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斎藤美奈子さんのコラム・その68&前川喜平さんのコラム・その29

2020-09-17 06:54:00 | ノンジャンル
 恒例となった、東京新聞の水曜日に掲載されている斎藤美奈子さんのコラムと、同じく日曜日に掲載されている前川喜平さんのコラム。

 まず9月9日に掲載された「自民と同じ?」と題された斎藤さんのコラムを全文転載させていただくと(一部改変)、
「合流新党の代表選が盛り上がっていない。世論調査の結果を見ても六割が「期待していない」。自民党の総裁選に偏った報道のせいだ(怒)、とばかりもいえまい。なぜ期待がもてないか。
① かわり映えのしないメンツ。枝野幸男氏は旧民主党政権の官房長官だった方である。あの頃から同じようなメンバーが出たり引っ込んだりしてるだけ。後継者が育ってないのは自民と同じ。
② 若手や女性を積極的に登用すると言ってるわりには、おっさんだらけ。自民と同じ。
③ 投票権のある党員投票を実施せず、国会議員だけの代表選。幅広い声を集める気がないという点では自民と同じ。
④ 代表選に立つには国会議員二十人の推薦が必要。自民党議員は約四百人。規模が違うのになぜ自民と同じ二十人? これだと当選回数が少ない気鋭が出にくい。
⑤ 投票どころか告示前から結果が見えてる出来レース。自民と同じ。
⑥ 苦言を呈すと「野党の足を引っ張るな」という声が支持者から飛んでくる。自民と同じ。
 同じなら、安定している与党のほうがマシって思う人は多いよね。自民と違うのは、小事にこだわること、PRが下手なこと。政策はもちろん大事。しかし演出も大事です。埋没してほしくないから言ってるの。枝野さんでほんとに選挙を戦える?」

 そして、9月16日に掲載された、「幼稚な国」と題された、斎藤さんのコラム。
「大阪なおみ選手の全米オープン優勝。人種差別への抗議に国内のスポンサー企業が「手放しでは喜べない」などの反応を示したという報道もあったけど、どこの企業よ。どうして彼女のメッセージを支持し応援するっていえないのかなあ。
 もっとも大坂選手に対する敬意を欠いた態度は一部のスポンサーだけではなかった。2018年、彼女が全米オープンを制した際の日本社会の対応を思い出してほしい。
 あのとき日本のメディアは日本語でインタビューに答えるよう半ば彼女に強要し、カタコトの日本語を「かわいい」「おもしろい」と評したあげく「なおみ節」は新語・流行語大賞にノミネートまでされたのだ。たが実際に彼女は……。
 「日本人? アメリカ人? ハイチ人? 黒人? 言ってみれば、私はこれらすべてです」「バイレンシャル(両親の人種がそれぞれ異なること)、特にバイレンシャルのアスリートは日本の未来を担う存在であり、私たち(私自身や八村塁さんなど)は日本で受け入れられています」「少数の無知が、多くの人の前進を妨げてはいけません」
 「ELLE」ウェブ版に7月13日付で載った大坂選手の寄稿の一部だ。高い見識をもつ女性アスリートを全力でコドモ扱いした日本社会の幼稚さに今さらながら赤面する。猛省したほうがいい。」

 さらに9月13日に掲載された、「日本国民は蒙昧の民か」と題された前川さんのコラム。
「安倍晋三首相の辞任表明と菅義偉氏の自民党総裁表明の前後に行われた世論調査の結果には、暗澹(あんたん)たる気持ちになった。辞任表明前の8月22~23日に共同通信が行った世論調査で36.0%まで落ちていた内閣支持率は、辞任表明直後の29~30日の調査では56.9%に跳ね上がった。同じ29~30日の調査で、次期首相にふさわしい人のトップは石破茂氏で34.3%、菅義偉氏は14.3%だったが、有力派閥がこぞって菅氏を推し、菅氏の勝利が確実になった9月8~9日の調査では、菅氏が50.2%でトップとなった。
 「病気で辞める人はねぎらってあげるものだ」とか「自民党の偉い人たちが応援する人は立派な人に違いない」とか思ったのかもしれないが、1週間や10日でここまで極端に意見を変える国民が民主国家の主権者たり得るだろうか。僕は魯迅の「阿Q正伝」を思い出した。百年前の中国を舞台に無知蒙昧(もうまい)な民阿Qの愚かな生涯を描いた話だ。日本国民は阿Qに成り下がったのではないか。
 愚かな国民は愚かな政府しか持てない。賢い国民が育つために決定的な役割を果たすのはメディアと教育だ。メディア関係者と教育関係者が権威主義や事大主義に毒され、同調圧力に加担し付和雷同に走るなら、日本国民はますます蒙昧の淵に沈んで行くだろう。」

 どの論評も、私たちが常に思っていることを代弁してくれている素晴らしい論評だと思いました。特に最後の前川さんの文章「賢い国民が育つために決定的な枠割を果たすのはメディアと教育だ」には激しく同意しました。みなさんは、どうお考えになりますか?

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