美里農業改良普及センター管内では水田作の所得向上に向け,省力・低コスト化が期待できる水稲直播栽培の導入が進んでいます。これを受け今回,岩手県農業研究センターが開発し,(株)岩手クボタが知的財産権の利用を許諾された「水稲湛水直播機のフロートに装着する作溝装置」を搭載した湛水直播機による高効率湛水直播研修会を開催しました。
この装置の特徴は,「は種と同時に幅,深さとも十分な導水溝を設置する」ことによる出芽率の向上や,出芽ムラの解消による苗立率の向上を図る点にあります。
研修会では機体や装置について概要を説明した後に,は種作業の実演を行いました。参加した生産者や関係機関からは,明渠のように作成された導水溝を見て「想像していたより深くて広く,効果的に感じられる」「これなら苗立率の向上や,その後の収量向上に期待できる」との声が聞かれました。
今回,宮城県内で初めて本装置を導入するとともに湛水直播栽培(H23年度:約6ha)の実践者でもある西條靖也氏(涌谷町)は,「これまではほ場の均平度を高める事に神経を使っていたが,本装置の導入によりその負担が軽減された。今後の生育と収量向上に期待したい。」と話されております。
普及センターでは今後,生育の推移を調査するとともに機会を捉えて情報発信を行いながら,管内の水稲直播栽培を支援して参ります。
<問い合わせ先>
美里農業改良普及センター 地域農業班 TEL 0229-32-3115
播種作業と作溝の状況
特異な形状の溝切り装置