熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

ワタミと日銀

2015-02-14 20:28:50 | Weblog
渡辺輝人弁護士が書かれた「ワタミの初任給はなぜ日銀より高いのか?」を読みました。

ワタミの大卒求人の募集要領によると、店長候補の初任給は24万2326円で、日銀の大卒総合職の初任給は20万541円です。

単純に比較すると、ワタミの方が日銀よりも給料が高い。

そんな馬鹿なと思いますが、とんでもないカラクリが。

日銀の初任給は月平均所定労働時間数に対応するものですが、ワタミの初任給は基本給は16万円、深夜手当3万円、超過勤務手当5万2326円(時間外労働時間45時間に対応)の合計金額です。

ワタミの年間休日数107日。

結局、ワタミでは、賃金体系からして、一日8時間労働に加えて、一日2時間から2時間15分程度の法定時間外労働が予め予定されていることになります。

それに加えて、一日平均で5時間51分〜6時間26分程度が深夜早朝労働が予定されています。

深夜早朝の時間帯は、22時〜5時までの7時間なので、午前4時まで仕事をして欲しいということです。

かなりハードですね。

そして残業を行っても残業代は固定残業代に含まれているので、支払われません。

これに対して日銀は、初任給20万541円、完全週休2日制で年末年始休日、国民の祝日がお休みです。

固定残業代は0円なので、残業すれば残業代が支払われます。

つまり日銀の方が、圧倒的に労働条件が良いわけです(当たり前ですが)。

この本には、残業とは何なのか、残業代から会社が見える社会が見える、就職活動から始まっている残業代請求、私でも残業代を請求できますか?、残業代請求のために今の職場でできること、残業代の計算、未払残業代の請求について分かりやすく説明されています。

賃金体系というと労働法の範疇なので、分かりにくいものですが、この本を読むと良くわかります。

著者によると、「サービス残業は」「賃金泥棒」と言い換えるべきで、現在、政府が法案を提出しようとしている残業ゼロ法案は、「過労死促進法」または「残業代ゼロ法」と呼ぶべき危険な法案ということになります。

ご一読をお薦めします。











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