WEBマスターの読書日記

「木戸さんがこんなマメだったなんて」と大方の予想を裏切って続いているブログ。本、映画、感じたことなどをメモしています。

『IT(1)~(4)』(著者:スティーヴン・キング 訳:小尾 芙佐)

2017-12-17 20:53:37 | 本と雑誌

なぜか新幹線や飛行機での移動のとき、キングが読みたくなる。昨年もちょうど今ごろ、東北新幹線でケネディ暗殺×時空トリップがテーマの「11/22/63」に夢中になっていた。今年は11月に奈良に行ったのだが、行く前のある夜、友人と新橋でおいしい鰻を食べての帰り、雑誌を買いたいというのに付き合って本屋に立ち寄った。新刊コーナーに映画化の原作として平積みになっていたのがこれ。

おっ、読みたい。しかしその厚みに思わずたじろぐ。文庫ではゆうに2センチあり、しかもそれが全部で4冊という大長編。まぁ新幹線の道々でつまらなかったらやめればいいやとKindleにダウンロード。そしてキングのこの手のホラーが面白くないわけがなく、品川から出発して紙コップの熱いコーヒーをすすりながら京都まで読みふけった。以前なら旅先の本屋で続編を探しに駆け込むところ、WiFi接続さえあれば、在庫がないとか書店がないとかを心配せずにいくらでも読めるのがKindleのありがたさ。

たぶん全部通したら2000ページ分くらいの長さである。このくらいの長編だと読みながら他の本も併読する習慣が、次の展開が気になって止まらず、脇目もふらずに読み切ってしまった。奈良もとても楽しかったが電車での移動時間の読書もまた楽しい。架空の町デリーに取り憑いた悪魔と、7人の子供たちの戦い。1957年と85年を行き来してまったく読者を飽きさせない重厚感のある軸に加え、枝葉の小さいエピソードが恐怖の連打で後からジワジワきいてくる、それが幾つも重なり合ってめっちゃ怖い。小説の真髄とはこういうもの、読み終わったらなんだかこれだけで体力を使い切った感(笑)

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