教官の機嫌が悪い。出来が良かったと言っていたのにと私に怒っている。そん
なつまらない事をいった覚えはなく、こちらも次第に熱くなる。そうこうする
うちに各自の机の隅に一斉に小円が表示される。白い光が降りそそぐように。
私のは白ではなく灰色、茫然とする。落ろされた。それなら今更ぐだぐだ言わ
なくてもいいものを。他にも4,5名いたのかな。バレーボールなんかのルー
ルに関するペーパーテスト、それが一体何だというのか。
一緒に役作りに励んできた娘がボディーのコンツァが出来上がってきたけれど
見てみるって屈託なく話しかけてくる。雄型は真っ白で巨大、後で彩色するの
かな。縦長の四角錐を二つ底面で張り合わせたような八面体模様のポケットで
覆われていて、中には同型の八面体の武器が収納されている。左右の手で3個
づつ、計6個を同時に投げつけることができる。雌型もほぼ同じ造りだけれど、
敵の武器を誘導して背中側のポケットに収納することが可能でその為体型がや
や丸っぽい。カウンター攻撃をしかける事もできるので油断ならない。
これからどうするのって言われても当面は小間使いかな、使い辛いと思うけれ
どね、あと次のプロジェクトがもう始まっていて手を抜ける状況ではないんだ。
それにしても、あのテスト何だったんだ。戦闘シーンをスポーツ仕立てでやら
せるつもりなのかなあ、くだらない。独立する時期かも知れない。(1/13朝)
新しい派遣先であれこれ仕事の段取り、あれもう現役引退したはずなのに、あ
あ夢だからかと毎度のように自らを納得させているところに、トラブル対応で
大変そうとの連絡が入り、事務所というかマイホームのような場所へ急遽戻る。
若い女子社員が一人はりきって部屋の掃除とか冷蔵庫なんかいじくっている所
に、さっそく電話が入る。彼女は出るつもりはないし、もう彼女の手から届か
ない所まで事態はすすんでいるようで、私と相手側と電話の両側で困った困っ
たの気配、そのうち相手側が静かになる。何か対応策講じたのかな。
どっと社員の一団が入ってくる。顔見知りに、やあ助かった電話宜しくとお願
い。ところで奥さん元気と尋ねたら、周りが大笑い。ものすごい偉い様の娘を
貰ったようだけれど、それでなぜそんなに面白いのかな。今の電話の相手がそ
のお父様だとか、でもなかなか出てくれない。電話切れちゃったのかな。2万
5千円ぐらい使ったよ、いつもは随分節約しているんですね、と先程の掃除の
女性。そういえば光熱費いくらか掛ったのか家内に聞いてないなあと思う。
若い子たちも皆浴衣姿で会社の夜祭が始まるようだ。空には天の川の星がびっ
しり光っていて所々に時計のような大きなのも混じっている。空気がよほどき
れいなんだね。まるで金物細工師かタイル職人の技みたい。月もありますよ。
流れ星がついと流れてその先に雲の後ろから月の顔が少し除いたけれど、すぐ
また隠してしまう。ここで今は月の出番ではないらしい。
少年に鸚鵡を買ってあげる。多分買ったんだと思う、とても大きくて私の肩に
おとなしく乗っている。籠もあった方かいいかなと通りがかった骨董屋みたい
な所を覗くものの、小さなお城とか、芝居の小道具に使えそうな大袈裟な物ば
かり。一応お値段をお伺いしましたが高くて手が出ませんねえ。
地元のおばさんに道を尋ねたらご親切にバス停まで案内してくれて、少年と私
の切符まで手配して頂いた。多分初乗り区間分だけだと思うけれど。取りあえ
ず家(実家)まで戻ろうと思うけれど、碧南まで行ってそこから電車でなんて
大変な事を駅の人に言われる。
私一人ならその気になれば一山越して川を渡れば着くところ、そんな遠回りし
なくもいいはずなのにと思いながら、途中の大き目なターミナルでバスを降り
る。2人で運転する人力タクシー見たいのが2台続けてやってきたけれど、高
いので乗らない方がいいような事を、ターミナルでちらっと聞いたのでやり過
ごす。
家に着くのは夜の10時になりそうで、その日の内に少年の家に戻れるかもわ
からない。鸚鵡の飼い方も説明いるし、通学ラッシュの中で鸚鵡がその大きな
嘴で周りに迷惑かけないか心配だし、少年もさすがに焦りだす。まじまじ顔を
見たけれど思ったより大人顔で鼻が長く間抜けな感じ。お母さんはちょっと不
在なようだ。お父さんの事はよく知らない。
仕方ないので家内の助けを借りるかと私もお姉さん仕様から夫モードに。カー
ナビがあるので何とか辿り着けるだろう。駅名を確認しようとすると標識みた
いのに、
五ショウ
とか、聴いた事のない名前。ゴショウ、ショウは昭和の昭ですかねえ。
トリを私が歌うことになる。すいません、あんまりうまくないのが出てきてな
んて余分な事を言ってるうちにもう始まっちゃってる。でも字幕の歌詞が違っ
ている。別歌手の同名曲のが入ってしまったようだ。ママ―曲違ってるよと慌
てる。こちらのもいい歌だよと座っている女。でも私、歌えませんよ。男達が
立ち上がっていきなり掃除を始める。機材の裏側とか配線回り、ずいぶんほこ
りが溜まっている。曲は変わらない。ひょっとして登録されていないのかなあ。
いやそんな事はないはずだけれどねえとママと二人で。私の歌が終わった後で
仲間内で踊り明かす予定なんだろうか。大晦日とか、クリスマスイブみたい。
機材にまぎれて我が家のアダプターが赤く点滅している。取って掃除していい
ものかどうか、男が難しい顔をしている。充電終わっていたのでここに置いて
おくねなんて家内の声がする。
触っちゃダメ、触っちゃダメ、触っちゃダメ、ああ食べちゃダメ、触っちゃダ
メというのは食べてもダメなの、ここのはそんなのじゃないかも知れないけれ
ど、あそこでは大変だったのに、なのにいうこと聞かなくて、本当にももうみ
んなハチャメチャにしてしまったんだから。思い出したのか息子が肉を少し吐
き出す。
容器をそこに置きっぱなしにておいたどこかの娘が気が引けてか取り下げる。
足の指達が一斉にしゃべり出す。風呂に入ってた時もじんじん音がするような
感じだったかな。布団の中でもきゅっきゅっとして揉むようにしたらいきなり
お互いしゃべり出して言葉はクリアだけれど何の話だろ。起きて息子(次男)
に知らせにいく。
ヘッドホンを外して私の顔というか口を怪訝そうに見るので、違う違う足の指
がしゃべっているのと両足を息子の顔の辺りに持っていく。2本足でやっぱり
ステレオなんでしょうかねえ。真っすぐ立っているので頭は天井につかえそう。
宙に浮いてるよ、変に思われないかちょっと焦る。
最後に
でも、なんか自分の声が好きになってしまって…
といった途端、どっと拍手が起こって。何度もうねるように。私は思わずしゃ
がみ込んでせめてタイトルだけでも伝えなくちゃと思うんだけれど、プログラ
ムの3番目あたりに書いてあるんだけれど、にじんでて声もでないよ。やっと
拍手が静まるころ少女がさわやかに次の歌を歌いだす。
社員が講堂に集まってる。支払い漏れのチーフ手当が貰えるとのこと。その手
続きがやたらと面倒くさくてだんだん腹が立ってくる。
「あの、手当要りませんので」
「えっ、要らないんですか?」
「ええ、たいしてチーフの仕事していませんので」
壇上で重役たちがごにょごにょ相談。
「それでは今まで支払ってきた分も返金していただくことになりますが」
「ええ、構いませんよ」
その手続きがまた物凄く面倒で。全部まとめて引き落とされると手取りがほと
んど無くなってしまいそう。たまたま習い事の月謝の一括支払い(3か月分)
もあるし、家内にどう話せばいいのかな。
なんでこうなるの。俺ってそこそこチーフの仕事やってたし。
大学祭である。前日になって同僚ー昔の会社の上司みたいーが車使えなくなっ
て私と女の子ーカラオケのお姉さんみたいーを拾って行けなくなったと相談。
「祭りで車必要ないならみんな電車で行けばいいじゃない」
最寄駅は3人とも私の実家の最寄駅。
「でも彼女に連絡取れないんだよな」
「大学に問い合わせたら。おしっこの番号とうんちの番号登録してあるんじゃ
ないかな」
そこでおしっこで目が覚める。それで気付いたんだけれどおしっこする時いき
なりジャーッと出すわけで番号使うことはないんだ。彼に嘘教えちゃったよ。
そもそも彼女を車に乗せたいんで見栄で言い始めたこと。僕知らない。
私は誇らしげにエンドウを一莢つまみ掲げる。先半分に横皺が入り尻すぼみ、
まるで緑色した蝉の腹の様だ。
これが世間を圧巻させた栄養価満点、味も申し分無しの新品種のエンドウな
のです。
マイクを持つアナウンサーの男の声は興奮気味。
ところが今、市場から突然姿を消してしまった。それは何故か。
と突然思わせぶりに。私たちはどうやら男子トイレにいるようである。
並んだ小便器の脇をずかずかと歩き大便用の扉を開けると姿を消したはずのエ
ンドウが山積になっている。がむしゃらにむさぼりつく。中毒性があるのであ
る。このエンドウの始末におえないところはそこではなく男のくせに男が欲し
くて堪らなくなるところ。男を食い逃がした腹いせにエンドウに当たっている。