となっている黒すす病の発生生態や農薬の使用方法について重点的に説明を行いました。7月中旬以降、順次、播種が行われる予定となっています。
特に黒すす病については、農業・園芸総合研究所と連携した現地調査を通じて、効率的な防除方法の検討を行うこととしています。
普及センターでは、今後も仙南地域のブロッコリーの生産拡大に取り組んでいきます。
〈連絡先〉大河原農業改良普及センター 先進技術二班
TEL:0224-53-3253 FAX:0224-53-3138
仙台農業改良普及センター管内の6法人(農事組合法人アグリ今泉(富谷市)、株式会社大輪(大和町)、株式会社高橋グリーン(大和町)、農事組合法人若木の里(大和町)、みどりあーと山崎株式会社(大郷町)、有限会社ITO(大衡村))が、米などで環境負荷低減事業活動を実施する計画、いわゆる「みどり認定」を、JA新みやぎあさひな営農センターの指導、協力のもと、令和7年5月に認定されました。
令和7年6月25日に、JA新みやぎの佐藤専務や関係者などが集まり、認定証の交付式が行われました。
当普及センターでは、これまで6法人に対して、環境負荷低減事業活動の支援や水稲乾田直播栽培技術の指導を実施しています。
今後も、環境に配慮した農業生産活動を支援していきます。
〈連絡先〉
宮城県仙台農業改良普及センター 地域農業班
〒981-8505 仙台市青葉区堤通雨宮町4番17号
TEL:022-275-8320
FAX:022-275-0296
亘理町のJA仙台逢隈支店果樹部は、りんごを中心に果樹栽培を行っており、樹上で完熟させるりんごとして人気があります。
令和7年6月23日に、病害虫発生予察会が開催され、共同防除担当者7人が6か所のりんご園をまわって、病害虫の発生や生育状況の確認を行いました。
6月から8月にかけて病害虫が発生しやすいため、早期発見と的確な防除が大切です。また、病害虫の発生状況に応じた防除を行うことで、薬剤の使用量を減らすことができ、環境にやさしい果樹栽培にもつながります。
今回の調査では、ハダニ類やその他病害虫の発生は見つからず、りんごの生育も順調でした。秋にはおいしいりんごがたくさん収穫できそうです。
普及センターでは、気象や開花状況、果実の肥大、農薬危害防止について情報提供を行いました。今後も果樹部の活動の支援を行っていきます。
<連絡先>
宮城県亘理農業改良普及センター 先進技術班
TEL:0223-34-1141 FAX:0223-34-1143
令和7年6月20日、気仙沼農業改良普及センター主催で気仙沼・南三陸地域枝もの用クロマツ現地検討会を開催しました。
気仙沼市西中才のクロマツほ場を会場に、気仙沼管内クロマツ生産者や関係機関が集まりました。
西中才のクロマツは、揃いが良くきれいに整ったクロマツで、これまでのこまめな管理が伺えます。播種から3年目を迎え、12月に側枝(小松)の出荷が期待されますが、やや葉が少ないことから、出荷についてお盆明けに再度検討することとなりました。
南三陸町で枝もの用クロマツの生産に取り組んでいる株式会社南三陸Pine Proの後藤社長より、葉を多くするには秋に施肥すると良いとのアドバイスがありました。
県では、枝もの用クロマツ生産を拡大するため、各種の研修会等を企画していますので、興味のある方は参加してみませんか。
<連絡先>
宮城県気仙沼農業改良普及センター 先進技術班 TEL:0226-25-8069 FAX:0226-22-1606
石巻市と東松島市の青年農業者で構成する石巻地区4Hクラブ連絡協議会の視察研修が、6月24日~25日に開催されました。
今回の研修では、福島県会津若松市河東町地区で「食肉用馬」を飼育している「株式会社会津畜産」の「河東牧場」を見学しました。
会津畜産では、会津地域の河東地区と喜多方地区の2か所に直営牧場を所有しており、常時250~300頭の馬を飼育しています。自社牧場で肥育後、加工、販売までを一貫して行っています。
クラブ員は、畜舎の中で実際に馬を見学し、佐藤代表取締役から、肥育牛から肥育馬へ経営転換し、自らの創意工夫により、おいしい馬肉となる馬を育てる技術を確立させ、販売までの一貫した会社経営を行っているとのお話を伺い、感嘆の声を上げていました。自分たちの地域とは異なる農業経営があることを実感でき、有意義な視察研修となりました。
<連絡先>
宮城県石巻農業改良普及センター TEL0225-95-7612 FAX0225-95-2999
令和7年6月17日に、令和7年度みやぎ農業未来塾「在学者コース~石巻地域の農業紹介講座」の第1回目を開催しました。
本講座は、高校生を対象に石巻地域農業の優良事例を紹介し、進路選択の参考と学習意欲の向上を図る目的で開催したものです。
今回は、石巻北高校食農系列3年生8人を対象に、「就農・就職に向けた心構え」と題して、東松島市の株式会社イグナルファーム代表取締役社長から、社会人としての5つの心得「挨拶」「時間厳守」「報告・連絡・相談」「コミュニケーション」「自己管理」について、自分の経験を交えて、わかりやすく説明していただきました。また、「大切なことや当たり前のことを分かっていても、やりたくないと思ったり、後でやろうと思う自分がいる。社会に出ることは自分との戦いであり、辛さを乗り越えてブラックな自分に打ち勝つ大人になってほしい」と、生徒達にエールを送りました。
講演の途中で、社長が生徒一人一人に質問をし、社長と生徒の言葉のキャッチボールが行われるなど、かなり盛り上がった講座となりました。
11月には2年生を対象とした視察研修も計画しています。
<連絡先>
宮城県石巻農業改良普及センター 地域農業班
TEL:0225-95-7612 FAX:0225-95-2999
令和7年6月25日に東松島市大塩・矢本地域と石巻市桃生地域で加工用ばれいしょを栽培している農業法人5社を対象に「石巻地域ばれいしょ現地検討会」を開催しました。農業法人5社のほか、農地整備事業地区の担い手やJAいしのまきの営農部担当者、市や県関係者など27名が参加しました。
普及センターからこれまでの気象経過や各生産法人の耕種概要、生育調査結果を説明し、生産者からは取組状況が報告されました。また、出荷契約先であるカルビーポテト株式会社から疫病や軟腐病防除、尿素の葉面散布による追肥などの説明をいただきました。
収穫まで約1か月ほどありますが、当日の掘り取り調査では、いもが順調に肥大していることが確認できました。今のところ、生育は5社全ほ場で順調で、早いほ場では7月下旬から収穫できる見込みです。
普及センターではJAいしのまきと連携して、これからも加工用ばれいしょの作付け拡大に取り組んでいきます。
<連絡先>
宮城県石巻農業改良普及センター TEL0225-95-1435 FAX0225-95-2999