大崎市営鳴子放牧場は,秋田,山形県境に位置し,約158㌶と広大な面積に,毎年,5月から11月までの半年間,1日平均にすると約90頭の繁殖和牛が放牧されています。今年は積雪が多かったこともあり,開牧は5/19とやや遅くなりました。
この放牧場は,旧鳴子町が開設し,飼養農家の省力化と多頭化による畜産農家の育成と経営の安定化を図ってきました。
平成18年に,近隣1市6町と合併して,大崎市が誕生したことにより,市全域の畜産振興に放牧場がどのように貢献すべきかを求められています。
平成21年度から,牧区ごとの土壌分析結果を基にした施肥を行っており,化成肥料の適正な施肥でコスト低減を図っています。
平成22年度には,先進地から学習するため岩手県滝沢村の相ノ沢牧野を視察したほか,社団法人日本草地畜産種子協会飼料作物研究所の放牧アドバイザー・落合一彦氏から改善指導を受けました。
それにより今年度は,①石灰による酸度調整を中心に,窒素成分の施肥を控えたスプリングフラッシュの抑制,②簡易な電気牧柵の設置による集中管理,③草地簡易更新による牧草生産力の向上の三点を中心とした取り組みを行うことにしています。
地域の繁殖牛経営は高齢化が進行しており,労力軽減の観点から見ても,放牧場がこれからも果たす役割は小さくありません。普及センターは,調査研究課題として活動を行い,放牧場の運営について今後も支援していきます。
<連絡先>
宮城県大崎農業改良普及センター 先進技術班
TEL:0229-91-0726
FAX:0229-23-0910