minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

さすらいのトランぺッター

2005年11月15日 | ライブとミュージシャンたち
 沖さんとぺーぱーむーんでライブを行った。彼はフランスに20年以上住んでいて、年に一度か二度日本にやってくる。初めて出会ったのは18年くらい前だったが、その当時から白石かずこさんとduoをやったりヨーロッパでも注目のトランぺッターとして活躍している憧れの存在だった。冒険ドラマー、野中悟空みつまさ主催による、お台場の倉庫を改装したウォーターフロントで朝までオールナイトでのコンサートにコートをはおって帽子をかぶった沖さんが登場。一緒に音を出したときに、なんて素敵な、あたたかい音色なんだろう、と感激したのを覚えている。ぺーぱーむーんのマスターもそのコンサートにたまたま来ていて、コンサート終了後に朝焼けの海を屋上で眺めながら「いいコンサートだったね」と握手をかわしたらしいのだが、それから18年後に自分のお店でライブをやってもらえるというので大喜びだった。時間はあっという間に流れて行く・・・。
 
 沖さんは昔と同じスタイルでペットを3本かかえてやってきた。写真のトランペットは自分で改造した2本のベルがついていて音を使い分けられるという面白いもの。世界に一本しかないようなトランペットを収集する(なんと300本!)のでも有名で、ご自宅(パリ)に博物館のようなものができているそうだ。完全即興でやりましょう、という事で打ち合わせも殆どなし。

 途中で私が「パリの空の下セーヌは流れる」を吹き出すと一緒につけてきて「これって意外と難しいんだよね~」といって笑わせてくれる。私も実は最後まで知らなかったけど・・(苦笑)。パーカーのコンファメイションをフリーでやったり、とにかくあっという間に1時間のステージが過ぎてしまう。アンコールには「愛の讃歌」まで飛び出した。完全即興(フリー音楽)をやるときは結構しんどかったりするのに、沖さんと演奏するときはいつも楽しい。韓国の金さんとやるときも気持ちよかったけど、この心地よさはなんなのだろう?やはり、彼らの力まずに美しい音を大切にしながら演奏するスタイルが私たちにも伝わってくるからだろうか。音色の豊かさがいろんなアイデアを引き出してくれるのだ。演奏後のお客さんの顔がみんな輝いていて「凄~く楽しかった。」と満足げに帰っていく姿を見て沖さんと利樹と3人で「よかったね~。」といいつつ、打ち上げを駅前の「知音食堂」で行ったのでした。沖さんいつまでもお元気で!また来年楽しみにしてま~す。