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ロン・ハワード監督『インフェルノ』その4

2018-01-26 05:50:00 | ノンジャンル
 また昨日の続きです。
 シムズ「ゾブリストの信奉者は多いが、シエナは我々の協力を求めた。ゾブリストの死後、彼女は不安げで彼が雇った我々のところへ、大惨事を引き起こす研究の話をした。我々が驚き、行動を起こした時、あんたがシンスキー博士と現れた。彼女はあんたを説得に来た。そうだ。ブシャールから入手したポインターの解読を依頼したのだ。指紋認証もしてあったので、あんたを拉致するしかなかった。シエナは病院であんたの信頼を得た。領事館への電話は私の部下へのものだった。たがシエナはあんたと消えた。ウイルスを放出するためだ。若者のすることと言ったら。噂をすれば影だ」。シンスキーが現れる。「心配したわ。ウイルスは?」シムズ「イスタンブールだ」。
 “WHO専用ジェット 午後5時32分”の字幕。シンスキー「こんなことに巻き込んだことを許して。ゾブリストは2年前にWHOを訪れ、飲料水や常用食に不妊薬を混ぜることを許可してほしいと言い、それ以来、彼は私たちの監視リストに載ったの。しかし彼は消えた。私たちのせいね」シムズ「君はすべて自分のせいにする」「優しいのね」。
 夜、雨。路上にラングドンとシンスキー。「君と歩む道もあった」「大切にしないと恋は散る」「後悔してる?」「振り返ると」。
 ラングドン「運命はドア口で決まる。場所の“へり”だ」シンスキー「昔と同じね。話好きだけど、肝心な話はしない」「WHOの仕事を断れとは言えなかった」。拉致されるラングドン。
 “トルコ イスタンブール 午後6時39分”の字幕。シエナはイスタンブール大学へ向かい、仲間と合流する。「ゾブリストは死んだ?」「計画遂行のために来た。ウイルスの放出は今夜の真夜中だけど、邪魔が入りそう。だからその前に爆薬で放出するらしい」。
 ラングドン「黒死病でこの街では日に5000人が死んだ。ここは東西を結ぶ“ドア”だ。奴がこのウイルスを選び、この場所に仕掛けようと思った理由は、ここでウイルスを放出すれば、世界の人口の95%が4~7日で感染するようになるからだ」。
 “アヤソフィア 午後7時53分”の字幕。「ここの責任者のサルミットです。ここがダンドロの墓です」ラングドン「“流れる水の音に耳を澄ませ、深く水に沈んだ宮殿で”。(床に耳をつけて)水の音がする場所は?」サルミット「排水され貯水池にいく水です」「6世紀の“イェレバタン・サラユ”、“沈んだ宮殿”がまだあるなか。奴がやるならそこだ!」。
 シエナらも場所を特定。
 ゾブリストの演説。
 ラングドン「この人出は?」サルミット「今夜のサマー・フェスティバルのためのものです」「あそこにウイルスの散布機がある! 空気中に散布するつもりだ」「退避させろ」「いや、封鎖して携帯の電波を遮断しろ! “血で染まった水に星が映ることはない”? メドゥーサ像へ行こう。ギリシャ神話の中で“地底の怪物”と呼ばれている神だ。大勢での捜索が開始され、やがてシンスキーがポリ袋を見つける。それを格納器に入れるシンスキーら。シムズはシエナの仲間と格闘し、ナイフで1人を倒すが、腹にナイフの傷を負い、シエナにとどめを刺される。シエナは爆薬を水の中に投げ捨て、携帯電話で爆破しようとするが、電波が圏外となっていて、爆破に失敗し、自ら水の中に飛び込み、自爆する。シエナの仲間で残った一人と格闘するシンスキーとラングドン。やっとその一人を倒し、ウイルスの格納に成功する。
 シンスキー「ウイルスの遺伝子を解析するなど、これからの仕事が大変だ」ラングドン「また別れ別れだね」「ダンテとベアトリーチェね。そうそう、渡すものがあるの」。シンスキー、拉致の場所に落ちていた腕時計を渡す。「君と僕がこれからどうなっていくか、人生はミステリーだね」。
 “フィレンツェ 午前9時”の字幕。ラングドン「マルタは?」「産休中です」「それは良かった。ところで、ダンテのデスマスクのところの照明が落ちていたよ」「それが今は展示されていなくて」「いや、あったと思うけど」。館員がダンテのデスマスクを置いてある場所へ走り寄るところを映し、画面がフェイドアウトするところで映画は終わる。

 それなりに楽しませてくれた映画でした。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto

P.S 昔、東京都江東区にあった進学塾「早友」の東陽町教室で私と同僚だった伊藤さんと黒山さん、先日、久しぶりに「かわ野」で福長さんと会って、お二人がどうしてるのかな、という話になりました。ということで、伊藤さんと黒山だん、これを見る機会がありましたら、是非連絡をください。連絡先はメールアドレスで、「m-goto@ceres.dti.ne.jp」です。福長さんと首を長くしてお待ちしています。

ロン・ハワード監督『インフェルノ』その3

2018-01-25 06:09:00 | ノンジャンル
 また昨日の続きです。
 ラングドン「私は盗んでいない」シエナ「でも現場にいた」「君には関係ない。彼は姿を消したが、痕跡は残した。メールに“天国の25”とあった。ダンテの“神曲”の“天国篇”の第25の歌だ。原本が必要だ」「ググればいいのよ」「アルメニアを抜けよう」。隠し扉から脱出する2人。「“洗礼盤の前で冠を受ける”。ダンテが洗礼を受けた大聖堂は?」「イニャツィオの仕事場だ」。五百人広間の天井裏に至る2人。しかしシエナが天井に落ち、その音でヴァエンサは彼らの存在に気づく。拳銃を撃ちながらラングドンに近づくヴァエンサ。シエナは彼女の足を払い、ヴァエンサは天井を突き抜けて床に落ちて死ぬ。(中略)
 ラングドン「ゾブリストが言及していた6月32日は明日だ。ダンテの予言が現実になる。ウイルスは昨夜既に放出され、世界中の隅々まで拡散し、6日以内に全ての人間の体内で増殖し、人口は半分になる。地獄絵だ。彼は異常者だ」。(中略)
 サン・ジョヴァンニ礼拝堂の洗礼盤の中にデスマスクがある。シエナ「水溶性の塗料が塗ってある」ラングドンはデスマスクの裏の塗料を溶かしていくと、“裏切り者のヴェネツィアの総督を探せ。彼は馬の首を断ち切った”という文章が現われて来る。ラングドン「ベネツィアはダンテが病を得た場所だ。“英知に満ちた黄金のミュージアムでひざまずき、ひそやかに流れる水の音に耳を澄ませ、深く水に沈んだ宮殿で地底の怪物が待っている”」シエナ「ウイルスは地底にあるってこと?」「“血で赤く染まった水の中に沈み、そこに星が映ることはない”」。そこへブシャールが現れ、ラングドンに「君が会っていた女性はWHOのエリザベス・シンスキーだ。ウイルスを外国に売ろうとしている」。
 空港でラングドンを待ち伏せしているシンスキーに、「彼らはここに来ない」と教えるシムズ。
 “ヴェネツィア行き 午後1時57分”の字幕。ブジャール「3日前、2年間追っていたゾブリストを見つけたが、自殺されてしまった。だが彼のポケットにあるものが、地獄絵の入ったポインターだったので、その謎解きをしてもらおうとあなたに渡した。しかしあなたは拉致された」。シンスキーについて質問するブジャール。「数百万人の人が死ぬ。知らないでは済まない」「ヴェネツィアの大聖堂だ。“コンスタンティノープルの馬”が正面にある」。ブジャールを便所で倒し、パドヴァ駅で逃げ去るラングドンとシエナ。
 シンスキー「2年間あなたの組織が我々の邪魔を?」シムズ「まあね」「ゾブリストを世間から隠し、研究を守ってた?」「今となっては悔やまれる」「今になって信用しろと?」「それしか道はない」「お宅に仕事を頼むのは誰?」「依頼人だ。我々は民間の危機管理会社だ。ブシャールは今どこに?」「所在が不明です」「ウイルスを高額で売るためだ。あと8時間。教授とは親しい仲だと聞いたが? 彼のためなら私のような下等な男とも手を組むんだな。うちなら探せる」。
 “ヴェネツィア 午後2時49分”の字幕。人が群がる広場で、シエナ「ウイルスを撒くならここだね」ラングドン「ああ。黒死病流行の時、入港する船は40日間港で待たされた。(中略)
 馬の像を指さし、ラングドン「これはレプリカで本物は博物館にある。“馬の首が斬り落とされる”話を聞いてほしい」。シエナ、観光客に聞き、「馬は十字軍が戦利品としてコンスタンティノープルから運ぼうとしたが、大きすぎて船に積めず、首を落とし、つけ直した」「誰が?」「ダンドロ。総督よ」「エンリコ・ダンドロはヴェネツィア人を裏切り、エジプトに行くと見せかけコンスタンティノープルを襲った。間違っていた。“英知のミュージアム”、ダンドロの墓所は“英知の博物館(アヤソフィア)”、イスタンブールだ」。ブシャールが現れる。彼から逃げる2人。先に格子戸を開けて逃げたシエナは、ラングドンの行く手を遮り、自分がゾブリストの支持者だったことを明かす。(中略)
 ゾブリストとの生活を回想するシエナ。「君は場所を知らない方が安全だ。君の道を見つけよう。終点は“地獄”だ。尋ねて見い出せ」。ラングドンは失神する。
 目覚めるラングドン。「ウイルスを売ろうとしているのは君だな?」ブジャール「あんたは策略にハマって、いいように利用されていたんだ。俺は策を弄してない。絶好のチャンスだったんだ。ウイルスはどこに? 人口を間引くのもたまには必要だろう。これまでいろんな災害を見てきた。飢饉、台風、コレラ。然るべき人を襲う」「君は人間か?」「道を外すのが人間だ。安い人間の命を一思いで消せるなら大勢が金を出す」。シムズが現われ、ブジャールを背後から襲い、殺す。「君は誰だ?」「便利屋さ。あんたが頭に傷を負ったと思うようになったのも、注射で一時的に記憶を消し、湿疹を起こさせたのも私だ。全てがでっち上げだ。女警官も病院の助手もタクシー運転手も、うちの人間だ(中略)」(また明日へ続きます……)

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto

P.S 昔、東京都江東区にあった進学塾「早友」の東陽町教室で私と同僚だった伊藤さんと
黒山さん、連絡をください。首を長くして福長さんと待っています。(m-goto@ceres.dti.ne.jp)

ロン・ハワード監督『インフェルノ』その2

2018-01-24 05:23:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。
 パソコンで調べると、「バートランド・ゾブリスト 米国の億万長者 生化学者 過激な学説で名を成す」と書いてあり、冒頭の演説のシーンが繰り返される。「バートレット博士はビーカーで説明した。1分ごとに増殖する細菌をビーカーに一つ入れる。最初の細菌を11時に入れたら、ビーカーが一杯になるのは12時。細菌がビーカーの半分になるのは11時59分。今がその時だ。今から40年後には320億の人が生存のために戦い失敗する。災害の全ては人口の増加に素因する。産児制限を主張すると、人権無視やらプライバシーの侵害などと反論される。環境破壊はどうする? 地球誕生以来5度の種の大量絶滅があったが、今すぐ思い切った行動に出ないと6番目は人類になる。真夜中までは1分なのだ」。ラングドン「支持者がいる。世界中に。2年前に姿を消し、その間に日和日感染ウイルス生成の疑いがある。つまり伝染病だ。なぜダンテ? 3日前に自殺をしてる。ちょっと待て。この絵の層がおかしい。描き変えられている」。ホテルの前に病院に来た女がやって来る。シエナ「出ましょう」「“汚物まみれの追従者”。文字の配列を並び替えている。アナグラムだ」「イタリア語で“尋ねて見い出せ”よ」。ホテルの前に警察車両が次々に現われる。「パリ支局のブシャールも来ている」。ラングドン「ヴェッキオ宮殿だ」(中略)。
 バイクの女、携帯で電話。「IDは?」「ヴァエンサ。総監につないで」。
 “アドリア海午前7時12分”の字幕。「40万ポンドを送金して」。「WHOに先を越された? 総監は怒るぞ。きっと“ラングドンは消せ”と言うはずだ」「私に制裁を加えたら、後悔するわよ」「1時間でラングドンを捕えろ」「私は貴重な人材よ」「ポインターを入手しろ」。
 “危機総括大機構から米国防衛省へ”の画面。「シムズ総監、トラブルが起きました。フィレンツェにいる例の者が現場の主導権をWHOに奪われました」「強盗に見せかけてラングドンを殺せ。ナイフで殺し、財布は残せ」「ラングドンは消えました」「チューブを持って? 練りに練った計画なのに。厄介な依頼人のせいだ」「依頼人からの映像は届いた。“24時間見るな”と」「依頼人はゾブリストだぞ。彼は死んだ。すぐ見たい」「契約違反です」「アボガスト君、これだけ我々が成功したのは外部に我々が“存在しない”からだ。映像が我々の存在に触れていたら、他の依頼人の利益を損ねる」。
 “マキャヴェリ通り 午前8時36分”の字幕。ラングドン「“宮殿の五百人広間”にヴァザーリの有名な“マルチーノの戦い”がある。“尋ねて見い出せ”つまり“チェルカ・トローナ”が本当のうわごとだったのかもしれない。ゾブリストの病原体が事実なら、地獄絵のそれを探す誰かに残した手がかりかも」。前方で検問。「私たちだ!」。ラングドンとシエナは車を降り、ヴェッキオ宮殿に向かう。警察「庭園で目撃者が」バイクの女「ウフィツ分署の者です。捜査に協力します」。
 “ボーボリ庭園 午前8時42分”の字幕。「ヴァザーリ回廊だ。彼を消せ」。
 “ヴェッキオ宮殿五百人広間 午前9時13分”の字幕。「チェルカ・トローナ。真実は死者の目を通して見える」。ラングドンは注射を打たれたことを思い出す。「もし私が保菌者なら」シエナ「私も感染者よ。でも睡眠薬や幻覚剤なら地球の半分を救える」。学芸員が近づいてくる。「今日も来てるの?」「こっちは姪のシエナだ」「姪だなんて。ここはイタリアよ。私はマルタ・アルヴァレス。イニャツィオは?」「今日はこれなかった」。
 ブジャール、女性に「ポインターを奪われたのはあなたの油断だ。教授を医師のアパートまで追った。追跡は我々の仕事だ」「ケガをしてたら?」「行動が正常じゃないと? じゃあ、待ち伏せよう」。
 マルタ「デスマスクは16世紀の流行だった。死の直後に石膏で型を取って。詩人のダンテにも作られた。彼はフィレンツェで名となしたのに、政情によって追放され、戻ったら火あぶりと言われた」ラングドン「悲し気なのは追放されたからかも」シエナ「いいえ、ベアトリーチェのせいよ。彼は遠くから一生愛し続けた。彼女は別の男に嫁いだ」ラングドン「大変だ。デスマスクがなくなっている」。
 マルタ「イニャツィオはダンテの研究の第一人者。展示品はコレクターのゾブリストに買ってもらったものばかりです。変わった人でしたが、気の毒な最期でした。監視カメラをチェックするマルタら。そこではラングドンとイニャツィオがダンテのデスマスクを盗んでいる現場が映されている。ラングドン「そんなばかな」。「軍警察が金属探知機に反応があったと言っています」。騒然となる彼ら。(また明日へ続きます……)
 
 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto

P.S 昔、東京都江東区にあった進学塾「早友」の東陽町教室で私と同僚だった伊藤さんと
黒山さん、連絡をください。首を長くして福長さんと待っています。(m-goto@ceres.dti.ne.jp)

ロン・ハワード監督『インフェルノ』その1

2018-01-23 05:49:00 | ノンジャンル
 WOWOWシネマで、ロン・ハワード監督・共同製作の’16年作品『インフェルノ』を見ました。
 街中で逃げ回る男とそれを追う黒ずくめの3人の男。カットバックで演説する男の姿が挿入される。「10万年かけて地球の人口は10億になった。次の100年で20億に、次の50年で倍、1970年には40億、現在は80億。生命を養う資源を破壊し、災害はすべて人口の増加に素因する。このまま放置するのか? 森林の伐採、ゴミの放置、過剰消費、破壊行為。半数の生物種が40年で絶滅。“痛み”が人間を救う? ここにスイッチがある。人数を半分にするスイッチだが、押さないと100年以内に人類は絶滅する。君ならどうする? 人類は自分の体内に発生したガンだ。人類を救いたい? 終点は“インフェルノ”だ。緊急の場合の代役として、“地獄”を世界に解き放て」。逃げていた男は尖塔を登り詰め、退路を断たれる。追っていた男「あれはどこに?」逃げていた男、尖塔から身を投げ、自殺する。演説する男「地球にとって人類は疫病だ。治療薬は“インフェルノ”だ」。
 ICU。「罪を贖え」と叫ぶ男。目覚めた男(トム・ハンクス)は、女医から「ラングドンさん、私は担当医のブルックスです。心配はありません。連絡したい人はいますか? 軽い逆行性健忘症で、脳内出血はありません。記憶は数日で戻ります」「明かりを消して。(窓から街の夜景が見え)まさか。フィレンツェ?」「3時間前に救急に運ばれてきたんですよ」「女性は一緒だった?」「いいえ、タクシーの運転手だけでした。財布も携帯もIDもありませんでした」「なぜ私の名前を?」「ロンドンの大学のお話を聞き、その時お話をさせていただきました。私が9歳の時です。謎解きが好きで本を読みました。“失われた表意文字”以外は面白かったです。変わった子でしょ?」。“軍警察”のバイクが停まり、女性が降りる。「最初は頭痛がひどく、吐き気や混乱、目まいがあります」。警察が来たとの連絡を受けたブルックスは「警察と話す前に言っときますが、傷は銃で撃たれたもので、弾丸が頭をかすめ、転倒して頭を打ったのです」。軍警察の女、廊下にいた医師助手を射殺。ブルックスはラングドンを連れて逃げ出す。地獄絵の幻覚に苦しむラングドン。
 “イタリア フィレンツェ 午前4時52分”の字幕。目覚めるラングドン。「私のアパートよ」とブルックス。「警察に電話するわ」「いや領事館にしてくれ。いや、待ってくれ」「撃たれた理由があるの?」「分からない」「ヴェ…ソリー、ヴェ…ソリーと言っていたけど」「ベリー・ソーリーかな?」「なぜ謝ってたの?」「分からない、質問ばかりするな、この女」「私の名前はシエナよ」「悪かった、シエナ」「質問は重要よ。脳が活性化されるの」「助けてくれてありがとう」「反射的にやっただけよ。幻覚は後遺症よ」「幻覚に出てくる仮面は黒死病が流行った中世に医者がつけていたものだ。死体。女。恐ろしい呼応桂だ。腕時計はつけてなかったか? 両親からのプレゼントで大切なものなんだ」「なかったわ。それより着替えをしないと」。シエナが着替えを取りに行っている間に、ラングドンはパソコンを開くと、イニャツィオからのメールが届いており、「会えなかったが、無事か? 我々が盗んだ物は隠した。“天国の25”。私も追われている」と書いてある。友達の服だと言ってシエナが持ってきた服を脱衣所で着ると、背中に湿疹が広がっている。
 着替え終わったラングドンは背広のポケットにバイオチューブが入っているのを発見する。シエナはそれが危険物の運搬に使われるもので、指紋認証装備付きの政府支給品であることを教える。試しにラングドンが自分の指紋を認証させると、チューブが開き、人骨が出てくる。表面には人間を喰らう3面の悪魔が描かれていて、中世に黒死病を表す時によく使われた図柄であった。「これはファラデー・ポインターよ」。ラングドンがポインターを振ると、そこから放たれた光はボッティチェリが描いたダンテの“地獄篇(インフェルノ)”を映し出すのだった。ラングドンが幻覚で見た拷問、罪人、烙印の文字、ただれた肌の嘘つき、頭のねじれた魔術師、蛇がそこに描かれていた。シエナはアメリカ領事館に電話することにする。
 「ラングドン教授?」「ああ」「探してました。例のものは?」「持ってる」「そちらはどこですか?」。ラングトンは電話を切ると、すぐに非通知の電話がかかってくる。窓から見えるホテルを見て、そのホテルの名と部屋番号を言うラングドン。
 “世界保健機関(WHO)指令車 午前6時37分”の字幕。とばす車。
 ラングドン教授はボッティチェリの絵を見て「オリジナルにない文字が見える。R、E、C、V、R、T、A……、真実は死者の目を通してのみ見える ゾブリスト」と言う。(明日へ続きます……)
 
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山田宏一・和田誠『ヒッチコックに進路を取れ』その2

2018-01-22 05:21:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。
・「Y (前略)ヒッチコックはドイツのウーファの撮影所で映画を撮り始めて、ドイツ映画、特にフリッツ・ラングやF・W・ムルナウの影響をすごく受けたと言ってるしね。『第十七番』なんかでも、幽霊屋敷みたいな空家に入った男が、突然列車の轟音におどろく。と、その恐怖におびえた顔がドイツ表現主義映画のようにビョーンと長くのびて歪むとか。もちろん光と影の怪奇的な使い方なんかもね」

・「Y (前略)ヒッチコックでは一番表現主義映画風なのはやはり『第十七番』かなあ、影の使い方なんか。前半の空家のシーンはほとんど真っ暗闇の中でロウソクの光だけでドラマが展開するし。それでも突然、死体の手が階段の途中からぬっと出ていたり、おどろおどろしいムードの中でもさりげなくユーモアも散りばめられていて、もしこれが別の監督の名になっていても、誰もが『まるでヒッチコックみたいだ』って言うだろうな。音の使い方なんかにしても
 W ドアノブに伸びる手の影が先にノブに届く、なんてのは面白い影の使い方だった。縛られたまま手すりが壊れて高い所でぶら下がっちゃうところも、お得意の高所のスリルだね。
 Y そして、映画の後半はこれもヒッチコックお得意の走る列車のシーンになる。それと、列車を追うバス。ハッピーエンドも見事だしね。
 W 空家のシーンは実験映画みたいな趣きがあるけど、列車のシーンになると一転してアクション映画みたいになる。列車もバスもスピードの恐怖を出してるしね。ラストに洒落たオチがついてるのもいいな」

・「Y (前略)『リッチ・アンド・ストレンジ』という映画の方は、ちょっと倦怠期の若夫婦が世界一周旅行の途中で、特に夫の方は浮気なんかして、別れてはくっついて……といった話で、ヒッチコックがハリウッドに行ってすぐ撮る『スミス夫妻』という、キャロル。ロンバートとロバート・モンゴメリー主演のロマンチック・コメディにつながるような面白い映画でね。キャロル・ロンバートもブロンドだね。
 ヒッチコック好みの男優もこの時代にすでに出てくるね。『スキン・ゲーム』のエドマンド・グウェンはのちに『海外特派員』や『ハリーの災難』に出てくる。『殺人!』のハーバート・マーシャルも『海外特派員』に出てくる」

・「Y サイレントからトーキー時代になって、『恐喝(ヒッチコックのゆすり)』がまず、まさにヒッチコックならではの素晴らしさだね。『恐喝(ゆすり)』という題で東京近代美術館フィルムセンターのイギリス映画特集で上映したのがかなり前のことで、戦前も劇場未公開作品だったわけだけど、いまではDVDでしか観られないとはいえ、とにかく観られるというだけで嬉しい。ヒッチコックのトーキー第一作であるばかりか、イギリス映画のトーキー第一作という歴史的な作品でもある。(後略)」

・「Y 実際トーキー事始めといった映画的な面白さにあふれている。とくに朝の食卓で『ナイフ、ナイフ、ナイフ……』という声だけがヒロインの脳裏にひびくところなどは、最も有名なヒッチコック・シーンの一つだけど、何度観ても、やっぱりすごい」

・「W 食事の最中に血なまぐさい話をする、というのもヒッチコック好みのアイデアだね。最初の犯人逮捕のシーンも鮮やかなものだね。犯人側から刑事たちを見るところなんか、実にうまいキャメラワークをやってる。
 Y 犯人が手に持って広げている新聞越しに、キャメラが、犯人の眼になって、壁にかかっている小さな鏡にうつった刑事たちの姿をとらえるところ」

・「Y (前略)ヒロインを演じるアニー・オンドラはチェコの女優で、ヒッチコックのサイレント映画の最後の作品になる『マンクスマン』にも出ているんだけど、ブロンドでセクシーで、いたずらっぽくて、コケティッシュで、男を誘い込むっていうか、すでに典型的なヒッチコック美人だね。一人の男とデートしながら、こっそりもう一人の男の誘いにも乗るというあたりもね」


 ここまでで全671ページ(目次、索引は除く)中の27ページ。このまま書き続けると、膨大な量になってしまいます。ということで本の紹介はここでお終まい。残りの部分は是非ご自分で買ってお読みください。これだけ映画知識のある方同士の対談はめったにお目にかかることはできないと思います。文章も平易だし、語られている内容も実際に映画を観ているような錯覚に陥るほどの描写能力を発揮されていて、ヒッチコック映画を観る際には、最高のガイドブックになっていると思います。値段は税込みで1620円。買う価値は絶対にある!! 映画好きな方はお手元に置いておいて損はないと思います。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto