24日は富岡製糸場世界遺産伝道師協会の現地研修会でした。
場所は群馬県の伊勢崎市境島村と桐生です。
朝、8時に高崎駅に集合してバスでまず、島村へ向かいました。
このところずっと秋晴れのいい天気が続いていたのに、
この日に限って朝から大雨。
会長さんが、僕が日程を決めたので雨男のようですね、って恐縮してました。
境島村は大型の養蚕農家群が現存しており、明治初期、良質な蚕種を
ヨーロッパに輸出していました。
「島村蚕種業績の地」の碑 養蚕農家
「ぐんま島村蚕種の会」のボランティアガイドのかたの説明を受けながら、
1時間半ほど町の中を見学しました。
今年あらたに国の登録有形文化財に指定された島村教会も見学しました。
3年ぐらい前にも研修で訪れましたが、今回は新たに発見された錦絵などもあり、
ガイドのかたの丁寧な解説で、とてもよく島村の歴史がわかりました。
またバスに乗って、次は桐生に向かいます。
群馬大学の工学部の同窓記念会館に行きました。
大正5年に建てられた建物の講堂と玄関の一部が
同窓記念会館として残されています。
群馬大学工学部同窓記念会館
木造2階建てで、教会のような雰囲気の中も外もとてもステキな建物です。
お昼はレンガ造りでノコギリ屋根がある旧金谷レースの工場を活用した
ベーカリー・カフェで食事をしました。
ベーカリー・カフェ「レンガ」
今年オープンしたばかりで伝道師仲間からよく評判を聞いていたので、
訪れてみたかったところです。
きれいで洒落た店内も外観もいいですね。
好きなパンを3つとサラダ、スープ、飲み物のセットです。
とてもおいしかったです。
昼食も終わり、ここからはずうっと桐生のまちなか歩きです。
相変わらず雨は強くなったり、弱くなったり、時には止んで、
でも降り続いています。
高崎駅で買ったビニールの合羽を着て、折りたたみの傘を差したり
閉じたりといそがしいことです。
桐生天満宮を見て、毎月買場沙綾市が行なわれている「買場ふれあい館」。
アーチストファクトリーとしてノコギリ屋根工場が使われている「無鄰館」。
現在は倉庫として使われている、大谷石造りのノコギリ屋根工場。
本町通りを、明治や大正年間につくられた商店や住宅を見ながら歩きます。
中村弥市商店 平田家住宅
最後は土蔵や煉瓦蔵を多目的イベントスペースとしてつかっている「有鄰館」。
有鄰館
桐生はもう使われなくなった工場や蔵、建物をうまく活用しています。
やはり3年ほど前に見学に来たときより、よくなってきていると思いました。
2時間くらい歩いたでしょうか。
バスで移動して織物参考館「紫」(ゆかり)に行きました。
ここもノコギリ屋根の工場をつかっていて、いろいろな織物にかんする
器具や機材が展示てしてあります。
実際に説明員が織ってみせてくれたり、
器械を動かして仕組みを解説してくれたりしました。
目を凝らして糸を見つめました。何千本、何万本という細かい世界です。
ちょっとバスにのり、桐生駅前にある、絹撚記念館を見学。
またバスにのり、旧日本織物㈱の発電所跡をみました。
これですべての見学が終わりました。
もう5時をまわっていて、バスに乗り高崎駅にむかいはじめたら、
すぐに暗くなってしまいました。
日が短くなりました。
今回見学したふたつの町とも、富岡製糸場とともに絹産業遺産として一緒に
世界遺産登録を目指して活動をはじめたところです。
以前見学したときより、ずっと町の熱気を感じました。
駅についたのが、6時15分ごろでしょうか。
一日中振っていた雨もやっと上がりました。
あれやこれや買ったお土産もって新幹線のホームに上がると
ふと見た向い側に
「世界遺産候補 富岡製糸場と絹産業遺産群」の大きな看板が。
しばし見つめてしまいました。