武蔵野夫人 (新潮文庫) 価格:¥ 420(税込) 発売日:1953-06-09 |
ラディゲ「ドルジェル伯爵の舞踏会」から引いた言葉が冠された大岡昇平氏の傑作のひとつ。感情のもつれからみあった人物の心理も、美しく枯れた武蔵野の風景描写も、ひとしく透徹したまなざしで言葉が掴まれ、一つずつ直截に並行に置かれる。時にはっとするほど大胆なものがたりの飛躍と、思わず笑ってしまう渋いユーモアの着地。いいなぁ。
今週もとにかく忙しく、日々遅くに帰宅して、神経をほぐすためにお酒を飲みながら少しずつ読んだ。金曜など会社を出たのが1時近く。12時間以上なにも食べていない空っぽのおなかと、酷使しすぎてキリキリ痛む肩をかかえ、深夜のコンビニでサンドイッチとスープを買ってとぼとぼ家に帰った。こうして書くと我ながらかわいそうだ(笑)
そうして疲れているわりには、休日になると体調を崩すということもなく、今朝は早起きして夏の定番、Wham!のCDをかけながら掃除と洗濯。クロゼットの中を整理して夏服に入れ替え、買い出しに出かけて冷蔵庫の中身を補充する。昨晩はワインとハイボールを自分の適量以上に飲んだのに、なぜか体がすっきりして、幸せな休日気分。暮れなずむ空に、気づいたらもう夏がきている。