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神代辰巳監督『赤線玉の井 ぬけられます』その4

2020-09-24 07:25:00 | ノンジャンル
 また昨日の続きです。

 志波「どうしたんだ?」シマ子「あら」「あらじゃねえや」「いつの間に寝ちゃったのかしら」「俺が帰ってこなかったら朝までこうして眠っているつもりだったのか? しょうがねえ」「何時?」「11時だよ」「今頃までどこ行ってたの?」「何?」「誰とどこへ行ってたのって言ったのよ」「バカ野郎」「どうして?」「わからないのか? 俺にそういう口のきき方、許さねえぞ」「何でよ」「理由を聞くな! シマ子じゃなく、俺のおふくろでも男がいつどこで何をしてるか、女には関係ねえ」「でもどうしても知りたいのよ」「どうしたんだ。お前、え?」「会いたかったの」。「かっぱからげて~♪」の音楽。ヤクを打とうとする志波。「もうよしなさいよ」「何を言ってるんだ」「いつまでそんなの打ってんの? そんなことをしていて腕に真っ赤なお日様入れられると思ってんの?」「バカ、お前おかしいんじゃないか?」「ねえ、もうダメ。こんな注射なんかしていちゃダメよ。ねえ、これ今日の額割、5千円あるわ。ねえ。あんたが堅気の娘と歩いてたって。あんたがその娘を好きだって言うならあたしは構わない。でもヒロポンは止めてよ」「おい、殴られてえのか?」「あんたが今日誰と何をしてたか知ってるわ。でももう二度と言わない。ヒロポンとか小娘とか」「男に指図をしたかったら、男を変えろ」「怒らないでよ。お願いよ」「さわるな」「あんた」「さわるなって言ってるだろう」「何よ、こんなもの!」。ヤクとその道具を投げつけるシマ子。ガシャンという音。シマ子を殴る志波。「ねえ、いいわよ。気が済むまでぶってよ」「もうお前帰れ」「あんたがちゃんと真面目にやってくれると言うまで、あたし帰らない」「見ろ。3本も割れたじゃねえか」「何よ、こんなもん」。裸足で注射器やヤクの瓶を割るシマ子。「ケガするぞ」「いいわよ」「血だ」「平気よ。あんたが殺すって言うなら、あたし殺されてもいい」「捨てる訳じゃない」「じゃあ誓って」「お前だけだ」「ほんとに?」。「かっぱ~♪」の音楽。「嘘はつかねえ」「抱いて。今すぐして」「医者に行かなくちゃ」「いや、あんたがやってくれるまで」
“直子二十五人目”の字幕。
 股火鉢をする直子。「母さん、25人目よ」「変わってるよ、お前」「あと二人。頭がボーとしてるけど」。
 直子「お待ちどうさま。して」「熱いなあ」「燃えてるのよう」「あつ、あつ」。
 ドブを走るネズミ。
 “公子の旦那は迎えに来なかった”の字幕。
 降る雪。
 “これは店じまいの鐘である”の字幕。
 11時30分を示す目覚まし時計。火鉢を運ぶ直子。君が代。「お兄さん、まだ遊びでいいわよ。ねえ、寄ってって」「何だよ。びっくりするじゃんかよ」「出していっちゃってよ」「もう出したよ」「まだ出るでしょ?」「もう出ねえよ。だけどおめえ、おばけみてえじゃねえか」「あら、どうして?」「髪はモジャモジャで目ばかりギロギロさせて」「そうかしら。でもおばけじゃないわよ。ねえ、お願い。寄ってって」。
 “繁子はみんなに黙って鞍替えをすることにした”の字幕。
 自転車の荷台にカバンをくくりつける繁子。
 “繁子の道具は海のように広かったと云う”の字幕。
 浜辺の映像を映し出して、映画は終わる。

 ラスト近くのシマ子と志波のワンシーン・ワンカットは見事でした。神代監督の代表作の一本だと思います。

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