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斎藤美奈子さんのコラム・その15 & 山口二郎さんのコラム・その1

2018-01-20 07:07:00 | ノンジャンル
 恒例となった水曜日の東京新聞に掲載されている斎藤美奈子さんのコラム「本音のコラム」の第15弾。
まず、去年の10月4日に掲載された「悪玉トリオ」と題されたコラム。
「絶対的な権力を握る女のボスと、頼りない二人の側近。見覚えのあるチームの編成だなと思っていたが、やっと思い出した。シリーズ化もされた往年のテレビアニメ『タイムボカン』だ。
 『タイムボカン』は、行方不明になった博士や宝物(ダイナモンド)を探して主人公らが時間旅行に出かける物語なんだけど、行く先々で彼らを邪魔する悪玉チームが女のボスと二人の手下からなる三人組なのだ。
 ボスのマージョは高飛車で、ダイナモンドを手に入れるためなら小細工もだまし討ちもあり、手下のワルサーとグロッキーはボスに服従しているが、ドジなので毎度ボスにドヤされる。
 どこかの党にそっくりじゃありません? 一気に政権を取りに行くかと思いきや『政権奪取をめざすのは次の次くらい』と述べてズッコケさせた若狭勝氏。『三権の長を経験された方は、ご遠慮いただいたほうがいい』と述べ『何様』感を露呈した細野豪志氏。その上に君臨し『リセットします』『排除します』と宣告する小池百合子氏。
 踏み絵を踏み、持参金まで納めてこの党から出馬するメリットがあるのかしら。『やっておしまい!』というボスの命令が規範のすべて。仮に当選しても捨て駒にされるだけの外様だよ。アニメの悪玉トリオは最後、必ず自滅する。それもまた教訓。」

 また、10月26日に掲載された「数からいえば」と題されたコラム。
「自民党の圧勝で終わった衆院選。野党の分裂が自民党への漁夫の利として働いた、という人も多い。仮に民進・共産・自由・社民の野党四党が候補者を統一していたら、朝日新聞は六十三、毎日新聞は八十四の小選挙区で勝敗が逆転していた可能性があったと試算している。今となっては後の祭りというわけだ。
 でも、それは数だけの論理である。数の論理でいえば、もともと小選挙区制度は民意を正確に反映しない。小選挙区の自民党の得票率は約48%。それなのに議席占有率は約74%。絶対得票率は約25%にすぎない。
 また、全国の十一の比例ブロックにおける各党の得票率を見ると、自民は29%(北海道)~22%(東北)。七ブロックで立民が希望を上回っている(小数点以下四捨五入)。仮に全国統一の比例代表制なら、自民党は二百議席にも届かず、国会の勢力分布図は大きく変わっているはずなのだ。
 民進党の求心力はすでに落ち、野党共闘にも限界があるとしたら、私たちは二大政党制の幻想から覚めて、選挙制度を根本的に見直すべき時期に来ているのではないか。立憲民主党の躍進はミニ勝利にすぎないが、大きな一票になるかもしれない。反自民の有権者はけっして少数ではないのである。」

 同じく、これはここでは初めての転載となりますが、同じく東京新聞の1月14日の日曜日に掲載された、山口二郎さんの『反逆の意義』と題されたコラム。
「小学館が出しているSAPIOという雑誌の最新号に、中国や韓国のメディアで日本政府を批判するのはけしからんという記事が載っていて、私の発言も反日的と批判されている。けんかを売りたいなら買ってやる。特定の政権を国家そのものと同一視し、政権批判を行う者を反逆者と攻撃するのは、独裁国家に共通した論法である。
 折しも、安倍政権は今年が明治維新から百五十年の節目ということで、維新の指導者を顕彰するキャンペーンを展開しようとしている。歴史は、広い時間幅で見る必要がある。維新の功労者は、江戸時代の末期には徳川政権に対する反逆者であった。今年の大河ドラマの主人公である西郷隆盛は、維新のわずか十年後、再び反乱を起こして失敗し、自害した。歴史の転換期においては、時の権力を恐れず、自らが信じる未来のために反乱を企てる者が、歴史を動かすのである。
 政府が維新を礼賛したいというなら、維新の原動力となった下級武士の反乱精神こそを称揚し、学校教育で広めるべきである。反日などというくだらないレッテルを貼って批判的な議論を抑圧しようという人々にも言いたい。
 権力に尻尾を振って、権力のなすことをすべて正当化する人間こそ国を誤った方向に導く元凶であるという歴史の教訓を学ばなければならない。」

 斎藤さん、山口さんともに、歯に衣着せぬ物言いで、読んでいてすがすがしい思いがしました。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto

P.S 昔、東京都江東区にあった進学塾「早友」の東陽町教室で私と同僚だった伊藤さんと黒山さん、連絡をください。福長さんと首を長くして待っています。(m-goto@ceres.dti.ne.jp)