友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

青春の思い出

2013年10月29日 19時29分39秒 | Weblog

 高校時代の友だちがテレビに出た。彼女は料理教室の先生で、ホームページにカボチャ料理を幾つか載せていた。それがテレビ局の目に留まり、出演の依頼が来たという。「テレビに出るなんて、凄いじゃーないか」と褒めると、「こんなおばあさんでもいいのかしらねぇ」と生徒に言ったら、「先生、女優枠じゃーないんだからいいのよと言われたの」と付け加える。「えっ、なんということを言う生徒なんだ。結構、キレイに映っていたよ」と慰める。

 彼女との出会いは高校の新聞部で、1年生で入部した女子は彼女ともうひとりいたけれど、実際に出てきたのは彼女だけだった。男子も私以外にひとりしかいなかったので、同級生の中で優秀だがお高くとまっていなかった2人と、中学からの友だちを引き込んだ。男5人と女1人、それでも彼女は圧倒的な存在感があって、私たちはとても仲良しだった。1年生の夏休みだったか、6人で額田郡にある「くらがり渓谷」から本宮山へ登るハイキングに出かけた。

 「愛知のハイキング」という本に載っていたコースだと思う。岡崎からバスで「くらがり渓谷」の入り口まで行き、そこから歩いて頂上を目指した。その時の写真を見ると、みんな夏の制服で、男子は学帽を被っている。ところが途中でにわか雨に降られ、雨具を持っていない私たちはずぶぬれになってしまった。引き返すか、このまま進むか、迷ったけれど、しばらくすると雨が止んだので出発した。

 しかし、道は雨のために川のように水が流れている。倒れた木がそのままになっているところもある。提案者の私は責任者でもある。頂上まで行かずに途中で引き返すことにした。ぬかるんだ道、岩を飛び越えなくてはならない場所もあった。私は手を出して一人ひとり飛び越させた。体育のフォークダンス以外で初めて女の子の手を握った。それが彼女だった。柔らかった。ますます彼女に惹かれた。

 それから何日か経たある日、私が誘ってすっかり親友になっていた友だちに、「彼女が好きだ。友だちになれるようにしてくれ」と告白された。姉御肌で面倒見がよく、思いっきりもよい素敵な女性だから、彼が好きになるのも仕方ない。橋渡し役をする。同級生で結婚したものもいたけれど、新聞部は誰もそうならなかった。友だちへの遠慮があったのだろうか。青春の思い出の1ページである。

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