東京財団週末学校受講生のみなさまへ
「基礎自治体職員と議会について感じたこと」
平成23年9月11日
2011年度 東京財団週末学校
第7回 地方議会と職員の役割を考える「地方議会の役割」
講師:石川下公(越谷市議会前議長)・大西秀樹(三木市議会議員)
中尾修(東京財団研究員、元栗山町議会義務局長)
コーディネーター:亀井善太郎
日時:2011年8月27日
我が国の地方議会の大きな仕組みとして、二元代表制があります。
私たち地方議員はその二元代表制の枠組みの中で活動しているわけですが、最近、二元代表制の「競争原理」がはたらかず、「対立の構図」をつかって政治的立場を確立しようという姿勢が地方でも目立ち始めたのではないかと思います。
二元代表制の「競争原理」とは、市民の幸福を求めるために首長(当局)と議会が競って議論をする中で、公開の場で民主主義により決定することこそ最大限に市民の幸福を導きだせるものだと思います。
「対立の構図」とは、自らの政治的優位性を強調するあまり善と悪という構図を創り出し、市民をその渦に巻き込んでしまい本来のビジョンが示せないまま政治(市政等)を行い続けることだと思います。
「対立の構図」として、1人対多勢を創り出し二元代表制の議会を多勢に仕立てることにあるのでは無いかと思います。多勢の地方議員の集団である議会は今までの活動の中で、選挙民に対して「見える・見られる」仕組み作りを怠ってきました。
首長は1人で「見える・見られる」仕組みを作りやすいのですが、議会は多勢ですので個々の議員の活動とは別に議会として「集団」としてしか見られていないのが現状では無いかと思います。
その証拠に、週末学校受講生皆さんの声をお聞きすると、「うちの議員は何をしているのか分からない。」「議員の資質を問う。」等のご意見や、「議会で何をやっているのかわかりにくい。」「議会は難しい。」等のご意見もお聞きしました。
組織的には市民よりも近いはずの議会が職員の皆さんに理解されていない
(法的にではなく、活動状況等)状況です。ということは、議会の複雑な仕組みもさることながら、議会自らがオープンな活動を怠っていたからではないかと思います。
先程、述べましたが「対立の構図」があったとしても、我々議会が「見える議会」に変わる努力をして、多くの住民に理解を得て味方に付けると、良い意味での二元代表制に近づけるかも知れません。
職員に近い「見える議会」になれば当然、市民にとっても「見える議会」として確りと二元代表制を活用して頂けるようになると思いますし、近い将来それが出来る地方は「住民の幸福」を早く確立していくのではないかと思います。
これを実現する提案として「東京財団モデル」があげられるかと思います。
時代の流れと共に変化し「市民の為の幸福」をつくりだせる議会として活動をしていきたいと思います。
「公」について感じたこと。
古来より、日本は「道徳の国」であり公共の美徳は持っていたものです。
その「公共」について、基礎自治体は税金を徴収する仕組みの中で、「住民の幸福」を最小の経費で最大の効果を生み出す公共サービスを司る機関として最大限努力をしなければならないと思います。
「公」として仕事が出来るので、美徳を持って取り組んで頂ければと思います。
今回も前回同様に、多くの熱い基礎自治体職員の皆様から沢山の刺激を頂きました。誠にありがとうございました。これからは、地域が「決断と責任」を持って行動して行かなければいけません。
皆さんが、東京財団で学ばれたことを各自治体で実現するのは当然ですが、そこで得た人脈(同志達)や精神を大事に、地域を変える原動力として連携し活躍されますことを心よりお祈り致します。
私の好きな言葉です。
「一滴から大河へ」
「道徳無き経済は犯罪であり、経済無き道徳は寝言である」
PS、少しでいいので僕も仲間に入れてね~。
今後とも宜しくお願い致します。
三木市議会議員 大西秀樹