最近(といっても,もう1年以上前になるか),比較的新しい物権法の教科書を読んでみた。適当には教科書の類を読んでいないと,やはり法律を忘れてしまうことがあったり,新しい議論を知らないままでいたりするから,時々,私は分野を問わず,通勤電車の中で教科書を読み直すことをする。
実務について仕事をしていても,分からないことがあると,やはり教科書は役に立つと思っている。事件の解決に必要な問題点がズバリ記載されているわけではなくても,何かヒントになることが書いてあることが少なくない。そこを手がかりに調べて考えるのである。
しかし,実務には役に立たないと思われる議論も時々ある。物権法で顕著なのが,二重譲渡の法的構成,あるいは対抗要件の法理を法的にどう説明するか,ということである。
事案的には,①AがBに不動産を譲渡したものの,B名義への登記をする前にAはCへも譲渡してしまい,先にC名義への登記をしたという,極めて典型的な二重譲渡の問題である。あるいは,②AがBとCに二重に譲渡し,登記は未だAのままであった場合に,当該不動産の所有者は一体誰か,といった問題である。
①の事例で法的に問題となるのは,先にBに譲渡した以上,意思主義の原則からすると,とにかく所有権はいったんBに移転するはずであるが,Cが先に対抗要件を備えた以上,最終的にはCが確定的に所有権を取得することになる。この所有権の帰属関係をどのように説明するのか。
②の事例では,Cもまだ登記を備えていない間の所有権の帰趨をどう考えるか。この②の事例は,①の事例までの過渡的状態といいうる。
もちろん,机上の理屈の上では議論する余地のある問題かもしれないが,実は,実務的にはほとんど問題とならないと思っている。
実務について仕事をしていても,分からないことがあると,やはり教科書は役に立つと思っている。事件の解決に必要な問題点がズバリ記載されているわけではなくても,何かヒントになることが書いてあることが少なくない。そこを手がかりに調べて考えるのである。
しかし,実務には役に立たないと思われる議論も時々ある。物権法で顕著なのが,二重譲渡の法的構成,あるいは対抗要件の法理を法的にどう説明するか,ということである。
事案的には,①AがBに不動産を譲渡したものの,B名義への登記をする前にAはCへも譲渡してしまい,先にC名義への登記をしたという,極めて典型的な二重譲渡の問題である。あるいは,②AがBとCに二重に譲渡し,登記は未だAのままであった場合に,当該不動産の所有者は一体誰か,といった問題である。
①の事例で法的に問題となるのは,先にBに譲渡した以上,意思主義の原則からすると,とにかく所有権はいったんBに移転するはずであるが,Cが先に対抗要件を備えた以上,最終的にはCが確定的に所有権を取得することになる。この所有権の帰属関係をどのように説明するのか。
②の事例では,Cもまだ登記を備えていない間の所有権の帰趨をどう考えるか。この②の事例は,①の事例までの過渡的状態といいうる。
もちろん,机上の理屈の上では議論する余地のある問題かもしれないが,実は,実務的にはほとんど問題とならないと思っている。
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