1か月間もブログをほったらかしにしてしまいました。
身辺忙しく、ということでご勘弁を。
さて、ゴールデンウィーク中の4日に富岡製糸場に行ってきました。
2年ぶりぐらいでしょうか、久しぶりです。
行く前はちょっとドキドキしてしまいました。
なぜなら堅曹さんの働いていた、そして住んでいた場所で、
現在残っている唯一の場所だからです。
確かにここに居たと思えるし、この光景のなかで日々仕事をしていたんだとおもえるだけで、
私にとってはちょっと大げさですが「聖地」です。
お天気は晴れたり、ときどき雷がなって夕立のように雨がふったりと、
目まぐるしくかわる日でしたが、訪れる人も多く
富岡製糸場のfacebookによると
この日の来場者は2228人で、今年一番だったとか。
煉瓦作りの建物は相変わらず堂々として迎えてくれました。
手入れの行き届いた花々は建物に彩りを添え、来場者のにぎわいに活気を感じます。
東繭倉庫のガイダンス展示が以前より新しくなっていると聞いていたので、
さっそく見学。
説明板の配置などがセンス良くなっていていい感じです。
堅曹さんの写真も解説のところに載っています。
奥のほうでハイビジョン映像が流れていました。
おもしろそう、とたくさんの人が見ています。
わたしも拝見。
ポールブリュナが歴史をかたりながら場内を案内するというもので、
CGも使ってより理解が深められるようになっている。
たいへんおもしろかった。
いつもは閉まっている東繭倉庫の左側倉庫ではGW中
国産の繭と生糸にこだわった「とみおかシルク」製品の展示即売をしていました。
私が愛用している「ミラノリブ」の製品も展示されています。
一人で見学の時にはi-pod で解説を聞きながら、ということもできるのです。
貸していただいて、さっそく使ってみた。
各国語で聞けるし、映像も音声もきれいだし、とても便利だとおもう。
次は西繭倉庫のほうへ行き、煙突をながめたり、ひろい庭でのんびりと大空を眺めたり。
この空間のひろさが何より好きです。
これは100年前から変わらないんだろうな、といつも思うのです。
それから繰糸場を見てブリュナ館のほうへ。
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堅曹さんはここに住んでいたんだよね、と建物の前で想像する。
現在は中はほとんど改装されてしまって、住居の痕跡はないのですが、
外観は面影を留めています。
ブリュナ館の先にいくと南西に眺望がひらけます。
すぐ真下には鏑川が流れ、前方を山々が連なり、
その新緑の稜線には雨上がりの雲の切れ目から陽が差していました。
きらきらと美しい。
堅曹の詠んだ「富岡製糸所」という長歌にこんな一節があります。
上つけの かむらあかたは あまさかる ひなにはあれと
西には 妙義浅間 南には みかほいなふくみ 高山そ
つらなりたてる 川はしも たえず流れて 岩瀬こす
音さへ清し 春されば 花ぞ咲ける 秋されば 紅葉そ染る‥‥
当時アユ漁もできた鏑川の川音に耳をすまし
ベランダから西方に浅間山、妙義山、
南方に稲含(いなふくみ)山、御荷鉾(みかぼ)山を日々眺め
そして季節の移り変わりを花々から感じ・・・
そうして堅曹さんはこの歌を詠んだんだろうな、と当時におもいを馳せました。
久しぶりの製糸場、よかったです。