判例と有力説とでは、どういうところで違いが生じてくるかについて、典型的な事例として、よく、土地の所有権に基づく明け渡し請求の事案で、原告が使用貸借の成立(及びその契約終了)を先行主張し、これを被告が認める場合が上げられている。
立証責任の分配でいうと、原告に立証責任がある事実は、原告の土地所有と被告の土地占有であり、使用貸借の成立は被告側に立証責任が認められる。そして、使用貸借の成立が認められると、さらにその契約終了に関する原因事実について原告が立証責任を負うという構造になる。
したがって、自白の成立を立証責任の分配にしたがって考える判例の立場では、使用貸借の成立に関しては、原告側の(先行)自白の問題と捉え、被告側の自白の問題ではないと考えることになる。実務を行っている立場からすると、この考えがわかりやすい。
しかし、有力な学説からすると、使用貸借であることを被告側が認めた以上、被告の敗訴可能性が生じる(使用貸借の終了が認められやすい)ことから、被告の土地占有権限が使用貸借であることについて被告側に自白が成立し、これを撤回して賃貸借の成立を主張することが原則許されないというのである。
有力説のいうことも全く分からないわけではないのだが、しかし、よく考えてみると、何をもって敗訴可能性と考えるのかは、事案に応じて難しいのではないかと思うのである。
立証責任の分配でいうと、原告に立証責任がある事実は、原告の土地所有と被告の土地占有であり、使用貸借の成立は被告側に立証責任が認められる。そして、使用貸借の成立が認められると、さらにその契約終了に関する原因事実について原告が立証責任を負うという構造になる。
したがって、自白の成立を立証責任の分配にしたがって考える判例の立場では、使用貸借の成立に関しては、原告側の(先行)自白の問題と捉え、被告側の自白の問題ではないと考えることになる。実務を行っている立場からすると、この考えがわかりやすい。
しかし、有力な学説からすると、使用貸借であることを被告側が認めた以上、被告の敗訴可能性が生じる(使用貸借の終了が認められやすい)ことから、被告の土地占有権限が使用貸借であることについて被告側に自白が成立し、これを撤回して賃貸借の成立を主張することが原則許されないというのである。
有力説のいうことも全く分からないわけではないのだが、しかし、よく考えてみると、何をもって敗訴可能性と考えるのかは、事案に応じて難しいのではないかと思うのである。
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