WEBマスターの読書日記

「木戸さんがこんなマメだったなんて」と大方の予想を裏切って続いているブログ。本、映画、感じたことなどをメモしています。

『魔女の目覚め(上下)』(著者:デボラ・ハークネス 訳:中西 和美)

2011-09-10 15:02:00 | 本と雑誌
魔女の目覚め 上 (ヴィレッジブックス) 魔女の目覚め  (ヴィレッジブックス)
価格:¥ 924(税込)
発売日:2011-07-20

O型のせいか蚊に刺されやすい。今週、WEB広告研究会の定例会がソフトバンク本社であって、会場は25階のフロアをぶち抜いたオーシャンビューの社員食堂、人の出入りが多いせいか2時間弱の間に3箇所も刺されてしまった。盛夏より、今くらいの時期のほうが多い気がする。かくと余計にひどくなるし痕に残るので、絆創膏をはったりしてひたすら耐える。少しくらいの血なら全然あげるから、かゆくしないで欲しいと切実に思う(笑)


血を吸うつながりで、ニューヨーク・タイムズでベストセラーになったヴァンパイアと魔女の本。著者は歴史学者で、どうりでフィクションなのに16~18世紀のヨーロッパの錬金術(科学発達のはしり)とか魔女狩りの挿話が真に迫っていておもしろい。世に科学や物理や宇宙天文学で解き明かされてきたことが、まだ、おぞましい神秘の力とみなされていた時代だ。


ジョルジュ・サンドの「フランス田園伝説集」に、現代なら隕石の落下として知られるものが、昔なら、落下地点の近くにいあわせた罪のない農婦が魔女とされて火刑になっただろうというエピソードが出てくる。異端という言葉には、その時々の人類の知識常識の限界、そこからはみ出てしまうものは存在自体を抹殺しなければという強迫観念じみたエキセントリックな響きがある。不思議なクリーチャーより、そちらの方がずっとこわい。