副社長から、いきなり会議に出るよう声がかかる。私もベテランなのでお互い
面識はあるのさ。えへん。あともう一人痩せて背が高く、茶色の髪の毛を肩ま
で伸ばした若者(私から見て)も、同じように声をかけられたようだ。君、少
し覇気が足りないようだけれど重責に耐えられるかねと、まあ人事ながら心配
しつつ偉い様たちに続いて会議室に向かおうとするけれど、小柄でタンクみた
いに真ん丸の体型のおっさんが、ふんぞり返ってやたらゆっくり前を歩くので
引き離されるばかり。やっぱりあんたも重役なのかよ、抜くと怒るだろうなあ。
ま、この場は慎重に行動しようっと。
会議室の入り口に車のコンツアの実物が展示されていて、ロープが網のように
覆っている。車の脇に白い布を敷いたテーブルがあって、レバーのようなもの
が二箇所にあって、どちらもちょっとした人だかり。レバーを動かすとレバー
に括られたロープが動いて、網が動いて、車体のあちこちに衝撃が走って、受
けた強度がグラフになって黄色くイナズマのように青色のコンツア上に瞬間表
示される。なかなかきれいだ。耐性実験装置のようで、どんなに衝撃を与えて
も車体は少しも傷付かないことをアピールしているんだけれど、少し回りくど
いんじゃないかなあ。コンクリートのブロックでごつんとやれば、こんな張り
ぼてすぐにボコボコになってしまうよ。あ、道草している場合ではない。
ビルのフロアー全体が会議室になっていて、あちこちのテーブルで会議が行わ
れている。全体が薄暗く、なんだかビヤホール見たいな感じでざわついている。
二度三度見渡すけれど、何処へ行けばいいのか解らない。会議というより、お
喋りしている事務のお姉さんたちがいて、というより元々お姉さんたちが無駄
話するような小部屋の周りを、勝手にぶち抜いて大会議室にしちゃったみたい
で、事務のお姉さんたちの周りは小物なんかもそのまんま飾ってあって、そこ
で私の参加する会議どこでやっているのか尋ねようとしたけれど、突然副社長
の名前度忘れしてしまい、あせる。でもそうこうしているうちに、一番奥に重
役室というのがあっていきなりそこの扉が開いて、見覚えのある茶髪男が椅子
を持って出てくる。重役室で会議をやっていたけれど、すぐ終わったみたい。
車の耐性実験も終わったようで、そこの椅子を片付けはじめる。椅子片付けが
どうやら私の新しい仕事のようだ。了解。
夢の中でも、出世するのは大変なんだから。