WEBマスターの読書日記

「木戸さんがこんなマメだったなんて」と大方の予想を裏切って続いているブログ。本、映画、感じたことなどをメモしています。

『フォールアウト』(著者:サラ・パレツキー 訳:山本 やよい)

2018-02-11 18:06:09 | 本と雑誌

1月に入り都内でも2回雪が降って、冬らしく寒い日が続く。周囲で風邪やインフルエンザ、胃腸炎が続出しており、私も先週の土曜、少し喉が痛くなったが、このところ体調が抜群に良くて一晩寝れば治るので、すっかり油断していた。寒風が吹くなか元気にベランダの掃除をし、新しい家具の搬入に来てもらって動き回り、夜にワインを飲んでベッドに入った翌日曜、朝起きてみると体が異様に熱っぽい。あわててジョギングを中止、市販の風邪薬を飲んで寝ていると、さらにぐんぐん熱が上がっていくのがわかる。喉はキリキリと腫れていて、頭や手足の関節が痛む。そういえば大学生のとき、風邪をこじらせて高熱40度近く意識が薄れ、親が救急車を呼んで入院する騒ぎになったことがある。大学時代よりも体力の落ちた今、どこまで熱が上がるのかと怖くて体温計で測れない(笑)。

うちのマンションは1階に内科があり、朝、病院があく時間を待ちかねて駆け込んだ。検温の結果をみて気のよわい私、ふらっと倒れそうになる。絶対にインフルエンザと思ったのに、しかし検査は陰性。熱が高いので、下がるまで外出せず再検査を受けてくださいとタミフルと抗生物質を両方とも処方された。どちらかが効いたらしく、数時間うとうとしているうちに熱が下がってきて、夜起きて大好きなサラ・パレツキーの最新作を読み終える。主人公の恋人がコントラバス奏者で、スカイプでオペラのアリアを弾いてくれるという話が出てくる。ああ、うらやましい。

1月にサントリー・ホールでチョン・ミョンフンの指揮する東京フィルを聴いて、あまりのすごさに言葉を失った。誰よりもモーツァルトらしい、音が甘くキラキラ輝いているようなジュピター。軽やかな旋律の枠組みを、大きく飛び跳ねて墜ちていくスケールの崇高さに鳥肌がたちっぱなしだった幻想交響曲。前から2列目だったので巨匠の表情がよく見え、オーケストラと対峙するその真剣な目つきに、もううっとりして目がハートマークに。いつも風邪で熱が出ると咳が何週間も続いてひどいのに、今回は熱が下がったら咳は出なくなって、再検査の結果も陰性だった。風邪じゃなく、最高の演奏に大興奮したあまりの知恵熱だったのか。