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ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

京都の習い事。「百人一首」の講義を聞き、かな書を学ぶ、「手習講 千鳥会」

2014-01-24 | 習い事

1月は、さまざまなお稽古の始まりの月。ミモロは、新しい着物を着て、以前から続けているかな書のお稽古へ。
この日は、「手習講 千鳥会」の稽古始です。場所は、地下鉄東西線の終点「太秦天神川」から、嵐電嵐山本線に乗り換え、1つ目の「山ノ内」という駅のすぐ前。

「こんにちはー」と戸をあけ中へ。お教室は2階です。

「ミモロちゃん、お久しぶりです。今年もよろしくお願いしますねー」と、千鳥会を主宰する柳本勝海先生。
柳本先生は、1970年、京都の西、山ノ内の大きな農家生まれ。同志社大学を卒業。幼い頃から書に興味を抱き腕を磨き、京展、日本書芸院展などで入賞。「大蔵流狂言」に魅了され、木村正雄、綱谷正美に師事、さらに十三世茂山千五郎に師事した元大蔵流狂言師。現在、書と狂言という日本の伝統文化を広く海外に普及させるため、ハーバード大学などでワークショップや講演をおこなっていらっしゃいます。もちろん、今も、実家の農業にも従事。

今日はスーツでビシッと決めた柳本先生。でも時には、農作業用のゴム長姿や、狂言の折は、袴姿と、さまざまに変身。
「農業と文化…外国でこういうライフスタイルの人いるよねー。カッコイイ!」と、ミモロは、憧れのまなざしを。

すでに千鳥会のお教室に通って3年目のミモロ。以前は、祇園にお教室があり、そこで「源氏物語」の講義と書の手ほどきを受けていました。ところが「ちっとも上達しないのー。でも、先生の講義楽しいから…」と、家で熱心に書の練習をしないミモロ。こういう生徒も温かく迎えてくれるお教室です。
「それぞれ自分のペースで学べばいいんですよー」という先生の言葉に甘え、今では聴講生のミモロです。

さて、「手習講 千鳥会」は、かな書を学ぶ古筆臨書と共に、「源氏物語」と今年からスタートした「百人一首」の解説の講義、そのテーマにそったかな書を学びます。毎週水曜日の2時から5時までの間で、第1・3は「百人一首」、第2・4は「源氏物語」です。会費は1回2000円。

ミモロは、「百人一首」のお教室に通うことに。
 

まずは、古筆臨書を…。「まず墨をすらなくちゃ…筆もつの久しぶり~」と、相変わらずのミモロ。他の熱心な生徒さんのお話に耳を傾けながら、墨をすります。

お手本の上から、文字をなぞるミモロ。「上から書くのうまくなったよー」と、これは筆使いを学ぶ初歩のやり方。でも、これもなかなかむずかしい…。「たまに筆を持つっていいねぇー」とミモロ。全く申し訳ありません。

「はい、書いたの見せてください」と。先生になおしていただきます。
 「なるほどー」「ここは、筆を持ち上げるように…」「そうだったーすっかり忘れてたー」とミモロ。「でも、今日は、なかなかうまく書けたみたい…」と反省の色はありません。ともかくミモロは、このお教室の雰囲気が大好き。他の生徒さんたちも、そんなミモロを温かく迎えてくださっています。ありがたい…

15時すぎ、いよいよ「百人一首」の解説の講義が始まりました。
 

配られた資料を前に、「百人一首」の成りたちや、その背景などを学びます。
 
「百人一首」って坊主めくりしかやったことないかも…」と。

さて「百人一首」は、ご存じの通り、平安末期の歌人、藤原定家により、勅撰和歌集から選ばれ、編纂された和歌集です。定家は、歌人藤原俊成を父に、美福門院加賀を母に、応保2年(1162)に生まれた、和歌の世界のサラブレッドです。 和歌に熱心な後鳥羽院に高く評価され、「新古今和歌集」の編纂に取り組みます。お互いの才能を認めながらも意見がぶつかり合う後鳥羽院と定家。ついに承久2年(1223)の歌会で、定家は、院の怒りをかい、宮中歌会お出入り禁止に。事実上の失脚です。ところが、その翌年、後鳥羽院は、鎌倉幕府打倒の承久の変で敗北し、隠岐島に流罪。それにより、定家は、再び和歌界へ返り咲きます。それから15年後の文暦2年(1235)に「百人一首」の原形が作られることに。

「百人一首」は、鎌倉幕府の御家人で、謀反の疑いから出家し、京都、嵯峨の山荘で隠遁していた宇都宮蓮生により、山荘の襖を飾る色紙型の和歌の執筆を依頼されたのが、それをつくる切っ掛け、ベースになっているとか。

「百人一首」の選考基準は、「勅撰和歌集」から選ぶこと。そして天智天皇以降のものであることが主な基準。
そのため「万葉集」からの和歌は、ありません。

選ばれた歌人は、男性79名、女性21名。その中には、親子が18組含まれているそう。
その中で、天皇は8名。なかでも崇徳、後鳥羽、順徳は、流罪など悲劇的な運命をたどった方々。でも、依頼人の蓮生に渡した「百人秀歌」には、後鳥羽院と順徳院の歌は、他の歌人のものに変更されているそう。
同時期につくり、自分のために手元に置いたとも、伝えられる定家の「百人一首」の99番目の歌は、後鳥羽院のもの

「人を惜し 人を恨めし 味気なく 世を思ふ故に 物思ふ身は」

隠岐に流された後鳥羽院のやるせない思いが、ひしひしと伝わる歌です。

学校でのある指導用の「百人一首」の解説書には、「鎌倉幕府に謀反を企て、そのため反逆者となったので、『百人一首』では、最後の方という扱いを受けた」との記述が。しかし、そもそも自分を失脚させた院の和歌を定家は、選ばず、不採用にもできたはず。でも、わざわざ後鳥羽院の歌を選んだのには、院の和歌の才のみならず、やはり二人の間には、他の人にははかり切れない思いがあったのでは…。

恋の歌が、ダントツに多い「百人一首」。ロマンチックな和歌集として、またカルタになり美しく華やかな宮中の人物の絵により、お正月のカルタや、坊主めくりにと、多くの人に親しまれているものながら、華やかさとは裏はらに、実は、不遇な人生、はかない思いを抱いた歌人のものが多いということを、改めて知りました。



なかなか深い、「百人一首」。この日は、講義の後、一首目の天智天皇の歌を、かな書で書きました。
ミモロ、坊主めくりだけじゃ…「百人一首」の面白さは、全くわからなのよー。
「うん…ここのお教室に通って、柳本先生にいろいろ教えてもらおう…」


「百人一首の歌人たちは、ほとんど京都に暮らした人でしょ。歌に登場する景色が、京都ならすぐにイメージできる・・」とミモロ。京都の文化講座の魅力は、習うことに登場する人物が、生きた現場だということ。

「これからもできるだけ通いますから…よろしく…」と、先生にご挨拶。「はい、自分のペースで、楽しんで学んでくださいねー」と、あくまでも寛容な先生です。だからだれでも大丈夫…。


*「手習講 千鳥会」京都市右京区山ノ内中畑町51 いつからでも入会できます。詳しいお問い合わせは、柳本勝海先生のメールへ。tenaraiko@gmail.com まで、お気軽に…


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特許庁 商標登録第5629418号 copyright2010Sea Hawk Japan co.,ltd. All righs reserved.
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祇園囃子に誘われて。祭りのお囃子を奏じる「篠笛」を習いに。「民の謡 京都三条店」へ。

2012-07-12 | 習い事

祇園祭が近づく京の町では、至る所から、コントチキチーという鐘の音や、ピーヒョロリーと笛の音が響きます。
「この音を聞くと、心がウキウキしてきちゃうー」と、ミモロ。「こんな笛が吹けたら、素敵だなぁー」と。そこで見つけたのが、「篠笛体験教室」です。

三条京阪の駅の近くにある京都でも珍しい篠笛専門店の「民の謡」の三条店へ。しっとりと風情漂う町家が、そのお店です。

ミモロは、さっそく中へ

「失礼します。体験を申し込んだミモロと申します」ご挨拶をしてお座敷へ。


「篠笛は、初めてですか?」とやさしい笑顔で迎えてくださったのは、南部香織先生。


「はい、初めてです。あのーミモロでもできますか?」とちょっと心配そうに尋ねます。
「今日は、体験ですから、まず笛の知識をちょっと学んでから、実際に吹いてみましょう」と。

篠笛というのは、日本に古くからある横笛で、全国各地の神社などでの神楽や祭囃子、獅子舞、盆踊りなどの民俗芸能の場で用いられます。構造は、メダケに孔をあけただけのシンプルなもの。孔は、6つか7つ、ほぼ等間隔で開いていて、ピーという甲高いまっすぐな音色や指を動かして出すピロピロとした装飾音が特徴。西洋の音楽のようにドレミの音階ではありません。また、自然の竹で作られるため、微妙にそれぞれ音色に違いが生まれるそう。もちろん笛の太さによって、音程も異なっています。


日本の横笛は、雅楽などで用いられる「龍笛」「高麗笛」「神楽笛」、能楽で使われる「能管」などがありますが、それ以外の横笛が篠笛と呼ばれるものに。


30分の篠笛体験では、音が出やすいプラスチック製の笛を吹きます。この笛は、体験後、頂けます。
(テキストは、写真以外のものが渡されます。あしからず…)


「数字とカタカナと線が書いてあるーこれが楽譜なの?」とミモロ。
篠笛の楽譜は、西洋音楽のように五線譜に音符で表すのとは異なり、孔をおさえる指使いで表現されています。

お話の後は、まず先生が、吹き方の見本を見せてくださいます。

「指使いがステキー」

「わーいい音ーこんな風に吹けたらステキー」とミモロは、憧れの眼差しで見つめます。

では、さっそくミモロも吹いてみることに…

目の前の小さな笛で練習です。
「そう、お口の下の方に笛をあてて、口を少しつぼめる感じ…。そうそう、それから息を出して…」

ミモロは、フーフーと何度も息を吹きますが、スースーと鈍い音が出るだけ…
「笛は、まず正しい口の形と笛との角度を身に付けることから…。それができればキレイな音がでるようになりますよー」
フーフーと、ミモロは、口に当てる笛の角度を調整したりしながら、何度も何度も吹き続けます。ピーと突然、笛らしい音が…。
「わー音がでた!」と、ミモロは、大喜び。
「あまり、力を入れて吹きすぎて、頭がクラクラしてきたー」と。休み休みミモロは吹く練習を…。

「そんなに力を入れなくても、音は出ますよ。でも、最初から音がちゃんと出たから、続けるといろいろな曲が吹けるようになりますよ。大丈夫…」と先生から励ましの言葉が。

孔をきちんと押さえることも大切。


音がでるようになったら、わらべ歌に挑戦です。
タコタコアガレ、テンマデアガレと、一番音が出やすい6の指を動かして曲を吹きます。

篠笛は、リコーダーなどとは違い、舌で音を切らず、指で音を区切ります。つまり息は、ずっと出し続けます。この「指打ち」というのも日本の笛の特徴。

「知らないことだらけ…」とミモロ。

指の短いミモロには、ちょっと篠笛は難しかったよう…。
「太鼓の方が、ミモロ向きかも…」と、部屋の隅にある太鼓へ。


ミモロ、諦めちゃダメよ。「ハーイ。やっぱり篠笛が吹けるようになったらステキ!お家でがんばって練習しよう」。頂いたプラスチックの笛を抱え、練習意欲に燃えるミモロでした。

*篠笛体験は、30分という短い時間ですが、日本の笛についていろいろ知ることができました。シンプルな構造だけに、始めはなかなか思うように音がでませんが、きちんとしたポジションが取れ、息が無駄なく笛に送れるコツを掴めば、楽しさも倍増。篠笛をいつか月明かりの元で吹いてみたい…そんな憧れへと近づく、小さな一歩となりました。


*篠笛体験は「民の謡 京都三条店」京都市左京区新丸太町75-9 電話075-708-2614 営業日:月・水・金曜~日曜 11:00~18:00 体験30分コース3150円、60分コース(篠笛づくり体験を含む)5250円。必ず予約が必要です。詳しくはホームページを。




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気分は上村松園の「序の舞」。趣ある町家のお座敷で習う舞。「狂言小舞講座」の楽しいお稽古

2012-05-11 | 習い事

「京都に暮らすんだから、京都の文化をいろいろ体験したい!」と思うミモロは、ある日、「狂言小舞」を習いに北野天満宮の近くにある「平野の家 わざ 永々棟」で開催されている「狂言小舞講座」に参加します。

狂言小舞は、狂言の酒宴の場面などで舞われる短い舞。その所作のほとんどは能の舞とよく似ています。

この講座の講師の木村正雄先生。代稽古をしてくださるのは、祇園「津田楼」で古筆の講師もなさっている元狂言師の柳本勝海先生です。

舞う演目のストーリーを伝える小謡をまず練習したミモロは、次にいよいよ立って所作を学びます。

はじめに参加した生徒さん達といっしょに、何度か先生の所作をマネします。

「歩くときは、すり足で…。体を上下させないで、そのまま空間を移動するイメージですよ」と柳本先生。
「えーこのままの移動するの?シズシズシズ…結構、背筋使うかも…」とミモロ。「そう、その調子…ミモロさん、なかなかすり足上手ですねー」と先生。

小舞の所作は、静と動のメリハリがきいていて、静止したまま扇をゆっくりと動かしたり、舞台をサササと滑るように移動したり…。


「あれ?よくわかんなくなっちゃたー。うーみんなに付いてゆけない…」と、ミモロはお座敷で右往左往。

小舞の所作は、バレエやタンゴなどと違って、最小限の動きで、そこに込められた感情を表現します。わずかな顔の上げ下げ、手の動き、体の向きなど…研ぎ澄まされた動きです。
「わー動きが少ないから、かえってむずかしいねぇー。ひとつひとつの動きに神経を集中させなくちゃ…。でも動きに気を取られると、小謡がわかんなくなっちゃうー」と、初めて小舞に挑戦したミモロは、つい動きが止まってしまいます。

何度かみんなで一緒に所作を練習したところで、「では、ひとりずつやってみましょう」と先生の声が。
「えーひとりで舞うの?どうしよう…」先輩の生徒さんたちが、次々に舞うのを見て、ミモロは不安に…。

「大丈夫ですよ、いっしょに舞いますから…付いてきてくださいね」とやさしく先生の声が…。
まずは、ゆっくりと立つところから…

ミモロは、一生懸命、先生のマネを…。
「扇を掲げて…」
「ハイ、次はそのまま進んで…」
「次は、向きを変えて…」
しっかり構えて…

なんか、次第に様になってきたミモロの所作…意外にミモロは、すり足が上手…。

小さなミモロにとっては、大きな舞台…他の生徒さんより、歩く距離が長めに。
「体が小さくても、大きく見えるように、体の軸をしっかりさせて、腕の動きはゆったりと…」
「ハーイ がんばりまーす!」必死にがんばるミモロです。

先生の指導が終わった後も、調子にのったミモロは、ひとり勝手に舞っています。
「ねぇ、なんか似てない?このポーズ…」とミモロ。

う?もしかして、上村松園の「序の舞」のポーズ?「ピポーン 正解!」かなり想像力はいりますが、なるほどちょっと似てるかも…。

「先生、ありがとうございました」と、お稽古を終えて、きちんとお辞儀をするミモロ。


「楽しかったー。むずかしかったけど…でもすごく素敵!上手になったら、きっともっと楽しいね!」

*京都には、本当にさまざまな文化講座が、毎日のようにどこかで開催されています。さすが日本文化の本場。そのレベルの高さには感激。この「狂言小舞」も、初めて参加される人が多くいらっしゃいます。日常の雑事を忘れるひとときです。体験を望まれる方も、ぜひ…一度、覗いてみてはいかがでしょう。自分で上手に舞えるようにならなくても、能や狂言を鑑賞する目がグッと変わりますよ。

京都に暮らして1年。小舞までできるようになったミモロは、確実に成長しているみたい…。これも京都のみなさまの御かげです。改めて感謝…。ミモロは、しあわせです。

さて、ミモロが習った「狂言小舞の講座」は、
毎月第2・4月曜の13:00~15:00 講師:木村正雄先生(代稽古:柳本勝海先生)会費:1回2500円 会場は、「平野の家 わざ 永々棟」で。電話075-462-0014 こちらでは、他に古筆の講座なども開催。詳しくはホームページをご覧ください。





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ミモロ初体験。狂言小舞を習いに、「平野の家 わざ 永々棟」へ柳本勝海先生を訪ねて(1)

2012-05-10 | 習い事
京都に暮らし始めて1年。ミモロは、この日、「狂言小舞」を習いに、たびたび特別講座などで訪れている「わざ 永々棟」へ行くことに。

毎月第2・4の月曜日13:00~15:00に、行われる木村正雄先生の「狂言小舞」教室。代稽古をしてくださるのは、元狂言師で、現在も若い人たちなどに狂言を指導されている柳本勝海先生。実は、以前、ブログにもアップしたことがある「古筆」の先生でもあります。

北野天満宮の近くの住宅地にある風情あるりっぱな町家の「平野の家 わざ 永々棟」の広いお座敷がお教室です。
さっそく、ミモロもほかの生徒さんたちと並んで、まずは、舞の地である小舞謡を学びます。


そもそも「狂言小舞」は、狂言の中に登場する舞で、小舞謡を伴い、それに合わせて一人で舞うもの。狂言を修業する人は、この小舞と小舞謡からはじめ、姿勢や発声の基礎を作るのだそう。

最初に、柳本先生が、この日習う「泰山府君」という小舞の内容説明をしてくださいました。桜の花の短い命を惜しむ…という内容で、わずが2分弱の演目です。紙に書かれた小舞謡の言葉の横には、小さな短い線が、横や斜めについています。これは、声の高さを示す記号。さらに脇には、「扇広ゲ」「左へ廻り」など、舞の動作を示す言葉が添えられています。

「はい、お腹からしっかり声を出してください。もっと大きな声で…」と先生の声が座敷に響きます。

ミモロも大きく口を開けて、できるだけ大きな声を…出そうとするのですが、まずは、文字を読むが精いっぱい。「日頃、こんな大きな声出してないから、先生みたいに出せないよー」と小さな声でボソボソと。

「はい。喉を締めないように、お腹からですよー。前より出るようになりましたね。その調子…」と先生。
「哀れ一枝・・・・」と、ミモロも少しは、声がでるように…。

でも、ミモロが知っている歌のようにメロディーがなく、微妙な音の上げ下げと、節回しは、なかなか覚えられません。「どこの部分も同じになっちゃうー」確かに、ミモロの謡はお経のように聞こえます。

「ふーなかなかむずかしい…でも、歌えるようになったら、ステキ!」と思うミモロです。

さて、次は、扇の持ち方と使い方を習いました。「はい、こういう風に要のところを持って…」
ミモロも一生懸命に、先生のマネを。「そう、その感じ…」小さな扇を手に、ミモロの気分は、徐々に高まってゆきます。

「では、次は、舞台の構造と動くときの位置を覚えてください…」と先生。
「なるほど…こうなってるんだー」

さぁ、いよいよ立って動きを学びます。

まずは、扇を構える姿勢から。「背筋を伸ばしてー。体重はいくぶん前にかける感じで…肩は上げないで…」と先生の声が飛びます。
「お、ミモロさん、なかなかいい感じですよ」と。

「うーなんか固まった感じ…。えーどうやって歩いたらいいのー」と、緊張に顔も引きつるミモロです。

さて、このお稽古の続きは、また明日…。

ちなみに、小舞のお稽古は、洋服のままで大丈夫。でも、必ず足袋を用意します。
「えー足袋?どうしよう…足袋を履かないとお稽古に出られないんだって…」と心配したミモロ。でもいろいろ試行錯誤の末、なんとか足袋らしいものが作れました。

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