WEBマスターの読書日記

「木戸さんがこんなマメだったなんて」と大方の予想を裏切って続いているブログ。本、映画、感じたことなどをメモしています。

『上と外(上)(下)』(著者:恩田 陸)

2017-08-10 20:51:15 | 本と雑誌

 

この連休中は一切仕事しないぞ!と決めて、引きこもり生活。抗生物質に咳止めにアレルギー鼻炎を止める錠剤と色とりどりに何種類もの薬を三食ごとに飲む。薬は嫌いだが仕方ない。やっぱり体力が落ちていて少しフラフラする。今のうちに練習しようとピアノを弾く指にもなんだか力が入らない。それでも食欲はあるのが幸いで、きちんと栄養のある食事を摂って回復に努める。先週はお味噌汁をちゃちゃっと作る時間すらなくて、ろくなものを食べていなかった。それに今までずっと、忙しかった間は、週の半ばになると必ず定期的に眠れない夜が来る。これじゃあ病気にもなるわけだ。

療養中は念願の読書漬け、冬休みに読んだ「蜜蜂と遠雷」があまりにも良くて、同じ作家の別の著作をキンドルに落とし、ワクワクと読み始めた。これまた、めっちゃめちゃおもしろい。マヤの遺跡を抱えるジャングルに墜落した子供ふたりの過酷なサバイバル生活。食料なし水なし、血に飢えた巨大な肉食獣に迷宮みたいなマヤの地下水路、さらに火山が・・・と普通なら何回もジ・エンドな危険を、大人顔負けの根気と知恵で切り抜けていく。手に汗を握る疾走感に一気に読んでしまった。やっぱりこの人の魅力的なストーリーテリングは素晴らしい。

そういえば私の父も不眠症で、特に40代~50代にかけては日に3~4時間くらいの睡眠時間だった。母の手料理でお酒をがっつり飲んで12時くらいに寝て、4時前にはもう目がばちっと覚めてしまう。朝に漢字テストの勉強をしたいから必ず起こしてねと言うと、目覚まし時計をかけなくても比類ない正確さで叩き起こしてくれたものだ。私は父親似なので、うわ寝れないのは遺伝なのかしら、と思っていたら、忙しかった仕事が一区切りついてほっと神経がゆるんだのか今度は際限なく眠れる。密林に開けた石畳の上でリュックを枕に仮眠をとる描写がリアルなこの物語を読んだあとは、清潔なシーツとふわふわのブランケットがたまらなく快適である。

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