窓(まど)から気持ちのいい朝日(あさひ)が射(さ)し込み、良太(りょうた)は目を覚ました。だが、昨夜(ゆうべ)、飲みすぎた良太は最悪(さいあく)の状態(じょうたい)だった。頭はガンガンするし、何となく気分もよくないのだ。どうせ今日は休みだし、このまま寝ていようと良太は決め込んだ。
寝返(ねがえ)りを打って、ふっと目を開けたとき、良太は驚(おどろ)いて飛び起きた。そこに、女の子が寝ていたのだ。それも、かなり可愛(かわい)い…。良太は目をぱちくりさせて、何でこうなったのか必死(ひっし)に思い出そうとした。でも、昨夜、友達と店を出てからの記憶(きおく)がないのだ。どうやって家に帰って来たのかも…。
良太があたふたしていると女の子が目を覚まし、「おはようございます」と言って可愛い笑顔で起き上がり、良太の顔を見つめた。良太はあまりの美しさに、身体(からだ)が震(ふる)えた。
「あの…、おはようございます」良太は思わず挨拶(あいさつ)を返したが、「えっと、どなたですか?」
「忘れちゃったんですか? 昨夜、会ったじゃないですか」
「あの、どこで会ったんですかね? よく覚えてなくて…。すいません!」
「別にいいんですよ、そんなこと。これから、よろしくお願いします。今日から、あなたにつくことにしました。だって、私と気が合いそうだから」
「えっ、これからって? つくってなに?」良太には何のことかまったく分からなかった。
「たまにいるんですよ。私たちのことが見えてしまう人って。ふふふふ……」
<つぶやき>記憶(きおく)をなくすほど飲まないようにして下さい。何が起こるか分かりませんよ。
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