御誂えの雛人形の工房である西陣の「京ひな人形 たくみ人形」で、ミモロは、十二単を作っていただくことになりました。
それが、つい完成。天皇陛下の「御即位の礼」のめでたき日にお披露目をさせていただきます。
有職御雛人形司 槙野巧雲さんにお願いし、「みもろ雛」という形になりました。
十二単を着ることになったミモロですが、「ひとりより、せっかくだからハンス君といっしょにお雛様みたいにしたい~」と言いだしたのです。
「では、今年は、天皇陛下のご即位もありますから、それに因んだものにしましょう」ということで、いっそう格調高い、雅な姿になりました。
まず、ミモロの装束は、十二単衣で、唐衣は、正絹二陪織 小葵地浮線菊という格式高い文様。
表着の緑色がのぞきます。
赤をベースにしたグラデーションの単衣のかさねで、雅な色合いを生み出しています。
「キャ~お姫様みたい~みもろ姫だもん!」と、ちょっとおすまし。
後姿も完璧で、花の模様がちりばめられた白い裳には、長い引腰も…
胸元に、檜扇を入れて…(腕が曲がらないので、扇が開けませんでした)
頭は、御垂髪(おすべらかし)にするところですが、カツラはかぶらず、平額を頭にのせることに。
そしてハンス君は、天皇陛下のご即位の装束と恐れ多くも、小さな文様の「桐竹鳳凰麒麟文黄櫨染」の正絹有職唐織の束帯です。
頭に冠。そして胸には、笏(しゃく)を入れています。
後姿も完璧。
そして、見えませんが、足には、たび。そして袴も履いています。
腕の部分は、たっぷりとした袖をちょっとまくった感じで、手が出るようになっています。
「なんかハンス君男前になった感じ~」とミモロ。
「そう、伊達男…?ミモロちゃんもすごくカワイイよ~ホントにミモロ姫だね~」とハンス君。
馬子にも衣装ならぬ、ミモロにも本物の伝統工芸。本当に、品格漂う姿です。
実は、「みもろ雛」には、一般的な京雛人形とは異なる点があります。
それは、なんと衣装を脱いだり、着たりができること。雛人形は、ボディーの芯に、衣装を着つけて形を作ります。そのため、脱がせることはできません。つまり完成した不変の姿なのです。
でも、ミモロとハンス君の場合、ずっとこの衣装を着ているわけにはいきません。「おでかけしなくちゃいけないし~」
そこで、槙野さんは、着せ替えができるように特別な衣装を作ってくださったのです。
「う~今まで、やったことがないことでしたから、なかなか悩みました…。でも、新たなチャレンジができて、楽しかったです」と、おっしゃって下さいました。
いつか、ミモロとハンス君が着替える時の様子もレポートします。雛人形としては、画期的なことです。
また、槙野さんに、「みもろ雛」製作についてご苦労なさった点を伺いました。
ミモロの十二単で苦労したのは、なんせボディーが太いこと。「え~お腹ひっこめてたけど~」とミモロは言いますが、ボディの太さは、今まで槙野さんが経験したことがないこと。ミモロとハンス君のボディーサイズを測り、それから衣装の型紙を作ります。太いボディでも、美しく色のかさねが見えるように…裾、袖、衿の部分を調整します。
ボディーのほかに、腕も太く、普通、針金の腕の雛人形とは勝手が違います。雛人形の腕は、針金なので、檜扇や笏を持たせる姿に整えることができます。ミモロとハンス君は、あまりに腕が太いので、曲げることができませんでした。
また、ミモロは、正座ができないので、実は、袴の中で、ミモロは、足を前に伸ばしています。足を袴で包んで、正座しているように見せています。
そして、ミモロは、首がありません。そのため、十二単の衿の美しい重なりが隠れてしまい、後ろも衿の重なりなどを整理するのが大変なのです。
一方、ハンス君は、ミモロ同様正座ができません。でも、ミモロのように足を前に伸ばすと、袴が前に出過ぎてしまいます。そこで、ハンス君は、立ち姿になりました。ミモロも立ち姿に・・・とも考えられたそうですが、十二単の裾の美しさを見せるためには、座った姿の方がいい…ということで、ミモロは、座ることに。
ハンス君の有職装束は、着せ替えできるよう、上下がつながっています。普通、雛人形は、上下別になっていて、それを着つけるのだそう。特別な型紙を作ってもらい、それを元に、伝統の雛人形衣装づくりの技で作られています。
その技術のスゴサ…職人さんたちの腕の良さがなせること。
本当に、すごい~感激です。
色白のうりざね顔の雛人形が並ぶ店内で、「みもろ雛」は、異彩を放っています。
「このままずっとこの衣装着てようかな~だって、脱ぎたくない~」とミモロ。
でも、その姿で、取材できないでしょ…。
「う~、脱ぎたくない~」とすっかり気に入ってしまったミモロ…
はい、じゃ、しばらくその姿でいていいけど…お腹空いたらどうするの?
「え?そうだね~この衣装着てたら、たくさん食べられないし…」と、やっと脱ぐ決心をしたミモロです。
「本当に、ミモロちゃんとハンス君カワイイ~。こんなお雛様、初めてです~」と奥様。ミモロのことが大好きとおっしゃっり、この十二単づくりをご提案下さったのです。
「ミモロちゃんが,このままお店にいたら、これ欲しいって方いるかもしれませんね~(笑)」と。「え~そう…どうしよう…」とちょっと慌てるミモロです。「また、お雛様の時に、着せてね~」と約束したミモロです。
「はい、大丈夫ですよ~」
本当にお世話になりました。こんな素晴らしい衣装をもっているネコはほかにいません。
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