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宮部みゆき『ソロモンの偽証』第2部 決意・その2

2013-11-26 10:17:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。
 和彦と健一は、俊次の祖母のヘルパーを訪ね、放火の手口がプロ級で、“花火師”の仕業だと警察の人が話していたと聞く。涼子はHBSの茂木記者の訪問を受ける。茂木は告発状の差出人だという大人の女性から電話が掛かって来て、「涼子たちの学校内裁判を取材して放送してほしい」と言ってきたのだが、その女性が口をすべらして「うちの樹理は」と言っていたことを明かす。涼子は森内教諭の郵便窃盗事件の真相を持ち出し、それを相手の弱味として、茂木に裁判への介入をしない約束をさせる。一方、和彦と健一は北尾先生と卓也のことを話し、彼が自分を取り囲んでいいるものはゴミばっかりで、いつになったら、このゴミから抜けだせるんだろうと考えていたのでは、と話す。涼子と吾郎は樹理の家を訪ねるが、茂木への電話の件を話すと、樹理の母はわめき出し、背後の樹理の顔からはニキビが消えていた。涼子は「告発状を書いたのがあなたなら、あなたのことはわたしが守る。是非検事側の証人になってください」と連絡先を書いて置いてくる。樹理は母のことを心の底から軽蔑していた。彼女が登校拒否をするようになってから、彼女が望むニキビ治療をさせてもらえるようになったので、ニキビはみるみる消えていったのだった。そして茂木のさらし者にされるぐらいなら、検事側の証人になって、涼子に守ってもらうしかないと考えるのだった。夜、和彦は涼子に電話し、涼子の父に花火師の意味を聞いてほしいと言う。涼子の父は花火師とは人命を尊ぶ放火のプロのことだと教えてくれる。そしてその後、涼子の家に、樹理が両親と訪ねてくる。
 翌日、和彦と健一はクビになった主事の岩崎に取材し、当日の夕方に卓也らしい男の子を目撃した小林電器店の店主がいるという情報を得る。その後、2人は俊次の元へ向かうが、彼はアリバイのことを口にして、また父に殴られていた。そしてアリバイのことを彼の母に聞こうとすると、彼は母にも暴力が及ぶと考えて、絶対に聞くなと言い、最近父の機嫌がどんどん悪くなっていると言う。大出家の弁護士・風見は2人にアリバイの調査は母のものに留めなさいと言う。父については大人の世界だから手を出すなとも。
 涼子と吾郎は松子の家を訪れる。涼子は「告発状の差出人」ではなく「告発状の差出人を特定するために必要な証人」を確保したと言い、事件を目撃したのは松子だと主張する。松子の母は激しく反論するが、やがて涼子がその話を信じていないことを悟る。健一は卓也の兄から卓也に関する書類を送ってもらっていた。和彦と健一は卓也が親しくしていたという美術教師を訪ね、卓也が演劇部の古野章子に好意を示していたこと、和彦のことを心配していたことを聞く。和彦と健一は早速章子に会いに行き、卓也が彼女の演劇を評価してくれたことがあったと教えてもらい、彼が死ぬとしたら「無意味に生きることに飽き飽きしたとき」だと答える。
 検事側の3人と北尾先生は卓也が飛び降りたとされる屋上の現場検証をする。その後、涼子は警察を訪ね、俊次ら3人が起こした強盗傷害事件の被害者を教えてもらう。その頃、弁護側の2人は元校長と森内先生の元を訪れ、卓也がどんな生徒だったか聞いていた。そして検事側は樹理と松子が映っている防犯カメラの映像を入手する。そして強盗傷害事件の被害者・増井君に会いに行くと、いかに酷い事件だったかを詳しく話してくれた。涼子は井口から調書を取ることを決意する。
 翌日、弁護側は卓也の兄がくれた自殺当日の通話記録のリストをチェックしていた。小林電器店の店主の目撃情報はあまりにも曖昧で、有力な情報とはなりえなかった。2人は俊次の元を訪ねると、俊次の母に直接会うことができ、当日の俊次のアリバイについての記録を書いてくれた。母がディナーショーに行ったのは翌日の間違いで、当日大出母子は午後7時半ごろに一緒に夕食をとっていた。父が帰宅したのは9時前で、3人の客を伴い、午前2時過ぎに客は帰宅。それまで客に家族を紹介するかもしれないから外出するなと言われ、来客のことは決して外部に漏らすなと言っていた、とのことだった。そして来客が〈ユニバーサル興産〉だったことも教えてくれた。(また明日へ続きます‥‥)

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto