WEBマスターの読書日記

「木戸さんがこんなマメだったなんて」と大方の予想を裏切って続いているブログ。本、映画、感じたことなどをメモしています。

『セプテンバー・ラプソディ』(著者:サラ・パレツキー 訳:山本 やよい)

2017-08-19 16:44:19 | 本と雑誌

来る日も来る日もどんより曇った空とぱらつく雨の日が続く。8月ってこんなに長雨だったっけ。とはいえ、体調不良でプライベートの予定をすべて取り止めた私には雨模様のほうがむしろ好ましい。夏らしくスカッとした快晴だったら、海に行ってビールを飲んだり北海道でゴルフやおいしいジンギスカンを楽しんだりできないことが、さぞや恨めしかったことだろう。そういえば、だいぶ前にゴホゴホ咳をしながら麻布十番の耳鼻科に行ったとき、美味しい店が軒を並べるこの街はちょうどハッピーアワータイムで、駅から病院までの道にずっと、美しい琥珀色の空から気持ちいい風の吹き抜けるテラスが続き、心底、お酒の飲めないのがつらかった。アルコールだけじゃなくて、大好きなカレーも、スパイスのきいた料理は刺激で気管支を痛めるからと全部ダメ。夏なのに何を食べればいいんだ。

先週はひたすら体を休め、ノー残業、ノーストレス、ノーショートスリープと7時帰宅を徹底したおかげか、かなり長い間、断続的に続いた息苦しさと咳はすっかり治まった。薬をのんでものんでも続くので、これは抗生物質も効かない特殊なウイルスに肺が侵されているのかとおびえたら、耳鼻科の先生いわく「乾燥した中での寝冷え」との診断。嘘でしょう、東京の夏はこんだけ高温多湿だよ・・・と目が点になったが、エアコンの設定温度を2度上げ、長袖のシャツを着て、愛用しているカッシーナのタオルラックに濡れタオルをかけて寝たら、鼻の奥の炎症が一晩で治ってしまった。ここ最近、夏になると体調を崩していたのはこれだったのか。とはいえ、ちゃんと寝てちゃんと食べないと、と先生からも釘をさされる。

いいことは、自宅にいる時間が長いので読書が進む。第二次世界大戦下、ウイーンで原子核の研究に魅せられた女性科学者の生涯を軸に、アンシュルスから現代まで70年もの期間を壮大に描く長編。この作品でもヴィクは、悪党と取っ組み合ったり炎天下に廃棄薬品でドロドロの沼から書類をあさったりした後で、水の冷たいミシガン湖で沖合まで泳いで気分転換を図るというタフネスぶり。ところで本を読んでいても、アメリカの食事どきに必ず出てくる冷えたおいしそうな白ワインがうらやましくて仕方ない。と、先生に訴えたら、咳が止まったので来週からアルコールも大丈夫でしょうと。やったあ。