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はじめての・・・

ブログ10年目…庭、踊り、ウォーキング、ギター、ゲーム

4月1日

2020-04-01 22:04:24 | エチュード

最近お写真を見て、ふっと似ているところあるのかなと思う。

踊っていると後ろから「志村さん」と呼びかけられ、えっと振り返るときゃっ
と笑いながら若い子達が走り去っていった。突然そんな日があった事を思い出
す。彼の名を入れて検索してもヒットしない。ブログに書き残したようなよう
な気がしたんだが。

どこの盆踊り会場だったのだろう。東村山で検索、この記事に辿り着く。会場
に行く途中「志村」という表札の家を見かけた気がする。実家なのか、それと
もその一帯は志村性が多いのだろうか。

そしてその日の事をまた少し思い出す。似ていると言われて気になって調べて
こんなんじゃないよとちょっと憮然となって、だから結局ブログには何も書か
なかったのさ。

年恰好が似てたのかな。ちょっとからかってみたかっただけなのかな。あって
確かめたい気がする。君たちは今ではもうすっかり大人になって、でもやはり
あの場所で踊り続けているのかい。


金の翅を持った妖精

2011-12-31 10:51:02 | エチュード
これはある人形の精から聞いたお話です。

その赤ちゃんが最初に見たのは、お母さんが遺していった金の指輪の上に腰掛
けている妖精でした。夏の朝の光がカーテンの隙間から翅に当たって、きらき
らしていました。そして赤ちゃんが見ているのに気付くと、くるりととんぼ返
りさえしてみせたのです。赤ちゃんはきゃっきゃっとベッドの中で手足を振り
ました。二人の他に誰もいません。

赤ちゃんはやがていっぱい言葉を覚えて大きくなっていきます。妖精は目に入
らなくなり自然に忘れ去られていきます。妖精だって人間の言葉には興味があ
りません。また他所で生まれたばかりの赤ちゃんのところへといそいそと飛び
立っていきます。お互い様ですね。

でもその赤ちゃんはいつまでもいつまでも、金の指輪の上でとんぼ返りをした
その妖精のことを忘れませんでした。そしてその事を誰にも話しませんでした。
そのほうがいいような気がしたのですね。尋ねられることもなかったし。

そしてお母さんになり、一人目の赤ちゃんを産みました。でも一人目の赤ちゃ
んは妖精を見ることはなかったようです。まあ、たまにそういうこともありま
すがよしとしましょう。男の子だったし、なんて書くと男を差別するなって叱
られそう。

そして二人目の赤ちゃんを産みました。でも二人目の赤ちゃんも妖精を見るこ
とはなかったようです。まあ、たまにそういうこともありますがよしとしましょ
う。男の子だったし、あ、しまった。

そして三人目の赤ちゃんを産みました。えっと三つ子という事じゃなくて、そ
れぞれいくらか年月が流れてます、念のため。かっかしないで下さいね。三人
目は女の子で、妖精を見ることができたようです。夏の朝の光にたまたま窓の
カーテンが揺れたとき、きゃっきゃっと手足をばたつかせているのを見て、お
母さんは気付きました。

ある日のこと、これ私なんだ。ベッドの中で眠っている女の子を覗き込んでお
母さんはそう思いました。ねむねむも、きゃっきゃも、ばぶばぶも、だーだも、
お母さんの私は幸せ。でも赤ちゃんの私が、ねむねむしたり、きゃっきゃした
り、ばぶばぶしたり、だーだしてたときは、私のお母さんはいなかったよ。

今まで、お母さんがいなくてかわいそうだねって言われてきても、少しも思わ
なかったけれど、こんなかわいい、ちっちゃな赤ちゃんの私にもうお母さんが
いなかったことが、今になって耐えられない。お母さん。お母さん。

何に驚いたか、今まで眠っていた娘がいきなり震え、足を蹴り上げて母の胸を
したたかに打った。くしゃっと何かが壊れ、ああ、しまったと思う。母はベッ
ドから離れ、形見の指輪をはずすと、道具を取り出してイニシャルを彫り始め
た。それから彫り屑を薄く薄くのばして一対の金の翅をつくったのです。窓を
開けると風に乗ってきらきらと遠くに飛んでいく。山はもう秋も近いようです。

金の翅の妖精を見かけたら、その指輪のありかを教えてあげて下さい。その金
の指輪に触れれば、持ち主がその妖精のことをひとときも忘れず、生涯思い続
けていたことが伝わるはずです。

俳優修業 

2008-02-18 22:51:55 | エチュード
たくさんの分身が私を作っています。それぞれの分身が思い出を重ね、年を重
ねていきます。中には手に負えない課題に直面し、その場で踏みとどまって、
前に進むことができなくなった分身もいるでしょう。時は待ってくれませんか
ら、残されたもの達で迂回しながら先へ先へと進んでいきます。一旦てこずっ
ても、何とか課題を解決して後から追いついてくる分身もいます、貴重な思い
出を携えてね。でも、取り残され忘れ去られていく分身もいます。彼らは今で
も、傷ついたまま、踏みとどまっているのでしょう。心のどこかずーっつと奥
深いところで。

 ああ、ロミオ、ロミオ、どうしてあなたがロミオ?
 お父様の苗字も、自分のお名前も捨てて
 もしそれが無理なら、せめてわたしの恋人宣言とか、
 そしたらわたしだって、キャプュレット家、捨てちゃうかも。

 あなたのお名前だけが、わたしの敵、
 あなたはあなたよ、モンタギュー家で無くたって。
 モンタギューって何? 手でもない、足でもない、
 腕でもない、顔でもない、人の体の、どっこでもないわ。
 あーあ、ほかの何とかさんになってよ。

 名前って何? どんな名前で呼ばれても
 バラはバラ、同じ甘い香りがするわ
 だから、ロミオがロミオと呼ばれなくたって
 あなたはいつもカンペキ、肩書きなんか無くてもね。

 ロミオ、名前なんか脱ぎ捨てて、
 抜け殻になった名前なんかの代わりに、
 わたしの全てをものにして。
   シェイクスピア ロメオとジュリエット 2-2 より

たとえば舞台で14歳を演じるとき、今の私を作っている分身たちの思い出の
中の14歳の助けを借りるだけではなく、14歳のままで取り残され忘れ去ら
れた分身たち自身も、訪れてくるような気がします。あまりに課題が重く、成
長することを止め、今を生きることが適わない、それらの分身たちが、演出と
かシナリオ、台詞などという約束事に守られて、舞台という架空現実の中で息
を吹き返す。そんな気がするのです。

俳優修業

2008-02-12 02:11:48 | エチュード
人生そのものが芝居だったような気がする。その上にさらに役を重ねようとす
る、自分の気持ちが解らない。ぼんやりしてたら台詞が跳んだ。

「ねえ、わたし今日頑張ったよ、チョー頑張った」
「でも、俺、そんなに頑張ってねーよ」
「ふーん、でもあなたのは、そういう仕事なんだ」

一体どういう仕事なんだろう、男が頑張らなくても女に納得されちゃう仕事っ
て。

「わたし、自分の名前が嫌い。ほら、ここ近いと『馬鹿』とも読めるでしょ」
「それじゃ点二つ、取っちゃったら?」

残された時間は少ないのに、そんな会話ばかり重ねて。

無題

2006-11-12 05:00:50 | エチュード
クラス中が不平声で少しざわついた。突然ノートを提出しろという。生徒の事
をよく理解したいのだという。
「ねえ聞いて。私も今年大学を卒業したばかりなの。皆さんと大して年も違わ
ないはずよ。お互い友達になれると思うの。生徒も先生も同じ人間でしょ」

朔太郎の作品だったか、猫が屋根の上で鳴いている詩の授業の時に、
「これはとってもいやらしい詩です」
と耳まで赤くして何だか頼りなかったけれど、どんな機会だったか
「私は自殺する人は勇気があると思いますよ」
と、ぽつりと言われて見直した。

だが生徒も先生も同じという言葉をきいた瞬間、思わずノートをむしり破いて
いた。5月だというのに、もうその現国のノートには3分の1程の書き込みが
してあって、本人も驚く程重く大きな音がした。

翌朝、戻されてきたそのノートの最初の白いページには、赤ペンで
「沈黙は他のいかなる圧力にも勝っていると私は思う」
と書かれていた。

Face The Change    Every Little Thing

2006-11-04 00:52:08 | エチュード
 君とどこかで 偶然出会っても 瞳そらさず 話ができるかな?

話はできないよね。はっとお互い気がついて無言ですれ違う。でも君の姿はし
っかり瞳でとらえて、心のアルバムに追加される。今回で3枚目かな。そんな
日は一日中自然に笑顔になっているよ。そしていつか瞳そらさず、お互い笑顔
で話ができる日が来ることを信じて、この歌を歌い続けるつもりだよ。

 セピア色した 空に願いかけて いつか笑顔が 自慢できるように

うら寂しい教室の片隅で

2006-10-09 15:28:53 | エチュード
うら寂しい教室の片隅で


うら寂しい教室の片隅で
こうして二人は向かい合って
こうして二人は話をする

さようなら ○○
僕らもうこんな風な気持ちになって
こんな風に語ることは無いだろうが

僕らの知らない別の街で
僕らの知らない別の男女が
こんな風に人生を語る事を思うとほほえましい

僕らの知らない遠い祖先が
僕らの知らない遠い子孫が
こんな風に人生を語り合ってきたであろう
語り合うであろう事を思うとほほえましい

さようなら ○○
僕らもうこんな風な気持ちになって
こんな風に語ることは無いだろうが・・・


迷惑かけるといけないので名前は伏せたままにしておきましょう、というか好
きな名前を入れて下さい。私は聞く機会がなかったけれど、昔西日本エリアで
ラジオで読まれた事があるそうな。題は変えた。

帰り道

2006-10-07 01:44:09 | エチュード
帰り道

まわりがだんだん暗くなる
雨もだんだん強くなる
ぼうしのひさしからしずくが落ちる
足元でぴょんぴょんはねる蛙を
ふみつぶしてやった

小学生の時、ありのまんまを書けばいいって先生から言われて宿題でつくった
詩。焦っている気持ちが出てていいなと思ったけれど、なぜかクラス中大笑い。

ぼくが詩を読んだ
みんな笑った
ぼくも笑った・・・

でも本当はくやしかったんだけどね。

追憶の岩石

2006-10-06 04:26:47 | エチュード
追憶の岩石


鳥達が歌う頃に
僕達は沈んでいった

夢の中で
君は見知らぬ少女となり、
歌っていた母国の歌を

論理のうちに、僕は君を
君は僕をと求めていたが、
影絵のように固着して重たき愛

目覚めれば陽は高く、鋭く
寂しき追憶の岩石を射抜いていた

2006-10-03 22:40:27 | エチュード



人の中にいて 
私はふっと 一人になる
人のささやき 笑い声 
みな 波のざわめきとなり
私はひとり 沖にいる

舟の私は 波をみる
波間に 私のかげをみる
すると私は 私でなくなって
皆のよう 波になる

見知らぬ町に 波はよせ
遠い記憶に 波はよせ
人の中にいて
私はふっと 一人になる