熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

職務発明制度急転回

2014-09-03 17:28:10 | Weblog
安倍政権は、社員が仕事で発明した職務発明の帰属を「社員のもの」とする特許法の規定を改め、無条件で「会社のもの」とする方針を固めたようです。

これまでは、十分な報償金を社員に支払うことを条件にする方向だったが、経済界の強い要望を踏まえ、こうした条件もなくすそうです。

企業に有利な制度に改まることになり、研究職の社員や労働団体は当然反発しますね。

政府が条件として検討してきた十分な報償金制度をめぐっては、経団連などが「条件の内容が不明確で使いにくい」などと反対し、無条件で「会社のもの」にすることを強く求めていたことから、今回の方針転換は、こうした企業側の意見に配慮したものです。

安倍政権は、一貫して国家、企業の利益を優先して個人の利益を無視していましたが、今回の職務発明制度の改訂も同じ流れですね。

職務発明を法人が原始帰属するとなれば、法定通常実施権の規定は不要となり、一切の条件を付けないとなれば対価の規定も不要となりますね。

そうすると企業と発明者は、入社時に職務発明に関する契約を締結することになるのでしょうが、立場の弱い従業員に配慮して35条の規定を設けた趣旨はどうなるのでしょうか。

従業員の立場が強くなったとは思われないので、企業の立場のみ考慮したということでしょうね。

国家や企業を優先して国民に負担を強いる安倍政権の支持率が下がらないのが不思議なのですが、やはり拝金主義の人が多いのか、深く考えない人が多いのでしょうかね。

消費税導入や円安の影響で物価が上昇し、個人消費が落ち込んでいるのですが、政府発表の経済指標も落ち込みを少なく粉飾しているという疑惑がありますね(速報値を後で修正する)。

自分の頭で考えて行動しないと取り返しのつかない事態になります。

よく考えよう。










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