WEBマスターの読書日記

「木戸さんがこんなマメだったなんて」と大方の予想を裏切って続いているブログ。本、映画、感じたことなどをメモしています。

『街場の現代思想』(著者:内田 樹)

2011-04-03 17:11:11 | 本と雑誌
街場の現代思想 (文春文庫) 街場の現代思想 (文春文庫)
価格:¥ 600(税込)
発売日:2008-04-10

冬は、コットンの毛布にフランスダックのしっかりしたふとんにくるまって寝る。一昨日と昨日は、それが暑かったのか、夜びっしょり汗をかいて何度も起きた。汗を吸った衣服が冷えて肌にじんわり貼りつくのが大嫌い、なのでそのたびに着替えること4回。小刻みに起きるのであまり寝た気がしない。この時期は三寒四温で、今日はまた寒くなっちゃったなと思うけれど、次に暖かくなるときは確実に前よりも気温があがる。こういう季節の変わり目はほんとに日本らしくて素敵。


「街場」シリーズの一巻目、うまいし、鋭いし、読んでいるのは通勤電車の中なのに、おもしろくてつい、うふふと笑ってしまう。たとえば、論理的規範とは、「社会のまわりの人間が自分みたいになっても生きていける人間になること」なんて、おそろしく鋭い喝破だ。そうか、数年前の私、理屈が通っていないことは問い詰めるタイプだったけど、論理的規範からはずれていたんだ(笑)


司馬遼太郎先生の「竜馬がゆく」に、坂本竜馬は人と決して論争をしなかったというエピソードがあって、人が理由を問うたときに、勝っても負けても恨みだけが残るからと答えたという。今では、竜馬の頭の良さがおおーと体で分かる。ものごとにはなんにでも理由や事情があって、良し悪しで単純に割り切れるものではないし、人を理詰めで責めてもけっしてポジティブな解決にはならない。もっと緩やかな時代の私たちは、どうしても許せないことがあれば、だまって離れていけばいい。大人なんだから。