秋の気配が、始まった10月初旬に、ミモロは、再び比叡山に登りました。東塔(とうとう)、西塔(さいとう)、横川(よかわ)の3つのエリアからなる延暦寺。前回は、その中心となる根本中堂のある東塔を訪れました。そして今回は、そこから約1キロほど離れた、いっそう山深い場所にある西塔を訪れることに…。
到着したとき、すでに陽は西に傾きかけた頃…団体バスが多い東塔と違い、ここ西塔は、ひっそりと静寂に包まれています。
メインの建物となる「釈迦堂」へ向かう道の傍らに、看板が…。
そう西塔は、修行の場…釈迦堂に向かう途中の「にない堂」(重文)から、お経を読む声が聞こえてきます。「にない堂」は、法華堂と常行堂という2つの同じ形をしたお堂が、渡り廊下でつながっています。なんでも法華と念仏が一体であるという延暦寺の教えを表現しているとか。
「シーィ…静かにそばを通らなくちゃ…」一心に読経する僧侶の姿を想像しながら、ミモロは、いつもより、もっと音を立てないように歩きます。
階段を下ると、西塔の中心的建物「釈迦堂」(重文)へと至ります。「なんか空気が違うねー」とミモロ。山を下ったところにある「釈迦堂」は、延暦寺の開祖、最澄=伝教大師が、ご自身で作られたという釈迦牟尼如来立像を御本尊にお祀りしているため、この呼び名が…。正式には、「転法輪堂」と言います。現在の建物は、信長の焼き討ち後、秀吉が、園城寺の弥勒堂を移築して手直ししたもので、比叡山で最も古い建造物です。御本尊は、直接拝むことはできませんが、御前立の像にお詣りを。
あまりに厳かな雰囲気で、つい建物の写真を撮影するのを忘れ、しばし釈迦堂の階段に座って、時を過ごしました。「静かだねー」ミモロは、耳をピクピクさせますが、届くのは、杉木立を揺らす風の音、そして時折、聞こえる鳥の声…。「まさに修行するのにピッタリな環境…」と。俗世を離れ、比叡山に籠り、一心に読経する…。ミモロ、できるー?「うん、憧れるけど…とても無理…でも、坐禅体験はしてみたいなー」と。
西塔には、一般の人でも修行体験ができる場所(居士林研修道場)もあります。(要予約)
坐禅、写経体験から、1泊、2泊の本格的修行体験コースまであり、一人でも申し込みが可能。
詳しくは、「比叡山 延暦寺」のホームページで。
さて、次ぎにミモロは、そこから徒歩10分ほどの場所にある「浄土院」をめざし、足早にトコトコ山道を進みます。
「ここだー」
美しく掃き清められたお庭の奥に、建物が…。「ここでも修行なさっているから、中に入れないんだって…」
この「浄土院」は、最澄さまの御廟所で、比叡山の中でも、特に清浄な場所と崇められている所。ここでは、12年間山に籠る誓を立てられた僧侶が、毎日、最澄さまが生きていらっしゃるようにご奉仕をなさっているそう。
「えーそんなに長い間、お仕えしている方がいらっしゃるんだー」と、ただただ驚くミモロです。
外から、参拝して、再び、もとの道を帰ります。駐車場に戻る途中、ふと気になって立ち寄ったのは、杉木立の中にひっそりと鎮まる小さな社です。
「ここなんだろ?」と言いながら、参拝しようと振り返ると、「わーなんかスゴーイ!」と思わず立ち尽くします。
見ると、社のから光の帯が伸びています。ここは、比叡山にある3つの弁財天のひとつ「箕淵弁財天」(みのぶちべんざいてん)です。詳しい説明は、一切なく、また延暦寺のマップにも記されていないところ。
「でも、なんかすごいパワーを感じる…」と、パワースポット好きのミモロは、何かを感じたよう…。
偶然のことながら、とても不思議な景色です。
「今年は、ヘビ年でしょ!だから弁財天さまにお詣りするといいんだってー」と、どこから仕入れて来たか不明の情報。でも、確かに、弁財天さまは、白蛇の化身だったり、ヘビがお使いだったりする話は聞きます。
「なんか、ぜったいいいことあるよー!」と、ミモロは、社に近づくと、熱心にお参りを…。
その社の近くには、親鸞聖人が修行をなさった場所も。
「空也さまも、栄西様も、親鸞さまも、日蓮さまも、法然さまも…みんな延暦寺で修行なさった同窓生でしょ…。やっぱり延暦寺ってすごいねー」と。
一度は訪れたい日本仏教の源の地、それが比叡山 延暦寺です。
「次は、横川にもお詣りに行こうね…」はい、そのうちに…。
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ほんまに聖地やね。
それに箕淵弁才天の光の帯・・・スゴ~イ!!! 私もここへ行きた~い!
俗世間にまみれた私は、一度、延暦寺へ赴き、自己と真摯に向き合うのが己のため、と深く思いましたぞ。
でも、一人で行くのは、チョッと怖い。
ミモロちゃん、一人で行ったんでしょ?
可愛いのに根性あるわね!
早速、延暦寺のHPで修行体験をクリックしたし。 とりあえずは、先ず、クリックから、という事で...
京都を見守るお山は、どこか違います。
箕淵弁財天さまって、とても不思議な感じでした。
紅葉のシーズンに、とても美しい場所だとか・・・。
また行ってみよう・・・。