また昨日の続きです。
8月15日 学校内裁判・開廷日。法廷で明らかにしようと試みるのは、柏木卓也という男子生徒の死の真相。彼に関する情報が検事である涼子によって語られ、彼が学校でも札付きの悪で通っている大出俊次らによって屋上から突き落とされるのを見たという目撃情報、そしてそれについて送られた告発状、卓也が不登校になったきかっけとなった俊次らとの理科室での喧嘩について語られた。そして目撃情報が信ずるにたるものとして、俊次を卓也殺害の罪で起訴すると涼子は言った。俊次は「やってない」と言い、弁護側の神原和彦は、目撃情報は札付きの悪である俊次が殺したという空想だとして、被告人は無罪だと主張した。
検事側の最初の証人は楠山先生で、和彦は卓也が亡くなった当日の様子を聞いた。次の弁護側の証人は元校長で、涼子は遺体発見時の様子、柏木家を訪れた時の様子、岩崎主事に関すること、屋上への鍵のこと、卓也の担任だった森内先生への評価、また森内先生が告発状を盗まれた事実などについての質問した。元校長への検事側からの反対訊問では、屋上へ行くには「下見が必要」だったことが明らかにされ、次の弁護側の証人、土橋雪子は弁護側から卓也が不登校になった後に校内の図書館で彼と会ったことが明らかにされた。次の証人は弁護側から卓也の父である柏木則之。しかし証言の途中で傍聴席にいた卓也の兄・宏之が「父の証言には嘘がある」と言い出し、証言が中断する。その後、則之氏は告発状の内容を確認し、その内容は記者の茂木から知らされ、告発状を出した生徒を調べるため学校が調査していることも茂木に教えてもらったと証言した。そして弁護側は次の証人として茂木を出す。茂木はこの法廷では物証がなく、証人たちの記憶だけが頼りだと指摘し、今まで扱った自殺のケースで遺書がなかったケースは一つとしてなかったと言う。弁護側は証人として柏木宏之に質問すると、彼は「卓也は負けを嫌うので、自殺はありえない」と言い、当日の電話も「これから死ぬつもりだ」と両親を脅かすためにかけたと言うが、彼の証言は想像に負うところが大きいとして却下された。次いで再び証人とされた柏木則之は、留守電にしていた時期を話し、自殺当日に卓也の家にかけられた5回の電話に出たのがすべて卓也である可能性が高まった。その夜、涼子の元へ俊次の子分である井口から電話がかかってくる。
8月16日 学校内裁判・二日目。今日は検察側の証人・城東警察署少年課の佐々木礼子刑事への尋問から始まった。検事側の尋問は、卓也の死後警察がどう動いたか、これまでの証人と被告人との関わりについての関係に至るものだった。礼子は早い段階で自殺と判断し、大出は人を殺すほどの度胸もないと言った。次の検事側の証人・井口は、事件当日に俊次とは会っていないと言い、卓也が死んだ時刻には自宅にいたと答えたが、卓也の葬式の後、俊次が「自分が殺した」と言っていたと証言する。「俊次は自分や橋田をバカにしてたから、ホントにでっかいヤバいことなら俊次が一人でやるかもしれないと思う」と井口は言い、俊次が卓也を嫌っていたとも言った。そして卓也も彼らのことをバカにしていたとも。そして理科室で卓也は「人を殺したこと、ある?」と聞き、俊次が「おまえ、誰か殺したいのか」と訊くと、卓也は「うん」と答え、俊次が「やっぱおまえアタマくるってる」と言って教室を去ろうとすると、卓也が椅子を投げつけ、その後喧嘩になったのだと井口は語った。そして井口は告発状は嘘っぱちだと主張し、橋田が俊次と切れたがっていたので、自分のこともバカにしていた橋田が告発状を書いたと思い込んだのだと井口は言った。井口は見舞いにも来てくれなかった俊次はもう自分のボスではないとも言った。午後は弁護側の証人・美術の丹野先生だった。卓也とは何度か話をしたことがあり、卓也が〈絞首台の上のカササギ〉という絵に惹かれていたと語る。カササギは密告者を表し、死を強いられる存在で、学校から排除され、独りぼっちだった卓也も、またカササギだったと。また卓也は学校に行くのをよそうと決めたので、俊次たちに心情をぶつけたのだとも語った。 そして卓也が慕っていた塾の先生が辞めざるを得ないなったことに、ひどく憤慨していたことも丹野先生は語った。次に検事側は俊次らが強盗傷害事件を起こした相手の増井望の供述調書を提出した。弁護側は本件とは直接関係がないとして、証拠として取り上げることに反対し、認められた。(また明日へ続きます‥‥)
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
8月15日 学校内裁判・開廷日。法廷で明らかにしようと試みるのは、柏木卓也という男子生徒の死の真相。彼に関する情報が検事である涼子によって語られ、彼が学校でも札付きの悪で通っている大出俊次らによって屋上から突き落とされるのを見たという目撃情報、そしてそれについて送られた告発状、卓也が不登校になったきかっけとなった俊次らとの理科室での喧嘩について語られた。そして目撃情報が信ずるにたるものとして、俊次を卓也殺害の罪で起訴すると涼子は言った。俊次は「やってない」と言い、弁護側の神原和彦は、目撃情報は札付きの悪である俊次が殺したという空想だとして、被告人は無罪だと主張した。
検事側の最初の証人は楠山先生で、和彦は卓也が亡くなった当日の様子を聞いた。次の弁護側の証人は元校長で、涼子は遺体発見時の様子、柏木家を訪れた時の様子、岩崎主事に関すること、屋上への鍵のこと、卓也の担任だった森内先生への評価、また森内先生が告発状を盗まれた事実などについての質問した。元校長への検事側からの反対訊問では、屋上へ行くには「下見が必要」だったことが明らかにされ、次の弁護側の証人、土橋雪子は弁護側から卓也が不登校になった後に校内の図書館で彼と会ったことが明らかにされた。次の証人は弁護側から卓也の父である柏木則之。しかし証言の途中で傍聴席にいた卓也の兄・宏之が「父の証言には嘘がある」と言い出し、証言が中断する。その後、則之氏は告発状の内容を確認し、その内容は記者の茂木から知らされ、告発状を出した生徒を調べるため学校が調査していることも茂木に教えてもらったと証言した。そして弁護側は次の証人として茂木を出す。茂木はこの法廷では物証がなく、証人たちの記憶だけが頼りだと指摘し、今まで扱った自殺のケースで遺書がなかったケースは一つとしてなかったと言う。弁護側は証人として柏木宏之に質問すると、彼は「卓也は負けを嫌うので、自殺はありえない」と言い、当日の電話も「これから死ぬつもりだ」と両親を脅かすためにかけたと言うが、彼の証言は想像に負うところが大きいとして却下された。次いで再び証人とされた柏木則之は、留守電にしていた時期を話し、自殺当日に卓也の家にかけられた5回の電話に出たのがすべて卓也である可能性が高まった。その夜、涼子の元へ俊次の子分である井口から電話がかかってくる。
8月16日 学校内裁判・二日目。今日は検察側の証人・城東警察署少年課の佐々木礼子刑事への尋問から始まった。検事側の尋問は、卓也の死後警察がどう動いたか、これまでの証人と被告人との関わりについての関係に至るものだった。礼子は早い段階で自殺と判断し、大出は人を殺すほどの度胸もないと言った。次の検事側の証人・井口は、事件当日に俊次とは会っていないと言い、卓也が死んだ時刻には自宅にいたと答えたが、卓也の葬式の後、俊次が「自分が殺した」と言っていたと証言する。「俊次は自分や橋田をバカにしてたから、ホントにでっかいヤバいことなら俊次が一人でやるかもしれないと思う」と井口は言い、俊次が卓也を嫌っていたとも言った。そして卓也も彼らのことをバカにしていたとも。そして理科室で卓也は「人を殺したこと、ある?」と聞き、俊次が「おまえ、誰か殺したいのか」と訊くと、卓也は「うん」と答え、俊次が「やっぱおまえアタマくるってる」と言って教室を去ろうとすると、卓也が椅子を投げつけ、その後喧嘩になったのだと井口は語った。そして井口は告発状は嘘っぱちだと主張し、橋田が俊次と切れたがっていたので、自分のこともバカにしていた橋田が告発状を書いたと思い込んだのだと井口は言った。井口は見舞いにも来てくれなかった俊次はもう自分のボスではないとも言った。午後は弁護側の証人・美術の丹野先生だった。卓也とは何度か話をしたことがあり、卓也が〈絞首台の上のカササギ〉という絵に惹かれていたと語る。カササギは密告者を表し、死を強いられる存在で、学校から排除され、独りぼっちだった卓也も、またカササギだったと。また卓也は学校に行くのをよそうと決めたので、俊次たちに心情をぶつけたのだとも語った。 そして卓也が慕っていた塾の先生が辞めざるを得ないなったことに、ひどく憤慨していたことも丹野先生は語った。次に検事側は俊次らが強盗傷害事件を起こした相手の増井望の供述調書を提出した。弁護側は本件とは直接関係がないとして、証拠として取り上げることに反対し、認められた。(また明日へ続きます‥‥)
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