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細野豪志ブログ

衆議院議員 細野豪志の活動報告です

個人情報保護と国民の自由

2006-04-03 15:35:47 | 国会活動
私がライフワークで取り組んできた政策の一つに、個人情報保護があります。政策分野での活動の場が与えられれば、真っ先に取り組みたい分野の一つです。

2年にわたる議論の末、個人情報保護法が成立したのは2003年5月。昨年4月の施行から1年が経過しました。ここへきて、自民党から個人情報保護を更に強化して、個人の情報漏洩に対して罰則をかける動きが本格化しています。

私は、この1年間の個人情報保護法の運用の実態をみていて、現在の個人情報保護法の枠組みは、混乱や弊害の方が大きいと考えています。主な問題点は3つ

第一に、地域社会や職場・学校といったコミュニティづくりが課題となっているなかで、個人情報保護がその障害となっていることです。いくつか例を挙げます。
・学校の児童の緊急連絡簿がつくれない
・障害者の住所が分からないので災害ボランティア活動がままならない
・卒業名簿や職場の新入社員名簿がつくれない
子供をもつ父親として、安全には強い関心があります。ただ、本当に安全な社会をつくるためには、個人情報をある程度開示して、信頼を前提とする社会を形成する必要があるのではないか。

第二に、行政や議会が個人情報保護を盾に情報公開に応じない例が相次いでいることです。官僚や政治家の学歴や職歴・天下り歴などは、個人情報保護を超えて公開されるべき情報です。個人情報保護の行き過ぎは、報道の自由や国民の知る権利を阻害する要因になります。

最後に、情報管理社会への強い懸念です。『マイノリティ・レポート』いう映画をご存知でしょうか。個人情報保護を徹底すると、やがて官に情報が集中します。官は間違わないという前提に立つことがいかに危険なことかは、改めて指摘するまでもありません。

最後に今後の方向性です。確かに、今の個人情報保護法制には穴が多いのは実情です。私は、包括的な個人情報保護を強化するより、情報通信、医療、金融などの業界ごとのルールを策定することの方が、現実的ではないかと考えています。