熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

弁理士会員研修

2008-11-04 22:08:12 | Weblog
弁理士会員研修「欧州特許における進歩性 課題ー解決アプローチを中心に」を受講してきました。

企業の知財部門で仕事をしていたときでも、米国特許実務はかなり経験していましたが、欧州特許の実務経験はほとんどありませんでした。

今回の研修は、経験の少ない私でも理解できる、分かりやすいものでした。

欧州特許実務での「発明活性(日本の進歩性)」の判断手法である、「課題ー解決アプローチ(Problem-Solution Approach)」は、私が実践している進歩性判断手法とほとんど同じだったので、自信を持ちました。

この「課題ー解決アプローチ(Problem-Solution Approach)」は、
①課題が公知または自明でない場合は、解決手段が陳腐なものでも進歩性が認められる。
②課題が公知または自明な場合は、解決手段が非自明性を有していれば進歩性が認められる。
③解決手段の自明性の有無は、意外性(当業者が予測できない手段)で判断する。
④商業的成功等の二次的考慮事項は、かなり限定して考える。

①と③が日本の進歩性判断実務と少し異なるような気がします。

進歩性の判断方法は、特許法の目的と関連しており、産業の発展を重視すると、発明の効果の大きさを考慮して判断することになります(二次的考慮事項を重視する)。

発明(創作)の保護を重視すると、解決手段の意外性(当業者が予測できない手段)を重視して判断することになり、効果の大きさは、あまり考慮しないことになります。

実務上は、両者を考慮して判断しており、どちらをより多く考慮するのかという問題でしょうか。

個人的には、欧州の「発明活性」判断方法である、「課題ー解決アプローチ(Problem-Solution Approach)」が妥当であると考えるのですが、皆様はどのようにお考えでしょうか?



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コメント (5)
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