WEBマスターの読書日記

「木戸さんがこんなマメだったなんて」と大方の予想を裏切って続いているブログ。本、映画、感じたことなどをメモしています。

『コスメティック』(著者:林 真理子)

2016-09-11 18:27:21 | 本と雑誌

今日は半年ぶりに高尾山にハイキングに行く予定が、熱がひかず扁桃腺が痛くて、終日ベッドでうとうと。寝ても寝ても眠くて、いくらでも眠れる。体温を上げて一生懸命にウイルスと戦っている体が健気で、私もきちんと薬を服用し、食事をし、ひたすら休む。前は風邪をひいても余程のことにならない限りは夜遅くまで仕事したり遊びに行ったりしていたが、気管支炎が長期に渡り治らずというバッドな経験をしてからは、たいがいの予定を遠慮なくキャンセルする。前は何だってあんなに無理してたんだろう。今は大人になったということか。

本好きの友人知人にkindle賛歌を続けているが、これは力の抜けた腕で寝ながら読むには本当に嬉しい軽さである。20代の頃にいちど読んだこの小説、ハードカバーで買っても本棚に残らないけど、電子書籍なら読み直すにも便利。周囲で評価が分かれる林真理子さんの作品は、私は結構好き。野心家でギラギラドロドロしているんじゃなくて、実はとってもピュアなのだ。よくある、人と違うオリジナリティを出すために文体をこねくり回して複雑にしてしまう作家より、よっぽど才能のあるこの人は天啓のようにスーッと頭に降りてきたまま、ストレートに紙に書き付けていくのではないか。

ところでこれを読んでいたらむしょうにおいしいパスタが食べたくなってきた。盲腸になると食欲がなく絶食いかんにかかわらず食べられないというのに、入院中、「吐き気は大丈夫ですか」と気遣ってくれる看護婦さんに「この点滴を外してご飯が食べたいです」と訴えて苦笑されていた私。おとなしく寝ているうちに体力が戻ってきたのかしら。早く普通の体調に戻りたい。