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宮部みゆき『ソロモンの偽証』第3部 法廷・その2

2013-11-29 08:54:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。
 次の弁護側の証人は、HBSで働いていた小玉由利でした。彼女は茂木の下で働き、茂木が告発状を勝手に見つけ、彼に無理矢理駆り出されて大出家での俊次の父の暴力行為を撮影させられたと語った。当時、茂木は告発状だけを根拠に、俊次が卓也を殺したと断定し、会社の中でも逸脱していた。その後松子が死に、上司は前回の放送の検証番組をしないといけないと語ったと言う。4時近くとなり、涼子は告発状を書いた人物の供述調書を提出したが、弁護人は供述をした本人を法廷に呼ぶことを主張した。検事は要求を飲む条件として、傍聴人を入れず非公開にすること、被告人を退廷させることを了承させた。そして尾崎先生を参考人として呼び、樹理の精神状態について語ってもらった。裁判後、涼子の父は和彦に協力者を一人紹介する。
 8月17日 学校内裁判・三日目。傍聴が許されないため、茂木は陪審員の一人に取り入ろうとするが、相手にされない。遅れて到着した検事側の証人・樹理は痩せてしまっていたが、ニキビは消えていた。尋問を受けていた樹理は、感情的になり、自分をかばってくれるのは尾崎先生だけだと言い出す。やっと落ち着いた樹理は、当日の夜11時ぐらいに松子に誘われて外出し、12時頃学校へ行くと、大出が何人かと学校に入るのを見つけ、松子は井口と橋田もいると言い、屋上で卓也がフェンスを越えたところで大出らが「飛び降りろ」と命じ、やがて卓也の姿がなくなり、怖くなって逃げて帰ったと証言した。陪審員の山埜かなめは告発状と今の証言に矛盾点があると指摘する。検事は告発状の投函、証人が被告人をひどく恐れていたこと、松子の交通事故についても尋問した。そして最後に涼子は目撃証言が真実かとあえて聞いた。弁護側は橋田を証人として出した。彼は警察の厄介になったりするのが嫌になったから大出らから離れたと言う。弁護側は強盗傷害事件の被害者となった増田望の供述調書を証拠として提出し、採用された。さらに和彦は当日のアリバイについて質問し、大出は父の言いつけは絶対に守ると橋田は断言する。そして俊次は俺ら抜きで悪さはしないと。そして当日橋田が家にいた証人の供述調書を提出した。次に理科室での喧嘩について質問がなされ、卓也がホントに誰か殺そうとするんじゃねえかと心配だったと答えた。その後、12月上旬に、たまたまコンビニで会った卓也に「おまえヤバい」と橋田が言うと、卓也は「橋田君は、僕が本気だったってわかるんだね」と言い、「死ぬってことがどんなことか、よくわかるから、誰か近くにいる人間に死んでほしい」と言ったと語った。やがて垣内美奈絵が現れ、警察に出頭する前に、皆に謝罪したいと言ってきた。岡野代理は垣内にそれを許した。
 8月18日 学校内裁判・四日目。判事は森内先生が一日も早く全快されることを心から願うと言い、拍手を得た。検事側はいかにひどい強盗傷害事件だったかを明らかにするため被害者の増井を証人とする。弁護側は今野努を証人として出してくる。彼は花火師の弁護士だった。彼が弁護している花火師は、仕事の前に必ず目的の建物に住んでいる人と会うようにしていて、自殺当日にも午前0時8分に偶然に俊次と顔を合わせていた。そして被告人への尋問となった。和彦の質問に対し、俊次は「卓也を突き落としたりしていません」と断言し、「自分が柏木を殺した」ともし言っていても、それは冗談だったと思うと言う。次に和彦は俊次の本校における行状に触れ、俊次には「はい」か「いいえ」で答えさせ、暴力沙汰に関しては「ふざけただけだよ」との答えを得る。和彦はそうした行状の結果、人から恨まれるようになり、ここにいることになったのでは?と尋ねる。被告人を恨む人なら誰でも告発状を書ける、そう言って弁護人は座ると、傍聴席にいた樹理は失神してしまった。涼子は1人になり、小林電器店前の電話ボックスにいた男の子のことを和彦が「本人だよ」と言っていたことを思い出し、急にその意味に思い至る。
 8月19日 学校内裁判・五日目(終日休廷)。涼子は健一の家へ向かう。一緒に出た涼子の父は健一の家の前で探偵の河野と出会い、お互い自己紹介する。礼子は同僚の庄田に学校内裁判をマスコミから守るため、裁判と同じ時間に森内先生とお母さんが2日に渡り記者会見をすることにしたと明かされる。そして和彦の父が母を殺し、父も自殺したことを涼子に教える。一方、樹理は自分の顔が垣内の顔、嘘つきの顔だと思った。(また明日へ続きます‥‥)

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