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白檀の刑〈下〉 (中公文庫) 価格:¥ 1,150(税込) 発売日:2010-09-22 |
シューベルトのアルペジオーネ・ソナタがとても気に入ってしまい、ここのところ頻繁に聴いている。チェロも素晴らしいが抜群に安定感のあるピアノがいい。ベンジャミン・ブリテン、聴き込んでみる。雪の降りしきる夕方が暮れていくのを窓から見ながら、ピアノを弾いたり聴いたりできるのはとても幸せ。
といっても、けさは先週終わらなかった仕事を片付けに、汐留に出社。自宅を出るときは雨だったのに、仕事が一区切りつき、24階のオフィスからふと見ると、一面に白い幕がかかっている。風にあおられて大きく揺らいでいるのが雪だと気づいてびっくり。毎年だいたい、元旦は晴れ、成人式は雪。帰り道、街路樹やお店の軒先からバッサバッサ雪のカタマリが落ちてくるし(危険だ)、ヒートテックにレインブーツをはいて完全防備で来てよかった。成人式帰りの女性は幾人も、せっかくの着物も足元も冷たくなってしまってかわいそう。
下巻は血しぶきのあがるしっちゃかめっちゃかの大騒動、ラストに向けて狂ったように突っ込んでいくが、最後の一筆でピタッと全ての音がとまる。piu mosso, crescendo, furioso のあとに、ピタリとすべての音がとまって、しいんと、ほんとうに完全な静寂がくる。「音を描きたかった」という後書きでなるほどと思う、この作家はすごい。